2009年12月 Archives


以下はSethの新刊に寄稿したものだ。

ネオテニーとは成体において幼体的な性質が残る現象のことだ。人間は地球上の他のどの生物よりも未成熟な期間が長く、大人になるまでに20年近くを要する。大人になっても子供的性質を多く残すものの、我々の多くは遊ぶことをやめ、仕事に集中するようになる。

我々は若者時代に学び、社交し、遊び、試行錯誤し、好奇心をもち、物事に驚嘆し、喜びを感じ、自らを変化させ、成長し、想像し、希望を抱く。

大人になった我々は真面目で、生産をし、物事に集中し、争い、守り、強い信念を抱く。

これまで我々は、効率性を追求し、多くの物を生産したり自分の縄張りを守ったりしてきたが、そういったことよりも、この惑星の未来では、協力し合ったり変化を受け入れたり、創造したりすることに比重が移っていく。

我々の生きる時代とは、飽食の中にあっても人々が飢え、テストステロンによる縄張り争いや、環境を意のままに操りたいと思う衝動が最大の敵となっている、そんな時代なのだ。

子供たちの声に耳を貸し、ネオテニーの導きで、大人たちが作り出した凝り固まった枠組みや独断を超えていく、そうあるべき時代になっているのだ。