Joi Ito's Podcast - 変革への道

テクノロジーに精通しているだけでなく、サブカルチャーやネットカルチャーにも詳しい伊藤穰一。 かつて、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究所メディア・ラボの所長も務めた伊藤穰一がさまざまな人物を巻き込み、「これからのニッポン」を考え、どう変革していくべきなのかを議論する新しいポッドキャストがスタートします。 番組には、伊藤穰一のネットワークを通じて、世界中から様々なゲストが出演。 また、解説者として、メディア美学者である武邑光裕氏が登場し、デジタル社会の大局的な指針を伊藤穰一と共に掘り下げていきます。 議題となるテーマは毎回その時に注目されている話題や、伊藤穰一が気になっているテーマをピックアップ。 伊藤穰一の頭の中をそっくり丸ごとお届けしていきます。是非、お楽しみください。

今週のゲストは、日本発のパブリックブロックチェーンAstar Networkのファウンダーであり、Stake TechnologiesでCEOを務める渡辺創太さん。

web3の日本代表的存在として知られる渡辺さんですが、実際彼が運営するAstarが何をゴールとして設立されたのか、そしてなぜ彼が世界を舞台にブロックチェーン開発に携わっているのかはあまり知られていません。

話を聞いていると、穏やかな中にも強い「信念」があることがわかりました。

渡辺さんの推進力となるその信念とは何か?番組で迫りました。



編集ノート

編集ノートには毎回番組で登場した難解な用語や固有名詞などの意味や内容をまとめています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。



JOI ITO 変革への道 - Opinion Box

番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。お便りを採用させていただいた方には、番組オリジナルのNFT会員証がmintできるリンクをお送りしています。



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Podcast Transcript

 

伊藤穰一:渡辺さん、どうもよろしくお願いします。  

渡辺創太:Joiさん、よろしくお願いします。  

伊藤穰一:創太さんのAstar Networkの説明と、ちょっと自己紹介してもらっていいですか。  

渡辺創太:渡辺創太と申します。いま、Astar Networkという日本初のパブリックブロックチェーンを作っております。Astar Networkっていうのは、異なるブロックチェーンを接続するようなスマートコントラクトのHUBで、レイヤーワンブロックチェーンですね。インターネットがこう昔繋がってなくて、今こうつながっているのと同じようにブロックチェーンも今つながってないような状態だと思うんですね。つながってるけれども、BITCOINからEthを持ってくるコストは高かったりとか、ブリッジのところがすごいトラステッドなモデルだったりするわけですが、将来的にブロックチェーンいっぱいありますけど、これが繋がってくると思うんですよね。で繋がってきて、はじめてブロックチェーンがweb3の基盤になるようなことができるんじゃないかなと思ってますで、それに対してAstar Networkはこうポルカドットっていうエコシステムの中に入って、我々のブロックには既にポルカドットに接続をしていてイーサリアムとかマイナス。まあチェーンとか今後空だとかアバランチとかもこう繋げていく中で新しいDefiだとかNFTだとかユースケースを作っていきたいなと思ってます。  

伊藤穰一:なるほど僕も思い出すと、インターネットの前はネットワークがいっぱいあって、それをつないだからインターネットと呼んでたんだけどもじゃブロックチェーンのインターネットみたいなものを今作ってるわけですね。  

渡辺創太:そうですねおっしゃる通りですね。それこそあのBITCOINとかイーサリアムとかAstar Network自体をweb3とは呼ばないと思うんですよね。やっぱプロトコルがあって、それが初めてこうユーザーに一般なユーザーですよね、が触られるようになって、初めてウェブっていうようになるって思うので、そこのインターフェースだとか、このユーザビリティーのところを作っていきたいなというふうに思ってます。  

伊藤穰一:なるほど。今できないことを合わせたネットワークって、例えばどんなようなものなんですか。何か具体的な事例みたいなものがあれば教えてください。  

渡辺創太:例えば、それこそ最近開通したばかりなんですけども、ポルカドットっていうブロックチェーンに我々のAstar Networkというものがつながってるので、ポルカドットにつながっている。これって10個くらいもつながってるんですけど、そこにつながってるチェーンからトラストレスにトークンを自分たちのところに持ってきて持ってきたトークン同士を例えばスワップさせたりだとか、持ってきたトークンを担保にして新しいトークンを借りたりとか、今まで基本的にブリッジっていう機能がトラステッドだったんですけれども、ポルカドットに接続することによってトラストレスなブリッジかつ異なるブロックチェーンの複数の通貨がAstarの上で使えるようになるので、Defiとかユーザーエクスペリエンスみたいな部分がよりこうマルチチェーン時代に最適化されたようなものになってるんじゃないかなっていうふうに思います。  

伊藤穰一:だからこないだたしか600BILLIONぐらいのAXIE INFINITYのトークンのハックも、結局はのトラストされてたBRIDGEだったんですよね。じゃああいうのが起きにくくなるっていうことですよね。  

渡辺創太:ありましたね。ああいうのが起きにくくなるということだと思います。やっぱりトラステッドモデルってものすごく危険だというふうに思っていて、こう将来的に我々もDAOにしてたりとか、このやっぱり分散が価値を生むのがこのweb3の領域なので、できるだけそのトラステッドな領域っていうのを減らしていくってのが今後やりたいことですね。  

伊藤穰一:なるほど立ち上げた頃には、社会と世界を変えるようなインパクトをしたいみたいなこと言ってたんですけども。まずそれはどういう意味だったかっていうのと、そのインパクトに対して今どのぐらいのプログレスができているかっていうのをちょっと話してもらっていいですかそうですね。  

渡辺創太:インドとかロシアとか中国とかの現地のローカルのNPOで働いてたんですけど、やっぱりいろんなものを見るんですよね。普通に当たり前のように何か裸足でパンツしか履いてない。何かちっちゃい子がお金ちょうだいって囲んでくるように来て、すごいショックを受けて。で、こういう領域に自分の人生費やして社会問題みたいなことを解決しに行きたいなっていう風に思いました。どうしてもその問題が発生している部分って、この資本主義のマーケットでカバーできてないし、市場の失敗って言われるような部分にやっぱ問題って散見されているなという風に思っていて。でも、ここの市場の失敗の部分で起きている問題をそのままダイレクトに僕が解きに言ってもなかなかスケールしないなと思ったんですよね。それだったら、この資本主義の中で今のあるシステムの中でトップを取ると、その後に影響力だとか、そのできることを駆使して、この市場の失敗の部分を解決した方がいいなという風に思いました。例えば、今世の中でインパクトある人を上から順番に並べようっていう風にそこら辺の町を歩いてる人に聞いたら、多分ジョーバイデンとかイーロンマスクとかジャックドーシーとかビルゲイツとかスティーブジョブズが出てくると思うんですよね。その時に共通項があると思っていて、多分政治家かIT起業家だなと思ったんですね。今の人たちは多分インターネットの方々だと思うんですけど、僕が今27になったばかりなので、今からこうインターネットみたいなことやっても例えばJoiさんみたいな方に僕勝てる気がしないんですよ笑。で、このブロックチェーンとかweb3みたいな波がいわゆる社会人に出てから一番最初のビッグウェーブだと。ブロックチェーンって、そもそも今13-14年くらいしか歴史がないので、暗号学とがもちろんすごい歴史がありますけど、ブロックチェーンを15年、16年やってる人っていないんですよね。世の中にこれってすごいチャンスだなと思っていて、努力をめちゃくちゃできる人が輝ける領域だなとも思って、やっぱりこのブロックチェーンの領域に入りました。どれだけ今世界を変えられてるかっていうのは本当に日々日々何て言うんですかね。自分の力のなさにイライラするような毎日ですけれども、着々と積み上げている部分もあるんじゃないかなって思っていて、やっぱりAstar自体をもっともっと大きくしていくで、アプリケーションをもっともっと作っていく。その中で、やっぱり初期から絡んでくれているトークンホルダーにしっかり経済的なインセンティブを付与できたりとか、自分たちの管理しているトークンですね。これを例えば寄付に使ったりだとか、僕個人のアセットAstar Tokenとかを今後途上国だとか、赤十字社とか日本のNPOだとか、そういうところに寄付していくとか、そういうことをどんどんやりたいなっていう風に思ってます。  

伊藤穰一:で、何か最初からこう慈善事業だとかソーシャルインパクトで考えてるのを素晴らしいと思うし、結構こう儲かってから寄付する人ってビルゲイツみたいな人もいれば、もう最初から慈善事業をメインにやってる人とこう何か上手にバランスするのが今のアメリカでいうとPublic Benefit Corporationとか言っているんだけどもで、僕も両方いろいろやってきてどうしてもこう営利目的の会社の方がみんな人もお金もリソースも集まるし、こう働く力が出てきますよねでただ一方で、そのMaking Money今のweb3なんかすごいお金の匂いぷんぷんするし、本当にお金儲けしか考えてないような人達がDISCORDに入ってきて面々にWEN MOONとか言ってくると、やっぱり雰囲気が全然慈善事業じゃなくなっちゃうじゃない。で、その渡辺さん。その中で自分はどの辺にいてどういう風になるといいと思います。  

渡辺創太:すごい難しい質問ですね笑。  

渡辺創太:えーっとやっぱりweb3とかこのクリプトっていう領域が一種金儲けだよね。みたいなのを言われるのは、致し方ない部分を客観的に見て思っていて、例えば一つのトークンとかでお金持ちになった人がドバイでパーティーしてるとか部分だけ切り取ればすごい正しいと思いますし。でも、ただ冬の時代でもBul lMarketでもBear Marketでもマインドセット変えずに日々、日々新しいモノを良いものを作ろうと思って開発している人たちっていうのはやっぱりいっぱいいるので、やっぱり中には本当に世の中のことを考えて行動している人達っていうのはすごい多いと思うんですよね。で、実際に我々のコミュニティーを見てみても、その長期的なベネフィットよりも、この短期的に自分がどれだけ儲かるのかIndividual Profitにしか興味がない人っていうのが、実際に8割とか持っているとは思います。そこのバランス感覚はすごい難しいんですけど、僕みたいなファウンダーは本当にいいものを作ろうと思わなきゃいけないで、やっぱりそれは態度で示すのもそうですけど、実際に自分がどれだけ寄付寄付をできる。後かは、実際にどれだけ大きいいいプロダクトを作れるかみたいなところをこだわってやっていきたいなという風に思ってますね。  

伊藤穰一:なるほどね。幸いって言っちゃいけないんだけども、今、株が下がってCryptoも下がって、みんなこれ僕が結構好きなBanklessっていうポッドキャストでビルドマーケットとか呼んでてで、結局今こそやっぱり作る人たちだけが残ってるから残ってるって元気なので、やっぱりお金儲けじゃなくて物を作る方に集中した方がいいよねっていう意味で、今はお金だけ考えてる人達は少し減るんじゃないかなという気がしていいんじゃないかなと思うんですよね。  

渡辺創太:仰る通りです。これって逆にインターネットのこのドットコムバブルの近くでも同じようなことがあったんですか。  

伊藤穰一:うんありました。何年だっけな、最初のドットコムがはじけた時っていうのは、ナスダックの株式場の値段がインターネットがなかった時まで戻っちゃうんですよね。だからなかったことにしようみたいな感じで、あれはただの流行りだったなみたいな感じで、そうするとシリコンバレーに行くともういないんだよね。昔のただ、お金だけの投資家にすると、まだでもグーグルの連中は立ち上がったばかりで上場もしてなくて、何かそのへんで遊んでるし、ツイッターのエヴァンとかもみんなパーティーとかやるとみんな来てくれるしでMark Andreessenとか今もうみんなどんになっちゃってる人達はただ、単にモノを作ろうみたいな感じでで、ブログっていうのも元々は結構、その仕事がなくなっちゃってエンジニア達がいっぱいいてで自分達でブログ書いて自分たちでブログソフトも作って、そして全部のブログソフトが互換性あるプロトコル作ったりしてて、結構もお金儲からないから遊びのようにいろんな標準化とかプロトコル作っててそれが結構人間関係もそうだし、結構根っこのいろんなアーキテクチャーもその時代にできちゃうので、すごく最初のバブルはそれが重要でで、2008年はそんなにいい思いがなかったけど、最初のバブルのはじけた後は何かすっきりしていい感じだってね。  

渡辺創太:僕もすっきりした感じです。今みたいなアンドリーセンとか、セコイアのレポートとかをやっぱすごい最近よく読んでるんですけど、今回のクリプトのこの一種クラッシュみたいなのがドットコムバブルと比較されることが非常に多いなと思っていて、彼らの言ってるので、すごい印象に残ったのが実際にドットコムバブルで去ってしまった人たちっていうのは、こうインターネットの黄金期を逃したよねっていうのを言ってて、例えばクラウドとかモバイルとかいろいろこう新しい技術がドットコムバブルの中で成熟して後で成熟してたものをみすみす逃したよねっていうのを言ってて。で、それのweb3が今に当たるってのを言ってて、多分こっから色々イノベーションが今のDefiとかNFTとかありますけど、こっからもっとDAOとかもしかしたら新しい領域が開かれるかもしれないと思っていて。だからそういうことを言っていただけると、僕としてはうん、非常にワクワクするというか。この10年で世の中変わるなっていう風にを確信してます。  

伊藤穰一:でも、面白いのはMark Andreesseenとか何人か今web3に入ってきてる。その時代の仲間はいるんだけども、おんなじぐらいの数の仲間はもうインチキだとか言って絶対行かないでたぶん半分ぐらいの僕が知ってるVCなんかはどっちにもいなくてで、本気にweb3やってる僕の年齢の人って案外少ないんだよね。でも確かに2017年ぐらいって結構インチキが多かったからそれは分かるし、あとアーキテクチャーがちょっと今までの考え方と随分違うので、本当に技術者でもweb3はインチキだって言う人。結構いて多分渡辺さんがちょうどこう何か動けるようになった時にはちょうどいいタイミングでブロックチェーンが出てたので、すごく良かったと思うんだけども、もう今から50-60の人が走っても役に立つぐらいはなれるけど、一番フロントランナーにはもうなれないよね。だからそういう意味で言うと、本当に渡辺さんはちょうどいいタイミングに、その波の前にサーフィンができて日本にとってもチャンスだと思うんですけども、こないだ何か会社は何かゴールは株式公開とか売却ではなくて、これは会社清算するとかね言ってたみたいですが、その意味はちょっとこの文脈の中でどういう意味ですか。  

渡辺創太:いわゆるスタートアップ。なお、僕の周りの起業家とか、僕より上の方々とかって基本的にそのスタートアップやってたらM&AかIPOを目指すと思うんですね。ただ、こう我々の場合は最終的なゴールっていうものをこう会社清算、会社をLiquidateするってことですね。っていうところをやろうとしていますと。なぜかというと、やっぱり自分達はAstar Netwrokっていうレイヤー1パブリックブロックチェーンを作っていて、レイヤー1のパブリックブロックチェーンってこういつでも24時間355日、パーミッションレスで開かれ続けていることっていうのが本質的な価値だというふうに思っていて、これをこう開発の主体のStake Technologiesっていう僕の会社が行ってしまうと、僕らの会社がコントロールできてしまうんですね。やろうと思えば、なので自分達は作ってるんですけど、自分達っていう単一障害点を外して、ネットワークをより分散化させた形にするっていうのが我々のゴールですね。で、もうちょっと詳しく言うとビットコインとかイーサリアムの裏側に株式会社ってないと思うんですね。でも、数十とかもっと数万とかの株式会社がとか、個人とか会社がこうネットワークに参加をしてインセンティブに沿って支え合っていると、我々もそれを実現したいので、自分達の会社を清算するっていうのがやりたいことなんですけど、これってすごい面白くて。例えばFACEBOOKっていうサービスはMeta社がいなかったら動かないと思うんですよね。で、AWSもAMAZONっていう会社がなかったら明日全部落ちるんですよね。大損害になると思うんですけど。でもブロックチェーンとかってビットコインって別に会社なくても僕じゃないですか。で、イーサリアムも別に会社なくても動くし、Astar Networkも会社がなくても動かすべきなんですね。そういう理想論に立ち返ったときに、やっぱり自分たちの会社っていうのはなくしたほうがいいよねっていうような意思決定を僕の中でしました。これが新しいスタートアップのいわゆるこうM&A、IPOに並ぶイグジットに当たるのになるんじゃないかなと思っていて、DAOを作るっていうのが新しいゴールだと思うんですね。それって今までの少なくとも日本史においてはやった人がいないので、そこの道を新しく切り開くっていう方が、僕は個人的にエキサイティングなんですね。  

伊藤穰一:確かに。  

渡辺創太:なのでやっていきたいです。  

伊藤穰一:ある意味、設計の仕方にもよると思うんだけども、そのDAO化っていうのはある意味株式公開みたいな感じでパブリックになっちゃうっていうことに似ているけれども。その持ち分比率だとか、投資家の位置づけとか、お客さんのコミュニティーの参加のし方によって全然こう結果的なインセンティブとか効果は違うと思うんですよね。何か最近何かこないだYOUTUBEで「DAOとは」っていうVTRを作って。で結構コメントの中で、「これ株式会社でできるじゃん」とか言ってて。いやできるじゃんって言われても何かeメールなくてもファックスできるじゃんって昔言われてたのと同じで、そのすごく安く、すごく早くできるのとお金。すごくかけてゆっくりやってできるのと違うし、後はそのできるところが似てても、そもそもそこをエンブレイスしてる文化が違うと違うなと思っていて。で僕も最近、ベンチャー投資でDAOに向かってる会社に投資してるんだけども、やっぱり今までのベンチャーキャピタルってだいたい一回で3割の株のシェアを取ろうとしてたり。  

渡辺創太:はい。  

伊藤穰一:あとはそのファウンダー50%持ってて公開の時には30%とか公開まで30%持てるかどうかなんだけど、結構シェア持ってるんですよね。はいでもちろん従業員は多少はストックオプションでも10%とか持ってるかもしれないけども。で、お客さんも0だったのがお客さんが半分ぐらい持ってたりしてで、大体投資家で5パーなんか持ててないし、ファウンダーでも5パーとか7パーだったりするので、だからやっぱりこの持ち分比率と透明性といろんな要素でやっぱりDAOっていうのと上場企業って全然違うなと。  

渡辺創太:全然違いますね。  

伊藤穰一:そうすると、その参加してる人たちのモチベーションとか最初応援する投資家とかのモティベーションとか考え方もまず今の時点でも随分違うけども、これがどんどん進化していくと全然違う世界になっちゃうんじゃないかなっていうのは思うんだけども。それって何か今は今僕が言ったような感じなんだけども、渡辺さん5年とか10年何か経つとこのDAOの雰囲気とか、今やってるようなことどう変わっていくと思いますか?  

渡辺創太:そうですね。例えばVitalikっていうイーサリアムのファウンダーでも、このトークのパーセンテージって3%は思ってないみたいなんですよね。イーサリアム全体の。僕もAstar Networkっていうネットワークのファウンダーなんですけど、僕も多分5年とか10年で3%以下なんですね。もらえるトークの量が。これって株式会社でいうとあり得ないじゃないですか。CEOとかいわゆる会社とトップが持ち株の3%以下しか持ってないって、議決できないって。っていうのは多分なかったんじゃないかなって思っていてで、やっぱりこうWEB2的な株式会社の概念をDAOに持ってくると、絶対上手くいかないと思ってて。で、その理由が株式会社の価値の源泉って売上だと思うんですね。で、この売り上げってマーケットでのシェアなので、この例えば広告業界でマーケットでのシェアが出かければでかいほど売上も立つ。それで株式会社のバリュエーションが上がるというのが株式会社だと思うんですけど、DAOの時の価値の源泉ってマーケットシェアとか集権だけでなくてDecentralization。そのどれだけ分散してるかが価値の源泉だと思うんですね。でなので一種、社会起業家に近いというか、こうネットワークを世の中のためにコミュニティのためにいいものを作る。その奉仕する姿勢っていう方が価値につながりやすいっていうのは大きな違いだと思っていてで、今って世の中に中にWEB2.5みたいなサービスすごい多いんですよね。DAOなんだけど、株式会社みたいなシェアは欲しいけど、分散もさせたいみたいなんですけど、やっぱりイーサリアムもそうですし、我々もそうですし、いろんなDAOが今後トライアンドエラーする中で、もう死屍累々とみんな失敗していくと思うんですよ笑。それ自体はすごいいい子だ。乗っていて、その上にやっぱり成功する人たちも出てくるので、今、株式会社やろうとすると、企業のエクイティファイナンスみたいな本があって、みんなこれ勉強するじゃないですかDAOはないんですよ。全く何も決まってないんで。  

伊藤穰一:そういう意味でブロックチェーンだと外からも大体見えるし、結構オープンなので、そういう意味ではそういうノウハウがどんどんどんどんパブリックで議論されるのは株式会社よりも多いんじゃないかなんで。何かハーバードビジネススクールのケーススタディー買わなくてももちろん秘密もあると思うんだけども、オープンなもの。たくさんありますよね。  

渡辺創太:そうですね。なので、今そのレイヤーはブロックチェーンとかDefiとかっても全部トランスペアレントでトランザクションとか全部追えるのがすごいいいと思ってて、これ日本人めちゃくちゃ有利だと思うんですよ。今までってDefiにしてもレイヤーワンにしてもみんなイノベイティブなものを作ろうと見なしてたんですよね。やっぱりアメリカとかヨーロッパの人たちは日本人ってあんまりそれって甘くないと思うんですよ。国民性的にでもこうイノベーティブなユースケースがいっぱい。今出てきているので、それって幸いなことに全部On Chainで見えるんですよね。これとかが例えばグーグルとか例えばアップルとか使ったらグーグルのサーバーに僕は入れないじゃないですか。アップルのサーバーにも入れない。だから見れないんですよね。基本的に。でもブロックチェーンだったを全部みれるんで、いろんなユースケースがあって、それを全部分析できると分析して、なんでうまくいってるのか。なんでうまくいってないのかみたいなのを抽出して、それを改善していく。力っていうのは、たぶん日本の国民性的に歴史的に見ても強い領域だとなので、僕の戦い方としても、例えば車はフォードフォードに作らせばいいんですよ。フォードが作ったものをめちゃくちゃ分析して改善して、フォードよりも良いものを作りに行く。トヨタみたいなのが多分うん、Astarというか僕の呼び方なるほどね。  

伊藤穰一:でも確かに車もそうだし、ゲームもそうだし、家電もそうだし、結構多いですよね。海外でできたものを日本が磨くっていう感じででも。でもそのAstarは今シンガポールにいるとで、それは何でですか。  

渡辺創太:すごいいい、つなぎ方しますね。つなぎがプロだなと。  

渡辺創太:そうですね。もともと日本でやってたんですけど、このトークンの期末課税っていう問題がものすごくきついですね。国の発行するようなスタートアップに対して、例えばAstarとかもう仮に時価総額が1,000億円だとしたときに、これ一応例でわかりやすいようにざっくりな数字を使っているんですけど、時価総額が1,000億円だとして、チームが一番最初からDAO作るのって無理なんで、こう徐々に分散化させていくんですけど、最初50%チームが持ってるとします。で、時価総額1,000億円なんで、50%は500億円じゃないですかで、これを会社でやってると期が期末があると思うんですね。12月だったりとか、3月末とかだったりとかするんですけどで12月末が期末だったので我々の場合。1,000億円のネットワークを作って500億円持ってたら、期末をまたぐだけでこのトークンを保有してることだけで税金がかかるんですね。なのでこの500億円に対して法人税のある大体30%がかかるので、2022年今年1,000億円作ってたら、来年我々が払わなくちゃいけない税金って150億円超えるんですね。で、150億円を税金で取られたら多分、僕はたぶん10回くらい破産するんですよね。  

伊藤穰一:一回一回しかできないんすけどね。  

渡辺創太:ま、それくらいの額なんですよ。シンガポールとかドバイとかスイスとかそういう国に行くと0だとアメリカですら0だと。基本的に0でこの話をするとみんなにびっくりされるんですよね。クレイジーだねって言われるんですけど、そういう状態なので、シンガポールに行かざるを得なかったっていう形ですね。  

伊藤穰一:なるほど。実はポッドキャストは平井卓也初代デジタル大臣と話していて、彼は年内に税金の改正ができるまでどこがどうなるか。まだ細かい話もなかったんですけども、こういう今の話とか、多分雑誌収入になってるとかな。中、色々細かい話あると思うんすけど、その税金の部分が治ったで日本に戻ってきますか?  

渡辺創太:それはいい質問ですね。えーっとまず、その税金の部分がしっかり現在のweb3に適した形にしていただくっていうのは特段そのスペシャルなことじゃなくて、世界で言う当たり前に戻すっていう話なんで、それはもうそれでやっとスタートラインに立てるっていう話だというふうに思ってるんですで、実際にシンガポールとかで住んでて生活のストレスとかほぼないですし、ここに名だたるVC、例えばSEQUOIAとか徒歩5分圏内とかいるんですけど。とかもいますし、やっぱりここにみんな集まってるっていうのが重要なので、やっぱり日本に戻るとしたら、政府が積極的にweb3のハブを作るっていう宣言をするで、そこに人を呼び込むっていうところで、税金に関しては僕ぶっちゃけ個人ってこうシンガポールキャピタルゲイン0なんですけど、日本で20%を取られる。それはもう僕はでもいい。それは払います。でもしろなんかそういう、お金的なところのインセンティブというよりかは、僕は何か日本を良くするだとか、何かそういうミッションがあった方が燃える人間なので、こう日本政府からは直接は難しいかもしれないですけど、何か僕にミッションを与えてくれるなら、喜んで戻ると思います。  

伊藤穰一:岸田さんは何度もBLOCKCHAIN、crypto、web3って言ってるし、平井さんも含めてみんな「おーい、渡辺さん」って声かけているけど、それでさっきの条件満たしてんじゃないですか笑。  

渡辺創太:いやそうですね。いや、それこそやっぱりやりたいのが、僕はのやっぱ一番目指しに行きたいですよね。起業家として。今日本ってそもそもそのweb3の戦いのスタートラインに立ててないので、まずその環境整備っていう面で、このそもそもスタートラインに立てるようなことをやるとで、その上でもっとweb3に貼っていくんだったら、例えば今アンドリーセンホロウィッツが6,000億とかが一番でっかいファンドなんで、で1兆円のファンドを作って、そこから例えばビットコイン買ってみたりとか、こうweb3のスタートアップを今後どんどん入れてくみたいなことをやるくらいのレベルで、日本がこのweb3の領域で世界最先端を走り、我々が切り開いていくんだくらいの意気込みと実際に施策っていうのが、僕的にはすごい欲しいなっていうふうに思います。  

伊藤穰一:でも、これも冗談抜きで、今回のたしか国の発表では、VCに1,000億くらい投資する確か。これって韓国とイスラエルがやって結構うまくいったっていうケースがあるので、それを見て日本でもやろうって言ってやってるし、頑張ってはいるよね。ただ、これは政治家がいて、これからこの体制がそれにちゃんと付いてくるかっていう。もちろん言ってることとやってることがリンクしなきゃいけないと思うんだけども。ただやろうとはしてるよねで日本って何かこう乗り遅れるけど、最後思い切って動くっていうケースってなくはないのでそうですか。応援はしたいよね。  

渡辺創太:僕それで言うとめちゃくちゃを応援してますね。今までこの業界ってほんとにうゴミだみたいなの業界だったので。それがしっかり世の中で価値が認められつつあって、こう政治家の方々が応援してくれるっていうのは、僕はこれは本当に素晴らしいことだというふうに思いますで、例えば政府がNFT発行してとか、最近政府が自民党がやってて、いろいろ言いたい放題言うやつもいますけど、こうトライアル、まずやってみようっていう姿勢はこれは間違いなく評価されるべきで、なんか足元救いに来る人間っていっぱいいますけど、そこは何か前向きに捉えてやっぱりやり続けてほしいな。というのは思います。  

伊藤穰一:なるほど今こう言う色んな先生がいろいろ言っているけれども、何か具体的に。これとこれは絶対やるべきっていう何かあります。  

渡辺創太:ああそうですね。それで言うと、やっぱり税制の改正はこれは法人と個人ですねはやっぱり必要不可欠とか、これも別に0にしてくれって言ってるわけじゃないんですよね。その諸外国と比べて、日本でも戦えるようにしてくれって言ってるんで。  

伊藤穰一:だから金融とおんなじにしてほしいよね。  

渡辺創太:そうですねそうですね。アメリカとかと同水準レベルでやってほしいですね。やっぱり凄いみんな指摘してないポイントで言いたいのは、暗号資産の上場のプロセスがものすごく複雑すぎ、かつ時間かかり過ぎですね。で、やっぱり日本で買える通貨ってそれこそなんかもう旬がちょっと過ぎちゃった。やつとか、その日本にいたら、web3の最先端に触れられないですよね。それは通貨的に。  

伊藤穰一:でも種類分けて厳しくやんなきゃいけないタイプと証券みたいに扱う。んだって、本当は何か飲み会何かやるたんびにDAOを作ってトークン発行すればいいのに何かもう携帯でその瞬間で作れるのが多分本当は面白い新しい使い方いっぱいあるけど、それが何か公開みたいにやんなきゃいけないっていうのは、そもそもの何か利便性が随分減っちゃうよね。  

渡辺創太:はい、見直さなくちゃいけないとこだと思いますね。あと、何かマインドセット的な部分だとこう今ってホワイトリスト方式なんですよねなので、何をやったらいいかしか決まってないなので、この書かれてないことはやっちゃいけない。もしくはやったら何かしらリスクが伴うっていう風に起業家サイドやっぱり思う訳ですねで、これをブラックリスト方式に変えていかないと駄目で、ブラックリスト方式の場合は何がやっちゃダメかが書いてあるですね。そこを避ければ何か新しいことがどんどんチャレンジできると、ここのホワイトリストなのかブラックリストなのかが結構違うと思ってて。今完全にホワイトリストなんで、これブラックリスト方式にしてほしい。  

伊藤穰一:あれ何かそうだよね。賭博の法律がゲームに適用されるかどうかって、何にも言わないから危険でしようがないけど、誰もできないっていう。  

渡辺創太:やっぱ日々日々新しいイノベーションが起こってる中でこうやっていいこっちが書いてないともうビジネスできないですよね。  

伊藤穰一:うんそれはそうだね。  

渡辺創太:僕も怖いですし、それは笑。これだけ名前を出してやってるんで、誰も最初からやっちゃダメなことやろうと思ってないんですよね。でも、やっちゃいけないことが書いてないので、何か判断に迷ったら基本的に何もしづらい動きづらいっていうのが、今の現状でシンガポールとかいいのが、我々の前に400社とか500社web3でやっている企業はいるんですよね。遠く発行して上場して、そういう人たちのやったこのトラックレコードでやっていいことと、やっちゃダメなことがしっかり決まってるので、結構やりやすいですね。  

伊藤穰一:うんなるほどね。ちょっとずつ分かりやすくしてもらう為には、僕らの方でプッシュしていくっていう感じでそうですね。何か一緒にできればなと思うんですけど。  

渡辺創太:JOYさんもそうですし、多分僕とかもそうですし、多分業界である程度認識されていて。まあ先頭を走ってると思われているような方々がしっかり社会貢献をしていくっていうところが、日本にでもムーブメントを作る上でもすごい重要だと思いますね。なのでやってみたいなと思う。  

伊藤穰一:はい。だから早く日本を戻ってこれるような状況にしてもらって、渡辺さんと一緒にもっと近い場でもシンガポールはそんな遠くないけどね。では、もうもっともっと近くでできるといいなと思いますので、今日は本当にありがとうございましたさん。  

渡辺創太:ありがとうございました。  

伊藤穰一:ありがとうございます。