Joi Ito's Podcast - 変革への道

テクノロジーに精通しているだけでなく、サブカルチャーやネットカルチャーにも詳しい伊藤穰一。 かつて、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究所メディア・ラボの所長も務めた伊藤穰一がさまざまな人物を巻き込み、「これからのニッポン」を考え、どう変革していくべきなのかを議論する新しいポッドキャストがスタートします。 番組には、伊藤穰一のネットワークを通じて、世界中から様々なゲストが出演。 また、解説者として、メディア美学者である武邑光裕氏が登場し、デジタル社会の大局的な指針を伊藤穰一と共に掘り下げていきます。 議題となるテーマは毎回その時に注目されている話題や、伊藤穰一が気になっているテーマをピックアップ。 伊藤穰一の頭の中をそっくり丸ごとお届けしていきます。是非、お楽しみください。

Podcast Blog


数寄の世界と趣味の世界の関係性や違いについて考えることが、最近とても多い。 その接点に位置するのがまさに『目の眼』だ。 そして今回は、私が最近ますます没入している"無知の数寄"の世界をともに語り合った『目の眼』の井藤さんとの対談。

- Joi

番組は各種ポッドキャストプラットフォームからお聞きいただけます

本エピソードは目の眼のウェブサイトで「見る」ことができます!

雑誌「目の眼」の特集 今週は特別企画!雑誌「目の眼」との連動企画となります。今回取材いただいた内容は雑誌でもご覧いただけます。

ウェブサイトでも特集が! Joiさんの楽しそうな顔を見てください!!

オンラインサブスクもおすすめです!申し込みはこちらのリンクから

今回のPodcastの理解度をより深めるための12のキーワード

雑誌「目の眼」

骨董・古美術の"鑑賞眼"を磨くことを目的とした月刊の専門誌です。1977年の創刊以来、読者が「美をどう見るか」「何を感じ取るか」という視点を育てることを軸に編集されてきました。

長らく里文出版が刊行していましたが、2013年4月号より発行元が株式会社目の眼へと引き継がれ、現在は番組にもご出演いただいている井藤さんが運営を担っています。専門誌としての芯を保ちながらも、現代的な編集方針へと進化を続けています。

同じく2013年には、白洲信哉氏を新編集長に迎え、大幅なリニューアルが行われました。白洲氏は、コレクターを"モノの一時預かり人"と捉え、古今東西・ジャンルを超えて「現代性」をもって美を見つめる姿勢を提案。従来の"骨董の世界だけに閉じた視野"から脱却し、読者の鑑賞眼をより深く広げる誌面を目指しました。白洲氏の退任後も誌面の刷新は続いています。

井藤丈英編集長(いとう たけひで)

雑誌「目の眼」の編集長。古美術・骨董の世界で豊富な知識を持ち、伝統文化を現代に伝える編集者として活動。自身を「完全に文系のアナログ」と話してらっしゃいますけどね。実は面白い過去を持つ方でもあります。 私はこの動画で井藤さんの凄さに圧倒されました。いや、まじですごいんで。なんならJoi Ito's Podcastのお茶特集はほぼ井藤編集長が調べ上げた情報を拝借してるだけにすぎません。いやーすごい。

戸田商店(谷松屋戸田商店)

江戸時代より続く、大阪・伏見町の道具商で、Joiさんもお付き合いをされています。はい、14代目当主の戸田貴士さんには、番組にも出ていただきましたよね。

ライフロング・キンダーガーテン

MITメディアラボの教授で、プログラミング言語「Scratch」の開発者ミッチェル・レズニックが提唱する概念で、「生涯幼稚園」を意味するもの。幼稚園で行われるような、創造的で遊び心のある学びを、子ども時代だけでなく大人になっても続けることの重要性を説く。

4つのP

ライフロングキンダーガーテンが提唱する創造的学習の4原則。Projects(プロジェクト):プロジェクト型で学ぶ、Peers(ピア):仲間と協力して学ぶ、Passion(パッション):情熱を持って学ぶ、Play(プレイ):遊びながら学ぶ。この4つの要素が揃うことで、最も効果的で創造的な学びが実現するとされます。

Interest Driven Learning

「興味駆動型学習」。自分の興味・関心に基づいて学ぶアプローチ。教師や教科書が決めたカリキュラムではなく、学習者自身が「知りたい」「やりたい」と思うことを追求することで、より深く、持続的な学びが可能になるという考え方。これってJoiさんの学びのスタイルそのもの!従来の詰め込み型教育への批判的視点から生まれた教育アプローチで、近年注目されています。

水屋

茶道において、茶道具の洗浄や準備を行うための作業空間を指すそうです。同時に、その場所で行われる茶道具の管理や準備などの作業自体、またはそれらの作業を担当する人を指す言葉としても使われます。

大徳寺

茶の湯の創始者とされる村田珠光が茶を道として修道するようになった場所。このため茶道ととてもゆかりがあるお寺なんだとか。茶道は大徳寺を中心に栄えたんだそうです。 大徳寺って中にめちゃくちゃ小さいお寺が詰まってます。私の中ではお寺のテーマパークと呼んでいます。

気づきの原則

ダライ・ラマの教えを学ぶチベット仏教の僧侶テンジン・プリヤダルシと共同で行われる授業で、千葉工大で提供されています。西田幾多郎などの日本の哲学や禅、瞑想を通じて「気づき(awareness)」を深める内容になってます。

西田幾多郎

日本の哲学者。千葉工業大学の前身となる興亜工業大学の設立趣意書を作成したことでも知られています。西田は日常的な体験と坐禅の経験を融合させ、主観と客観が分かれる前の原始的な純粋経験という新しい視点を提供しています。はい、シナダも2年前に「気づきの原則」の授業をとっておりましたので、読みましたよ。善の研究を。めちゃめちゃむずかしかったです。青空文庫にありますので、是非読んでみてください。

沼津倶楽部

静岡県沼津市にあるリゾート施設。Joiさんが茶道を始めるきっかけとなった場所でもあります。

取り合わせ

茶道において、複数のお道具を組み合わせて一つの美的世界を作り上げること。茶碗、茶入、花入、掛物、茶杓などをどう組み合わせるかは、亭主の美意識とセンスが問われる重要な要素なんだそう。季節感、テーマ、客の好み、道具同士の時代や産地の調和などを考慮しながら、全体として統一のとれた空間を作るとか。

今週のおさらいクイズの申請先

「おさらいクイズ」の申請先は以下の通りとなります。

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本日は、シナダがお届けします。
今日はAmplifierをご紹介しました。
はい、シナダもちょろっと触ってみましたよ。
なんかすごい感じがしました。しましたが、なんかすごい遅い!
そしてなんかすぐトークンが足りなくなる!!!

しかし自分の考えにいろんなAIエージェントが話をまとめていくのを見るのはなかなか楽しかったです。

基本英語なんですよねー。英語読めるけど、スピード早いと読むの諦めちゃったりするんで、怒涛の文字列にしがみつくのが結構大変です。

しかし、突然Joiさんから司令を受けたJoiソロ用の資料プロジェクトも改善の余地がありありなので、まずはそこから使ってみようかなと思います。頑張ります。

Joiソロ用プロジェクトの行方が知りたい方は、このブログの終わりの方にこっそり経過を書いておきます。


動画はこちらからご覧ください


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今回のPodcastの理解度をより深めるための15のキーワード

AIエージェント

特定のタスクを自律的に実行するAIシステム。2024年初頭にOpenAIがOperatorと呼ばれるAIエージェントを発表し、買い物やタクシー予約などを自動で行えるデモを公開して大きな話題となりました。多くのスタートアップがこの分野に参入しましたが、実用段階では誤作動も多く、最終的に人間の確認が必要になるケースが多いことから、一時期待が盛り下がった経緯があります。

Amplifier

Microsoftリサーチが開発したオープンソースのAIコーディング支援ツール。GitHubで公開されている実験的な開発環境で、20以上の専門的なエージェントを搭載しています。Claude Codeとの連携で動作し、まだ正式な製品ではなくドキュメントも整備されていない実験段階ですが、AIコーディングの新しい可能性を示すツールとして注目されています。

マムダニ市長のSNS戦略

ニューヨーク市長選挙で、ソーシャルメディアを効果的に活用して若年層の高い支持を獲得したマムダニ氏。全体的に映像がかっこいいんです。

@zohran_k_mamdani

♬ original sound - Zohran Mamdani

クオモ氏のフェイク動画

対立候補がAI生成のフェイク広告(存在しない職業の人物を作成)を使用して逆に批判を浴び、AIコンテンツに対する有権者の飽和や反発を示す事例として話題となりました。

Kevin Scott(ケビン・スコット)

Microsoftの最高技術責任者(CTO)。1972年生まれ、バージニア州出身。Lynchburg Collegeでコンピュータサイエンスの学士号、Wake Forest Universityで修士号を取得しました。2017年1月にLinkedInからMicrosoftのCTOに就任。LinkedInではエンジニアリング担当シニアバイスプレジデントを務め、その前はGoogleとAdMobで勤務していました。OpenAIとの戦略的パートナーシップを主導し、MicrosoftのAI戦略の中心人物です。「Reprogramming the American Dream」の著者で、「Behind the Tech」というポッドキャストのホストも務めています。番組中に登場したインスタグラムはこちらからご覧になれます。

Sam Schillace

MicrosoftのDeputy CTO(副CTO)兼Corporate Vice President。ミシガン大学で数学の修士号を取得。2005年にSteve Newman、Claudia Carpenterと共にWritelyというウェブベースワードプロセッサを開発するスタートアップUpstartleを創業。2006年3月にGoogleに約1000万ドルで買収され、WritelyはGoogle Docsの基盤となりました。Google在籍中はGmail、Blogger、Maps、Google Automotive Servicesなど多数の消費者向けプロダクトを統括。その後Boxでエンジニアリング担当SVPとしてIPOまで関与し、2021年9月にMicrosoftに参加しました。6つのスタートアップを創業した経験を持ち、「No Prize for Pessimism」の著者でもあります。

Writely

2005年8月にUpstartleという会社がローンチしたウェブベースのワードプロセッサ。Sam Schillace、Steve Newman、Claudia Carpenterの3人が、当時新しかったAjax技術とContentEditable HTML機能を実験的に使用して開発しました。ブラウザ上でのリアルタイム共同編集という革新的な機能を持っていましたが、当初は「ブラウザの使い方を間違えている」と批判されました。2006年3月9日にGoogleが買収し、2006年10月10日にGoogle Documentsとしてリリース。現在のGoogle Docsの基盤となりました。

Google Docs

Googleが提供するクラウドベースの文書作成・共同編集ツール。2005年のWritely買収を経て2006年10月に正式リリースされました。複数ユーザーによるリアルタイム共同編集、自動保存、クラウドストレージなどの機能を持ちます。当初はJavaScriptで書かれており動作も不安定で、ブラウザ内での文書編集という発想自体が懐疑的に見られていましたが、現在では世界中で当たり前に使われるツールとなっています。

JavaScript

ウェブブラウザ上で動作するプログラミング言語。元々は簡単なウェブページの動的効果を実現するための言語でしたが、Google DocsやWritelyのような本格的なアプリケーション開発にも使えることが証明され、現在ではフロントエンド開発の中心的な言語となっています。

Hacker News

Y Combinatorが運営する、テック業界で最も影響力のあるニュースサイトの一つ。技術者やスタートアップ関係者が集まるコミュニティで、まだ広く知られていない技術情報がいち早く共有される場として機能しています。Amplifierについても、このサイトで議論が始まっています。

メメント

2000年公開のアメリカのサスペンス映画。クリストファー・ノーラン監督・脚本による長編第2作で、ノーランの出世作となりました。10分間しか記憶を保てない前向性健忘を患う主人公が妻を殺した犯人を追う物語です。時系列を逆行させながら描くトリッキーな構造が特徴で、主人公はポラロイド写真、メモ、体のタトゥーで記憶を保ちます。「Memento」はラテン語で「思い出せ」という意味。インディーズ映画として製作されたが口コミで評判が広がり大ヒットしました。そういわれると、あのAIが急に記憶を無くす感じ、メメントそっくりですよね。

シンタックス

プログラミング言語の文法規則のこと。従来は正確なシンタックスを記憶することがプログラマーの必須スキルでしたが、AIコーディングの時代にはこの重要性が低下し、「何を作りたいか」という創造性や目的意識の方が重要になると予測されています。

UI(ユーザーインターフェース)

ユーザーがソフトウェアと対話する部分のデザインや機能。画面のレイアウト、ボタンの配置、操作の流れなどを指します。従来のAIコーディングはUI開発を苦手としていましたが、Amplifierではこの部分も大幅に改善されています。

プロトタイプ

製品の初期段階の試作品。アイデアを素早く形にして検証するためのもの。従来、AIコーディングはプロトタイプ作成には有効だが本格的な製品開発には向かないとされていましたが、Amplifierのようなツールはこの限界を超えつつあります。社長や幹部が直接プロトタイプを作ることが可能になり、3人から5人の小規模チームでも本格的なソフトウェアが開発できる時代になると予測されています。

Medium

オンライン出版プラットフォーム。技術者やクリエイターがブログ記事を公開する場として広く使われています。Amplifierの開発チームもMediumで技術情報を公開しており、現在は実験段階であることや、コスト面での注意点(大量のAI API呼び出しにより数十万円かかる可能性)などが記されています。


Joi Solo用あんちょこプロジェクトその後

はい、前々回の収録時に突然Joiさんに言われて、作ることとなったJoi Solo用のあんちょこプロジェクト。NotionをGoogle App Sheetで動かそうと思ったものの、結局JoiさんのPCで動かず断念したこと、先月のJoi Solo回のブログでお伝えしました。
こんな内容だれも興味ないだろうなと思ったんですが、3人ほどから反応をいただけました。きっと3人だけが知りたい情報だと思うのですが、はい、書きますよ。

はい、どうやっても4週間に一回、Joiさんのソロ収録はやってくるわけです。でもその間に私、京都出張があったり、web3/AI概論のセミナーの仕事が入ったりとなんだかバタバタしていて。あんちょこプロジェクトに着手できない状態が続きました。

次回のJoi Solo収録まであと2週間しかない! となった日のこと。重い腰を上げ、ようやく再びプロジェクトに着手することとなりました。

前回の反省からNotionを触ることは諦めました。そして一番最初にあんちょこ改善してと言われた日に、Joiさんがぼそっと言ってた一言を思い出したのです。
「こういうのって、自分でアプリつくっちゃう方が早いんだよね」

そうか。これは、システムを構築せねばならないのか...。そう思い、実践してみることにしました。

方式は、web3/AI概論に登場したHarper Reedさんの方式を採用しました。その方式とは、こちらで詳しく解説しています。

それは、アイデアをまとめる時にAIに質問をさせる方法。

まずはGPTに以下のプロンプトとともに、やりたいアイデアを伝えます。

Ask me one question at a time so we can develop a thorough, step-by-step spec for this idea. Each question should build on my previous answers, and our end goal is to have a detailed specification I can hand off to a developer. Let's do this iteratively and dig into every relevant detail. Remember, only one question at a time.日本語で。

Here's the idea:「ここにやりたいざっくりしたアイデアを入れる」

するとGPTがいろいろ質問をしてきます。「最初のページは何から始めたい?」とか「どんなデザインがいい? Notion風? それとも報道風?」とか。報道風ってなんだよとかつっこみを入れつつ、質問は続きます。

GPTとの愛の会話はこちらでご覧いただけます。

40ぐらい質問が続いた後でしょうか。突然、「これが最後の質問です」と言って、質問をし、そして最後に仕様書を作り出すのです。

そして、次にthinkingモデルに切り替え次のプロンプトを送ります。

Draft a detailed, step-by-step blueprint for building this project. Then, once you have a solid plan, break it down into small, iterative chunks that build on each other. Look at these chunks and then go another round to break it into small steps. Review the results and make sure that the steps are small enough to be implemented safely with strong testing, but big enough to move the project forward. Iterate until you feel that the steps are right sized for this project.

From here you should have the foundation to provide a series of prompts for a code-generation LLM that will implement each step in a test-driven manner. Prioritize best practices, incremental progress, and early testing, ensuring no big jumps in complexity at any stage. Make sure that each prompt builds on the previous prompts, and ends with wiring things together. There should be no hanging or orphaned code that isn't integrated into a previous step.

Make sure and separate each prompt section. Use markdown. Each prompt should be tagged as text using code tags. The goal is to output prompts, but context, etc is important as well.

「ここにさっきGPTが出してきた仕様書をコピペする」

すると、なんだか長ーいspecが出てくるんです。そして、出てきた長い長い仕様書をプロンプトとしてClaude Codeに投げるとあらびっくり! もう勝手にどんどん作っていってくれるのです。

あとは、yesとか1、とか2とかボタンを押すだけ。勝手にAIがサイトを作っていってくれます。

*   *    *

Claude Codeにプロンプトを投げてから、約4日ほど。何度もトークンが足りなくなって待ちの時間が結構あったんですが、気がついた時には、システムが完成していました。

それが、こちら!
スクリーンショット 2025-11-11 21.40.12.png

はい、本当にシンプルですけどね。
でも動くこた動きます。

Joiさんからは、MacBook Airで見ると画面が小さくて見にくい...そしてサイトが重い...と評判悪かったです。でも普通に収録時に使ってて、「よし!!!」と影でガッツポーズをとったことは秘密。

今度はこれを、Amplifierさんに改善してもらおうかなと思います。

(続く)


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松本理寿輝さんと2人で、ニューロダイバーシティの学校NSITについて語りました。開校から1年の間に直面してきた課題や成果などを語っています。ぜひお聞きください。

- Joi

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今回のPodcastの理解度をより深めるための10のキーワード

レッジョ・エミリア・アプローチ(Reggio Emilia Approach)

イタリア北部レッジョ・エミリア市で生まれた幼児教育法。子どもを「有能で力強い学習者」と捉え、教師が一方的に教えるのではなく、子ども自身の興味や疑問から学びのプロジェクトが生まれていくのが特徴です。アトリエ(創作空間)やアトリエリスタ(芸術専門家)の存在、プロジェクト型学習、ドキュメンテーション(学びの記録)などを重視します。世界中の教育者から「最も革新的な幼児教育」として注目されています。

フロアタイム

アメリカの児童精神科医スタンリー・グリーンスパンが開発した、発達支援のアプローチ。正式名称はDIR(Developmental, Individual-Difference, Relationship-based)モデル。子どもの発達段階(Developmental)、個人差(Individual-Difference)、関係性(Relationship-based)の3つの視点から子どもを理解し、大人が子どもの興味に寄り添いながら床に座って一緒に遊ぶ(Floor time)ことで、情緒的な発達や対人関係能力を育てます。自閉症スペクトラムや発達障害のある子どもへの支援法として世界的に評価されています。

NSIT

伊藤穰一と松本理寿輝が2024年に東京で開校した、ニューロダイバーシティ教育の学校。レッジョ・エミリア・アプローチとフロアタイムを融合させた世界初の試みで、発達に特性のある子どもたち一人ひとりの才能を引き出すことを目指しています。

ニューロダイバーシティ(Neurodiversity)

「神経学的多様性」を意味する概念。自閉症、ADHD、学習障害などを「脳の機能の違い」として捉え、「治すべき障害」ではなく「人間の自然な多様性の一部」として尊重しようという考え方です。ニューロダイバージェント(神経学的に多数派と異なる人)とニューロティピカル(神経学的に多数派の人)という言葉も使われます。近年、教育や職場環境のデザインにおいて重要な視点として注目されています。

インクルーシブ教育

障害のある子どもと障害のない子どもが、可能な限り同じ場所で共に学ぶ教育のこと。2006年の国連障害者権利条約で提唱され、日本でも推進されています。単に同じ空間にいるだけでなく、一人ひとりの違いを尊重し、それぞれが必要とする支援(合理的配慮)を受けながら共に学び育つことを目指します。しかし実際には、障害のある子どもが普通学校で十分な支援を受けられず、特別支援学校や支援学級との分離が続いているという課題も指摘されています。

合理的配慮

障害のある人が障害のない人と平等に権利を享受できるよう、その人の障害特性や困りごとに応じて行われる調整や変更のこと。2016年施行の障害者差別解消法で、民間事業者には義務として定められています。例えば、読み書きが苦手な子どもにタブレット使用を認める、聴覚過敏の子どもに静かな環境を提供するなど。

黒岩祐治さん

神奈川県知事(2011年〜)。元フジテレビアナウンサーで「FNNスーパータイム」などを担当。知事就任後、医療・福祉政策に力を入れており、インクルーシブ教育についても積極的に発信しています。番組では、インクルーシブ教育の推進に関する記事を書いて批判を受けたことが言及されており、理想と現実のギャップ、実現可能性への疑問などが社会に根強くあることが示唆されています。

コミュニティナース

地域住民の健康を支える新しい看護の形。病院や診療所での医療行為ではなく、地域に住み込みながら住民の相談に乗ったり、健康づくりのイベントを企画したりすることで、病気になる前の予防や生活の質の向上を目指します。島根県雲南市で始まった取り組みが全国に広がっており、矢田明子さんが第一人者として知られています。

ルイス・カーン(Louis Kahn)

20世紀を代表するアメリカの建築家(1901-1974)。エストニア生まれでアメリカに移住し、ソーク研究所、キンベル美術館、バングラデシュ国会議事堂など、光と素材を巧みに使った作品で知られます。

野田聖子さん

総務相や郵政相、女性活躍担当大臣などなどなどを歴任された衆議院議員。自身も障害のある息子を育てる母親として、障害者政策や女性政策に取り組んできました。特に、障害児教育やインクルーシブ教育の推進、バリアフリー政策などで知られています。NSITの理事として学校づくりに参加しており、障害のある子どもたちの教育環境改善に対する強い思いを持って関わっています。

今週のおさらいクイズの申請先

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理寿輝さんと一緒に、日本の子どもたちにとってどんな学びの環境が理想なのか、そしてそれをどう作っていくかについてじっくり話しました。 とても学びの多い時間だったので、ぜひ皆さんにも聞いてもらえたら嬉しいです。

- Joi

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今回のPodcastの理解度をより深めるための7つのキーワード

まちの保育園・こども園

東京都内を中心に展開する認可保育園・こども園。代表は松本理寿輝さん。「町ぐるみの保育」をコンセプトに、子どもたちの育ちや学びを地域社会とつなげることを重大切にされています。園内にはパン屋さんやカフェが併設されていて、地域住民と園の中間領域として機能。コミュニティコーディネーターという独自の職種を設け、子どもの興味関心と地域の場や人をつなぐ活動を行っています。レッジョ・エミリア教育アプローチを取り入れた実践で知られています。

レッジョ・エミリア教育アプローチ

イタリア北部のレッジョエミリア市で戦後から発展した幼児教育法。1991年にアメリカのニューズウィーク誌で「世界で最も優れた学校」として紹介され、国際的に注目を集めた。「創造性と共同性の教育」が特徴で、子どもたちが様々な表現方法を通じて世界を理解し、知識を自ら創造していくプロセスを重視する。近年ではGoogleやディズニーが従業員向け幼稚園にこのアプローチを採用し、再び話題となっています。

アトリエ

レッジョ・エミリア教育アプローチにおける中心的な空間。絵具、粘土、筆、はさみなど、様々な道具や素材が用意された創造活動の場。単なる美術室ではなく、「知識は一方的に教えられるものではなく、創造していくもの」というメッセージが込められている。言語だけでなく、様々な表現方法を通じて世界と対話し、理解を深めていく場として位置づけられる。「学校は社会を追いかけるのではなく、社会をつくるもの」という理念を体現する象徴的な空間。

アトリエスタ

アトリエで子どもたちの探究・創造活動を支える専門職。美術の専門知識を持ちながら、子どもたちの自主性やアイデアを尊重し、「遊び」や「探求」を通じた学びをサポートする。教師とは異なる立場から、子どもたちの表現活動を伴走する役割を担う。レッジョエミリア教育アプローチを実践する園では重要な職種とされている。

ミッチェル・レズニック

MITメディアラボの教授で、プログラミング言語「Scratch」の開発者。「ライフロング・キンダーガーテン(生涯幼稚園)」という研究グループを率いていて、幼稚園のような創造的な学びを大人になっても続けることの重要性を提唱している。著書『ライフロング・キンダーガーテン 創造的思考力を育む4つの原則』で知られています。

ライフロング・キンダーガーテン

ミッチェル・レズニックが提唱する概念で、「生涯幼稚園」を意味するもの。幼稚園で行われるような、創造的で遊び心のある学びを、子ども時代だけでなく大人になっても続けることの重要性を説く。

コミュニティコーディネーター

まちの保育園が独自に設けた職種。子どもたちの興味関心と地域のさまざまな場所や人をつなげる役割を担う。また、地域の人同士をつなぎ、まちづくりと子どもの学びを同時に進めていく。保育園を単なる子どもを預かる場ではなく、地域のまちづくりの拠点とする「町ぐるみの保育」を実現するための重要な役割。

時数特例制度

学校が地域や子どもの実態に応じて、標準的な授業時数(時数)とは異なる教育課程を編成できる制度。文部科学大臣の指定を受けることで、特定の教科の授業時数を増減したり、新しい教科を設けたりすることが可能になる。渋谷区では、この制度を使って午後を全部探究の時間にする改革を実現している。柔軟なカリキュラム編成を可能にする重要な仕組み。

学習指導要領改訂

文部科学省が約10年ごとに行う、学校教育の基準となる指導要領の見直し。次回の改訂に向けて、現在議論が進められています。

中教審(中央教育審議会)

文部科学省に設置されている審議会で、教育政策に関する重要事項を調査審議する機関。学習指導要領の改定に向けた答申を行う。

ピアジェ

スイスの心理学者ジャン・ピアジェ(1896-1980)。子どもの認知発達理論で知られ、子どもが自ら手を動かし、体験を通して知識を構築していくという「構成主義」の考え方を提唱した。番組では、文化人類学者の考え方(子どもは一人では何もできず、コミュニティのコンテキストの中で育つ)との対比として言及された。レッジョエミリアのアプローチは、個人の内在的な発達とコミュニティでの協働の両方を重視しているという文脈で語られました。

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松本理寿輝さんとはよく会うんですが、ちゃんと腰を据えて彼のこれまでのことやNSITの話を聞けたのは今回が初めてで、とてもいい経験でした。 松本理寿輝さんはNeurodiversity School in Tokyoを一緒に運営しているパートナーで、バックグラウンドは全然違うけれど、大切にしている価値観の根っこの部分ではすごく通じ合っています。 よければ、今回の対談とNSITの近況をぜひ聞いてみてください。

- Joi

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今回のPodcastの理解度をより深めるための7つのキーワード

NSIT

ニューロダイバーシティ・スクール・イン・トーキョーの略称。2024年にJoiさんと松本理寿輝さんが共同で立ち上げた、ニューロダイバーシティ(神経多様性)の理念に基づく教育機関。発達障害や学習の違いを「治すべき欠陥」ではなく「人間の自然な多様性」として捉え、一人ひとりの特性を活かした学びの場を提供しています。

まちの保育園 こども園

松本理寿輝さんが代表を務める保育施設。2011年に最初の「まちの保育園小竹向原」を開園して以来、レッジョ・エミリア・アプローチを取り入れた創造的な保育を実践しています。保育園という枠を超えて地域や企業と協働しながら、0歳から6歳の子どもたちの育ちを支えている。コミュニティコーディネーターという独自の役割を設けるなど、従来の保育園にはない取り組みも特徴なんです。

レッジョ・エミリア

イタリアの都市レッジョ・エミリア市で実践されている幼児教育アプローチ。第二次世界大戦後、市民が自らの手で作り上げた教育システムで、子どもを「有能な学習者」として尊重し、アート表現や対話を通じた創造的な学びを重視する。教師は「教える人」ではなく「共に学ぶ人」として子どもに寄り添い、プロジェクト型の探究学習を展開する。世界中の教育関係者から注目を集め、松本さんは日本におけるレッジョ・エミリアのネットワーク代表として、その理念を日本に届ける活動も行っているそうです。

待機児童問題

保育園に入りたくても定員オーバーで入園できない子どもたちの問題。特に都市部で深刻化しており、2010年代初頭には社会問題として大きく取り上げられました。保育園落ちた日本●ネ!という言葉は話題となりましたよね。今はもう解消されたらしいですよ。いやーうちの子も保活失敗して一年待機しておりました。もう解消されたのかー。それはよかった。

ワタリウム美術館

東京・神宮前(表参道)にある現代美術を中心とした私立美術館。1990年に開館し、国内外の現代アートを紹介する企画展を数多く開催しています。松本さんの人生を変えたのは、2001年にここで開催されたレッジョ・エミリアの展覧会。子どもたちの作品や保育の記録を通じて、レッジョ・エミリア・アプローチの哲学と実践に触れ、保育の道を本格的に志すきっかけとなったそうです。

駐車場の空中権活用ビジネス

松本さんが友人3人で起業した事業。駐車場は通常平面的な土地利用ですが、その上空の「空中権」を活用して収益を生み出すビジネスモデル。詳細は番組内で語られていませんが、松本さんはこの起業経験を通じて「理念と経営のバランス」を学んだと語っています。危機的な状況を何度も経験しながらも、周囲の支援を受けて事業を軌道に乗せたそうです。この時に得た経営ノウハウが、後の保育園経営で持続可能な運営を実現する土台となっているといいます。

コミュニティコーディネーター

まちの保育園が独自に設置しているコーディネーターのこと。一般的な保育園では保育士や栄養士、看護師などの配置が法律で定められていますが、それだけでなく「地域とのつながりをデザインする専門職」として配置しているそうです。保育園と地域をつなぎ、親同士のコミュニティづくりをサポートし、地域の多様な資源を保育に取り入れる橋渡し役のような役割なんだとか。法的な最低基準を満たした上で、さらに質の高い保育環境を実現するための、まちの保育園ならではの工夫のひとつなんですよ。

今週のおさらいクイズの申請先

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今週もほぼ月イチでおとどけしている一人語り回です。 今回は、彬子女王殿下とのトルコ訪問を振り返りつつ、落合さんの「null2」万博パビリオンへの所感、ALife(人工生命)についての考察、そしてAI駆動コーディングである「Vibe Coding」に関する話題を取り上げます。

- Joi

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今回のPodcastの理解度をより深めるための12のキーワード

ALife(人工生命/Aライフ)

Artificial Life(人工生命)の略。コンピューター上で生命のような振る舞いをするシステムを研究する分野。1987年にクリストファー・ラングトンが提唱した学際的な研究領域で、進化、自己複製、適応、創発といった生命の特性をシミュレーションや人工システムで再現しようとする。従来のAIが「知能」に焦点を当てるのに対し、ALifeは「生命」そのものの本質を探求する。コンウェイのライフゲームボイドのシミュレーションなどが有名な例。

池上高志先生

東京大学大学院総合文化研究科教授。A-Life(人工生命)研究の第一人者で、複雑系科学、人工生命、認知科学を専門とする。1989年に東京大学で博士号取得後、一貫してコンピューター内での生命や知能の創発を研究。「生命とは何か」という根源的な問いに、シミュレーションとロボティクスの両面からアプローチしている。落合陽一氏とも親交が深く、番組内で伊藤氏は「池上先生なんかはもう十分生命はコンピューターの中で実現できると思ってる」と言及している。アートとサイエンスの境界で活動し、山口情報芸術センター(YCAM)などでも作品を発表している。

Vibe Coding(バイブコーディング)

AIを活用したプログラミング手法の一つ。O'Reilly社の書籍でも取り上げられている新しいコーディングスタイル。従来の「一行一行コードを書く」スタイルではなく、AIに大まかな指示を出してプロトタイプを素早く作り、それを反復的に改良していく手法。「vibe(雰囲気・感覚)」という言葉が示すように、厳密な設計よりも直感的でスピーディな開発を重視する。GitHub CopilotCursorなどのAIコーディングツールの普及で注目を集めている。

僕のGitHub

Joiさんのお茶プロジェクトのGitHubのレポジトリはこちら。我こそはという方、ぜひ参加を。

Sora2

OpenAIが開発したテキストから動画を生成するAIモデル。2024年2月に初めて発表され、2024年末に一般公開された最新版が「Sora2」。テキストプロンプトから最大60秒の高品質な動画を生成でき、カメラワーク、照明、物理法則まで理解した驚異的なクオリティを実現。自分の顔を入れると動画の中に登場できる機能や、友達をパーミッション設定で仲間に入れる機能も搭載。

オプトイン/オプトアウト

データやコンテンツの利用に関する同意方式の違い。オプトインは「使いたい人だけが明示的に許可を出す」方式で、事前の同意を前提とする。一方オプトアウトは「嫌な人だけが拒否を申し出る」方式で、デフォルトで利用が許可されている。Sora2の著作権問題では、OpenAIがオプトアウト方式を採用しており、「この作品は使わないでと言えば除外する」というスタンス。しかし多くのクリエイターは「オプトインで、使いたい人だけ入れてくれ」と主張している。ディズニーなどはオプトアウトしているが、日本のコンテンツは多数含まれたままだという。GDPR(EU一般データ保護規則)ではオプトイン原則が基本となっており、地域によって法的扱いが異なる重要な概念。

AI企業とメディア企業との訴訟や提携の図

Joiさんが番組中に話していたチャートの話はこちらのリンクでご覧になれます。(が、有料記事!高い) しかし図だけはこちらでもご覧になれますよ。

わたくしシナダ、一応メディア出身でして、この図をずーっと眺めていられます。なるほどな。。。。

Open-ended Evolution(オープンエンデッド・エボリューション)

終わりのない進化。A-Life(人工生命)研究における重要な概念で、MITプレスなどで活発に研究されている。従来の進化論が「競争に勝つこと(Survival of the fittest)」を目的とするのに対し、Open-ended Evolutionでは競争は手段であって目的ではないと考える。真の目的は「面白いもの(Interestingness)」を探し続けること、複雑さや多様性を生み出し続けること。

Objective Function(目的関数)

機械学習や最適化問題において、「何を最大化・最小化するか」を定義する数学的関数。例えば「予測の誤差を最小化する」「利益を最大化する」といった具体的な目標を数式で表現したもの。Open-ended Evolutionの文脈ではこの概念を批判的に捉えている。現在のLLMやAIの多くは目的関数の最適化に基づいているため、既存のパターンの組み合わせから抜け出せず、真の創造性を発揮できないという構造的限界があるとされるそう。

Survival of the fittest(適者生存)

「最も適応した者が生き残る」という進化論の中心概念。チャールズ・ダーウィンの『種の起源』(1859年)で提唱された自然選択説を、ハーバート・スペンサーが1864年に「survival of the fittest」という言葉で表現した。環境に最もよく適応した個体が生存・繁殖し、その特徴が次世代に受け継がれることで進化が起こるという理論。

好日会(こうじつかい)

2024年9月25日に裏千家の道場で開催されたお茶会のこと。数寄者として知られる潮田洋一郎さんが濃茶席、Joiさんが薄茶席の席主として50人の席を11回実施し、約500人が参加したそうです。去年の末から準備を進めてきたという大規模なイベントで、お茶会の前はすんごい忙しそうにしてました。

地球学研究センター

千葉工業大学に2019年7月に設置された研究機関。正式名称は「千葉工業大学 地球学研究センター(Institute for Geo-Cosmology)」。松井孝典氏が所長を務め、彬子女王殿下が特別教授および主席研究員(非常勤)として研究活動に参加されている。人類が築き上げてきた文明の起源と変遷を、従来の考古学では利用してこなかった最先端の自然科学的分析機器を活用して解明することを目的としている。トルコのアナトリア地方にあるカマン・カレホユック遺跡などで発掘調査を実施。彬子女王殿下の祖父にあたる三笠宮崇仁親王(「髭の殿下」として知られる)が中近東研究の専門家であったことから、皇室とトルコの考古学研究には長い歴史的なつながりがある。

松井先生にご出演いただいたポッドキャストでもそのプロジェクトについて語られています。

先月Joiさんからお告げのあったAIシステムの行方

はい、ここからはシナダがお届けします。 覚えていらっしゃいますでしょうか?ポッドキャストの月イチ企画をAIを使ってDXする!という話をJoiさんが突然宣言したことを。はい、収録の15分前に言われ、よくわかってなかったですが、シナダがんばりましたよ。

シナダはですね、実は千葉工大のweb3/AI概論という授業の運営をしておりまして。授業では偉そうにしております。宿題の発表で、突然いろんな人を当てる、恐ろしい担任の先生の設定です。 今年から今日の番組でも登場したVibe Codingを取り入れておりまして、こら担任の先生がんばらねば、と仕事の合間に作ってたわけです。GPTと話してね。

で、ですね。結果はですね。「まだ出来てません。。。」はい、すみません。授業でも偉そうにしてごめんなさい。

かいつまんで事の状況をお伝えしましょう。

これまで、Joiさんと私の月イチ企画の打ち合わせはNotion上で行われておりました。 スクリーンショット 2025-10-13 20.30.56.png

こんな感じで、私が気になったニュースを挙げておき、その後Joiさんが気になるニュースを足したり、メモを足したり。。。

するとですね、誰が書いたメモなのかとかわかんなくなるわけです。

スクリーンショット 2025-10-13 20.31.55.png

おまけにJoiさんはAIにも色々質問してるそうで、その回答も出てくる。するとどれがニュースでどれが回答なのか、収録時にはようわからん...という状況になっておりました。

かつ、この状態だといちいちコピペしなきゃならず、AIにも食べさせるのも一苦労。。。できればjsonファイルかmdファイルで出せるようにしてほしい。 かつ、その回答を表示できるようにしたい。というのがJoiさんのリクエストでした。

そこで、シナダ、頑張りました。 とりあえず、NotionのデータベースをGoogle App Script(GAS)で動かせばいいんじゃね?と。 そしたら、メモ書きとかもしやすいじゃん。かつ他の番組のメモとも連動しやすいじゃん!と。

はい、今思えばここが間違いの始まりでした。最初っからClaude CodeとかReplitとかで全部作っておけばよかった...。

まずは、私の使っているニュース収集サイトで記事のxmlファイルがダウンロードできることがわかりました。これを、Google Driveに投げることで、いい感じでNotionのデータベースにまとめてくれれば、なんかいい感じになるんじゃね?

News XML feed (export)
        ↓
Google Drive → GAS Import_XML
        ↓
Notion database
        ↓
Download links (JSON / Markdown)
        ↓
AI summarization / email formatting (next step)
        ↓
Manual review / memo writing (by Joi)

そんな思いから、まずはGoogle Drive-->Notionとなるよう、GASを動かし始めました。

しかし、なかなかうまくいかない。2日、3日と時間は過ぎていく。翌週になってもまだうまくいきません。一個上手くいっても、別が上手くいかなかったり。なんか知らないうちにもう一個データベースができちゃってて、ぐっちゃぐちゃになったり。あとはJoiさんが言うように記憶喪失になったり。

スクリーンショット 2025-10-13 23.03.07.png

そして、もう完成も間近というある日。 GASがエラーを起こしてぐるぐるしたまま、永遠にぐるぐるし続けるようになってしまいました。 そして貯まる他の仕事...。実はポッドキャストでは出張も予定していたり、立て続けに収録が入ったりして結構現場はバタバタしていた頃だったんです。

えええい!!!もうダメだ!!! しばらく開発はほっておく事にしました。

*     *     *

気がつけば、2週間ほど時間がワープしていました。 すると、もうすぐそこに月イチ収録が迫っている!!! Joiさんに!!!怒られる!!!

ちょっと焦りながらGASを開きます。 以前はぐるぐる永遠に回り続けたGoogle App Scriptさん。2週間後にもう一度開いたら、ちゃんと動いている。 どうも機嫌を直してくれたみたい。

そこで、一念発起し完成させたのです!!! ご覧ください!!!

スクリーンショット 2025-10-13 20.38.53.png

カテゴリーごとにソートされたニュース!

そして、ニュースをクリックすると!!!

スクリーンショット 2025-10-13 22.46.32.png

Jsonやらmdやらをダウンロードするボタンが! さらにOpenAIのAPIで記事は日本語化してあるので、収録中にシナダはカンニングできる!! かつメモ欄も多彩に用意しております!!!

ようやく完成したこのNotionをJoiさんにいそいそと送付しました。 きっと朝起きたら見てくれるかなと、夜11時ごろslackでリンクを送ったのです。

しかし、結果は... スクリーンショット 2025-10-13 23.13.20.png なんでーーーー。 (しかもなんで朝の2時に起きてるのだ。。。起床は5時のはず。。。)

その後、何度も修正をし、別のパソコンとかでも開けるのを確認して、改めてJoiさんにリンクを送っても、やはり結果は変わらず。。。

そして週末も続けましたが、はい、今朝。 収録時に目の前で開いてもらいましたが、やはり同じ画面が出ました。

きっと!これは!Joiさんのパソコンが壊れているんだ!!!!!

はい、嘘です。。。

もうよくわかりません。。。。しかし、もうnotionのデータベースを動かすのは諦めました。。。だって、もう疲れたんだパトラッシュ...。

天使が私の周りに降りてきました。 さようならみなさん。さようならNotion。 そしてさようならGAS...

さあ、そんな老犬とともに疲れた私を助けてくれる方はいらっしゃいませんか。

そんな変わった方、ぜひこちらより連絡してください。 お待ちしております。

(つづく)

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エミールとの対談シリーズの最終話では、神経多様性をテーマに、私たちにできる支援の形について語り合いました。後半では、東京で開校したNeurodiversity School(NSIT)の最新情報もお届けしています。

- Joi

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今回のPodcastの理解度をより深めるための14のキーワード

ICDL(Interdisciplinary Council on Development and Learning)

発達と学習に関する学際的協議会。自閉症やその他の発達障害を持つ子どもたちのためのDIR/Floortime®アプローチを開発・普及させている国際的な非営利組織です。1990年代に児童精神科医のStanley Greenspan博士とSerena Wieder博士によって設立されました。従来の行動療法(ABA)とは異なり、子どもの感情的なつながりと個々の発達段階を重視するアプローチを提唱しています。世界中でセラピスト養成プログラムを提供しており、日本でも近年コースが増えつつあるそうです。

フロアタイム(DIR/Floortime®)

Developmental, Individual-differences, Relationship-based model(発達・個人差・関係性に基づくモデル)の略。ICDLが開発した自閉症やその他の発達障害を持つ子どもたちへの支援アプローチ。文字通り「床に座って子どもと遊ぶ」ことから始まり、子どもの興味に寄り添いながら、感情的なつながりを築き、発達を促進する手法。行動の修正ではなく、関係性の構築を最優先にする点が特徴。子ども一人ひとりの感覚処理の特性や発達段階の違いを尊重し、親や支援者が子どもの世界に入り込んでコミュニケーションを図る。親への訓練も重要な要素で、家庭でも継続的に実践できることを目指しています。

Emile Gouws(エミール・ガウス)

南アフリカを拠点に活動する自閉症当事者で、現在はICDLの理事長を務めているお方。自身の経験を活かして、ニューロダイバーシティの啓発活動や、フロアタイムアプローチの普及に尽力している。ホリスティック心理学の観点からサポート体制を捉え、「治すのではなく受け入れる」という哲学を一貫して主張。世界各地で講演やワークショップを行い、自閉症当事者の視点から真のインクルージョンとは何かを発信し続けています。

ニューロダイバーシティ(Neurodiversity)

神経多様性。自閉症、ADHD、学習障害、ディスレクシアなどの神経発達の違いを「障害」や「欠陥」ではなく、人間の自然な多様性の一部として捉える概念。1990年代後半にオーストラリアの社会学者Judy Singerが提唱したもの。この考え方では、ニューロダイバージェント(神経学的に多様な)な人々は「治療」の対象ではなく、適切なサポートと環境があれば、独自の強みを発揮できる存在とされる。近年、教育現場や職場での合理的配慮の議論において重要な概念となっています。

神経可塑性(Neuroplasticity)

脳が経験や学習によって構造的・機能的に変化する能力のこと。従来は「脳は成人後は変化しない」と考えられていましたが、現代の神経科学では生涯を通じて脳が変化し続けることが証明されているそう。フロアタイムアプローチでは、子どもの興味に基づいた関わりを通じて神経可塑性を活用し、新しい能力や神経経路の発達を促すことができると考えられています。

NSIT(Neurodiversity School In Tokyo)

Joiさんが2024年に自閉症の娘のために日本で設立したインクルーシブ教育の学校。ダウン症、ASD(自閉症スペクトラム障害)、ADHDなど多様な子どもたちを受け入れ、フロアタイムとレッジョ・エミリア・アプローチを融合させた教育を実践している。現在は10組の家族が参加する小規模な実験的取り組みだが、日本における新しいインクルーシブ教育のモデルケースとして注目されている。

レッジョ・エミリア・アプローチ(Reggio Emilia Approach)

イタリア北部の都市レッジョ・エミリアで生まれた幼児教育法。第二次世界大戦後、教育者Loris Malaguzziを中心に発展した。子どもを有能で好奇心旺盛な学習者として捉え、子どもの興味や疑問を起点としたプロジェクト型学習を重視する。「子どもには100の言葉がある」という哲学のもと、アート、音楽、ドラマなど多様な表現方法を通じて学びを深める。教師は知識を教える存在ではなく、子どもの探究をファシリテートする役割を担うそう。

松本理寿輝さん

NSITの共同創設者。まちの保育園の経営者で、レッジョ・エミリア・アプローチを日本の教育現場に導入してきたことでも知られています。Joiさんと出会って、フロアタイムとレッジョ・エミリアを融合させ、ニューロダイバーシティに対応したインクルーシブ教育の学校を昨年設立。

コレット・ライアン(Colette Ryan)

ICDLの上級トレーナーで、フロアタイムの専門家。世界各地でフロアタイムの集中講座やワークショップを開催しており、Joiさん家族も彼女の講座を受講しています。日本でのフロアタイム普及にも尽力しており、日本語でのコース提供にも関わっています。

ASD(Autism Spectrum Disorder / 自閉症スペクトラム障害)

社会的コミュニケーションや対人関係の困難、限定的で反復的な行動や興味などを特徴とする神経発達障害。「スペクトラム」という言葉は虹のようにグラデーションを持つ状態をさすもので、ASDの症状の現れ方や程度は個人によって大きく異なります。DSM-5(精神疾患の診断・統計マニュアル第5版)では、従来のアスペルガー症候群、広汎性発達障害などを統合してASDという診断名に一本化された。

ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder / 注意欠如・多動症)

不注意、多動性、衝動性を主な特徴とする神経発達障害。集中力の維持が難しい、じっとしていられない、思いついたことをすぐに行動に移してしまうなどの特性があります。子どもの約5%に見られるとされ、適切なサポートがあれば学業や社会生活で十分に能力を発揮できる。近年は大人のADHDも注目されており、生涯を通じたサポートの重要性が認識されている。

ダウン症(Down Syndrome)

21番染色体が通常より1本多いことで起こる遺伝子疾患。特徴的な顔立ち、知的発達の遅れ、心疾患などを伴うことが多い。John Langdon Down医師によって1866年に初めて報告された。約700人に1人の割合で生まれるとされ、適切な医療とサポートがあれば、多くの人が社会で活躍している。

インクルーシブ教育(Inclusive Education)

障害の有無、国籍、言語、性別などに関わらず、すべての子どもが同じ場で共に学ぶ教育のこと。国連の障害者権利条約でも保障されている権利で、特別支援学校や特別支援学級で分離するのではなく、通常の学校・学級で合理的配慮を提供しながら共に学ぶことを目指す。日本でも2014年に障害者権利条約を批准し、インクルーシブ教育の推進が課題となっている。

合理的配慮(Reasonable Accommodation)

障害のある人が他の人と平等に権利を行使できるよう、過度な負担にならない範囲で必要な調整や変更を行うこと。教育現場では、座席の位置の配慮、試験時間の延長、視覚的な補助教材の提供、感覚過敏への対応など、個々のニーズに応じた支援を指す。「特別扱い」ではなく、公平な機会を保障するための必要な措置と位置づけられます。

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自閉症のセルフアドボカシーをはじめ、障害のある人の権利をどう支えていけるのか。 そんなテーマについて、エミールとじっくり語りました。

- Joi

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今回のPodcastの理解度をより深めるための12のキーワード

自己擁護運動(Self-Advocacy Movement)

障害者自身が権利を主張し、社会参加を求める運動。1970年代にアメリカで始まったとされ、それまで「保護の対象」として扱われてきた障害者が、自らの声で政策決定に参加することを求めた歴史的な転換点となりました。日本ではピープルファースト運動として知られ、「知的障害者」ではなく「知的障害のある人」という表現を推進するなど、言語の変革も含まれています。現在では、自閉症当事者によるAutistic Self Advocacy Network (ASAN)などの団体が世界的に活動しています。

Nothing About Us Without Us(私たち抜きで私たちについて語るな)

障害者権利運動の基本理念を表すスローガン。もともとは16世紀の東欧の政治スローガンでしたが、1990年代から障害者権利運動で使われるようになりました。2006年の国連障害者権利条約の制定過程で、当事者団体が積極的に参加したことで世界的に広まりました。この理念は、政策・プログラム・決定が障害者に影響を与える場合、必ず当事者の直接的な参加が必要であることを強調しています。Emile博士は「これは単なる言葉じゃない、生き方だ」と語っています。

Leave No One Behind(誰も置き去りにしない)

2015年に採択された国連の持続可能な開発目標(SDGs)の中核理念。すべての人々が開発の恩恵を受けられるよう、最も脆弱で取り残されがちな人々を優先的に支援することを求めています。障害者、女性、子ども、高齢者、先住民、難民など、社会的に排除されやすい人々への配慮を強調しており、Emile博士は「この言葉は私と私の家族の礎」と述べています。

ニューロダイバーシティ / 神経多様性(Neurodiversity)

脳の働きの多様性を認め、自閉症やADHD、ディスレクシアなどを「障害」ではなく「神経学的な違い」として捉える概念。1990年代にオーストラリアの社会学者ジュディ・シンガーが提唱しました。この考え方では、神経学的な違いは人間の多様性の一部であり、「治すべき病気」ではなく「尊重されるべき違い」として理解されます。ハーバード大学医学部も、ニューロダイバーシティを「人間の脳と認知の自然な変異」として認めています。

医学モデル vs 社会モデル

障害を理解する2つの異なるアプローチ。医学モデルは障害を「個人の身体や精神の問題」と捉え、「診断・治療・リハビリ」によって「正常」に近づけることを目指します。一方、社会モデルは障害を「社会の障壁によって作られるもの」と捉え、社会の側が変わることで障害をなくすことを目指します。Emile博士は「診断や治療中心の考え方は時代遅れ」と指摘し、「可能性に目を向ける」社会モデルへの転換を訴えています。国連障害者権利条約も社会モデルを基盤としています。

国連障害者権利条約(UN Convention on the Rights of Persons with Disabilities)

2006年12月13日に国連総会で採択され、2008年5月3日に発効した国際条約。障害者の人権と基本的自由を保障し、固有の尊厳の尊重を促進することを目的としています。日本は2014年に批准しました。Emile博士は「自分の権利を理解し、国連条約を理解していれば、公の場で自分自身を主張できるようになる」と述べています。この条約の策定過程では、「Nothing About Us Without Us」の理念に基づき、障害者団体が積極的に参加したことで知られています。

非言語話者 / Non-verbal communicators

言葉を使わずにコミュニケーションする人々。自閉症者の約25〜30%は非言語話者とされています。アメリカ言語聴覚協会(ASHA)によれば、非言語話者は絵カード、タブレット端末、サイン言語、視線追跡装置など、AAC(拡大・代替コミュニケーション)を使ってコミュニケーションを取ります。Emile博士は「非言語の人々に対する偏見は強烈で、これらの人々はしばしば排除されている」と指摘し、会議などの場でも非言語話者がコミュニケーションに含まれる必要があると強調しています。

マスキング(Masking)

自分の特性を隠して社会に適応しようとする行動。自閉症者が社会的に受け入れられるために、自然な行動を抑制し、定型発達者の行動を模倣することを指します。学術研究によれば、マスキングは短期的には社会適応に役立つものの、長期的には精神的疲労、不安、うつ、自己喪失感を引き起こします。特に女性の自閉症者はマスキングを行う傾向が強く、診断が遅れる原因にもなっています。Emile博士は「マスキングや沈黙を強いる社会からの脱却」を目指すべきだと訴えています。

ひまわり支援ストラップ /Sunflower Lanyard

2016年にイギリスのガトウィック空港で始まった、見えない障がいを示すための国際的な取り組み。ひまわり柄のストラップやカードを身につけることで、自閉症、不安障害、慢性疲労症候群など、外見からはわかりにくい障がいがあることを周囲に知らせることができます。現在では世界200以上の空港、航空会社、鉄道、スーパーマーケット、美術館などで導入されています。日本では羽田空港で導入されており、Emile博士も「これまでで最も成功したアドボケートツール」と評価しています。

見えない障がい(Hidden Disabilities)

外見からはわかりにくい障がいの総称。自閉症、ADHD、不安障害、慢性疲労症候群、線維筋痛症、クローン病、糖尿病、てんかんなど多岐にわたります。見た目では分からないため、「怠けている」「わがまま」などと誤解されやすく、必要な配慮を受けにくいという課題があります。

Temple Grandin(テンプル・グランディン)

1947年生まれのアメリカの動物学者で、自閉症当事者として世界的に有名。コロラド州立大学教授で、家畜の扱い方と施設設計の専門家。自閉症の視点から動物の感覚世界を理解し、より人道的な家畜処理システムを開発しました。TED Talkでの講演「世界はあらゆる種類の心を必要としている」は数百万回再生され、2010年には彼女の半生がHBOで映画化されました。Emile博士はフロリダの国際会議でGrandin教授と対談したと述べています。

合理的配慮(Reasonable Accommodation)

障がい者が他の者との平等を基礎として人権と基本的自由を享受できるよう、必要かつ適当な調整や変更を行うこと。国連障害者権利条約で定義されています。重要なのは、「均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」という条件があることです。例えば、自閉症者への合理的配慮としては、静かな環境の提供、視覚的な情報提供、柔軟な勤務時間などがあります。日本でも2016年の障害者差別解消法により、行政機関等には合理的配慮の提供が義務づけられています(民間事業者は2024年から義務化)。

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自閉症を含む障害のある人たちが、自分の言葉で思いを伝えること。

それは世界のニューロダイバーシティ運動を前に進める、とても大切な力になります。

エミールはその実践者として、多くの人に勇気を与えています。 日本でも、そして世界のさまざまな場所でも、 彼の姿がきっかけとなって、同じように声を上げる人が増えていくはずです。

本当の変化は、当事者が語り、 私たちがその声に耳を澄ますところから始まります。

- Joi

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すごく元気をもらえたインタビュー

ここからは、シナダがお届けします。

エミールさんとのインタビュー、いかがでしたでしょうか。インタビュー中に必死に涙を堪えていたのは秘密です。辛い辛い日々を乗り越えて、今こうしてたくさんの人々に希望を与えてるエミールさんの姿、本当に感動しました。このお話がもっとたくさんの人に届きますように。

今回のPodcastの理解度をより深めるための4のキーワード

ICDL

ジョージ・ワシントン大学の精神医学・行動科学・小児科部門の臨床教授であるStanley Greenspanが完成させたDIRという発達アプローチに基づいた療育メソッド「フロアタイム(Floortime)」の教育・訓練機関。床に座って、こどもと大人が遊びながら発達を促すという側面があることから床=フロア、時間=タイムとその名が付けられているそうです。最近、欧米では自閉症時や発達遅滞児の療育メソッドとして採用される例が増えてきており、これまで主流とされたABAの代替療法やABAと併せて使用されることが多いそう。

フォーブスの記事

エミールさんのことが日本の雑誌で初めて掲載されたもの。ぜひご一読を。

スティミング

自分の気持ちや体を整えたり調整するために、行う反復的な行動のこと。髪をいじる、体を揺らす、足を叩く、瞬きをする、手をバタバタさせる、手を振る、回るなどなど。髪をいじって髪の毛が抜け始めたり、足を叩いてあざだらけになったり手を振って人に怪我させたりとかがない場合はそっとそのままにしておくことが多い印象です。手を縛るとかはね、多分ないですよね。

フィリサイド

親による子どもの殺害のこと。西アフリカでは、障害を持つこどもを殺す事象が絶えないそうです。論文はこちらから、記事はこちらから読むことができます。

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相変わらず世の中いろんなことが起きてますが、ちょっと近況と考えてることをシェアします。 番組ではフォーマットやAIの活用をもっと工夫していきたいと思ってるので、ぜひ聞いて、感想やアイデアをもらえると助かります!

- Joi

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はい、宿題いただきました。

ここからはシナダがお届けします。

「シナダさんさ、ちょっとあんちょこのフォーマットを変えたいんだよね。今だと使いにくくて」 いつも収録前に打ち合わせをしてるのですが、Zoomをつなげた瞬間、こんな言葉をいただき、ドッキンドッキン。「突然のクレーム!?え?なに?」と思っていると、Joiさんの考えてることがわかりました。

なるほど、この番組をAIの実験場にしたいのね!!!

わたくしシナダ、Vibe Codingをとりれたweb3/AI概論を担当しておりましたので、腕によりをかけて次回の月イチ特集までにシステム作りたいと思います。手伝ってくれる方いらっしゃったらぜひご連絡ください。

今回のPodcastの理解度をより深めるための6のキーワード

RFK(ロバート・フランシス・ケネディ)

アメリカの厚生長官。ジョン・F・ケネディ元大統領の甥で、環境弁護士としてキャリアをスタート。しかし、2005年頃からワクチン反対派として活動を開始し、「ワクチンが自閉症を引き起こす」という科学的根拠のない陰謀説を推進しているお方。Children's Health Defenseという反ワクチン団体の創設者でもあるそうな。

Operation Warp Speed

COVID-19ワクチンの迅速な開発・製造・配布を目的として、2020年5月にトランプ政権が開始した米国政府のプロジェクト。通常10年以上かかるワクチン開発を1年未満で実現するという前例のない取り組み。Pfizer-BioNTech、Moderna、Johnson & Johnsonなどのワクチン開発に総額180億ドルを投資し、驚異的なスピードでワクチン開発を成功させたことで知られています。トランプ自身が最も誇りにしている政策の一つではあるものの、RFKの反ワクチン政策と矛盾するため「自慢したいけれど自慢できない」状況に。

JD・バンス(JD Vance)

現在のアメリカ副大統領。オハイオ州出身で、『ヒルビリー・エレジー』の著者として有名。元々は「トランプはアメリカのヒトラーかもしれない」と強く批判していたものの、2022年に上院議員に当選する過程で180度転換し、トランプ支持に回ったそう。ピーター・ティールの投資会社Mithril Capitalで働いていた経験があり、ティールから政治的・財政的支援を受けているとか。大学機関に対して攻撃的な政策を推進しており、高等教育の「エリート化」を批判しています。

CDC(疾病予防管理センター)

Centers for Disease Control and Prevention。1946年に設立されたアメリカの感染症予防・管理を担う連邦政府機関。本部はジョージア州アトランタにあり、約15,000人の職員を擁する世界最大級の公衆衛生機関。季節性インフルエンザから新興感染症まで、アメリカ国内外の疾病監視・予防・対策を担当している。WHOとも密接に連携し、グローバルな感染症対策の中核を担っています。しかし、RFK政権下で科学重視の所長が解任され、多くの専門職員が辞任に追い込まれており、機関の空洞化が懸念されています。

ユージェネクス運動(Eugenics Movement)

19世紀後半から20世紀前半にかけて欧米で流行した優生学運動。「遺伝的に劣る」とされた人々(知的障害者、精神病患者、犯罪者、貧困層など)の生殖を制限し、社会から排除することで「人種の改良」を図ろうとした思想・運動。アメリカでは1907年にインディアナ州で最初の断種法が制定され、最終的に32州で約65,000人が強制断種されました。この思想はナチス・ドイツのホロコーストにも影響を与え、戦後は人権侵害として厳しく批判された出来事です。

自閉症エピデミック

RFKが使用する表現で、自閉症が感染病のように急速に拡大しているという主張。実際には、1990年代以降の自閉症診断数の増加は、診断基準の変化(DSM-5での自閉症スペクトラム障害への統合)、社会的認知の向上、診断技術の進歩によるものであり、「エピデミック(流行病)」ではない。アメリカ自閉症協会自閉症当事者団体は、この表現が偏見を助長し、自閉症を「治すべき病気」として扱うことで差別を生むと強く批判している。科学的には、自閉症は神経発達の多様性(neurodiversity)の一部として理解されるべきとする見方が主流になっています。

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