# ゲーム業界の上層部と対話して

- Date: 2007-03-20T23:08:57Z


僕はGDCPrimeのカンファレンスで講演をしてきた。今回は「いかにユーザーが創造するオンラインゲームが新しいウェブのプラットフォームを創るか」っていう内容での講演。

それじゃ、GDC Primeって何かって？
GDC　PrimeっていうのはGDCが開催されている間に開かれる、上級レベルのカンファレンスで招待者しか参加できないものなんだ。

それで、GDCって何ってこと？
GDCはThe Game Developers Conferenceの略でゲームの開発者の為の開発者によるカンファレンスなんだ。ゲーム業界に関わりのある多くの人が参加するイベントだよ。

もしあなたがゲーム業界にいるならきっとGDCの事を知っているだろうね。
もしあなたがゲーム業界とはあまり関係のない仕事についているなら、きっと僕みたいに知らなかっただろうね。少なくとも今聞くまではね。

僕は今までにこのカンファレンスに出たことはないんだ。だから会場に着いてどんな参加者が参加しているのかを確認するまでは、講演の内容を用意しないようにしようって決めてきたよ。　会場について会った参加者は保守的な人達だったり、ハッカーだったり、今の巨大なゲーム業界に反対している人達がうまくミックスされていた印象を受けた。

僕は今、「Got Game: How the Gamer Generation Is Reshaping Business Forever 訳：いかにゲーム世代がビジネスを永久的に変えるか 」（著：John C. Beck and Mitchell Wade）っていう本を読んでる途中なんだ。この本の著者を含んだベビーブームの世代はゲーム文化が世の中に与える影響について過小評価しすぎているって事が書いてある。この世代の人から見たゲーマーっていうのはベビーブームの世代よりも新しくて大きな世代であって、ゲーマーの人達をつなげているのはゲームだけっていうことなんだ。この著者の説明では、ゲームが世の中の文化に与える影響は商用インターネットの規模よりも大きくて、TVよりも少しだけ小さい規模だって説明しているね。

僕はこの本を読んだり、ゲーム業界のトップ達と話しているうちにちょっと変な感覚に襲われた。
僕のコンピュータを始めたときの最初の経験は昼間にリサーチラボでソフトを書くことであって、夜の間には自分のゲームを作ったりしていた。僕がティーンの時に培ったのはゲームのコードを書いたりゲームのコードをハックすることだったんだ。　後になってからはMUDをやってて、最高レベルのWizardになったりとか自分だけの世界を作ったりモンスターを作ったりしてた。　こんな経験があったから僕がゲーム業界に対して持っていたイメージはハッカーの集団だってことで、ユーザーが創造するっていう事が大事だって知っていた。

それで昨日、僕がこのカンファレンスで実感した事なんだけど、既にゲーム業界は大量生産、大量配布になっててハリウッド映画産業とかテレビ産業と同じ構造になっているってこと。　今ではいくつかの会社がゲーム業界とインターネットとの橋渡しをしているんだけど、それでもその他のほとんどのゲーム開発の会社とかゲーム業界は間違った考え方をしていると思ったよ。これは初期のゲーム開発者達にも同じことがいえる。　彼らはいつもコンテンツの重要性を過大評価して、ユーザー同士のつながりたい、シェアしたいっていう気持ちを過小評価しているんだ。

歴史を見てみると、MinitelっていうフランスのVideotexをやっていたサービスは個人をつなぐコミュニケーションの機能があったから生き残ることができた。（デザイナーはコミュニケーションの機能があることをほとんど忘れていたんだけど。）　それに比べてDelphiのシステムの構造はユーザーに一方的に情報を伝えるだけで、ユーザー同士の情報交換ができる仕組みがなかったから、ダメになってしまった。　最近でもYouTubeの流行に代表されるようにユーザーからのビデオを発信するサイトはかなりがんばっているよね。

ひとつの考え方でこの進化を捕らえると、コンピューターとネットワークの進歩がコンテンツを通じてユーザー達を強くするってことがある。例えると、今までレコードとかCDとかをひとりで聞いていて寂しかったのが、カラオケとかテレビゲームが出ることによってもっとコンテンツと関われるようになって寂しいことはなくなってきた。　それが今ではMySpaceとかTextingとかBloggingとかWikipediaによってオンラインのコミュニティーに関われるようになったんだ。　それはある種類のコンテンツがどんどん減少していってる事を意味して、逆にある種類のコンテンツがどんどん増えているってことなんだ。どういうことかというと、プロフェッショナルなコンテンツがどんどんなくなっていって、僕たちユーザーの発信するコンテンツがどんどん増えているんだ。　プロフェッショナルなコンテンツは今後、重要でなくなることはないだろうけど、それはユーザー達がコミュニケートする為の基盤をつくるだけになるんじゃないのかな。

僕が恐れているのはゲーム業界のトップの人達が新しいネットワークされたゲーマー達と離れてしまうこと。GotGameの本ではMMORPGを他のゲームと同じように束ねて考えられているんだ。これはベビーブームの層とゲーマー世代の比較をするのには役立つんだけど、今までインターネットで犯した間違いと同じ様な間違いをゲーム業界が犯すんじゃないかっていう危惧がある。 今、現在の問題はゲーム業界があまりに大きくなりすぎていて、あまりに利益が上がる構造で、傲慢になっているんだ。これはインターネットで今まで習ったはずのインターネットはなかなか会議室の壁を突き破って外に出てこれないって事と同じで、大きなゲーム会社から出てこれないってことにつながるんだよね。

その一方で、この問題の意味をわかっている人達は既にいて、ネットワークされているように見える。この人達がゲーマーとゲーム会社の橋渡しとなって、２つの分断された世界をつなげる役割をしてもらいたいと期待するよ。　ゲーム業界は音楽業界が犯したのと同じ間違いをしないでもらいたい。音楽業界が犯した間違いはユーザーのニーズに反して著作権侵害などのレッテルをユーザーに貼ったことだからね。

2007/3/7　Joiの英語版ブログより
訳：Taiichi Fox








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