2025年の崖ってご存知でしょうか?これは、2025年までにデジタル変革(DX)でシステムを刷新できなければ、最大で年間12兆円規模の経済損失が生じる可能性があるというDXを取り巻く状況のこと。この崖まであと約3年ではありますが、なかなかDXが進んでいる!うまくいった!という話は聞きませんね。更には、web3まで到来してしまい何からどう手をつけたらよいのやら…という状況のところ、きっと多いはずです。
今週は、DXやweb3を推進する上で重要な「そもそも論」であるデジタルアーキテクチャについてJoiさんが解説をしています。
「デジタルアーキテクチャって一体何?」「どんなものが必要なの?」「そして、なんで今それが必要なの?」
そんな疑問にJoiさんが答えてくれています。是非お聞きください。
【編集ノート】
編集ノートには毎回番組で登場した難解な用語や固有名詞などの意味や内容をまとめています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。
番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。お便りを採用させていただいた方には、番組オリジナルのNFT会員証がmintできるリンクをお送りしています。
【THE NEW CONTEXT CONFERENCE TOKYO 2022 Fall】
Joiさんが2005年に初めて開催し、今回で23回目となるカンファレンスが11月4日(金)に開催されます。テーマはDesigning Our New Digital Architecture。今年はオンラインで無料で視聴できますので、ぜひご視聴のご登録を。
番組にご出演いただいた方々と聞いている方々を結ぶプラットフォームとして、ジョブマーケットを作ってみました。今、実は仕事を探している、なんてあなた!ぜひこちらを確認してみてください。ぴったりの仕事がみつかるかもしれませんよ。
【コミュニティ醸成実験について】
これまで番組で小出しにお伝えしてきたコミュニティ醸成実験。ようやくその中身をお伝えできるようになりました。番組という枠を飛び出して、リスナーの方々同士が交流できる場となっています。詳しくは、下記リンクをご覧ください。
https://community.henkaku.org/ja
この実験に参加をご希望の方は下記リンクから参加メンバーの登録をお願いします。メンバーのダイバーシティを考慮しながら、徐々にメンバーを拡大していく予定です。参加時期がきましたら、スタッフから個別に連絡をさせていただきます。興味のある方、まずは登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。
https://airtable.com/shrbDbYUBoFgkg0tY
シークレットキーワードの申請先は、HENKAKU COMMUNITYの[こちらのQuestサイトになります。新バージョンのNFT会員証をゲットした皆さん、頑張って聴いて、HENKAKUを稼ぎましょう。ちなみに!シークレットキーワードを申請できるのは新バージョンを持っている人のみとなります。まだお持ちでない方は、頑張ってコミュニティに入るかおたよりを採用されるまで送り続けましょう。
https://omise.henkaku.org/quests
https://recruit.garage.co.jp/fintech/
今週のポッドキャスト配信について
Podcast Transcript
伊藤穰一:こんにちは、伊藤穰一です。今日は11月4日に行われるThe New Context Conferenceの話をしたいと思います。
伊藤穰一:The New Context Conferenceとは、2005年からもう23回行われているデジタルガレージ主催のカンファレンスなんですけども。その年その年に一番僕らが盛り上がっているトピックスについて、みんなで議論するカンファレンスで、世界中からいろんな人たちを呼んでやってるカンファレンスなんですけども、11月のカンファレンスは、Architecture。デジタルアーキテクチュアっていうトピックにしてるんですけども。Digital Architectureっていうのは我々のこうデジタル社会の中で、どういう設計でどういう美学でどういうふうに組み合わせるといい改革いいシステムができる、インフラからこの中のコンテンツまでそうなのでで、そういう意味でいうとこういろいろデジタル化をちょこちょこちょこちょこパーツで作ると何となくぐちゃぐちゃなものになっちゃうんですね。web3だけじゃなくて、今度はデジタル庁ができた文脈もそうなんだけども、一生懸命やってるのにもかかわらず、あんまりDXって進んでいなくて。今のDX社会のそうですけれども、会社の中とかUIとかっていうのは、結構ぐちゃぐちゃなDXがたくさんあるので、それはやっぱりそもそも論の話みんなできないからなんですよね。で何かみんなもう決まった分野を自分がコントロールしていてで、そもそも論とかアーキテクチャーを変えないで、1パーツだけデジタル化していってで、今回web3が入ることによって、やっぱりいろんなルール作りだとか、この基盤整備だとか標準化とかこういうところっていうのはすごく重要だし、この新しい素材ができたことによって考え方とか文化とか美学も変えなきゃいけないんですよね。多分この辺は今一番日本もそうですけども、世界的に必要なディスカッションだと思いますので、今回のカンファレンスでそこを先駆けていろいろ議論したいと思います。今回は初めて全部無料にオンラインで見れるようにしようと思っていて、そしてやはりこう社会にとってすごく重要な話なので、最近よく僕のYOUTUBEとかで、これって有料コンテンツみたいだとか書いてあるんですけども。もちろん有料コンテンツってあってはいいと思うんですけども、僕はみんなに聞いて欲しいもの。聞いてもらわないと社会がうまく変わんないようなものっていうのは、これは有料じゃなくて無料じゃなきゃだめなようなと思っていて、じゃあそういう意味ではこれはただ、単にこうお金儲けのために必要なものじゃなくて、web3時代に国民としてグローバルのシチズンとしてきちっと参加するためには必要な情報なので、オンラインは全部無料で公開します。
伊藤穰一:The New Context Conferenceが2005年に始まってだいたい1年に1回とか2回とかやってきたんですけども、コンテクストっていう言葉はこれ文脈っていう言葉なんですけども。昔、最初にインターネットが出た時に僕はある論文を書いていてんでContext as Mediumっていう論文だったんですけども、新しいメディアが出ると、そのメディアの特徴っていうのがあるんですよね。特に最初のインターネットって結構スピードが遅くて結構色んなとことは繋がってるんだけども、情報量はあんまりなかったんですね。そん時にやっぱりメールが一番キラーアプリだったので、そうすると、インターネットが何に役に立つかっていうと、こう大量な情報を放送みたいに送るわけではないし、やっぱりデータベースではなくて色んな人達をすごくタイムリーに色んな面白い文脈でつなげる。だからメールなんかはメールそのものの価値っていうのはこう。不特定多数の人にはあまり価値はないんだけども、自分にとっていいタイミングでいいメールとか情報が入ると凄くそれは自分にとって価値が高いので、だからコンテキストっていうものをこう運ぶのがインターネットじゃないのかなって僕ずっと思っていて。そうですね、だから文脈を考えるというのも、すごく重要で、文脈考えないとそのそもそも論を考えてない。このルールがありますとで、何でこのルールがあるんだっけとか何か結構今色んなルールがweb3にぶつかってたりするんですけども、そのそもそも論の話をしないで、このルールはここにで使おうとするとどうなんだいうことになってで、結構日本ってもうあんまり意味がないルールだらけなんです。何でハンコを押してるんだっけってこのハンコ屋さんのこのハンコが大事なんじゃなくて、この時にこの人がちゃんとそういう意思があったっていうことが重要なので、だから紙とハンコが重要なんじゃなくて、その人の意思をこうちゃんと改竄できない形に残すわけなので、そしてデジタルの社会デジタルの文脈だったらハンコって要らないじゃんっていうことが出てくるので、だから世の中がどんどんどんどん変わっているのにもかかわらず、変わらないものがたくさんあってで、どういう風に変わってその変わったものに対して、どういう風に中が変わるべきかっていう。これはやっぱり文脈の世界だと思うんですよね。今年はすごい日本にとって重要な年でweb3元年とも言われていると思うんですよね。で今年の夏「web3とは」みたいなカンファレンスをやったんですけども。web3はやらなきゃいけないと総理大臣まで言っているので、そうするとじゃやるときにどういう課題があるの何を考えなきゃいけないかっていう文脈もすごく重要なので、この2回目の11月のガバナンスだとか、Digital Architectureのところもきちっとわからないと、この中長期のところの目線の持ち方がわからないのかなと思って、Digital Architectureっていうテーマでもう一回やることにしました。
伊藤穰一:アーキテクチャーっていうのはいったん作っちゃうと変わんないんだよね。例えば、IPv6とかTCP/IPって、もう何十年前にできてから変わんないんですよ。もう普及しちゃうと変わんないインフラなので、だからそういう意味でいうと、例えば今の電車のサイズが全部違ったら乗り込めなかったり、電気の規格が違ったり、そういう規格が違ったり、設計が違うともう一生変えられなかったりするので、やはり今、そういうどういう規格でどういう標準化でどういうルールで作ろうかっていうのを考えてるとこなので、それがずれちゃうと全然未来が変わっちゃうので、ボタンの掛け違いを防ぐために今アーキテクチャーをやらなきゃいけない。だから、web3っていうのはもう完全に新しいDXのインターネットのレイヤーなので、この世の中がそれを今考えている中で、日本ではそもそも論、何を根本的に変えるかっていうことを考えなきゃいけないっていうタイミングとしてはすごく重要で。で、その素材の特徴とか感覚をアーティストだろうが、経営者だろうが、政府の人だろうが、技術的なレイヤーもわかった上で、そもそも何をしようとしているのかっていう話をしないと、たぶん本当のいい機会を失うと思うのでんで、これはもう変な方向に動き出しちゃうと、なかなか後で変えられないので、これを今やるっていうのが重要だと思います。だから、すぐweb3はそんなに役にまだ立たないんだけども、今から未来のことを考えてないと本当に動き出した時にはもうぐちゃぐちゃになっちゃうリスクがあると思いますで、それを考えるのに必要なのは、4つ文化の理解ーーー法律の理解、経済の理解と技術の理解、これ全部一緒に話をしないとアーキテクチャって作れないのでで、今まででこれ縦割りになってばらばらになってるんだけども、おんなじ部屋でみんなでディスカッションして出てでいじって感覚的に理解して作りながら発想をこう抽象的にも考えていくっていうことが必要なので、やっぱり今までのそういうルール作りの方法とはちょっと違うと思うんですよね。
伊藤穰一: っていうわけで、今回のThe New Context Conferenceには、連邦法律学者のLessigからコミュニティーのリーダーとか、アーティストから技術者から経済やってるビジネスの人たちも全部いますのででみんな一緒にディスカッションすることがこの重要なポイントだと思います。一番頭のキーノートは、Lawrence Lessigでハーバード法学部の教授で、連邦法が彼のメーンなんですけれども、今はCorruption、国のこう設計とかをずっとやっていてで、彼はもう大統領選にも出てるし、すごく有名な本をたくさん出しているので、とても有名な人なんですけども、すごく有名な行っていう本があってで、そのCodeっていう本の中では、人間社会っていうのは法律とその社会の文化、それと経済それと技術でコントロールされてるっていうふうに彼は言っていてで、法律と同じような文脈で、この技術のアーキテクチャっていうのは我々ができることを制限したりできることをOpportunityは提供するので、こういうテクノロジーのアーキテクチャがいかに重要かっていう本書いてで、それの後に彼はクリエイティブコモンズっていう著作権の標準化をのプロジェクトを何人かと立ち上げて、僕もそこの代表をやるんですけどもで、今のウェブの時代でこういうLessigみたいな人たちが、どういう設計で社会的にいろいろやっていくかで、どういうことを法的にOKにするべきなのかとかっていうディスカッションも必要なんじゃないかなっていうので、彼のこのガバナンスについての考え方を談話の文脈に当てはめるっていうことをお願いしてで、そのトピックで彼が話します。もしかしたらこれは初めてかもしれないです。
伊藤穰一: Emily Yangっていうpplpleasrっていうデザイナーで、彼女はすごくweb3の時代ではど真ん中にいて、Uniswapっていうすごく有名なDEXのロゴも彼女だし、結構いろいろなプロジェクトも彼女はやっていて、そしてそういうデジタルアートとかNFTの投資のpleasrDAOっていうのも彼女が作ってすごく話題になってるし、新しい若い若い世代を代表してると思うんですね。彼女はアーティストでもあり、オーガナイザーでもありんで、渋谷XYZっていうプロジェクトもやって。結構、これもNFTプロジェクトとしては、僕すごく面白いプロジェクトと思うんですけれども、ただ、今回彼女に一番表現してもらいたいのは、そういうコンテンツと投資のDAOのリーダーとしての目線を提供してほしいってのが、僕のメインの想いです。
伊藤穰一: 河野太郎さんはたぶん皆さんもご存知だと思うんですけども。彼は結構世界のグローバルな文脈を持っていて、そしてツイッターとかソーシャルメディアも理解していて、彼も総務省のたしかあれは政務官か何かにいらっしゃったときも、僕も随分デジタルな話をやっていて、結構この今トピックスとしてはすごく理解は深い人なんですけども、今回デジタル大臣でデジタル庁のトップですよね。で総理初め、今年に入ってからweb3は政府のすごく重要な柱になったと思うんですけども。で、web3の難しいのはいろんな分野に入ってるので、いろんな官僚の組織をまたがるわけです。っていうわけで、今回デジタル庁が真ん中に入って結構、それはコーディネーションしなきゃいけないっていうふうに受けていてで、それのトップになった河野さんが一生懸命web3も含めてこのエリアを考えてると思いますので、彼の話を聞くのは、すごく政府が何を考えてるかを理解するためには重要なんじゃないかなと思います。ちょうど昨日も村井純先生といろいろ話してたんですけども、WEBの最初の頃っていうのは本当にこういう非中央集権型の分散型のシステムが初めて。このスケールで行われていて、やっぱり最初のインターネットの時にこう非中央集権型にいろいろフェアにフラットにオープンにやろうとする人達がたくさんいて、すごいイノベーションが早く動く。このレイヤーに分かれているオープンなアーキテクチャのインターネットってできたわけなんですけども、最初の村井先生みたいな人たちと一緒にみんながこう、あのフィロソフィーでやってなければ、今のインターネットってなくて、インターネットっていうのはほっておいたら、電話会社が作るものではなくて、すごい新しいアイデアで革命的にこれをプッシュして勝ち取ったものなので。で、今回のweb3もほっておくと、結構つまらないものになる可能性っていうのはあると思うのでで、それが多少web2とかでまた構図が変わっちゃったんですけれども、そこからいろんな学びがあって、こういうところをちゃんとやっておかないと後でうまくいかないよねとか、こういう方向にまた中央集権に利権で集まるんだよねとかっていうのはわかっているので、もう一回非中央集権型にプッシュしようとしているweb3で、今回こそこの辺はちゃんと押さえておかなきゃいけないなっていうのはあるので、だからそういう意味でいうと、今までの学びを含めたコンテキスト。ただ、今までのウェブよりもお金が真ん中に入ってたりするので、もっともっとこう集まったり、変になる力もたくさん出ているので、ここはいいところをちゃんと守りながら変なのを潰して、そしてこうあんまり変わりたくない。このベースのところのアーキテクチャーをそもそも論にしてこうきちっとDegital Transformation、変革をするっていうのがとても重要なので、何かちょっとぼーっとやってると変になっちゃうので、理解して参加してアーキテクチャをきちっとやる。この課題はみんなにあると思いますので、ぜひカンファレンスに出て参加してほしいと思います。っていうわけで、いろんなタイプの人達が今web3で何が起きているか、どういう文化、どういう法律、どういうビジネスがこれから生まれてくるかっていう話をしてくれると思いますので、そうすると、多分、今みんなじゃweb3でいろいろ騒いでいるんだけど、自分にとって何なのんで、僕は何をしなきゃいけないか?っていう風に思ってる人たちはいると思うんですけれども、「答え」をもらうのではなくて、みんなの話を聞いて、そして自分の生活にどういう影響があって、自分は何をしなきゃいけないかっていうことを自分で想像するためのすごくいい刺激ときっかけになると思いますので、っていうわけで何かカンファレンスの何か結論、答えをどこかで読むっていうんじゃなくて、全部聞いて刺激を受けて、そして自分で考えるというのはとても重要なポイントだと思いますので、是非無料ですので全部見てください。
伊藤穰一:そして今回テーマはDigital Architectureなんですけども、実はデジタルガレージの中でDigital Architecture Labっていう新しい組織を作ります。で、そこはまさに新しいデジタルアーキテクチャは考えていて。で、それはデザインの部分だとか、技術の部分とか文化とかルールの話もこの会社の中と社会の中でいろいろ考えて提案していこうと思ってんですけども、今回のデザインも今までずっと見てきた人たちからすると、ちょっと変わったと思うんですけども、このデザインもDigital Architecture Labの一つのすごく重要なプロジェクトの結果ですので、このデザインがどういう風になったかっていうのとどういう意味をしているかっていうのもConferenceについて発表したいと思いますので、是非それもご覧ください。