今週のゲストはアメリカでスタートアップを立ち上げたwebacyの共同創業者でCEOの五十川舞香さん。「web3の安全性」や「保有するデジタル資産の守り方」について話し合いました。
web3といえば、「危険」「怪しい」「詐欺」などというイメージがつきまとうもの。実際、仮想通貨やNFTを対象にした詐欺やハッキングなどは、かなりの頻度で起きています。ブロックチェーンを基盤とするweb3時代に、デジタル資産とどう向き合い、どう守っていくべきなのか?これまでweb2時代からセキュリティ問題に取り組んできた五十川さんにお話を伺いました。
【編集ノート】
編集ノートには毎回番組で登場した難解な用語や固有名詞などの意味や内容をまとめています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。
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今週のポッドキャスト配信について
Podcast Transcript
伊藤穰一:こんにちは。伊藤穰一です。今日はweb3のセキュリティの話をしたいと思います。今日のゲストは五十川舞子さんです。彼女は最近、webacyっていうデジタルアセットマネジメントの会社を設立しました。舞香さん、どうぞよろしくお願いします。
五十川舞香:よろしくお願いします。
伊藤穰一:まずwebacyの説明を聞きたいんですけども、ここで一つディスクロージャーしたいんですが、私も投資を最近しました。舞香さんによろしくお願いします。webacyの説明を少ししていただいてもいいですか。
五十川舞香:はいwebacyは実は去年始めたんですけど、私は2つの言葉である、ウェブとレガシーを重ねてwebacyですね。で、私たちの人生はこれからどんどん物理的ではなく、もうちょっとデジタルになってきたんですけど、そのデジタルの世界ではセキュリティーとかマネジメントなどのテクノロジーが足りないと思っています。例えば、私のチームの中では、一人の友人が亡くなったことがあったり、私は私のいとこも2年ぐらい亡くなったんですけど、そのプランがなくて、その人のソーシャルメディアなどクリプトも持っていてびっくりするほど価値があるクリプトが消えてしまいます。これは何か極端な例なんですけど、webacyは皆さんのデジタルな人生資産などを守るための会社です。
伊藤穰一:なるほど、それで何かウェブサイト見るとパスワードがいらないとか、少しどうやって守るという仕組みを教えていただいてもいいですか。
五十川舞香:はい。クリプトセキュリティーの中で一番重要なポイントは、パスワード、シールフレーズとかプライベートキーなどを誰にも教えないことですよね。なので、webacyはその仕組みはそれを使わずに展開しています。で利用しているのは、そのテクノロジーはPre-approvalSmartContractといいますが、そのユーザーは自分でいろんなルールを立てて何がいつ、誰になどのプランをウェブのサービスを使って立てています。
伊藤穰一:舞香さん。ちょっとじゃ今の話を少し噛み砕いて言うと、自分が持ってるウォレットの中でいろんなアセットをどっかの例えば、自分の娘のwalletにTransferをするっていうのをサインしてで、自分が亡くなったら、僕のパスワードなくても、そのTransferが勝手に起きるっていうそういう構造になってるわけですが。
五十川舞香:そういうInfrastructureを作っています。
伊藤穰一:そうすると逆にいろんなもうちょっとGeneralのSmart Contract例えば。そのこういう条件があってとか、この契約が済んだら、もうその後はもう事前にサインしてあるから、法律の契約とおんなじで勝手にあのアセットがこの条件を満たしたらTransferをされるというそういうジェネラルな技術にもなるってことですよね。
五十川舞香:そうです。特にSeed PhraseとかPrivate Keyをなくした条件でもいろいろできます。
伊藤穰一:なるほど。だからそういう意味でいうと、レガシーのところはファーストステップだけれども、いろんな意味でweb3のセキュリティーを良くする新しいインフラストラクチャーへのパーツの一つっていう感じですね。
五十川舞香:はいそうです。
伊藤穰一:いや、実は最近、僕もツイッターで総理がウェブの話を何か演説でしてるのをツイートしたら、特に海外なんだけども、僕の実は元仲間を結構いるんですが、web3はもうあんまりにも危険なので、もうすぐやめろみたいな長老みたいなコメントが結構多くて。で、特にネットワークインフラストラクチャとかセキュリティーやってる人たちがweb3について、すごくネガティブで。僕も実は17年とか18年頃はかなりまだEthereumも不安で、そしてICOのPump&Dumpがいっぱいやったから凄いネガティブなことをたくさん言ってたんだけど、今さらにそういうネガティブ、特にセキュリティー関係でネガティブな人たちが多いんだけども、ちょっとそのTrollingを見てどのぐらい大丈夫なのか。この彼らの視点からすると、絶対良くならないと思う。そもそものアーキテクチャがぶっ壊れてるから、このインフラで次のweb3を作ったらirresponsibleだって言う人がいるんだけども、舞香さんはセキュリティーをずっとやってきて、今はweb3をやっていってどういう風に思ってます。
五十川舞香:そうですね。トロールはいつでもいますので。この未踏なスペースは、安全性が問題になる可能性は高いですよね。で、アメリカではWild Westという言葉があるんですけど、安全性がない場所で、それでも機会とポテンシャルがものすごく高いスペースなので、それは今のBLOCKCHAINだと思います。
伊藤穰一:なるほど。で僕らは自分の意見になっちゃうんだけども、僕は以前例えも出してんですけど、SPAMの時は何か。すごいレギュレーションでSPAMもとめようっていうムーブメントはあってで、一時期、もうインターネット何かやめた方がいいんじゃないかっていう人もいて。
伊藤穰一:舞香さんは、まだ生まれてなかったかもしれないんだけども。一時期スパムがメールボックスの9割以上スパムだった時期があって。しかもスパムっていうのはただの嫌がらせメールじゃなくて、結構Scamが多くて。で、年寄りの人達なんか、特にそういうScamに引っかかってすごい大損したりしてたので、だけどSPAM filterだとかSPFとかいろんなDCOMとかいろんなスパム防止のプロトコルとあとはツールで、もうほぼスパムって普段の日常的なメールの生活の中ではなくはないけども、あんまり気にならないようになったのと同じなのかなっていう感じをしながら、やっぱりCrypto Assets方がスキャムのインパクトは大きいので、ちょっとスパムと特徴は違うような気がするんだけども、舞香さんからするとこういう技術のツールがキャッチアップして、今色んなスキャムとか不安定性をもう淡々と治していけると思います?SPAMみたいな感じで。
五十川舞香:難しいですね。web3でもスパムみたいなことが出てきましたよね。欲しくないがエラードロップされてくるとか、いろいろありますよね。特にNFTとかたくさんある人がそのhiddenフォルダーをOpenSeaとか使うと、1000以上のNFTが入っている言葉を見たことありますので、それがどんどん解決しなければいけない状況になっていますよね。でもスパム以外ハッキングにちょっと変わって話してみると、なんか自分的にルールとか立てて、そのルールを守っていくことで自分のことを守ることができますけど、それ以上、会社とかインフラストラクチャーが皆さんのためにその安全のルールの棚を作っていくことが重要だと思います。
伊藤穰一:舞香さん、今web3のセキュリティーで何か一番解決しなきゃいけないところとどうやって解決していくかっていう何か少しお話ししてもらっていいですか。
五十川舞香:そうですね。たぶん一番解決しなければいけないポイントは一人一人のEDUCATION。ユーザーのことですよね。ハッキングとか安全性にとって怖くなることがあると思います。特にそのブロックチェーンの中で何か一般的なユーザーはたぶんクリプトは安全ではないとか使わない方がいいかなという考えがあるかもしれませんので、自分でセキュリティーのためのルールを守って、そのハッキングの被害者にならない確率が上がるので、そのルールは多分たくさんあるんですけど、メインはそのSeed Phraseを守ることで、もう一つは信頼してないWEBサイトに行かないとか、取引をしないことですよね。
伊藤穰一:だからコンビネーションだよね。特に最初はリテラシーがないと結構本物っぽい嘘のものはあるので、そこが一番重要で。でだんだんそれが見極めるようにインターフェースができたり、そういう悪いサイトをフィルターするツールもできてきて、そして多分リテラシーがだんだん上がっていくのにと共に、テクノロジーも良くなってきて、安全性が高まってくるよね。だから、ちょっと僕がでも気になっているのは多分スキャムとかスパムがまだどんどんスキャムの性能も上がっているのででユーザーも増えてるので、まだ良くなるまで前にもうちょっと悪くなるような気がするんだけど、被害がそれって舞香さんどう思います。
五十川舞香:それは可能性がありますよね。
伊藤穰一:うん何か僕がちょっと今気をつけてるのは、みんなで試すべきだっていう風に言ってるけれども、ただ。これからもハッキングはまだあるし、これからたぶん自分の周りにも被害もあるし、自分にもあるかもしれないので、安全だっていう風に言わないようにしてるのね。で何かをハッキリが起きたらほら、やっぱりダメじゃんという言わると困るので、だからやっぱりまだ何だろう。自分が損してもいいぐらいのアセットしかお財布に入れない方がいいとか、何かベストプラクティスもリテラシーの一部としてあるよねで。もう本当に仕事として使うとか。自分の。結構ちゃんとした投資をしたい時にはcold walletをやったとかcustodyとか何かちゃんとセキュリティーを分かってる人達と一緒にやらないと、やっぱり危険なような気はするけど、それは舞香さんどう思いますか?
五十川舞香:私も同じ考えです。やっぱりまだリスクが結構高いので、何かみんなが入っている行くようなenvironmentではないと思います。今は。時間が経ってインフラストラクチャーが良くなったら、全然大丈夫だと思いますけど、今はちょっとまだリスキーで特に私もcold walletの使い方とかhardware wallet使い方も重要だと思います。
伊藤穰一:ちなみにcold walletとかhardware walletってこういうデバイスがあってで、ここをUSBに繋いで、あ、おんなじの持ってるね。でこれでここにパスフレーズが入ってるので、これ繋がってないと誰もお財布使えないので、簡単なハッキングではクリプトアセット持っていけないとか、こういうちょっとしたちょっとしたことですごくセキュリティーは高くなるので。そういうプロダクトの普及と学びが必要で。ただ、やってみないとなかなかリテラシー上がらないので、小さい金額で実験することは凄く僕は今でも誰でも面白いんじゃないかなっていう気はします。
伊藤穰一:そういう意味で、たぶんいろいろWEBのセキュリティーに貢献しなきゃいけない。特にリテラシーの教育の部分あるんですけども、webacyとしてはweb3のセキュリティにどういうふうに貢献しているんですか。
五十川舞香:webacyは、皆さんのセキュリティシステムの一部だけですよね。webacyは、BLOCKCHAINのセキュリティに対してのinfrastructureやツールを立てていますけど、今のクリプトの世界では個人的なユーザーは自分のセキュリティーを管理しなければいけませんので、それは結構難しいことだと思います。で、web3に参加したい人が増えていくと、問題はもっと大きい質問になるんですけど。だからそのwebacyはそのユーザーのために、それそれに新しいユーザーのためにその道具とサポートのツールを作っています。
伊藤穰一:なるほど、ありがとうございます。そういう意味で、いろんなツールがavailableになって、そしてそれを組み合わせていろんなサービスもできてきてで、それとリテラシーが上がっていくっていうのが多分、僕はメーンのセキュリティな部分で、それを見ながらレギュレーションで人の行動とかできることを規制するのは多少は必要だと思うんだけども、そのアーキテクチャーが決まったり、アーキテクチャーをちゃんとわかってないレギュレーションができると、せっかくいいセキュリティーのツールの開発ができてきているのに、少しそれネガティブに圧迫すると思いますので、ぜひいろんなレギュレーターと話をしながら、何かエコシステムを作っていってくれるといいなと思います。
伊藤穰一:舞香さんもすごく不思議な面白いCareer、僕もあんまり人のこと言えないんだけども。何かいろいろテーブルに何かシルクドソレイユとか、マイクロソフトのエンジニアとかって言うんだけど、少し今までのcareer historyの話をしてもらっていいですか。
五十川舞香:はい。私の経歴が真っすぐに言うとちょっと変ですよね。まぁ前はサーカスのパフォーマーで、実はシルクドゥソレイユのトーテムというショーで、2015年2016年は日本でパフォーマンスしたんですけど、多分聞いてるか誰かがその演技を見たかもしれませんがで、その後、カリフォルニアのスタンフォード大学に戻り、コンピューターサイエンスの授業を受けて受け始め、そのいろんなインターンシップとかやりましたけど、computer scienceとかcyber securityのインターンシップとかいろいろしてで、その後はすぐマイクロソフトに入って、そこでサイバーセキュリティで政府と一緒に働いていました。
伊藤穰一:なるほどでweb3を始めたタイミングときっかけは何なんですか。
五十川舞香:実はトーテムの一緒に働いていた人の、二人がビットコイン2014年15年くらいビットコインの話をよくしていましたので、その時間、自分でinvestしたことなかったんですけど。えーといろいろテクノロジーとかcrytographyそれに興味を持ってそういうことを読み始めて学んだんですけど、NFTとかDefiに入ったのは2017年から2021年ぐらいですね。
伊藤穰一:なるほどでwebacy作ったのはいつでしたっけ。2021年です。なるほど。
伊藤穰一:舞香さんのwebacyっていうのは今じゃ何人ぐらいでPRODUCTってどんなphaseでしたっけ。
五十川舞香:今は5人fulltimeです。productフェーズにとって、本当は私の会社なんかWEB2.5の間に座ってるんですけど、social media普通のdigital identity、ソーシャルメディアのTWITTERとかインスタグラムのアカウントとかそれを操作するプラットフォームもありますけど、それはクリプトとweb3のプラットフォームは多分あと2カ月に3カ月くらいにも皆さんに開く予定なので。私が心に持つのはそのBLOCKCHAIN新しいテクノロジーを使って、その人生をもっと楽にすること、楽しくすることが必要だと思いますので、webacyとか使ったり、その難しいことを解決できるってできたらうれしいと思いますので、特にブロックチェーンの方だったらlife contractをオートメーションしたいという考えからあります。例えば。簡単に言うと、crypto willsとかcrypto prenapsなんです。離婚のこととかcrypto trust funds。子供が21歳にonlockするとか、18歳になったら、そういうコントラクトはブロックチェーンで全部載せて解決できることができます。
伊藤穰一:それでこのpodcastで、特にweb3関係の仕事中心にジョブズポータルで作ってるので、えーと何かwebacyはhiringしてますか。
五十川舞香:しています。特にエンジニアを探してます。
伊藤穰一:webacyに興味ある人はぜひCool Jobsのページに行ってみてください。舞香さん。本当に今日はありがとうございました。頑張ってください。
五十川舞香:ありがとうございます。