Joi Ito's Podcast - 変革への道

テクノロジーに精通しているだけでなく、サブカルチャーやネットカルチャーにも詳しい伊藤穰一。 かつて、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究所メディア・ラボの所長も務めた伊藤穰一がさまざまな人物を巻き込み、「これからのニッポン」を考え、どう変革していくべきなのかを議論する新しいポッドキャストがスタートします。 番組には、伊藤穰一のネットワークを通じて、世界中から様々なゲストが出演。 また、解説者として、メディア美学者である武邑光裕氏が登場し、デジタル社会の大局的な指針を伊藤穰一と共に掘り下げていきます。 議題となるテーマは毎回その時に注目されている話題や、伊藤穰一が気になっているテーマをピックアップ。 伊藤穰一の頭の中をそっくり丸ごとお届けしていきます。是非、お楽しみください。

今週のJOI ITO’S PODCASTは、三菱UFJ信託銀行の齊藤達哉さんが登場です。 三菱UFJ信託銀行はブロックチェーンを活用しさまざまな金融商品を開発するなど、革新的な取り組みに挑戦していることで知られています。その中でも、注目されているのがメガバンク初となるステーブルコインの発行です。 保守的なイメージの強い日本の信託銀行で、どのようにステーブルコイン発行を実現していったのか?齊藤さんが推し進めたステーブルコイン基盤設立の舞台裏について伺いました。

【今週のトピックス】

▼ステーブルコイン基盤Progmatとは?

▼ステーブルコイン発行の経緯

▼パーミンション型vsパーミッションレス型

▼ここまでの変革をどうやって起こした?

▼伊藤家と奥井家の教育方針

▼伊藤家の食卓

アンケートを実施しています

番組でもお伝えしましたが、JOI ITO’S PODCASTに関するアンケートを実施しています。 お答えいただいた方の中から抽選でBright MomentsのGolden Ticket Tokyoを1名様にプレゼントします。こちらから是非ご協力くださいませ。

【編集ノート

編集ノートには毎回番組で登場した難解な用語や固有名詞などの意味や内容をまとめています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。

JOI ITO 変革への道 - Opinion Box

番組では、リスナーの皆様からお便りをこちらから募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。お便りを採用させていただいた方には、番組オリジナルのNFT会員証がmintできるリンクをお送りしています。

求人サイトCool Job Listの開設

番組にご出演いただいた方々と聞いている方々を結ぶプラットフォームとして、ジョブマーケットを作ってみました。今、実は仕事を探している、なんてあなた!ぜひこちらを確認してみてください。ぴったりの仕事がみつかるかもしれませんよ。

コミュニティ醸成実験について

Joi Ito’s Podcastのリスナーを中心としたコミュニティを形成しています。番組という枠を飛び出して、リスナーの方々同士が交流できる場となっています。詳しくは、下記リンクをご覧ください。

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今週のKAMONの回答先

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Podcast Transcript

  伊藤穰一: こんにちは 伊藤穰一です。 

奥井奈南: こんにちは 奥井奈南です。今日は日本初のステーブルコインとなる三菱UFJ信託銀行の齊藤達哉さんにお越しいただいております。よろしくお願いします。 

齊藤達哉: よろしくお願いします。 

奥井奈南: 齊藤さんのプロジェクトはプログマと言われていますが、こちらを是非ご説明ください。

齊藤達哉: そうですね。対象はあらゆる価値なんですけども、例えばわかりやすいのだと不動産とか飛行機とかですね。資産をデジタル化して、有価証券として発行するという、セキュリティトークンという分類がありまして、日経新聞さんとかだとデジタル証券とかという風な言われ方をするんですが、あと、今だと多分一番わかりやすいのは、NFTという言葉で代表される何かの権利とかが付いてるようなトークンというのがユーティリティートークンって呼ばれたりするんですが、こういうユーティリティートークンも発行できたりとかですね。あとは、今回はまさに話の対象になっているステーブルコインというのがあってで、ステーブルコインはですね。分かりづらいのは自称ステーブルコインというのがいっぱいいるんですよ。自称ステーブルですって言ってるコインがいっぱいあるんですが、一応法律がちゃんと日本だと世界に先駆けてできて、ちょっと小難しいんですが、電子決済手段ていう名前が与えられて。で、ちゃんと例えば1円と1コインがしっかりペグされている。コインというのがステーブルコインで、それは今回、ちゃんと法律が2022年にできてで2023年に施行されるので、法律に合わせてちゃんとステーブルコインを発行できる。仕掛けというのもこのプログマという仕組みの中でやるということですので、セキュリティトークンとユーティリティートークンとステーブルコインを発行するためのプラットフォームというのがプログマというプロジェクトです。 

奥井奈南: 何ができなくて、何ができるのが…。 

齊藤達哉: はいはいそうですね。ステーブルコインでいうと、日本で実はステーブルコインというのは取り扱いできてなかったというのがあって、日本人の方が例えば一番わかりやすいのだとはテザーとかですね。あとはUSDCとかというステーブルコインが海外だと発行されてたりとかしまして。で、そういう暗号資産をやってるような方がテザーとかUSDCとかを取り扱うと思うと日本の取引所だと今は取り扱いできないので、海外の取引所とかですね。海外と直接やりとりしなきゃいけないというところがあったんですが、今回は法律がちゃんと施行されると、日本人の方が日本で海外で出てるようなステーブルコインも含めて取り扱えるようになるというふうな感じになるので、よく別にデジタルマネーとかいっぱいあるのでステーブルコインがあると何がハッピーなんですかという話はあると思うんですが、例えば私とJoiさんが今、トークンのやりとりで私の持ってる不動産トークンをJoiさんが買ってくれたとしてもですね。この間にJoiさんから私にお金を送ってもらうときにですね。既存の金融のいろんなインフラを経由してくることになるので、私2営業日待たされるんですね。Joiさんに私のSD一瞬で移せるんですが、着金まで2営業日で待ってなきゃいけないというのがあるんですが、ステーブルコインがあるとどっちもブロックチェーン上にそのものの方も金の方もあるので、一瞬でやり取りがしかも間に別に信頼できる業者とかおかなくても一瞬でできるようになるってこれが一つと。 

伊藤穰一: 前回のポッドキャスティングでも出たスマートコントラクトというのがあって。それで、ステーブルコイン、パーミッションレスのステーブルコインだから、ブロックチェーンにあるステーブルコインはのことをスマートコントラクトが理解することができるので、だからスマートコントラクトにステーブルコインを送り込むと鍵が出ていくということはステーブルコインだとできるけれども、銀行なんかだとできないので、本当に円でスマートコントラクトをやりとりするにはステーブルコインが必要。 

奥井奈南: もうじゃそもそも何か通貨も変えてしまったということですね。

齊藤達哉: 特定のエリアでという風な感じですね。で、もう一つがいわゆるweb3と言われている。日本以外の…まぁ、今のだとどっちかというとユースケース日本の話なんですが、日本以外でも暗号資産に置いておくと、やはり価値が結構変動したりとかしたりするので、いわゆるリスクオフというかですね。変動を抑えたい置き場所として、ステーブルコインというのは結構選ばれてたり、 

奥井奈南: ボラティリティに左右されない。 

齊藤達哉: そうなんですそうなんです。で、それを法定通貨に変えなくてもそういうボラティリティ。に左右されない置き場所というのが海外だとステーブルコインというのがあったんですが、日本の方だと日本でそれをできなかったというのが今までなので日本でもそれがちゃんとできるようになると、そういう置き場所としてステーブルコインていうのがちゃんと使えるようになる。で、この2つが多分今までなかったところです。 

奥井奈南: ステーブルコインを発行することになった経緯を 教えてください。

齊藤達哉: そうですね。これはもう遡ること2021年の夏ごろから金融庁さんとちょっと会話を始めたところがありまして。で、やはりですね。いわゆる自称ステーブルコインの事件って今年だけでも結構やはりあってで、必ず1ドルで保証してますとかって言ってるんですが、蓋を開けたらもうすごい価値なくなっちゃいましたという。いきなり価値が消失するみたいな事件がま今年結構顕在化したと思うんですよねで、利用してる方からすると、不安でしようがないので、まあかわり利便性もあったと思うんですが、ここで結構トレードオフの話で、これやはりしっかり規制しなきゃいけないねというのはこれ別に日本だけがですね。先走っている話ではなくて、国際的にそういうやはり論調になっているので、日本はある意味。先駆けてそういう法律を作るとで、その時に結構鍵になるのがいわゆるweb3だととトラストレスという世界が基本発想で別に誰にも信頼ポイントを置かなくてもちゃんとやりとりできますよがベースだと思うんですけど。 

奥井奈南: 中央がないんですね。 

齊藤達哉: そうなんです。ただ、ステーブルコインで起きてることって結局多分ステーブルコインで発行体をある種トラストとしてるところがあって、ちょっとアルゴリズム型とか一部ちょっと例外を除くんですが、なのでこの人がちゃんと資産を保全しますって言ってるんですが、いやしてなかったというのが結構明るみになっているというのがあるんで、トラストするならちゃんとトラストホルダーを規制しましょうというのをしっかり作るとで、その時に分かりやすいのが日本だと信託というふうな仕組みがあって。で、この中に1円なり1ドルなり、裏付けとなるお金を入れておけば、信託銀行が別に倒産しても守られますし、仲介してる方が倒産しても守られるし、例えばUSDCであればCIRCLEって会社が発行体いるんで。CIRCLEが倒産したとしても守られるというこの信託というのがトラストを使う上で非常に便利な器があるので、ということで、信託を使ってしっかりトラストされたステーブルコインを、これは別にパーミッション型かパーミッションレスか関係なく出せるようにしましょうという動きが去年からこの1年にかけてようやく整ってきたというところですね。 

伊藤穰一: パーミッションレスとパーミッション型ってちょっと説明していただけると。 

齊藤達哉: あのー、ちょっとそうですよね。テクニカルなんですが、パーミッション型とパーミッションレス型ってこれ。ステーブルコインを発行してるこのブロックチェーンの基盤の違いみたいなところがあってで、パーミッションレスはいわゆる一般にブロックチェーンでイメージするような誰でもアクセスできるという風なインフラですので、当然そこには国も関係ないですし、法人も個人も関係ない。 

奥井奈南: 簡単にすぐにぱっとできちゃう。 

齊藤達哉: そうですそうです。もうインターネットのURLと同じで、URLさえ分かれば今どうなってるかというのが全部見れますというのがパーミッションレスで。でパーミッション型って言ってるのはこれ。アクセスできる人を限定してるブロックチェーンていう風な感じですので、究極形がいわゆるプライベート型と言われる自分しか見れませんというブロックチェーンですね。なのでこれは自社のデーターベースともやってること変わんないというのがプライベートで。でコンソーシアムって言ってるのは、このアクセスできる人はもう誰でもかんでもではないんですが、ただ一定の許可された人はみんなで見れるという風な話。なのでいったらば、何かの集団とか何かのコミュニティーとか、企業連合の中でデーターをやり取りする時のインフラとして、コンソーシアム型ブロックチェーンというのが、これ、どっちもパーミッションが入るので、パーミッション型のブロックチェーン。で一切許可がないのがパーミッションレスで。それぞれで発行するステーブルコインが、このパーミッション型のステーブルコインとパーミッションレス型のステーブルコインという風な感じです。 

奥井奈南: ではいしようとしているのはパーミッションレス型。 

齊藤達哉: どっちもですね。はいでもパーミッション型の方から実はやってたんですよ。前は当然やりやすいですし、さっき例として申し上げた。不動産のやり取りとかは、これはパーミッション形でやってる話なのでコンソーシアム型ですね。やってる話ですので、こっちの話を先にやっていましたで一方で、このパーミッションレスのステーブルコインの話もないとやはりWEB3のエコシステムと接続できなくてですね。すごい日本ガラパゴスな仕組みになっちゃうんですね。でそうするとせっかく海外ではUSDCとかテザーとかいろいろ発行されてるのに。日本人はこのエコシステムから一切離れたすごいローカルの世界でweb3やることになってしまうので、パーミッションレスもやんなきゃいけない。で、ただこれ誰が推進するんだ問題というのがあったんで、なので民間の声としてはやはりちょっと一つにまとめないとですね。いろんな人がいろんなこと言ってて、もう規制をする。金融庁さんなり、自民党のWEB3PDさんなりにですね。考える側もう。どう作ったらいいのかという話がやはり宙ぶらりんになってしまうで、それで。11月の30日に公表したのが、我々がいった事務局をやってる。コンソーシアムが組織としてあってですね。で、これが今160今直近だど8ぐらい参加されている比較的大きな企業の集合体みたいな感じなんですが、ここで暗号資産交換業界の方も伝統的には我々含め金融機関の方もいろいろな方が入っていただいて、でワーキングをつくってですね。このパーミッションレスステーブルコインを日本でやるにはどうやったらいいのかというふうなところを議論をまとめてで、それが公表できたのが、この撮影が26日ですので、先週の金曜日21日23日か23日に公表したって感じですね。 

奥井奈南: 海外でできなかったことが日本でできるようになったというのが本当に大きなビッグステップだったんですか。 

齊藤達哉: そうですね。今までは規制が日本だとなかったので、海外で発行されてるもの。そのまま日本では使えなかった。 

伊藤穰一: ただ、海外より少し先に進んだのは、海外ではここまで細かいステーブルコイン法というのはないので、意外にいろんなステーブルコインが一緒になっちゃってるが、日本は頑張りますステーブルコインと、絶対大丈夫ですステーブルコインていうのに分けたので、そして銀行とかが発行するものがちょっと見分けができるというのはありますよね。 

齊藤達哉: そうですね。今まで海外だとやはり規制がないからやれますよというのが海外ベースなんですが、日本だと規制がないとあんまし誰もまた渡れないとか渡ると叩かれる国ですので、やれないってところがあるんで、そういう意味では先駆けて規制はできたので、どのタイプのステーブルコインなのかで、利用する方も期待値はどれぐらいなのか、とちゃんと補助されてるものなのかそうじゃないアルゴリズムなのかというふうな。ところがある種ちゃんと規制をもってもわかるようになってるってところがありますね。 

伊藤穰一: で、今保証してるというのを具体的にどういう保証なの?僕はプログマステーブルコインを持って行くと現金がもらえる。 

齊藤達哉: んだそうですね。そこが確実にやれという風になってるところ。 

伊藤穰一: で、これ誰ががくれるの。 

齊藤達哉: 発行体です。 

伊藤穰一: そうだよね。だからプログマというのは発行するプラットフォームだけど、裏にいろんな銀行があって、銀行のステーブルコイン持ってくと銀行が払い戻してくれたということで。 

齊藤達哉: はい、なのでプログマ自体が発行体になってプログマコインというコインを発行するのではなくて、プログマはセキュリティートークンもユーティリティートークンもステーブルコインもうついイネーブラーというか、それを実現するためのプラットフォーム基盤を提供していますとで、実際に発行するのは日本だと銀行か信託会社と信託銀行とか、あとは資金同業者というここの3タイプで、これらがある種の発行体ユーザーとしてプログマを使ってステーブルコインを発行すると。なのでコインの名前は別に何でもよくて別に三菱の名前を返した。MUFGコインを。これのプラットモジュールを出すことも別にできますしで、この前発表した通り、プログマ自体はナショナルなインフラとして別に三菱UFJから出てですね。いろんな金融機関さんに出資頂いて中立の箱になるので、そういう意味でいろんな金融機関さんがバックで発行体になってステーブルコインを出すってことも当然可能です。 

伊藤穰一: で今回あれなの。銀行口座がなくても例えばメタマスクみたいなウォレットで受けるとる。方向になっているの。 

齊藤達哉: そうですね。あのー、いわゆるちょっとテクニカルな用語だと。UnhostedWalletとって呼ばれる。メタマスクとか。。個人で勝手に解説してるウォレットがあるんですが、ここに。お金を動かすということも認める方向になっている。 

伊藤穰一: そこは受け取る利便性あるよね。銀行口座持てない人とか持ってない人も受け取れるし。 

齊藤達哉: はい 

伊藤穰一: ってあれはどうなの。GnosisSafeみたいな何人かが鍵を保有してる。例えば、DAOのお財布とか、そういう本人確認はどこまで必要なの。 

齊藤達哉: そうですね。UnhostedWalletに対してはどういう今回ちょっと規制になるかというのはもうまだ確定はしてないですが、この一回ゲートキーパーになる。仲介者の人が電子決済手段等取引業という新しいライセンスを与えられて。で、この人をこの人が知っているUnhostedWalletのアドレスについては、いろんな今ブロックチェーン解析ツールみたいなのがあって。でこれであのー、いわゆる制裁対象を送っちゃいけないリストとかになってないかどうか確認というのはアドレスベースでやるので、別にこのUnhostedWalletが必ず本人確認必要上からの氏名住所とかですね。いった情報なくても別にそこに送ること自体は禁止されてないというですね。 

伊藤穰一: なぜこれが大事かって言うと、前回DAOの話したじゃない。例えば市町村の各PTAが何かDAOを作りますとで、このDAOのルールは5人のうち3人がサインすると決済できると、そうすると、5つのキーがある。お財布というのは今作れるのね。で、やはりでここの団体をちゃんと信頼されるんだったら、この団体は銀行口座はなくても現金もらったり、現金を払うことができて。それで、結構本人確認のことをあまりにも厳密にすると、この財布は誰の本人だ。住所、どこだって言うと5人が持ってるお財布というのは認められない可能性があったので、だから今、中間業者の人達がちゃんと。これはちゃんとした組織だというふうに認められるので、そうすると会社とか団体の銀行口座とおんなじような扱いがステーブルコインでできるとか、結構これ大きいね。これができてなかったら、ステーブルコインはDAOが作れないでDAOが使えなかったら、すごくやはり利便性減ってたので、結構これはおっきいと思うんだよね。 

奥井奈南: DAOの株式会社化というか、そこにもっと近づく。 

伊藤穰一: うん 

伊藤穰一: でやはり今回すごいなと思うのは、銀行口座いらなくなっちゃうんでね。一部の人達はで大きくなったら銀行口座欲しくなるけども、銀行口座はなくてもDAOが作れる。銀行口座でなくても、個人がお給料貰えるという風になると。だから銀行にとってちょっと不思議な気分になるのね。で、それを応援してる銀行達というのは僕すごいガッツがあっていいなと思う。だから海外でもちょこちょこ実験してるが、ここまで本気でやってるのはあんまりいなくて。で、多分銀行の中でも嫌がってる人はいるんだけども、MUFGはの亀澤さんがすごいここら辺リーダーシップ持ってるが、そこの何かどうやって決断したのかとかって。 

齊藤達哉: そうですね。まあ、やはりまさに亀澤さんとか、トップマネジメントの方々の理解は非常にあるというまず前提があって。で、上でどういう説明をしてきたかってところなんですが、やらないという選択肢が多分一番賢そうに見えるんですが、短期的には。ただ中長期的には別に今既存でやってる人達がどう思おうが、もうみんながそれが便利だと思ったらもうそうなっちゃうわけですね。 

齊藤達哉: そうなると、もう世界ではもう我々既存の人は立場はないってことにやはりなっちゃうので。どうせそうなるんだったら、こっちの世界でも活躍できる。術を今から考えておかないと何もなくなりますよという説明をずっとセキュリティートークンでもステーブルコインでもしていて。で、実際、こっちの世界でも既存金融が果たす役割というのは私は0ではないと思ってまして、まさに今の規制の議論は別に我々がコントロールするでもなく、今の論調とやはり裏付け資産はちゃんとしたところに置いておけとで、ちゃんとしたところ、どこなんだって言うとやはり信託とかってのは便利ですので、そこはやはりあのーちゃんと我々が価値発揮できる場所があると思いますし、ステーブルコインが、もう本格的にいわゆるみんなが使える状態になってるために何が必要かって言うと、多分やはり貰った給与をさっき、ステーブルコインに変えるのが摩擦があるって言ったと思うんですが、あれが摩擦なく逆にできるとすごい使われると思うんですよ。 

奥井奈南: そうですね。それがいいってなったら一気に広まりますよね。 

齊藤達哉: 一気に広まりますよね。でじゃ給与ってどうやって受け取ってるかというと、今デジタルマネーで受け止めている会計もありますが、今のところ大半はやはり銀行口座でもらってるわけで。なので例えばですが、このMUFGだけじゃなくてプログマでつながっている。いろんな金融機関の方がみんな今やってるデジタルチャネル。典型的にはインターネットバンキングの中で中で自然にそこがウォレットアプリ化して受け取った給与がすぐステーブルコインに一部変えられるってなると、これ多分ステーブルコインのハードルというのは一気に多分下がるはずですので、そういうチャネルとしても金融機関ってやはりまだまだ分厚い顧客基盤ってのはあると思いますし、幾らでも価値発揮できる領域ってのはやはりあると思ってるので。ちょっと個人的なテーマは既存金融と、このweb3の世界をいかに無理なく一緒に価値競争できるかってのが個人的なテーマでずっとこのプロジェクトをやってるというところ。 

奥井奈南: 何か齊藤さんさっきから何か聞いてる限りすぐステレオタイプの銀行員ではなくて、ちょっとスタートアップ精神があって、めっちゃマインドがありそうですね聞こえるんですが、なんでどういう経緯でブロックチェーンに。 

齊藤達哉: そうですね。美容院いくと銀行員と見られることは一回も今までなかったですよね。マインドのところとか経緯のところでいうと、別に入社後はこのデジタル分野をやるとは当然思っていなくてで、いろんな偶然が重なって2016年ぐらいに当時フィンテックって言葉が結構流行りワードであってで、当時私がたまたまIT企画にいたので、ブロックチェーンも当時言葉としてはあったというところで、そこでちょっと専門部署を作らないと色んな金融機関にありがちな局所最適になりそうだなってところがあったんで。専門部署というのを作りましょうって企画したところからが、今のキャリアの始まりで。で、そこでFINTECH推進室というのが作っていただいてで、中で専任担当として色々やってる中でで、新ビジネスでやはりビジネスモデルを変えるというところが、私はやはりいわゆるDXと呼ばれる本質だと思ってて、ちょこちょこ何かデジタルチャンネル化するのもいいんですが、やはり本質的にやはりビジネスモデル変革だと思ってるのでで、そうした時にこの信託の領域というのとブロックチェーンの領域とか、データの領域って非常に相性がいいなと。まあ相性がいいとポジティブな言い方なんすが、ネガティブに言うと代替されかねないな、と。 

奥井奈南: そう潰れちゃいますよね。 

齊藤達哉: って思ったんですよ。今まで信託という信用でレコードキーピングしてで、誰が持ち主かというのを価値を保全してたのが別にこれそういうトラストなくてもブロックチェーンでやれちゃいますって話ですので、下手するとこれもう代替されちゃうなという危機感があったんで、データーの分野で言うと情報銀行ってビジネスモデルででブロックチェーンの分野で言うと、プログマというビジネスモデルでやり始めたというのが2017年8年ぐらい。やってた 

奥井奈南: よく反対されずにそこまで。なんでそんなにプログレッシブに歩めたのですか。 

齊藤達哉: そうですね。やはりこれ多分大手で社内起業的な動きをしている人全般に多分言えることだと思うんですが、社内で一番詳しくなってないと多分駄目だと思うんですよ。で社内で一番詳しいと手の話ってほっといても外から色んな人がトップの人に聞くんですよね。 

奥井奈南: あ、これは流行ってるらしいけどわかる?みたいな。 

齊藤達哉: そうなんですよ。御社としてはどうするんですかとかって言った時にまあ答えられない訳ですよ。で、そうすると結局じゃ誰が詳しいんだというふうな話になっててで、その時に一番詳しい人になってると多分自分の意見が、色んな当然意見は吸収した上で、社の意見になりやすいという多分構図があると思うんで、完全にブロックチェーンとか、ちょっと手前で、データの話で情報銀行もあれも結構アンチGAFAの文脈だったんでじゃそこら辺は私が一番詳しいとされるポジションで何とか仕事ができたんで、だんだんそうするとまさにこういう場に出たりとか、好循環になっててというようなところで今に至っています。 

伊藤穰一: でも今回の発表を見て凄いなと思ったのは、銀行の中で一番詳しい人が作った一番ピカピカなものを外に出して35歳の若者を社長にして、そして他のメガバンクに投資させて。それで、独立して何か上場に向かうというのはこれ結構勇気が必要だよね。 

齊藤達哉: そうですね 

伊藤穰一: で多分それは齊藤さんがそれをやんないと他の銀行はのってこないよねという説得だからだと思うが、それは結構簡単だった? 

齊藤達哉: いやいや、もうこれはもう簡単じゃないですね。やはり難しくて。ですので、個人的に参考にしてた歴史上の人物でやはり坂本竜馬的な動きをしないと、やはり国全体として国って言うか。世界全体でやるべき話なんですが、まずはこの国の中で固めようとすると、やはり三菱ですって帽子被ってるとですね。乗りづらいなというのは思う訳ですね。で、これは金融機関の中にいる人だと前よりよく分かると思うんですが、やはり何て言うんでしょうね。逆の立場でいけば、三井さんとか住友さんとかみずほさんの帽子被ってるプラットフォームに乗っかってくださいねというのってそのままだとやはり純粋にユーザーにはやはりなりづらいんで、ここはやはりまず作った人が胸襟を開いて一緒にやりましょうと。独占する気ないですと。で、これを別に言葉だけだったら簡単なんですが、やはり資本ていう意味でもやはり一つになるというのが一つ。 

齊藤達哉: やはり企業として意思決定する上で重要だなと思いますし、ブロックチェーンの現場からかなり遠い人が、年次だけで、会社のトップになったり、とかしてで各社から同じようなレイヤーの人が取締役として派遣されてという風な集団になると、要は端的に言うと、大手寄り合いの何か老舗企業の図体ちっちゃくしただけの会社に多分なっちゃって、それだとやはりイノベーションが起こせないので。ここはちょっと我々が意識したところとしてはやはりスタートアップとしてやってかないと多分キャッチアップできない。ので、ここはみんなから出資はいただくんですけど。寄り合いのちっちゃいだけ老舗にすることなく、スタートアップとしてやっていく時にどういうリーダーシップ体制がいいかという風なベースで議論してきたというところですね。 

奥井奈南: 信託銀行にイノベーションを起こされた。 

齊藤達哉: そうですね信託の中で、まず起こしつつあるのかなというふうには思いますが、ただマインドセットとしては多分信託だけでもやはりいけなくて、他のメガバンクさんや商業銀行の領域とか、証券会社さんの領域も含めて多分変えてかないといけないのかなと。はい。 

奥井奈南: なんでそんな何かミッションが使命感というか。どうしたら。 

齊藤達哉: そうですね。まずあのー入社の時からインフラが好きというのは結構あって。であのー目に見えないじゃないですか。インフラって。目に見えないから地味なんですが、ただ個人的にはインフラが全てのルールを規定してるところがあるので、実は踊ってるようで、踊らされてるというか。上の人達は、実は基盤を掘っていった時に、この基盤が結構やり方を規定してるところがあって、どっちが面白いかなっていったら、やはり全体をグランドデザインする方が個人的にはやはり好きなんですよね。まあ、それってブロックチェーン以外の世界だと、それこそ国の中枢にいったりとかしないとできないと思うんですが、ブロックチェーンだったらそれを民間から結構起こすことができる。で、それは個人的には凄い面白いなと。 

奥井奈南: Joiさんもこのガッツある人大好きですよね。 

伊藤穰一: うんすごい重要でね。意外にインフラ好きな人って、そういう改革を起こすタイプ少ないんでね。やはりインターネットもそういう改革を起こすタイプの人達がインフラにいったから世の中変わったのでで、こういう人も珍しいし、あとタイミングがね。何か今ちょうどステーブルコインがあって、そして何か日本も何かweb3やろう。多分半年前ぐらいだったらきっとパーミッションレスとさっきのメタマスクみたいなウォレットは駄目だよねってきっと言われていて。で、本当に半年前ぐらいいろいろ議論された時も、何か銀行の中だけでやるって話多かったよね。だからそれも本当に今ちょうど風が吹いてアンロックしたので、すごくタイミングいいプロジェクトだと思うんでね。まだでも最後見届けるまで色々まだ何があるか分かんないからあとね半年ぐらい色々頑張らなきゃいけないよね。 

齊藤達哉: そうですね。 

齊藤達哉: 重要なのはそれをちゃんと各金融機関さんが自分たちのツールとして導入をしてで、さっきのお話にあったように、ステーブルコインを発行したりとか、セキュリティーとかを取り扱ったりということに使っていって、どんどん普及させる使う場を広げてくということが今後大事になってくるので、今申し上げたようなメンバーの方に入っていただいて、それぞれの方が使っていただくことで、皆さんの目に触れる機会というのをどんどん増やしてくというのがこれからやることですね。はい。 

奥井奈南: 銀行ってこれからどうなってくんですか。 

齊藤達哉: そうですね。なので2つあってですね。一つは発行体化するって話と2つ目はチャネル化するって話であのー1つ目の発行体化というのはステーブルコインもですね。信託という器に入れて発行するので、実はそこが例えばいろんな名前のコインだったとしても、法律上、規制される発行体て信託銀行だったりするんですね。まなのでここが発行体として裏返すと裏付けとなっているドルとか円とかですね。別にこれドルにも円にも限定しないで、法定通貨他にも外貨いろいろありますから、そういったところの置き場所として多分これは機能を求められ続けると思いますし、あともう一つチャネル化という意味でいうと、さっきの法定通貨とステーブルコインを交換する一番多分あってほしい場所というのは、やはり銀行のチャネルでそのままステーブル扱いに変えられるというのが一番望ましいかなというふうに思うので、こっちのチャネルとしても多分生き残っていかなきゃいけない。ですので、金融機関としては目先の課題としては多分今のインターネットバンキングとかのデジタルチャネルをweb3用のウォレットにしてくというふうな動きを多分していかなきゃいけないはずですので、この発行体とWALLETってこの2つの領域で多分金融機関はこれから頑張っていくってことかなと思ってます。 

奥井奈南: 今年の2023年のビジョン、どういう風にしていきたいなどはありますか?

齊藤達哉: そうですね。やはり皆さんから期待されてて、非常に責任というかやらなきゃなと感じてるのはやはりパーミッションレスステーブルコインを円建てのモノだけじゃなくてですね。多分、海外で使えるって意味だとやはりドル建てのものも含めて実現できるようにしなきゃいけないとで、この時に我々側に求められてるのは多分2つあって、一つは信託銀行として法律準拠で発行する時には必ず発行する器が必要ですから、これをちゃんと銀行としてやってくという話が一つと、あとはそれを実現するための基盤ですね。で、これも法律でいろいろな要件がやはり求められるんですよ。ですので、今あるものをそのままできるかというと、やはりちょっと少し手を加える必要があったりもするので、これはどちらかというと、基盤としてのプログマでやっていかなきゃいけないと。でも、私としては銀行の立場の帽子とプログマの帽子とどっちも被ってる人間ですので、そこをうまく使いながらですね。いかに実現していくかという手足動かす部分がやはり2023年一番大事かなと、思ってます。はい。 

奥井奈南: Joiさん、インタビュー聞いていかがですか。 

伊藤穰一: いや、すごいやはりすごい期待してる一人の僕だと思うんですが、たぶん来年は新しいアイデアとしてDAOができてきてで一番そこの中で重要な部分はもうもちろん法律はあるんだけども、ステーブルコインだと思っていて。やはりステーブルコインがあるから役に立つのでで、ステーブルコインがもしパーミッションレスでできなかったらかなり苦労したと思うので。でやはり一般の人たちは投機目的で入ってないのでで安定して円というのがすごくベースになるので、これで何か暗号通貨の投資みたいな話から本当に一般社会になると思うので、これはすごくおっきなステップだと。よろしくね。頑張ってください。 

奥井奈南: さて、齊藤さん。今日はありがとうございました。 

齊藤達哉: ありがとうございました。 

伊藤穰一: ありがとうございました。