Joi Ito's Podcast - 変革への道

テクノロジーに精通しているだけでなく、サブカルチャーやネットカルチャーにも詳しい伊藤穰一。 かつて、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究所メディア・ラボの所長も務めた伊藤穰一がさまざまな人物を巻き込み、「これからのニッポン」を考え、どう変革していくべきなのかを議論する新しいポッドキャストがスタートします。 番組には、伊藤穰一のネットワークを通じて、世界中から様々なゲストが出演。 また、解説者として、メディア美学者である武邑光裕氏が登場し、デジタル社会の大局的な指針を伊藤穰一と共に掘り下げていきます。 議題となるテーマは毎回その時に注目されている話題や、伊藤穰一が気になっているテーマをピックアップ。 伊藤穰一の頭の中をそっくり丸ごとお届けしていきます。是非、お楽しみください。

今週のゲストは、脳科学者の茂木健一郎さん。「ニューロダイバーシティとweb3」をテーマに、ビジネスや経済、教育などさまざまな問題について議論をしました。

自閉スペクトラム症や、ディスレクシア、学習障害など、日本では発達障害という括りとして認識されている人々を、「脳神経の多様性=ニューロダイバーシティ」として社会的にインクルージョンしていこうという考えが広まっています。

そんな新しい概念であるニューロダイバーシティとその実現の可能性を秘めたweb3の世界について、脳科学者の茂木健一郎さんと話し合いました。


編集ノート

編集ノートには毎回番組で登場した難解な用語や固有名詞などの意味や内容をまとめています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。


JOI ITO 変革への道 - Opinion Box

番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。お便りを採用させていただいた方には、番組オリジナルのNFT会員証がmintできるリンクをお送りしています。


求人サイトCool Job Listの開設

番組にご出演いただいた方々と聞いている方々を結ぶプラットフォームとして、ジョブマーケットを作ってみました。今、実は仕事を探している、なんてあなた!ぜひこちらを確認してみてください。ぴったりの仕事がみつかるかもしれませんよ。


【コミュニティ醸成実験について】

これまで番組で小出しにお伝えしてきたコミュニティ醸成実験。ようやくその中身をお伝えできるようになりました。番組という枠を飛び出して、リスナーの方々同士が交流できる場となっています。詳しくは、下記リンクをご覧ください。

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この実験に参加をご希望の方は下記リンクから参加メンバーの登録をお願いします。メンバーのダイバーシティを考慮しながら、徐々にメンバーを拡大していく予定です。参加時期がきましたら、スタッフから個別に連絡をさせていただきます。興味のある方、まずは登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。

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今週のシークレットキーワードの申請先

シークレットキーワードの申請先は、HENKAKU COMMUNITYの[こちらのQuestサイトになります。新バージョンのNFT会員証をゲットした皆さん、頑張って聴いて、HENKAKUを稼ぎましょう。ちなみに!シークレットキーワードを申請できるのは新バージョンを持っている人のみとなります。まだお持ちでない方は、頑張ってコミュニティに入るかおたよりを採用されるまで送り続けましょう。

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Podcast Transcript

 伊藤穰一:今日のゲストは脳科学者の茂木健一郎さんです。茂木さんよろしくお願いします。  

 茂木健一郎:あーどうもです。もう本当嬉しいです。ジョイとしゃべれるんだったら、もうどこでも行きます。  

 伊藤穰一:いやホント茂木さんは一回何かディスカッションに近くにいたけど、こうやってしゃべるのってすごい久しぶりですね。  

 茂木健一郎:久しぶりですね。やっぱりズームとかが多かったから。だけど、何か元気そうで。  

 伊藤穰一:元気です。  

 茂木健一郎:しかもどんどん世の中が動いているからね。しゃべりたかったよねなんか色々。  

 伊藤穰一:そう、そうなの何か随分。あの、ね、いろんなことが。  

 茂木健一郎:いろんなことがって。ただジョイが。あ、ジョイってつい言っちゃうんですけど。  

 伊藤穰一:言ってください。  

 茂木健一郎:目指しているようなことってのが、どんどんどんどんインプリメンテーションされていく時代になってきたから。昔は何かすごく変わり者だった感じするんだけど、ジョイさんが。今ど真ん中にいる気がするよね。  

 伊藤穰一:普通になってきたよね。普通じゃないか。  

 茂木健一郎:普通っていうか、ド真ん中になってきた感じしますね。  

 伊藤穰一:で、だから90年代、もうすぐ来ると思ってたことがだんだん今来ている感じがして。で、なんか気が付いたらもう次の世代に渡すタイミングになっちゃってるようだなと。  

 茂木健一郎:これジョイさんあの俺、何かディスラプションってさぁ何かよく言われてたけど、今ディスラプション、破壊的イノベーションが普通になっちゃったから、何か概念が何かちょっと何か違ってきてる気がするんですけど、どうなんですか。その辺。  

 伊藤穰一:うん。だから前は何かこうディスラプション起こす、っていうのが何か若い時って大体そうだけど、今はグチャグチャになろうとしてるものをどうやってセンスをこう残すかっていう。どっちかっていうと、こうもうぐちゃぐちゃになり。ほっといてもなっちゃう。  

 茂木健一郎:なっちゃうもんね。しかも、プレイヤーが何か凄くディストリビュートされてるから、何か仕掛ける必要もないって言うか、勝手に差し掛かってくるって言うか。  

 伊藤穰一:うん。後、やっぱり僕も年取ったけど、みんなも。だから僕一番分岐点だったのはアラブスプリングの時2000年代前半か、であれでみんな破壊したじゃないで破壊した後、立て直す奴らがいなくて、で、変な人達が戻っちゃって前よりいいかどうか分からないようなとこ結構多くて。だからなんかぶっ壊すだけじゃ駄目だよねっていうのが何か僕らの世代はアラブスプリングで分かって、で何かだからこうあんまりぶっ壊さないで変えられたらいいなみたいな感じで、なんかちょっと保守的になってのかもしれない。  

 茂木健一郎:すごく分かります。だから例えばだからそうですね。例えばODINシチュエーションって言うかね、多分大学だとかする企業とか、あるいはビッグテックみたいなのも。ただ壊せばいいってスローガンじゃなくて何か、それだけじゃないよねってかだからそのビッグテックに対してアラブSPRINGみたいなことやってもちょっときっとどうなんですかね。web3とかは、そこら辺は凄く考えないといけない感じがしますけそね。  

 伊藤穰一:そうだね。だからweb3はこう脳の例えで言うと、何か神経から電気に切り替わるのに、人間はもうそこでもうむちゃくちゃになろうとしてるところをどうやってこう頭おかしくならないようにするかみたいな。何かもうそもそもインフラがかわっ、何て言うかそのコミュニケーションとコーディネーションのインフラが圧倒的に変わっちゃうのでで、それを変えた時にどうやって、その人間と人間らしさを残すかみたいな課題のような気がするんでね。っていうのもほっといても変わると思うんだよね。あのブロックチェーンとか。  

 茂木健一郎:ですよね。だから僕はのNFTで、まあこれ別の機会でも話すかもしれませんけど、草野絵美さんのね、息子さんゾンビズーキーパーとかがああいうふうにやるってのはすごくいいし。僕の知り合いの若いアーティストでも全然何か売れなかったのが、NFTで絵を描いて暮らしていけるようになったっていう意味はあってすごくいいんだけど。一方でポンジスキームみたいな話とピラミッドスキームみたいのもあって、何か物凄く何かケオティックで、だから何か単にディスラプトすればいいって言うよりもMAKESENSEしたいっていう気持ちがものすごく今強いんですよね。ミネルバのフクロウじゃないけど、何かどういうことなんだろうっていうかな。  

 伊藤穰一:ただ、やっぱりリテラシーが低いからポンジスキームが成り立つのであって、でリテラシーが高くなってくると、これは正しいディストリビューションになると思うんだよね。だから例えばなんだけども、何だっけ、あの日東インド会社が最初できた時ってあの時はもう株ってポンジスキームじゃんみたいな。  

 茂木健一郎:元々ね。  

 伊藤穰一:元々ね。で株っていうのはやっぱりみんな知らない時にやってたね、結構スキャムが多く、今でもなくはないんだけども。大体こう格付け機関もあるし、みんなも大体要領を分かってきたのもあるしでPlay-to-Earnていうのはゲームをやると稼げるゲームなんだけれども、お金儲かると思ってお金使ってる人しかいなければポンジスキームなんだけども。ちゃんとこれ面白いし、楽しいからお金を払う人がお客さんとしているゲームだったら分配、もっとフェアな分配っていう理屈が成立すると思うんだよね。だから、そもそもそのゲームに価値があるかどうかっていうのを見極められたらポンジスキームなのか、もっとフェアの分配なのか、共有しているのかっていうところなんで。で、会社も同じだよね。会社に全く価値がないのに、株がすごく上がってるのはポンジスキームだけども、会社にちゃんと価値があって社員にストックオプションも行ってお客さんにも株が配られたら、これはもっとフェアな分配っていう言い方があると思う。  

 茂木健一郎:って言うのを聞いててもね、今日本来テーマとして私が  

 伊藤穰一:そうなんです。  

 茂木健一郎:あのーニューロダイバーシティのことを思い出しちゃうのは、やっぱりジョイは、かなり非典型的な思考回路を持ってるよね。今の聞いてると。  

 伊藤穰一:人こと言えないけどね。  

 茂木健一郎:いやいや俺はさ、それぐらいにだって、ジョイのキャリア考えてたって、あれ、大学2回行って2回目に辞めたんだっけ。3ヶ月で辞めた、あれ?.  

 伊藤穰一:うんとね。いや、いろいろあって。1回目は1年やったのかな、で辞めてでもう1回行って、また2年ちょっとやって本当に卒業するちょっと前にだったんだけど、辞めちゃって。でその後ちょこちょこ一ツ橋でDBA取ろうとして辞めて。で、その後は、  

 茂木健一郎:でも結局PhD取ったんだよね。  

 伊藤穰一:それは。  

 茂木健一郎:MITでとって。  

 伊藤穰一:いや、MITでそう逆。だから、所長をやって、でプロフェッサーになって、で、村井先生とずっと前から話してた慶応大学の論文博士を。  

 茂木健一郎:慶応の方でとったの。  

 伊藤穰一:慶応で取ったの。で、元々村井先生とじゃもうMITにいるんだから博士通ったら、って言われて。で、ネグロポンテが、いやの学位がないやつを所長にしたのが、僕らの自慢なんで取るなって。  

 茂木健一郎:学位取るなって。  

 伊藤穰一:ただ、もうさすがに8年ぐらい経つとそんな言い訳効かないし、うちの博士課程の学生はいや取ってもいないのに口出すなみたいな感じ。だから、自分のプロダクトを自分で食べなきゃいけないみたいな感じで、とりあえず取ることにして。でまあとって良かったと思う。  

 茂木健一郎:でもというような話聞いても、もの凄い非典型じゃないですか。で、僕なんか脳科学、もう本当にずっとやっててすごい困るのが色々あるんですよ。例えばまあ、普通の何かインテリジェンスのテストなんかもそうなんだけど、そのダイバージェントTHINKINGのテストとかクリエイティビティーのインデックスとかんんだけど、恐らくねジョイのこの感じて定量化できないんだよね。恐らく。これがすごく困ったことで、ダイバーシティって何か定量化できない。なんかでもある気がするっていうかなんか明らかに。それがすごく困ったことで。  

 伊藤穰一:なるほどね。まあでもそれがニューロダイバーシティの一つのポイントだよね。その、で測れないからあのー、結構今までなかなかこの会話って進まなかった部分もあるよね。何か何となくこう大量生産時代って何か測れるものが何かメジャーできないものはちゃんとイグジストしないみたいな時代。ただ、いずれメジャーできるようになると思う?そのサイエンスで。それともメジャーし。  

 茂木健一郎:あの、どんどん変わっちゃうからね。あと、僕面白いなとかってのは恐らくねビルゲイツさんみたいなのが、やっぱりアスキーコードとかいわゆるコンピューターのファーストジェネレーションで出てきて、あのコンピューターがなかったらビルゲイツなんて単なるオタクでどこか村の端の方にいた青年だと思うんだけど、コンピュータのCIVILIZATIONと結びついてああなったじゃないっすか。でジョイって何かね、これのジョイっぽくなると思うな、そのweb3とかNFTとか何かクリプトとかなんか。  

 伊藤穰一:でも、その時代に多分あった人間っているよね。昔は体がおっきい人間。でその後は大量生産だと工場とか何か結構こうルール化された仕組みの中で、きちっとできる人が必要な時代が結構大量生産時代ってあってで、今はこうネットワーク化時代だとどっちかっていうと、みんながちょっとずつ違った方がインフォメーションも増えるし、クリエイティビティー曲がったりするのような気はする。  

 茂木健一郎:だからほんと困ってほんとだから、僕学生さんと喋ってる時困るのが、例えばじゃあネットの起業やりたいっていう時に、例えばじゃあハックができる、というかプログラミング書けるってのはわかりやすい能力じゃないっすか。でもそうじゃないんだよねどうも見てると。何かその、だからねプログラムが、コードが書けるってことではどうもなくて。そのそれ必要条件でもないし、十分条件でもないっていうか、だから何なんですかね。何かすごいややこしい。  

 伊藤穰一:たぶんいろんなタイプが、だから今まで自分の良さを出せなかったタイプがコンピューターによって出せるように。だから、今朝のニュースでバークリー大学で二人喋れない自閉症の人達が卒業したの。  

 茂木健一郎:なるほど。それアンダーグラジュエイトで?  

 伊藤穰一:アンダーグラジュエイトで。でタイプで、キーボードで打ってタブレットとコミュニケーションして、で見てもみるからに自閉症スペクトラムなんだけども、今までありなかったよね。で、これ多分。  

 茂木健一郎:しかも2人同時に卒業できたの。  

 2人同時に。で、これは多分ちゃんと政策、大学としてバークリーが今そういうDIVERSITYのムーブメントもあるのもあるし、技術もあるしね。だから、そういう意味でタイミングが面白いってもんだけれども。だからそういう意味で多分ビルゲイツとかイーロンマスクなんかのはちょっと前は難しかったかもしれないけども、彼らよりも更にこう今まではなかなかこう社会では今までは排除されたような人たちが結構ちゃんと生活できるようなパターンが出てくると思うんだよね。  

 茂木健一郎:だからなんかね、ロックドインシンドロームってのがあって。まあその外から見るとちょっと意識がないように見えるんだけど、実は本人はすごく意識があるみたいな。だからソーシャルのコグニティブなロックドインシンドロームみたのが今まであった気がするんですよ。そのいわゆる日本でいうと引きこもりとか言われてるのもそうなんだけども。でも、何かうまくテクノロジーとのプラグインっていうか何かインターフェースが見つかると、今JOIが言ったみたい人で恐らく生きていけるって言うか、むしろ輝くような時代になったらいいなっていうかね。  

 伊藤穰一:コンピューターの前からでもサイエンスではあったよね。だから例えばこないだノーベル賞学者を研究してる先生と話したんだけども、ノーベル学者の、あの歴史を見てると。なんかハマってる子供って何かハマってて、でそこを親じゃないそれを理解する人が面白いじゃんってつんって押すとガーってくのね。で普通の親だと、それやめて、もうやめて外で遊びなさいみたいなさ。結構そのハマってることを防ぐ行動が普通あるんだけども、大体そのサイエンスの先生なのか外の大人がツンって押したところがガーってくのが結構おっきくて。で、今うちの娘も自閉症スペクトラムで、彼女の為に色んなセラピストを見てるんだけれども。結構その、だからある子供とこないだ会っててでその子は突然叫び声出すのね。で親と会って、そして今フロアタイムっていうセラピーの方法やってるんだけども、その先生と一緒にいて、でどうすればいいんだって言われて。いや見て。ちょっとじーっと見てて、この子はこの電車なテレビが大好きで、で、喜びの表現が叫び声なんだと。で、その先生も子供と一緒に喜んで、いいじゃんって。で叫んだ時に、その先生も一緒に叫んでで、まずそのことにこの喜びを共有するところから始めて、で安心させて落ち着かせると。で、そこから他の喜び、だから二人での喜びとか。例えば問題解決の喜びとか他の喜びを教えていって、で、だんだん叫ぶ喜びよりも違う喜びも一緒にやるっていう方向に持っていくのね。でも何をするにも電車から入る。電車が好きなんだから。で、今の教育っていうのはまず叫んだら叩く。そうするとだから一番喜んでる時をダメって言って。で、電車がはまってたら電車じゃなくてボールで勉強しようとかって言うので。だから本来一番興味が持ってるものと本来、その人が喜んでる時を応援していけなきゃいけないのに大体こうちょっと変わってる人達で喜びの表現っておかしいんだよね。で大体こう社会ってそれを圧迫するので、だからそういうこうなんだろね。ちょっとコンピューターな部分は凄くあると思うんだけども、そういう人達をどうやってサポートするかっていうノウハウっていうのもだいぶ今上がってきてると思うんだよね。  

 茂木健一郎:なんかね、結構だから天才的な人って全部サバイバーな感じがして。で何か僕あのキースジャレットのケルンコンサートの話が凄い好きで。これは調律が狂ったピアノが間違って置いてあってで、キースも凄く長旅で疲れててやめたかったんだけど、17歳か何かの若者のプロモーターが何も知らないで無理やりやらせたらそれが結局生涯で一番売れた何かアルバムになったっていうケルンコンサートの話が好きで。何かニューロダイバーシティで困難な人って何か調律が狂った。ピアノに疲れ切って到着したピアニストみたいな感じだと思うんだよね。で辞めたいって思うんだと思うんだけど。でも辞めたいと思うの乗り越えて弾くと凄くいいものになるっていう。  

 伊藤穰一:ただ、僕、これ個人的な意見だけども、その一番小さい時にそこを応援してくれるかしてくれないかによって、だから一旦はまっちゃえば何をしても乗り越えていくんだけど。でもちっちゃい時にだって、うちの母親も変なことしてても応援してくれてたんだよねで、その周りにそういう応援してくれる変な大人も近くに置いてくれて。あ、変でもいいんだと思ったから、僕もハマられたんだよね。でも。だからそれも乗り越える人もいると思うんだけども、最初ちょっと様セーフティをあげると、その後平気で変になれる子達って結構いて。で、その子達はアンロックされていない子が多いんじゃないかなと思うんね今まで。  

 茂木健一郎:だから何か面白いっよね。何か文明が変わって、そういう何か背中を押してもらって前に行くニューロダイバーシティな子がむしろ活躍できる環境が整ってきて、だから俺web3とか、あれ色々言われてんんんだけど、僕やっぱりあのテクノロジカルなディスクビションとかを見るし、何か凄くコントラバーシャルなところ色々あると思うんだけど。でも究極やっぱり人間がより良く生きる社会を作るっていう方向にいけばいいと思う。何かその欲とか欲Greedとかそういうものでも動くじゃないやっぱりああいうものって。でもそうじゃなくて、本当に何ていいのかなってこれでも恐らく誰も、SFでもないんじゃないかな。そういうのかそのweb3的なまあよくJOIが言ってるDAOみたいなものがあって、で、そこで何か本当に分散型でどこもコントロールされていないのとこで、みんなが何かトークンとかやりあって何か色々何て言うのをコントリビュートし合ってそいで、そこでダイバーシティーが生かせるような社会が、こういう社会ですみたいなビジョンってあるんかいSFとかでも。具体的にこういうもんなんだってなんか。  

 伊藤穰一:いやではSFにはあるよ。だから、そもそもメタバースっていうのもメタバースっていう言葉はスノークラッシュから出てきてるし。あれ結構ね僕も見てて面白くて。で、あの本の中に例えばタイプでしか参加できない人は、メタバースの中では何かテレタイプとして。だからあれ、もうみんなこんなズームしてるんじゃなくて、いろんな人たちがぐちゃぐちゃになってる環境で、それぞれにインターフェースって一つの空間でやっているので、すごいインクルーシブなのね。で結構そのなんだろね、Cory Doctorowの本だとか、結構その、今のシステムからドロップアウトした新しい文明ができる。でもそれを書いたCory、何かWalkawayっていう本とかそうなんだけども、それや書いたCoryがweb3反対主義者だけどね。だから結局、その今のweb3の文化ってクリプトのちょっと金儲けの色が付いてるんだけども、僕が一番面白いと思ってるのはちょっと先に行っちゃってる若い子たちがいて。だから、今たぶん茂木さんと同じことを言ってるんだと思うんだけども、僕はその今文化的にこの次の世代が作ろうとしている世界の中に一番いい技術がぽんと入ってきたので。でヒッピームーブメントと同じく一番web3の重要なところはこの文化革命だと思うんだよね。文化革命てか文化のこう変革が起こそうとしていて。で、そこにこのDAOとかクリプトってうまくハマるので、で今までの何かこうちょっとポンジスキームとか、スキャムのノリから新しいノリに変えなきゃいけなくて、それは多分今始まってるんだよね。ただ、そこにあんまり注目されてないのが。  

 茂木健一郎:なんかだから欲望から解放されればいいなと思うんだよね、ちょっと変な話オーナーシップとかも。だからスマートコントラクトとかさ、スマートプロパティーとか何か色々あるじゃないですか。だからあの手の話もだから結局所有って何かちょっと古い概念だよねっていう感じって少しずつ出てきてると思うんだけど。でも何か僕ね、やっぱりweb3で一番何かイシューなのはまあ、これちょっとJOIにそう絶対今日聞こうと思ってきたんだけど、何か中央集権的じゃないとか言うじゃん。だけど、実際にはテクノロジストって言うか、そのweb3って文化を作ったり、技術を進めていったり、クリプトで何かマイニングしてるとか、そういうことも含めて一部の人に何か集中している感じもあるじゃん、なんかその、人は、人のパワーとかウェルスは。じゃあ、それがない、それが解消されない限り、その分散的って言っても何か意味がない気がして。  

 伊藤穰一:だからそこは僕だから、結構今重要な分岐点で。アーキテクチャーとそのなんだろう、みんなのこう意識レベルによって、どっちにも転べると思うんだよね。だから今言ってるように、一部の人たちにすごくリソースが集まってるのもそうだし、あと技術力とかも集まっちゃってるんだけど。ただ一方で例えばトークンの分配比率を見てると、大体のいいDAOっていうのは、半分はユーザーとお客さんに行ってるのね。で、ユーザーとお客さんがかなりのシェアとかなりにコントロール持ってないのはそんなプロダクトは使わないって言ってるのね。投資家は昔はベンチャーキャピタルって3割とか取ってたのが今5パーになってるのね。そのトークンの分配を見ていると、今までの不透明な時代に比べて、もう圧倒的に一般の人たち向けになってるのね。今、例えばそのweb3見てても、お客さんのユーザー数とか昔、みんな嘘をついて言ってたのがみんな発表しないの。見えるのね。だから会見も見えるし、ガバナンスも見えるし、ユーザー数とか全部見えるからただそれ見えたからって言って、それをちゃんと一般の人達が入っていて、こうディマンドすればどんどん分配が起きると思うのね。でも、それが見えなくてもいいやみたいになっちゃって、お金持ちの人達が何て言うのかな、なんちゃってweb3作っちゃって今みたいにこう隠していく方向に流れてもおかしくないんだよね。だから今web3作ってる人達は、どんどんどんどん非中央集権型にプッシュしてるんだけども、普通のユーザーが使い出すとそんなのいらないって言っちゃう可能性があるの。こうするととまたね、集まっちゃうと思う。だからかなりその呼吸みたいに分散から中央集権から分散ってこう切り替わってもう一回今分散しようとしてるんだけども、ほっとくとねぎゅーってまた真ん中に入ってきちゃうと思うんだよね。    

 茂木健一郎:何かこれはJOIが何かポッドキャストか何かで言ってたけど、おはようをgmってなんか小文字で書く弱っちい感じとか。ああいうの面白いよね。ああいう感じってすごい面白いなと思うんだけど。何なんですか、僕でもねやっぱりね僕はいろんな人と話すから、やっぱり一番じゃ極端な話、本当に一番何のテクノロジーも分かんなくて、また例えばじゃあトークンとかの扱いもちょっとよくわかんないよっていう、そういう何か個性を持ってる人がいたとすると、その人も幸せにできるかどうかっていうのが何か身体性チャレンジって言うか何かあのアンビエントってか何かその何か空気みたいに環境があって、別なんかそのweb3とか知らなくても、何もオペレーションとかマニピュレーションをしなくても、何か普通にその人が生きてると幸せになる世界ってくると思う。  

 伊藤穰一:うんうん。まあ、それはそれも希望だよね。  

 茂木健一郎:おじいちゃんとかおばあちゃんとかさあ。  

 伊藤穰一:うん、お爺ちゃんとか。だから何だろうね。こないだ山古志村の人たちの話を聞いていても、何かゴールデンウィーク中に、外国からNFT買って、いい村民になって山古志に行ってただいまって言っておじいちゃん。おばあちゃんとお話ししてで、それでなんとなく関心持っておじいちゃんおばあちゃんがディスコードに入ったりしてるみたいなので。  

 茂木健一郎:そうなの。  

 伊藤穰一:うん。だからちょっとしたストーリーだけど、そういうリアルワールドで多分いろんなDAOとかで動きが出てくると思うんだよね。でニーズがあるとみんな使うと思うんだよね。  

 茂木健一郎:僕だからずっとなっか最近気になってるのは、ケインズのアニマルスピリッツってのがすごく気になってて。まあJOIもアニマルスピリットはあるじゃないですか。全然ほっといても何かしたくなるってのがアニマルスピリッツだとすると、やっぱり僕web3とか全部大前提っていうのがアニマルスピリットだと思うんだけど、逆になんか何にもしたくないよっていう人もいるじゃん。だからそういう人も幸せにできないかなとか思ったりするんだけど。怠け者みたいな、人というか。  

 伊藤穰一:でも逆に言うとだから、今までやっていけなかった変な人達は今までよりハッピーになるけども。あんまり何にもやりたくない人たちは不幸になる可能性があるよね。だからそもそもインターネットができた時から、だから僕もやっぱり興味がない人ってあんまりインターネットよりテレビの方が楽しいよね。向こうから送ってくるから。自分から検索キーワードを考えないけない人ってさ辛いっていうのがあるよね。  

 茂木健一郎:いや、そうだね。だからいや、そうなんですよ。結果、何か選別かかってる気がする。だからちょっと昔のペーパーテストだったら、テストのスコアってので選抜しちゃったんだと思うんだけど、今のweb3でもクリプトでもなんでもいいんだけど、これって何か結果フィルターかかってる気がすんだけど、その、その人のパーソナリティっていうか何かトレー、パーソナリティー、パーソナルトレートうんうん。それはどうケアすればいいのかってのは僕は意外と考えるかな。  

 伊藤穰一:うんうん。  

 茂木健一郎:うーん、うーんしないか。  

 伊藤穰一:うん、でもだから何だろね。その筋肉があれば良かった時代から何かこうきちっと物事知識を学んでこなす時代から、変でみんなとちょっと違う人の方が強い時代ってこうシフトしてると思うので。で勿論できる限りみんなハッピーにさせる義務はあると思うし、ただ社会が必要とするタイプが重点はシフトしてるような気がするんだけどね。だって、そもそも情報って同じことをみんながやってもあまり意味がないじゃん。それはやっぱりみんなと違うことをやる。だから、Gregory Batesonが言う、「Information is the difference that makes the difference」で、みんなと違うことをやって初めて情報って増えるわけで、だから情報社会ってそもそもそうなんだよね。今までだったら軍隊にしても工場の人にしても例えば弁護士にしてもみんな同じことやってても、会社がたくさんあればおんなじことができたのが、スマートコントラクトってコピーできちゃうから、新しいコントラクトを開発する弁護士は必要だけども、おんなじコンタクトをコピーする弁護士居れなくなっちゃったので、だからちょっと難しいと思う。  

 茂木健一郎:そうだよね。でも、そこで俺だからいやだからあまりにもなんか、クリプトにしてもものすごく速く進んでるじゃん。だからリーガルイシューっていうか、その、社会的にどうそれをオールドエコノミーと接地するのかってのは、意外とみんなちゃんと考えてない気がして。それどこかでソフトランディングできればいいけど。  

 伊藤穰一:思ったほど速く動かないと思う。オールドエコノミーはオールドエコノミーで残るの。ニューエコノミーがオールドエコノミーの中をどんどんチップアウェイしていって、でも多分それとうまく世代交代が起きれば。  

 茂木健一郎:では両立するっていう読み?  

 伊藤穰一:両立すると思うんです当分。だって今でもインターネットあんまり関係ない職業ってなくはないですよね。  

 茂木健一郎:まあね。  

 伊藤穰一:土木とかで、なくはないんだけども。だからそういうこう、でそういうのが好きな人はそういう職業にいって。やっぱり今は僕は逆に言うと何だろうね、そのダイバージャントの人達が居場所がなかったのに、そいつらの居場所ができただけで。でもオールドエコノミーはそれなりに必要なんだけれども、そのバランスが多少。だからうちの妹みたいにも学校が大好きな人達はそれなりにまだ残ると思うのに必要だし。  

 茂木健一郎:妹学校大好きだっけ。  

 伊藤穰一:学校大好きだ。  

 茂木健一郎:そうだったのか。  

 伊藤穰一:もう満点でハーバードでストレートAでダブルPhDでもう凄い凄いんだよね。  

 茂木健一郎:すごい、凄いね。それはまあそれでそれはすごく素晴らしいと思うけどさ。でも何か今JOIみたいな性格だったら、そもそも学校のカリキュラムに従う気なんて0になるよね、だってやりたいこといっぱいあるじゃん。だからどうなんだろうな。究極だからあのweb3が、だからエデュケーションをどう変えるかってのは、僕はすごく希望を持って見てるけどね。  

 伊藤穰一:うん。だから、今ウチのコミュニティー見てても10代の子たちいっぱいいるんだよね。で僕もパソ通だったけど、10代のパソコン通信で大人と一緒にいろいろ議論できない派で。だから一部のちっちゃい子たちはもう入ってんの。  

 茂木健一郎:入ってんの。  

 伊藤穰一:で、やっぱり銀行口座もいらないから、すごくもうちっちゃい時から主体性持っていろんなことできちゃうので、だからそういう意味では。だからでもそれってたぶんほとんどの子ではないと思う。でだからまず外れてる子たちから最初にたぶんそういうとこに入ってきて、あとはそのアクセサビリティの問題で、例えばソーシャルが物理的な3Dソーシャルを苦手だけど、オンラインソーシャルは大丈夫だとか。だからちょっとそういう今だと外れる子が結構多いのとあとはこうモノを作って学ぶっていうのはあるんだけども、今まではこう物理的なものは作れたけれども、組織的なものっていうのは大人にならないと作れなかったから、今ちっちゃい子でもDAO作ったり、組織的な構造をいじること。だから、多分web3って僕ジョインっていうことオンじゃなくてジョインていう言葉を使っていて。多分人間のシステムの例えばコーディネーションのシステムの道具なんだよねweb3って。そういう人たちをどうやって関係作ってどうやってガバナンスして、でどうやってモノを作るかっていうその何だろうそのSOCIETYの仕組みのツールだと思うんだよね。で、それは今、大人がじゃあ株式会社とどう違うのっていう大人じゃなくて、もうネイティブなDAOで考えてる子たちがもう何をするにもこう何かクリプトでそれを組み立てていくっていうことがだんだん増えてくんんじゃないかな。ちっちゃい子で。それが学びの一つのカテゴリーになると思うんだよね。  

 茂木健一郎:うんおもろいね。このさっき、僕あの創造性のとこにコレクティブインテリジェンスの研究は始めてんだけど。だから創造性とムードの関係って物凄く研究されてて、その例えばドーパミンとかセロトニンとかそこらへんなんだけど。で恐らく一番、ま色々個人差あるんだけど、一番ロバストなデータは何かって言うと、その楽しそうなムードってか何かあるじゃん、と創造性の相関はすごく高いって。だから今はほらJOIって会うとさ、いつも何か楽しそうに喋ってるじゃん。これってさぁ、創造的な人のさ、何か特徴なのよ。創造的じゃない人って何かしかめっ面してなんか深刻な顔して、それはこうですねって。だから、web3とかその今の話聞いて子供達が何かそういうので、最初からそういう何かオンという状態になってる丁度なんか創造性を発揮するムードの醸成にすごく繋がるなってのは今聞いてて思いました。  

 伊藤穰一:こないだテネシーの研究で幼稚園の前のプリスクールで一部の子は送り込まれて、そうでない子。これ結構恵まれてない子達なんだけど。プリスクールにいった子達はそのきちっとこうルールに従って学ぶ躾されるのね。で、1年生とかまでは結構、その子たち上がるのね、成績が。他の子達がただ遊んでるの。ただおっきくなってくると遊んでた子達の方が成績がいいのね。で、僕は思うのはやっぱり、その楽しい時に学んだ方がまず内在的な動機もあるし、結構クリエイティブでで言われたからやるのって多少は動くけれどもだんだんダメになってくるじゃないそのモーティベーションって。ただ、思うのは日本ってすごいなまあ、今の現代社会すごいなって言うのは、結構嫌な仕事を言われたからきちっともう一生懸命やって働いてる人たちがいて。で、今までの大量生産社会ってそういう人たちが必要だったよね。だから、そういう躾を今までやってきて、んで、今茂木さんが言ったようなその喜びがソサイティ。だから口では最近言ってるようなウェルネスで、ハピネスとかでも何かそれを眉間にしわ寄せてやってて、何かアンハッピーが病気扱いされているけれども、なんかでもハピネスそのものを何か作ってないような感じもしていて、何かメンタルヘルスってコストがかかるよね。じゃみんなハッピーにしようねみたいな。  

 茂木健一郎:でもねその研究で面白いのがそのゴールオリエンテッドって言うか例えばじゃあテストの点数を高くしましょうとか、宿題をやりましょうとか、そのゴールオリエンテッドなタスクは意外としかめっ面してやるの方がスコアが上がったりするんですよ。だから、今JOIが言ったみたいに何かなんでじゃそういう何かちょっと仕事はつまんなくて真面目にやるっていう文化があったのかっていうと、きっと何かクリエイティビティがなんもいらないようなゴールがはっきりしてるようなやつ。それをこなすってのは、意外とそれが向いてたんだろうね今まで。  

 伊藤穰一:あのね、これ誰の研究だか忘れちゃってたんだけれども、あの面白い研究があって。あのちょっと難しい数学の計算があって、それでちょっと企業だと違うやり方で早くやる。で、それかこう手動でやるっていうのがあって。で、みんなにやらせて、で夜一回できなかった人、寝かしてほんで次の朝起きたらもうさっと新しい器用な方法を思いついた人達がいて、でもう人達のグループは手動でやるのが速くなってるの。ただ、その、でそれってすごく面白くて、その、寝てる間にはどっちかをブレインが決めて、じゃ明日またこれやる時にはとにかく手動をもっと効率よくしようっていうのと違うやり方ないかなって脳が考えるやつらがいて。で、それって結構ね分かれてるっていうので、で多分その、こうefficenceを上げていく方法って色々あるよね。で今言ってるのはプレッシャーかけた方がこうリターンがいいのとやっぱりリラックスさせてクリエイティビティーを出すの。で、それを同じ人間にもでも両方できるのかな。それって脳の構造ってタイプってあるのそういう。  

 茂木健一郎:いやどうなんだろう。ただ僕やっぱり思春期の育てられ方ってすごく。だから最近、これもまた面白い論文でJOIみたいにさスーパーインテリジェントなでもって脳のボリュームが最初小さいんですよ。それで思春期にボワッとでかくなって、ダイナミックに変化して、またそれ刈り込まれるっていうなんかその、変化率がすごくダイナミックだってことがわかってるんですよ、そのストラクチャールMRIで。でこれの問題点は、その時にどういうタスクをやらされるかで、かなり恐らく回路の性質が違ってる。  

 伊藤穰一:でもね僕自分でスーパーインテリジェントじゃないと思うよ。  

 茂木健一郎:それは僕のエスティメーション。  

 伊藤穰一:僕なんとなく大人になってきて、すっごい弱いとこいっぱいあるのね。で、その弱いとこを避けてっていう。  

 茂木健一郎:いやそれはだからさ、それは面白いし。イーロンマスクもすごい弱っちいと思う僕らだからその、見てると。いやイーロンマスク見てるとびっくりするぐらい何か変な。いやこの前の日本の人口がゼロになるというツイートも、いや、それ単にリニアに改装すればそうだけど、リニアじゃないでしょみたいな。だから何かそれはそれでイシューじゃなくてだから何かその、いや、そのスーパーインテリジェントな子供の脳とかクリエイティブな脳の見てて面白いのが、あれなんですよ。あの。回路が細いとこは細いのよ。だから何かめりはり、太いとこは太い、細いとこは細い。だからなんかその定型的なタスクをリッペティティブにやるような脳ってやっぱりきっと何かあるとこは太くなるんだけど、そこはあんまりクリエイティブな脳は要らないっていう。  

 伊藤穰一:なるほどね。で、さっきのその茂木さんのチャレンジで、そのあんまりやる気がない人たちをハッピーにする関係。  

 茂木健一郎:そういう人も幸せになるような社会ってあるかな。  

 伊藤穰一:だからまあ逆にその人達の幸せが何かにもよるよね。  

 茂木健一郎:確かに。  

 伊藤穰一:で、その人達に幸せは何もしなくてもいいっていうのが幸せだったら、もしかしたら幸せになるよね。  

 茂木健一郎:下手すると日本ってね。もうコンビニでご飯食べられればいいやみたいな。あと、オンラインゲームをやればいいやみたいな。だからどう思いますJOI、だからよくそれは批判的に言われるんだけど、じゃあ社会でも発展って言うか欲望の行き先はどういうのがいいのかなんて言えないよね。  

 伊藤穰一:だから、今、みんなが希望が持てるハピネスを望んでそのハピネスをアチーブできたらいいんじゃないかなと思うんだよね。で、僕はだから社会がトップダウンでいい大学出てお金持ちになんないとあなたは偉くない。だからハッピーじゃないよって言われるのは僕間違いで、何をもってハッピーでもってもいいんじゃないのと思うんだけども。ただもう一つあるのはそのハピネスって難しいかな。これ逆に茂木さんに質問として聞きたいんだけども。結局その欲ってさって、例えばその僕は夜になってお酒飲む時はお酒欲しい時は飲みたいんだけども、朝起きた時っていうのは夜お酒欲しいと思わないじゃない。だから何を欲しい。だから英語だと「I want to want」だから、で、本当は一番自分が一番いい状態で一番理性が働いてる時にハッピーになりたいものに行けるのが一番人間の中長期的ハッピーだよね。で、その中毒の人達ってのは、短期的なハッピーを追っかけて、長期的なハッピーを失うわけじゃない。だから、やっぱり一番自分が長期で考えた時に希望するハッピーにたどり着ける道を持てるかどうかで。多分中長期にどういう、まあ人にあんまり迷惑かけないものであれば、そういう道がみんなバラバラの方がハッピーな世界のような気がするんだけどね。  

 茂木健一郎:本当にそう思いますね。あの僕はね、自分の幸せの定義ってはっきり分かってきてて、最近は。AIコンプリートとかチューリングコンプリートっていう考え方あるけど、僕はHUMAN INTELLIGENCEコンプリートって言うか。人間の知性の在りたりきりをかけてやっと解けるかどうかって問題を考えてるのが一番好きなんだって、だから意識の問題なんかもそうなんだけど。で確かにそれは僕もお酒飲むよ、飲むんだけど、それとはまた違うじゃん。で、僕やっぱり僕はハピネスリサーチおそらく過去10年くらいありとあらゆる文献を読んできているんだけど、かなりまだレベル低いと思う。つまり、何なんかそのブータン的なセンスでGNHとか言ってるんだけど、今言ったような深みがないんだよね、あのハピネスの理解に。極端なこと言うとハピネスって無知からくるんじゃないかっていうぐらい。  

 伊藤穰一:うん。だから、そこでそのダライラマとか仏教のTRUTHでアウェアネスがあって、パーセプションが開いててで、そこの中でのハッピーっていうのは、だから真実を理解した上のハッピーと何か曇ってて中毒になって短気になってる人たちに対してじゃあなたハッピーだ。英語でねfree range chickenっていう定義ってあるのね。で、こう野原に走ってる鳥だけが付けられるんだけども、チキンって最初こうああいう檻に入れちゃって1週間か2週間経って後明けて走れるようにしても出ないんだよね。でも出れるっていう定義でFree rangeって呼んでいいのね。だからそういう意味でいうと、そのハピネスの定義を圧迫しちゃってフリーにしちゃっても、もうそこでハッピーだっていうのはちょっとあんまりかわいそうかなって。  

 茂木健一郎:日本人はフリーレンジチキンなのかな。それとも開けられても走らない時期になっちゃってんのかな。