今週は、オープンソースの分散型ミドルウェア「Dev Protocol」の開発会社、フレームダブルオー株式会社CEOの原麻由美さんと、CTOのAggreさんにご出演いただきました。
Dev ProtocolはDeFiと呼ばれる分散型金融のプロトコルで、オープンソースソフトウエア(OSS)の開発者支援を目的としています。
オープンソースソフトウエアはこれまで、ボランティアや僅かな寄付によって支えられてきました。しかし、資金が続かずソフトウエア開発が中断してしまうことも多く、サステナビリティに課題があるとされてきました。
Dev Protocolはこの問題を解決する大きな可能性を秘めた画期的なサービスで、いまや全世界から注目を集めている日本発のDefiになります。
番組では経済学の要素なども盛り込んでおり、難しい用語やコンセプトも登場します。ぜひ下記編集ノートを参考にしながら番組を聞いてみてください。
【編集ノート】 編集ノートにはDev Protocolの仕組みや用語などを書き記しています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。
【JOI ITO 変革への道 - Opinion Box】 番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。特に番組に貢献したリスナーには番組オリジナルのNFTをプレゼントしています。
【番組のコミュニティ醸成実験の参加フォーム】 番組では、リスナーの方々とコミュニティを作る実験をしています。この実験に参加をご希望の方は下記フォームから参加メンバーの登録をお願いします。メンバーのダイバーシティを考慮しながら、徐々にメンバーを拡大していく予定です。参加時期がきましたら、スタッフから個別に連絡をさせていただきます。興味のある方、まずは登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。
Podcast Transcript
伊藤穰一: あけましておめでとうございます。まだあけてないけど、みんなが聞く頃にはあけてるので。今日のポッドキャストではオープンソースのプロジェクトDev Protocolの創業者の原麻由美さんとAggreさんを呼びました。こんにちは、あけましておめでとうございます。
Aggre: あけましておめでとうございます。
原麻由美: よろしくおねがいします。おめでとうございます。
伊藤穰一: 実はDev Protocolの話はうちのポッドキャストのスタッフからも聞いて、実は他でも2〜3人から同時に聞いたんだよね。で、たぶん僕もオープンソースをずっと好きでそれでWeb3をやっていて。で、日本にいてって言ったらもう「Dev Protocolなんで知らないの」みたいな感じでいろんな人に言われて。実は知らなかったので麻由美さんにReach Outしてちょっと話させてくださいっていうふうにお願いしたら、っていうわけでここにたどり着いたんですけども。ただ、僕もやっぱりWebを見てすぐ大きなイメージをわかったんだけど、実際Dev Protocolは何なのかってすぐわかんなかったので、ちょっとそれ説明していただけますか。
原麻由美: Dev Protocolというのが一言でいうとクリエイターの活動を証明して持続可能性を実現するオープンソースの分散型ミドルウェアです。で、それを使って何ができるかと言いますと、クリエイターの方がオーナーシップを証明した自分のプロジェクトのソーシャルトークンを発行して、自分のエコノミーを構築してコミュニティーからサポートを通じてプロジェクトを成長することができるというものです。
伊藤穰一: もうちょっと技術的なところをちょっと聞きたいんですけども。その、まずまず。これってソーシャルトークンというのはこれブロックチェーンのを使ったソーシャルトークンですよね。その支援をしてもらう、これ確か、あのWebサイトにステーキングという方法が記載されていて。僕はProof of Stakeのステーキングでの話をちょっと知っているんですけれども、ちょっとステーキングってもうちょっと一般的に説明するときにどうやって説明するかっていうのと、あとDev Protocolトコールではステーキングの構造ってどういうことなんですか?結構難しい話なのでちょっと時間をかけて話をしてもいいんですけど、その辺を説明してもらってもいいですか?
Aggre: わかりました。
Aggre: あの、まさにProof of Stakeのステーキングにすごく似ている仕組みなので、我々もそれをステーキングと呼んでいるんですね。でこのステーキングというのが一般的には何らかのトークンをデポジットとして、デポジットしている間でその機会損失を得ているわけですからその報酬として何らかのトークンを獲得する。Devトークンの場合はDev Protocolの場合はこのDevトークンというものをデポジット、ユーザーはデポジットすることで、クリエイターに対して応援をすることができる。で、今までクリエイターを応援しようって思うと、いわゆる寄付とか何らかのペイメントを介するってことになると思うんですが、それはあの寄付の場合ってわかりやすくその応援する人にとってはその可処分所得を消耗し続ける行為なんすよね。一方ステーキングの場合はトークンをただ単にデポジットしていて自分はそのいわゆる定期預金のような形でお金を一旦、自分の手元から手放すという行為なだけで、あとからそれを取り戻せるんですよね。で取り戻すときに預けたときの金額以上にでトークンを少し増えた状態で取り戻すことができるので、ま、要は利回りのようなものが発生していて。クリエイターたちはその自分に対してデポジットされている金額に応じてステーキング報酬の案分を受けることができる。例えば今だとステーキングをしている人とクリエーターに対して49対51の比率でクリエイターがステーキング報酬の51パーセント。ステーキングユーザーが49パーセントを獲得するというふうに設計されているんですが、これによっては一方的なお金やトークンの移動ではなく、トークンのデポジットとそこから得られるステーキング報酬の按分という形でクリエイターを支援するというのが、このステーキングによるクリエイターの支援です。
伊藤穰一: なるほど。そしてその銀行とかだと、その定期でもらったお金銀行他の人に貸してそしてお金をもらってそれを定期預金のこの利回りで返すんだけども、そのステーキングをしたときもらう、この報酬っていうのはどこから原資がきてるんですか?
Aggre: ああこのステーキングから得られる報酬というのは、基本的にインフレーションをした資金になっています。つまりトークンはある式に基づいて少しずつ供給量が増えていって、その増えた分を全ユーザーで分け合う。その分け合う時にはステーキングされてる量に応じて比例配分を受けるようになっています。この基本的にはインフレーションするものになるんですが、このインフレーションする量というのがDev Protocolの中ではある数式によって決められていて、基本的な考え方はステーキングが増えるほど、この年間のインフレーションというのが減るでクリエイターが増えるほど、インフレーションレートが増えるという構造になっています。なのでステーキングした人というのは、自分がそのロックしたことによるインフレーションの抑制とそこから得られるトークンによってロックしたトークンの価値の向上を受けることができる。で、クリエイター達というのは自分が参加することによってインフレーションを増やすことができるので、それによってより自分に対して支援を集めやすくなる。というような構造になってます。
伊藤穰一: なるほど。ステップでいうと僕がDev Protocolのトークンをまずお金出して買います、と。Dev Protocolの価値がまずその円なら円で1Devトークンがいくらっていうものがあるわけですよね。Devトークンをどっかのプロジェクトにプロジェクト、ま、銀行みたいですよね。銀行に預金で入れるとその預金の利益利回りがカチャンかちゃんと出てきて一部僕に戻ってきて一部プロジェクトに回ると。はいでそのDev Protocolのものを実際じゃコンビニ行ってハンバーガーに変えたい場合は、そのDevトークンを持っていって、また円に変えて、できると。そして、その銀行の裏には、Dev Protocolのトークンを印刷機みたいにインフレーションでちょっとずつ刷って外で印刷したやつを新しいステークされたDev Protocolのところに配っていて。すると絶対のお金を増えていくのでそこでアレだよね、その為替がインフレーションで為替がちょっと変わるんだけれども、ただDev Protocolのトークンを買いたい人がたくさん増えると、インフレーションで為替で下がるけれども、買う人が増えるとそれで上がる、デマンドが上がるので、そうするとDev Protocolの価値が着々と上がりながらインフレーションを超えなければDev Protocolの持ち主としては損はしない。ということですね。
Aggre: そうです。はい。
伊藤穰一: そういうエコノミクスですか?.
Aggre: 現状では、はいそのおっしゃる通りになっています。この1年間で増える量というのが1年間は今ステーキングされている量が年間増える量よりも多い場合は基本的に全体として供給量が減っている状態になるんで、現状今その状態にが出来ていて緩やかに供給量が減っているという。あのー今日供給というか実際人々が手にすることのできるトークンの数というのは減っているという状況ですね。
伊藤穰一: うんうんそれそれは、ごめんなさいそれはステーキングが増えている、でもステークされてるものを全部出しちゃうと、増える。だから今言ってる絶対量っていうのは、あのーステークされてないその浮いてる分ですよね?どっちかっていうと。だから、そのみんなDev Protocolをまずそのプロジェクトから引き出すっていうとまず量が増えちゃうし、でそれをまた全部円に描いちゃうと、値段も下がるのでワーストケースはみんなそうやってDev Protocolから逃げちゃう。で、ベストケースはどんどんDev Protocolに入っていってみんなステーキングにするとデフレになり供給も上がり、Dev Protocolの価値はガンガン上がるので、プロジェクトをやってる人もDev Protocolの持ってる人達もお金持ちになるっていうそういう構図にもなり得るっていうことなんですよね。あその通りです。で、でさっき言ってたソーシャルトーク。僕ちょっと僕もサイトで見たんだけども、このDev Protocolのトークン以外にプロジェクトごとにもトークンがあるわけですよね。でその構図をちょっと説明してもらってもいいですか。
Aggre: はい。あのーDev Protocolの中ではさっき言ったステーキングに使われているDevトークンともう一個クリエーター自身が自分たちで発行するトークンがというか技術的にはプロパティトークンって呼んでいるんですけども、いわゆるあのー今のソーシャルトークンの文脈でいうとこのクリエイター自身が発行するものというのがソーシャルトークン。で、Devトークンはどちらかというと、このプロトコルを使うための燃料としてのトークンに近いかなと思っています。で、このクリエイターたちが発行するプロパティートークンというのは例えば僕がオープンソースを作っていてでこのオープンソースのリポジトリをトークン化しようって思うと、Dev Protocolを使って自分のOSSを自分がオーナーですよっていうことを証明した状態でこのプロパティートークンというのを作成できます。これは誰でもできます。で。一人で何個も作れますし、もしくは自分の作ったこのプロパティートークンに対して複数の現実上のアセット、例えばオープンソースとかYouTubeチャンネルみたいなものを関連付けることもできます。これによって、作られたソーシャルトークンが、誰が作ったものなのか、どのプロジェクトのトークンなのかというのが明示された状態でトークン化できるのが特徴。で、このプロパティートークンというのがステーキングするときの主体になっていて、Devトークンをステーキングするという行為はDevトークンをプロパティートークンにデポジットするという行為になっています。
伊藤穰一: それからある種プロパティートークンは株主の株みたいなもんなんですよね。
Aggre: あそういう性質としてはすごく株に近いですね。
伊藤穰一: うんだからたぶんわかりやすいかどうか分かんないけどプロパティートークンは会社設立したときのみんなに配る株で、Devトークンは。それにこの場合はだから貸し付けだよね、貸し付けみたいな感じ貸し付けなのか。みたいな債権者のトークンみたいなもので、そのプロジェクトのお金を永久に貸してあげるみたいな感じでね利回りっていうのはその売上を株主とその債権者に配当してるみたいなそういうこと。ビジネストークにするそんな感じなのかな構造ですよ。
原麻由美: はいうんそうですね。ええと株というのがすごい近い考え方でして。そのDev Protocolのプロパティートークンの考え方というのが、そのソーシャルトークンを販売する必要がないんですね。ステーキングをしてもらうだけで、プロジェクトを収益化、クリエーターが報酬を受けて収益化することができるのでプロパティートークン自体の用途というのはチーム共同開発者とシェアしてもらうことを推奨していてオーナーシップを一緒に持っているプロジェクトの共同運営者と共有をしてもらうとその持ち分に応じて収益が自動的に分配されるようになっています。
伊藤穰一: 僕は何か聞いてすごい理想的な構造の部分がたくさんあってすごく面白いんだけれども、結構その説明するのが大変だよね、っていうふうに何かをイメージができて。だから多分ちょっとそこにいずれか行くけどちょっと最初にちょっと思い出した後まずどうやって始まったんですか?このプロジェクトは経緯を教えてください。
原麻由美: そうですね。始まったきっかけというのが、2015年になるんですけれど、ももともとその着想というのがOSSではなくて伝統文化から生まれているんですけれども。そのきっかけとなった出来事というのがありまして。私がDev Protocolの前にマーケティングの仕事をしていたんですけれども、ある伝統建築の企業さんからマーケティングを使って後継者の育成ができないでしょうかという相談を受ける機会がありましてでですね。その伝統建築の企業さんのお仕事というのが神社仏閣の建築でしたり、大仏を建立されたり、お寺の中の宝飾品を修復されたりといったものですね。その彼らがすごく仕事に対してプライドを持たれていて自分たちの仕事というのは100年後の国宝を生み出す仕事をしているということをおっしゃってたのがすごく印象的だったんですけれども、じゃあなんでそんな素晴らしい仕事をされていて、後継者育成作業ができないんだろう。という課題を課題がある原因を調べていたんですけれども、そうした時に分かったことがありまして。その伝統建築企業さんの年商というのが、当時2015年ですね、にはやっていたソーシャルゲームを作っている会社さんの月商と同じだったんですね。つまり伝統建築をされている企業は、ソーシャルゲームの12分の1しか稼ぐことができないといった事実がわかりまして。てじゃあ一方で国宝の価値って誰も否定することができないと思っていまして。その高い文化的社会的価値を持っていながらも、経済的な資金が回ってこない状態というのが、これはもうマーケティングで解決できるような課題ではなくて、マーケットにそもそも不均衡が起きてしまっているんじゃないかというのを強く課題に感じましてこのマーケットの不均衡を直すエコシステムが必要ではないかというふうに感じまして。いきなりDev Protocolまで到達しないんですけれども作らなければいけないと思ったのが2015年のことですね。でその後AggreがCTOとして、2017年にジョインしてくれるんですけれども。
Aggre: 僕は、もともと開発者としてオープンソースにたくさん触れていたし、自分自身でもオープンソースを作ったり、コミュニティー活動をしたりしていたんですよね。で、このオープンソースの抱えていた持続可能性の課題っていうのが、その伝統建築の職人たちが抱えている課題とすごく似ているものがあるなと。ただ一方は、文化的な価値を持っているが経済的にはあまり評価されていない。で一方では技術的な価値を持っているけれど、やはり経済的には評価されていない。というのが課題だと。同じ課題があるなと思ったので、そこに何らかのプロトコルが足りていないのではないかっていう発想があり、そこからDev Protocolに至っていますね。
伊藤穰一: なるほどそれで今現在どんな感じなんですか。そのプロジェクトの数だとか自分たちが見たプロジェクトの現状。
Aggre: 現状ではトークン化されているオープンソースの数が約1700ほどあります。ハイでこのオープンソースも基本的には、結構その開発者同士で口コミが広がったりするので、割とこのクラスターがいくつか偏るんですけれども。クラスタでいうとJavaScriptの開発者の方々NPMとかでパッケージを公開しているような方が一番多い。で、次にWeb3系のライブラリーの開発者の方々であったりもしくはWalletConnectのようなオープンプロトコルを作っている開発者の方がDev Protocolを使って収益というのを実現していますね。えーとその数というのも実際。だいたい円にすると過去4億円相当程度の収益化というのがこのOSS開発者たちに対して分配されているというような状態です。
伊藤穰一: なるほど。じゃあこれで生活できてる人、ディベロッパっているんですか?
Aggre: 現状では、Dev Protocolだけを使って生活しているぞ、というのはまだいないですね。なのでそのベースに例えば、会社から得た収入であったり、もしくは寄付から得た収入というのがあって。その上でDev Protocolによって新しい収益化の機会をテストしているっていう状態のユーザーたちが現在は多いと思います。
伊藤穰一: なるほど。そして今後、何だろう。どういうプロダクトだとか。その活動が何かどういう機能が増えたりどういうことをして、これから広げていこうと思ってるんですか。
Aggre: 今後なんですけど。最終的には僕らがやりたい世界っていうのは、クリエイターたちが何か創作活動をしようって思ったときに例えばなんだろ。オープンソースだったらGitHub使おうかとかという発想が出てくると思うんですけど、そういったときに自分のプロジェクトを収益化して仲間と共同作業しようと思ったときDev Protocolを使ってトークンを作るってステーキングをして応援を集めるということがデファクトスタンダードになっているような世界にしたいと思っています。その状態っていうのがクリエイターたちが、自分で作ったソーシャルトークンとあとステーキングを介してプロジェクトを成長させたり、あとはさもちろんファンを集めたり、貢献者に対してインセンティブを与えたり。もちろんプロジェクトそのものを収益化するとか、あとはそのクリエイター、他のクリエイターたちとソーシャルトークンをシェアしたりもしくは合成したりして、コラボレーションを今まで以上に透明化したり互いにインセンティバイスし合っているような世界というのを最終的には目指したい。でただ今すぐそこにジャンプできるわけではないので、やっぱりそのクリエイターたちとクリエイターたちのその理解度の深まりとかもしくはその彼らの課題の移り変わりに応じて、僕らが適切にツールセットを提供していくってことが大事なのかなとは思います。
伊藤穰一: なるほど最近アーティストがやっぱりソーシャルトークンとかNFTを使って、コラボレーションしたり、ファンのマネージメントしたりしてて。すごく成功してると思うんだよね。で結局ブロックチェーンだからこう融合したり合体したりなんかするのがすごく実は簡単だっていうことをみんなわかってきて。で、そういうツールってどんどん増えてるよね。で、そういうツールがDev Protocolを使っているみたいだから、だから逆にそういう全部Dev Protocolが作る必要はなくて、アーティストのために作ってるようなツールをDev Protocolがどんどんオープンソース向けに移植していけばいいんじゃないかなっていうイメージ。けどそれがひとつの戦略ですか。
Aggre: あ、おっしゃる通りですね。あのーやっぱり僕らも作ってるものって、単一のプラットフォームじゃなくて、あくまでもミドルウェアっていう考え方をしていて。なので他のミドルウェアとか、他のプラットフォームでDev Protocolで作ったものが使える状態であることっていうのを目指したい。それはやっぱ僕らが全部完全なプラットフォームを作るのって大変だし、僕らの得意領域というのは限られている。コミュニティと得意領域もやっぱり限られているので、やっぱりその適材適所でこれってやっぱりオンチェーンの強みだと思っていて。僕らもそこはいわゆるコンポーザービリティみたいな言い方を今しますけど、でそこに対して一番可能性を感じているし、その強みは最大限発揮したいというところがあるので、今までもDev Protocolをなるべく今、現状は百パーセントオンチェーンで動いてるんですが今後もそういったことっていうのを重視して、コンポーザビリティーによるいわゆるレゴブロックを組み立てるような感覚でユースケースがどんどん増えていくという世界というのは目指していますね。
伊藤穰一: すごく入る弊害は高いけれども、入っちゃえばさっきの共通されたデータベースなので全部のプロジェクトにも参加できるし、で逆に言うとこの考え方もいろんなところでみんなやってるので、他のとこでリテラシーが上がったらDev Protocolに来やすいのでなんとなくこのWeb3ワールドに入っちゃえば、ステーキングだとかこういうのみんな当たり前になるから、多分その大きなweb3の弊害は高いけれども入っちゃえば結構みんなスムースになるんじゃないかなっていうのが言えるのかなと思うんだけど、するとどうですか?
原麻由美: そうですね。そういった点でいうとまさに弊害を乗り越えたユーザーは慣れてくれてるのかなと思ってるんですけどすごく印象的な出来事があって、Linuxのツールキットを作っている著名なOSS開発者がDev Protocolに入ってきてくれたんですけどオンボードするときにガス代がかかったりするのってほとんどのOSS開発者にとっては初めての体験なので、「何だこれは全然分からない。」みたいなDiscordでも何て言うんですかね笑オンボードするタイミングでもガーッと質問と不満とわーって書いてきてでようやくオンボードできたらできたで何か「これは素晴らしい体験だ」っていってもう「これはジェットコースターみたいな経験だったけれども面白いね」っていう風に言ってくれて。で、その後我々がイーサリアムのメインネットワークだけではなくてアービトラムっていうレイヤーのネットワークをリリースしたんですけどそれはもう自分からアービトラムを調べてオンボードしてくれてすごい使いこなしてくれるようになっていますねはい。でその高い障壁を乗り越える方法っていうところで2021年にやった取り組みがあるんですけれども。そうですね。6月にOSS開発者向けにAirDropをやりまして、通常クリプトのAirDropっていうとそのネットワークの初期貢献者に対してトークンあげるよっていうのが多いんですけれどもDevのAirDropはその我々のDev ProtocolネットワークではなくてGitHubのOSS Ecosystemへの貢献者に対してトップ400名にAirDropを行いました。で、その財源というのが実は1人の我々の初期ユーザーからの寄付で成り立ってるんですけれども、そのきっかけというのがですね、彼がMVP。Dev Protocolの2019年のMVPから参加してくれていたユーザーでして非常に使われている世界で使われているOSSを開発していまして、1週間で9000万ダウンロードされる驚異的な開発者がいるんですけれども、初期ですね、彼に対するステーキングが集中してしまったことがありましてで彼のその2019年から約1年間半の収益が2億円を超えてしまったんですね。で、彼がですねこんなに一人で使えないから寄付したいと申し出てくれまして。本当にOSS開発者のすごいところだと思うんですけど、独り占めするのではなくてOSSエコシステムのために有益に使ってほしいという申し出がありまして。いったん私たちのチームでその2億円相当のDevトークンですねを受け取ってじゃあGitHubの貢献者に対して配りませんかっていう提案をしたところ、ぜひやりたいと言ってくれていて。そうですね。トップ400名に対してDevトークンのAirDropをやりますよという発表を6月にしたんですけれども、そしたらですねWeb3以外のWeb2開発者の間でも非常に話題が広まって、OSSの貢献でお金がもらえるらしいぞというのがすごくバイラルが起きまして。TwitterでももうすごいことになっててそうですねWeb3だけではなくWeb開発者からもたくさんのエントリーをいただいてできちんと我々の方でも皆さんのコミットとかをレビューしてトップ400名に対してAirDropをしてでその最初に上げるっていうことをしたので、「もらいたい」っていうところでその高い障壁を越えて見事6割近くですね、ウェブ2開発者も含めて400名の6割なので250名近くの方が入ってきてくれています。
伊藤穰一: はすごい。いいいいストーリーですよねたまたますごくいい人がいてます。でもちょっと今の話でMVPっていうのはMinimum Viable Productって言って、最初のリリースですね。でAirDropっていうのはよくトークンを最初に発行したりするときにみんなに最初じゃない、配る方法をよくAirDropって言っていて。それでそのAirDropも本当にねいろんな器用なことができるから面白いですよね。今トークンンとこのトークン持っていてこのこのイベントでゲストブックをサインして今たまたまこうなってる人だけにドロップとかね。あと僕も最近やってるCoinViseのサイトでソーシャルトークンン作ったんだけど、そこだとクエストがあって。そのクエストをやるとトークンがもらえる。だからちょっと僕の方でいじろうと思ってるのがこの入りづらいこの難しさをゲームにして1個ずつステップをやるとクエストがコンプリートとしてトークンもらえるっていうちょっとゲームっぽくしたら面白いんじゃないかなとちょっと思ったりしてるんですけど
伊藤穰一: でこないだちょっと発表されてたこのフィオレ先生っていうんですか。CFOの。元Tezosの方なんですけども誰で何かHeadquartersをスイスに動かしてたんですか、そのへんのちょっと理由と経緯と教えていただいてもいいですか?
原麻由美: はいえーっとですね。経緯としては、あのーDev Protocolは2020年の1月にローンチして。で、6月にStakesSocialっていうはじめてのDappをリリースして一気に世界中でユーザーが増えていまして、そのOSSにステーキングできるっていうのがかなり当時斬新だったみたいで。6月にですねuniSwapっていう分散型取引所があるんですけれども取引量で世界7位になったんですよね。Dev Protocolがでもう日本のDefiなんて聞いたことないっていうのが当時非常に話題になって。でそういった一気に世界中からユーザーが参入してくるという経験があって、我々も組織をグローバルにしなければいけないというのを強く感じまして。という点とあとですね2023年までにDAOを実現するという目標を持っていまして、その対応にも2パターンの目標を持っていて機能的DAOと実体としてのDAOを実現するという…
Aggre: これすごい微妙なニュアンスなんですけど結構みんなDAOは最近だとSNSでもよく話題に上がるようになったんですけどこれって我々はDAOですって言ってる人達プロダクトたくさんあって。もちろん今Dev Protocolも「DAOです」って言っているんですね。で、このDAOってちょっとグラデーションがあって、機能的な要件はもうDAOを満たしてますっていう状態だけど実際にそれを管理してるのって僕とあの人とこの人ですみたいな状態だと本当にDAOかっていうと実際のところその運営する組織が分散化されていない場合はDAOではないのかなと思っています。のでまずは要件として他を満たしているという状態があって、そこからさらに難しいのは実際にそれを管理している主体がコミュニティーに対して完全に委譲されてる状態というのがそこに到達するまでが結構難しくて。我々はその機能要件としてのDAOだけでなく、実際のDAO、つまり実際にこの開発組織が分散化されていて、僕とか麻由美がその開発に対して何かコントロールしているということがないという状態を目指してけどもちろん僕らも、貢献者の一人としてやっぱりそこに関与はしていくと思いますが、我々がコントロールしてるわけではないっていう状態を目指していきたい、というときにこのフィオレ先生は力になってくれていますね。
伊藤穰一: たぶんDAOってわかんない人もいるのでちょっと説明すると、DAOはDecentralized Autonomus Organizationで完全に分散型の組織って言っていて。たぶん最初出来たときは完全にもうプログラムで機能する、人間が関わってないアルゴリズムだけの会社みたいなものを発想してそういうファンドみたいな作って。それがバグがあって100億くらい損しちゃったっていうのはあったんだけれども、最近はDAOの使い方っていうのは、もうちょっとその今おっしゃってたようにコミュニティで分散のdecentralizedなマネージメントをしてるっていうのもあってると思うんだけども。ただ僕もちょっと見てて、そのでできるだけWeb3の技術を使って意思決定をしたりするのとか。例えばそのさっきおっしゃってたようにコントロールしてる人も自分の秘密鍵を捨ててコントロールも放棄しちゃうっていうDAOが多分一番さっき言っててその最終的な構造として創業者もひっくり返せないっていうものもあるんだけれども、ちょっと僕もいろんな僕も例えばウィキペディアのコミュニティーだとか僕らのNPOのCreative Commonsとかも結構関わってたんで。やっぱりガバナンスって結構難しくて、実はヴィタリックっていうイーサリアムのファウンダーも言ってるんだけども、今のやっぱりWeb3のツールって投票ぐらいしかないんだよね。トークン持ってる人達が投票する。で、それを提案して投票してでも投票って結構、最終手段なんだよね。だから例えばそのWikipediaなんかだとまず議論してコンセンサスが取れたら、それが一番で、そしてコンセンサスできなかったらVoteするっていうVoteって最終手段なんだでだからもっともっとその多分いろんなガバナンスツールとかルールが出てくるともっとやりやすいと思うんだけども結構そのお金儲けだけに集中してるDAOがやや多くて。そしてそれじゃない形でて始まったけれども最終的にお金だけに行っちゃうDAOって多いんだよね。結局その何千人で何か決めようとするとなかなか決まらなくて、っていうちょっとガバナンスのチャレンジもまだ色々あると思うんですが。何かその辺今Dev Protocolの中の何だろうガバナンスのちょっとアレ時間もなくなってきたんだけどあのガバナンスところとか全体的なチャレンジってどのへんだと思います?
原麻由美: 今のガバナンスの話でいうと、我々がOSS開発者にフォーカスをしてプロジェクトを運営しているというのがひとつポイントだなと思っていてOSSにおけるガバナンスをまず確立したいなと思っています。
Aggre: います我々自身じゃDev Protocolのところ自身のガバナンスというのはもちろん課題を持っていてそれに対する最善のやり方というのは常に僕らも模索しているところ。で僕自身はガバナンスってない方がいいと思っていて、ITガバナンスレスDAOをみたいなのがやりたいんですけど。ちょっとまだまだ障壁はまだあるのかなと思っていますで、一方でそのソーシャルトークンつまり我々のところの中でトークンを作ったクリエイターたちの個々のプロジェクトが個々のプロジェクトのためにガバナンスを行うっていうことを今Dev Protocolでトークンを作ってるOSSたくさんあるんですけど。OSSのガバナンスって中いわゆるあるようでないですよね。それこそコンセンサスイシューとかのコメントの羅列でからコンセンサスが取れた取れてないみたいだなやっぱ判断してこれ取れてそうだなみたいになるとマージするかみたいな判断になるわけですけど。やっぱここって透明性がなくて、それこそ大きくなるプロジェクトほどだんだんコンセンサス取るのは難しくなっていくはずでDev Protocolを使ってプロジェクトが成長するとみんなが成長する。やっぱみんながこの障壁にぶつかるので、そうするとやっぱプロジェクトに対してガバナンスをDev Protocolが何かサポートできると理想だなと思っています。なのでだからそのプロジェクトの成長と成長の結果、ぶつかる障壁としてガバナンスとかもしくは何らかの管理ライセンシングとかの課題解決に対するツールセットっていうのがDev Protocolが提供もしくはサポートできるといいのかなと思っていて。まあその辺はこれから中長期で取り組んでいくところですね。
伊藤穰一: でフィオレさんの何か経歴見てたらこの辺、結構リサーチテーマとしてやってる。
Aggre: あー、そうですねエルコさん非常にガバナンスに関して深い洞察を持っている方なので、僕らはそのガバナンスに関しては素人なんですよね。だからやっぱこういう意思決定のし方いいと思うんだけど。話をすると結構あのー予想していない角度から突っ込みがきたりして。あ確かにみたいなのかやっぱり議論してるとありますね。
原麻由美: うん実際に元祖Defiっていう言葉ができる前かもしれないんですけどえーと元祖というクリプトプロジェクトのDAOの実現をいくつか手がけられていらっしゃる方なので、なかなかその前例のない領域で実績を持っている珍しい方だと思ってます
伊藤穰一: なるほどすごい面白いっすよね。でねだからもしまたちょっと心配モードに戻るとすごいスピードでこういう新しい実験とか新しいパターンがどんどん進化していってるので、統計だと日本人の9割の大人はNFTは何だか分からないっていう子が残していないを置いていっちゃってるの。9割の人からどんどんこうギャップが激しくなるちょっと一瞬なような気もするんだよね。このPodcastでもすごく苦労してるのはやっぱりどんどんWeb3深く掘りたいけれどもついて来れない人達をやっぱり作りたくないなっていう何かこうギシギシする音がするぐらいな感じも今日もしました。
Aggre: ちょっと僕らも意識がある。
伊藤穰一: いやいやこれでこれでいいんですよ。あの僕もねぇいろいろ考えてるんですけどもやっぱりね10年前Joiが言ってたことまったくわかんなかったけれども、何かやっとわかったっていうのでいいんですよ。結局そのときやっぱり聴いてるときわかんなくても、それがきっかけで勉強するのとかでいろいろあるので、半分くらいわかんなくても聴いてくれる人は聴いてくれると思うんで。とんがったまま行きたいと思うんで。ホント今日は本当にお話ありがとうございました。またDiscordのコミュニティーでじゃあお会いしましょう。はい。