岸田政権の経済財政運営と改革の基本方針である「骨太の方針2022」にweb3が盛り込まれてからおよそ2ヶ月。web3推進に向けた環境整備は、一体どの程度進んでいるのでしょうか?
第42回目の配信となる「JOI ITO'S PODCAST ―変革への道― 」では、デジタル庁の初代大臣で、自民党デジタル社会推進本部長を務める平井卓也衆議院議員と、自民党web3プロジェクトチームで座長を務める平将明衆議院議員が出演。ナビゲーターの伊藤穰一が現状と、今後の道のりについて話を聞きました。
【編集ノート】
編集ノートには毎回番組で登場した難解な用語や固有名詞などの意味や内容をまとめています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。
https://joi.ito.com/jp/archives/2022/08/22/005816.html
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【コミュニティ醸成実験について】
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今週のポッドキャスト配信について
Podcast Transcript
伊藤穰一:こんにちは伊藤穰一です。今日は直島に来ています。昨日からずっと高松のいろんなデジタルメンバー達と打ち合わせしていたんですけれども、これは平井先生の地元でいろんな人に紹介してもらって、今日は平さんと平井さんと一緒にデジタル化の話をここ直島のベネッセホテルでやりたいと思います。
伊藤穰一:今日は、初代デジタル大臣の平井卓也さんと自民党のweb3プロジェクトチームの座長平将明さんとのお話です。
平井卓也:はい、平井卓也です。今日は普段から大変親しくさせていただいて、また一緒に仕事もさせていただいている伊藤穰一さん、そして平将明衆議院議員を、この直島町にお迎えして、今から3人で鼎談します。私にとってはまさに地元なので、しょっちゅう来てる。伊藤穰一さんは13年ぶりに来る。で、全く今まで来たことのない平さんと3人、全然地域との関わりも違うんですけれども、昨日は1日、この直島町の新しくできた美術館等々を見て、その後、犬島にも行きました。そして、その後、男木島で地域コミュニティ、そのITでIターン、Uターンしたエンジニアの皆さんとの意見交換もさせていただきました。そして、その総括ということで、今日の3人の対談をやりたいんですけれども、まず香川県民の私としては、それぞれこの香川県や瀬戸内海や直島の印象をお二人に聞きたいと思います。じゃあ、伊藤さんから。
伊藤穰一:はい、以前来た時は、もうここは家族と一緒にアートを見に来たので、こんなにこうデジタルのムーブメントが起きてるってことを想像もしてなかったです。
平井卓也:全然ないんですよね。その時は。
伊藤穰一:それとあとは、どこに行っても、平井さんの何かメンバーたちがすごいパワーで。で、しかも技術的な話だとか、DAOの話とかシェアリングエコノミーの話もすごくこう高度な話をみんな普通にしてる。ので、すごいびっくりしました。
平井卓也:わりと普通にしてますよね。平さんどうですか。
平将明:私は香川って言うとですね。実は僕は大田市場で野菜の取り上げていたので、レタス。香川と言えばレタスっていうイメージがあったんですけども、直島は本当に世界的に有名で、私は日本人であるにもかかわらず、直島行ったことないのって絶対言われるとおもうよね。クールジャパンもやっているにもかかわらずですね。一度来たいなという風にずっと思ってたので、今回平井さんにお話をいただいて念願かなってですが、想像以上のクオリティーですよね。で、本当にかっこいい。そのアートの発信地だし、また町に溶け込んでいるっていうのが本当に新鮮で、いや、本当にこれはもっともっと世界に発信しなきゃいけないし、今なかなか海外に行きにくい時代になりましたので、やっぱり日本の人ももっともっとね。この瀬戸内海含めてですね。まるで海外にいるようなこの雰囲気をもっともっとみんなが発見してですね。内需の観光振興も瀬戸内海ベースにできるなという風に思いました。
平井卓也:いやあ、そうですよね。実は、昨日は船に乗って、お二人もちょっと日焼けしたらそうですね。単に見てきただけではなくて、その地域の人たちと今回コミュニケーション。で、さっきJoiさんが言ったように、まさか男木島のね住民とDAOとかweb3の話ができる。これがもうまさに今の時代だと思って、何の違和感もなく、東京で話してるのと一緒だったですね。
平将明:東京より進んでいるかもしれない。
平井卓也:そうなんですね。いや、だからこの番組を見ている皆さんにも知っていただきたいのは、情報格差っていうのがなくなったってことです。ですから、もう島のもう小さな130人しか住んでないような島でも、もう新しいデジタルの取り組みとか、そういうのがどんどん進んでいてですから、もう自然に会話が成立するっていうのがもう新しい時代だなと私自身も思いました。それできょうはやっぱりこの3人揃ったんで、香川県の話もさることながら、やっぱりデジタルの話を少ししたいなと思うんですけども、デジタル田園都市国家構想というのを今進めています。これはやはり地域がなりたい未来をデジタルの力で実現できるのではないか。いろいろな取り組みをしていこうということで、取り組みは地域によって様々で幾通りもやり方はあると思うんですが、デジタル化 X 地方創生というので、お二人にそれぞれちょっと話を聞きたいんですけど、今度は平さんから。
はい、デジタル田園都市国家構想という非常に面白い取り組みで、地方創生というのは私は1000年前からやってるんですが、そこにデジタルをかけてですね。地方のポテンシャルを最大化するもしくは地方を抱えてる課題をデジタルで解決をするということだと思うんです。昨日の男木島もそうですけども、やっぱり課題に直面しているというところと、そこにガチのデジタル人材が入ってくるということで、やっぱり今までは都市でしかできなかったことが何も都市にいなくてもできますよねと、そうすると地方のある意味価値を享受しながら、都市の利便性も使えるということになりますので、最先端の事例で多分、こういう瀬戸内海の島々から出てくるだろうなという気はしましたよね。ものすごく期待してます。はい、Joiさんどうですか。
伊藤穰一:僕もすごくはっきり言ってデジタル田園都市国家構想ってずっと言われててもあまりイメージばっかりななかった。ちょっとただの言葉だと思ってて、そしてあとは今回シェアリングエコノミーの会議で一緒って言っても、何となくこじつけで何かweb3化できるかなって思ってたんだけども、男木島で空き家をコワーキングスペースにしてDAOにして云々かんぬって話してた時にこれなんだなと思ってで、やっぱりこう。今回こう2日間に渡って、このシェアリングエコノミーの私たちと話してたら、すごくマッチしてるんだなっていうのででやっぱりここ来て体験しないとわからないなって思ったんで。だから今回、本当に最初からこういうことをデジタル田園都市国家構想で考えたかどうか分かんないけど、今は。
平井卓也:これはいいですよね。
伊藤穰一:僕はなんとなくここ来て、後、さっきの話じゃないけども、やっぱりここに地元の人たちがちゃんとついてこれてるっていうのを見て本当にできるんだなっていうのをすごく思って盛り上がった。
平井卓也:いやぁ、それはやっぱりお二人に来てもらったというのはとても良くて、私にとっては当たり前のものが二人にとっては当たり前じゃないし、これ口でいくら言っても来ないと分からないじゃないですか。だから、男木島でデジタルが進んでいるぞっていくら口で言ったってわかんないですよね。ああいう人たちが民家を改装して本気でやってるっていうのを現場を見てもらうといや、これはもうやっぱり何かが変わる可能性はあるし、もう実は彼らは変わってますよね。で、彼らが島に戻ってきたので、小学校と中学校が復活しちゃったわけで。
伊藤穰一:具体的なじゃどこをひっかかってるかっていう話しを聞くと、すごくリアリティがでてくる。
平井卓也:いや、そうなんだよ。
伊藤穰一:そしたら、ここだったら助けられるなとか。
平井卓也:だから、いつも何か概念だけで何か支援策言ってるけど、現場に踏み込んだらみんな違うよね。だからそんな意味でお二人に見てもらったのは、これから地域のエリアになるし、そのこれからもやっぱり私の地元以外も含めて、いろんなローカルに一緒に足を運んで、いろんなテーマを取り上げていかなくてはなりませんね。山古志も行かなきゃいかんですよね。
平将明:山古志もね。よくあるパターンがデジタルでこういうのできるとでも、元々の規制とかなんかで対面原則は入ってできないとでも、その都市とレギュレーションを合わせる必要は全くなくて、それがデジタルで解決できるなら、そのレギュレーションをデザインし直してね。やればいいんだけど、その島の人たちがアイデア出してもなかなか市町村とか都道府県に上がってく間に目詰まっちゃうっていうのがよく分かりますよね。それだったら、島と国が一体になって、ここの目詰まりを一緒に議論しながらとっていくっていうのも政府の役割ですよね。
平井卓也:いや、もう本当にそうだと思うし、ローカルとローカルだってどんどん繋がると思うので。太田区と男木島・女木島とかで繋げたって全然…。
平将明:だからそれ、特に教育のとこなんかね。今僕は東京都の自民党の政調会長をやってるんですけど、例えば都立高校を190何個あるんですけど、授業デジタル化のアーカイブにして一番優秀な先生、もしくは何人かの先生を都立高校にさえ入学すれば、どの先生も選べるようにしようと思ってるんですよ。
平井卓也:素晴らしいねそれ。
平将明:で男木島に行って思ったのは何もそのコンテンツを東京都に閉じていく意味ってなくて、都立高校に閉じている意味ってなくて、じゃあ男木島で小中までできたと。じゃあ、高校のコンテンツはじゃあ何ならじゃ、都立高校のコンテンツも自由に使ってくださいとできますよね。
平井卓也:それものすごくやっぱりね我々3人がやっぱり取り組まなきゃいけないのはやっぱり教育 X デジタル。ここはまだ一段と遅れてる。
平将明:そうですよね。
平井卓也:それでここはもう教育っていうのはやっぱりこれから一番大事だと思うし、ここはね自民党ももっともっと踏み込んでいかなきゃいけない。踏み込んでお金も使ったらいいし。ただしお金の使い方も今のような使い方じゃだめで、とりあえずタブレット配りましただけじゃ何にも始まらない。いや、だからそこら辺が非常に重要だなと思いました。それと昨日、男木島でたまたま他の会社がスキャンしてメタバースつくってるんです。で、あの中の皆さん、こういうのが知らないと私も昨日、たまたま居合わせたって言うかというようなことなので、メタバースというのは自分に関係ないって思っている人もいるかも分かんないんですけど、男木島のメタバースかなんていうのも知らないところで進んでいったりするのが楽しいなと、そんな風に思います。
伊藤穰一:今回、いろいろ現場でいろいろな話もさせていただいたんですけども、今自民党の中のこのworking group。ここからホワイトペーパーが出てきて岸田さんが聞いて、そして国家構想の一部になったのは素晴らしいと思うんですけども。多分これからでも結構細かい話がたくさん出てくると思うんですけども、これどうやって政治家と政府と官僚がコーディネートしていろいろ言ってることを実現する。どういうチームなんですか?例えば、このワーキンググループが進化したりするんですか。
平井卓也:NFTの問題と解決策を一応提案したホワイトペーパーになってるんだけど、各役所に対して、この間チェックしたら真面目に全部検討してたよね。だから無視したものがなかったっていうあれを1個ずつ詰めていくんだけど、詰めた時に各省にまたがっちゃうんで、一つずつ丁寧にやるしかないなと思ってます。これは今、NFTのPT平座長でやってるんですけど、これはもうすぐさま国会が始まったら、web3のチームに変えてもっとテーマを広げておかないとNFTだけじゃダメだなっていうことになってて、これをこれから進めていきます。で、これから秋の税制改正とか法律が全部必要かというと、そうでもなくて、ソフトローとかガイドラインでもがらっと変えられることができるし、もう一回、例えば日本でコインを発行するときにどういう問題があって、それやってる人からもう一回問題を聞いて、具体的に詰めて1個ずつの結論を出していこう。そんな風に私は思ってます。
平将明:まさに平井デジタル社会推進本部長本部長がですね。自民党やるんですけど、NFTから始まったのはやっぱりweb3全体見ますという話にしていくとNFTホワイトペーパー本当に評価が高くて。おかげさまでですね。でも書ける役所がなかったもんですから、いわゆる弁護士の皆さんの知恵も借りながら議員が議論してホワイトペーパーを作ったんですけど、これも異例中の異例なんです。自民党の中で今までは我々与党が作る以上は、各役所と文言の「てにをは」まで詰めて出すんだけど。今回我々が作ったものだから、そういった意味では役所のコミットするところが弱いんですよね、現実的には。でも、それを参議院選挙の公約にも入れたし、政府の骨太方針にも入れたし、デジタル庁の重点計画にも入れたので、もうこれ国家戦略なんだとweb3がっていう風になったので。役所もやっぱりやらざるを得ないし、役所もだいぶ前向きになってきた。あと、ただこれからやらなければいけないのは、一つは今回出したホワイトペーパーをさらにバージョンアップしてもっと例えばDAOみたいなものはもっと深堀しなきゃいけないよねと。あとは今、平井さん言ったように、それは法改正なのかガイドラインなのか、もしくは解釈でいけいけるのか。それでガチでやるともっと立法なんだけど、その立法も任せる。役所によっては平気で3年から5年費やす役所ってあるので、そういうところに弾預けちゃったらこれ終わっちゃうので。だからその時間軸と世界的な動きを見ながら、全体の戦略をPTとか本部で考えていかなきゃいけない。
平井卓也:DAOの問題なんか法務省に任せたら3年かかりますから。
平将明:かかりますよ。ホント間違いなくかかります。5年くらいかかると思う。
伊藤穰一:以前は何か。監督官庁が官僚の人たちが法律の案を作って、政治家と一緒に法律を通していくっていうので、あんまり議員立法から普通はできないよね。これは何か議員立法の巨大バージョンのような感じで。たくさんのすごいおっきい話なので、何かやる気になってきたっていう感じはするけど、普通だったら官僚がリードしなきゃいけないものを、今度は政治がリードしてて、今までこういうケースってあるんですか。
平井卓也:デジタル社会推進本部。その前身のIT戦略特命委員会っていうのは、もう議員立法の歴史なんですよ。各省庁が法律化できないものを一手に引き受けてて、サイバーセキュリティ基本法とか官民データ推進基本法なんか我々で作った法律で、役所からはもう全然。それ最初からギブアップする分野で。もう一つ温めてるのもこの間、一緒に会合で行ったシェアリングエコノミーもシェアリングエコノミーってもうローカルではやっぱり、例えば自分の家を貸すとか、駐車場を貸すとか、何か体験を売るとかものすごくシーズがあるんだけど、それも省庁またがっちゃうんで、基本法みたいなのを作るとしたらウチしかないのね。スタートアップ支援するという話もじゃあスタートアップって何かっていうのが皆さん、それぞれ自分の思い込みで話してるんで定義が曖昧なので、要するに今までの中小企業支援策と何が違うのかっていう所が整理しないと有効なお金の使い方ができないっていうようなことは、全部我々で引き受けようという意味で特殊な部隊でだよね我々は。web3関係を法律作るとしたら、やっぱりこっちでやるしかないなと思ってます。
平将明:これはやっぱり安倍政権第2次安倍政権が始まってから、やっぱり大きな流れっていうのは、実はLaw Makerの側が作ってることが多いんですよね。だから今回web3もそうだし、科学技術イノベーションのところで言えば10兆円ファンドっていう大学ファンドもあれも政治家から出してきた。だから、そういう大きな方向転換とか、今までの役所の理屈の延長上でできないものっていうのは、ほぼ政治家がやってきて。で、特に今回のweb3っていうのは新しいトークンエコノミーのいわゆる経済圏が出現した、現れたわけですよね。突然のごとく。それと去年の11月には、米国の大統領令の中に書いてあるのは、中央政府とか中央銀行が発行していないデジタルアセットは3兆USドルだと。その後、ロシアのウクライナ侵略戦争とかいろいろあってアメリカのインフレがあって。今、金融引き締めしててで浮いている。金がみんな引き上げてるから、何かバブル崩壊みたいになっちゃってるんだけど。それでも1兆USドルで。一回ここでしぼんだって。これBLOCKCHAINの世界とかトークンエコノミーっていうのはこれから上がったり下がったりあるけど、中長期のトレンドで見れば大きくなっていくわけですよ。で、その全く新しい経済圏が出現した時に、これ対応しろつっても各役所できないですよね。だからそのトークンエコノミーの経済圏というのはどういうものだってわかった上で、各省を割り振って指示をするのは多分国会議員しかできないんですよね。
伊藤穰一:でも、僕がアメリカいた時にはマッカーサーファウンデーションとか財団がシンクタンクにお金出してで、そのシンクタンクがもう9割ぐらいの法律の文を書いて。で、それを政治家に持って行って政治家に通すっていうのもパターンだけど、よく日本の政治家はやっぱりスタッフのバジェットがないとか言っててで、官僚はたくさん勉強する人たちがいるから、官僚が法律書くって言うんですけども、これからどんどん細かい話になってくと、どこが書くの?そのリサーチしたり…。
平井卓也:基本的なところは我々が作るし、実は民間の人でもね。プロボノなんかで協力してもらったりしててで、方向さえ決まれば、日本の役所はシンクタンクとして機能するんですよ。
平将明:すぐキャッチアップするしね。方向さえ決まっちゃえば。 平井卓也:自分で方向を決めるっていうことが苦手だよね。っていうのは、やっぱり日本というのは、過去の法律の延長線上でしか今の官僚は仕事をしちゃいけない。それを超えるものをやろうとする官僚が現れると、周りが潰しちゃうんだよね。完全にこの三角形でやっぱり上が人事権で押さえつけたりするので、その跳ね返って何かやるっていう人は大概出世してないよね。もったいないんだけど。まあそう考えると、今は我々が先頭を走って役所は必ず協力してくれると思ってます。
平将明:これは政治家もやっぱりバージョンアップしているというか。そのコロナでDXが進んでいく中で、仕事の仕方も変わってきていて、ですから例えばweb3やりますって言うと、例えばFACEBOOK上のメッセンジャーで有名な人。有識者いろいろな専門家がぱっと集まってタイムラインでずっと議論して1-2週間でものすごくそこでコンセンサスが得られて。それをローメーカーというか、立法の場にフィードバックされるみたいな。今まではリアルな社会で審議会をぐるぐる回して1年くらいかけて出てきたものがわずか1-2週間で出てくると。またそこに今回のNFTのホワイトペーパーは政治の最前線でやってる弁護士、ロイヤーもそこで入ってきて一緒に議論すると。だから多分、これからかなり日本の政策決定とか意思決定のプロセス自体も変わってくるし、時間軸もぎゅうっと圧縮してくるし、そこに参加する人たちの多様性とか役割分担も変わってきて、今までは政府から出てくる。その前には、例えばいろんな業界団体がいて族議員がいてみたいな。で、あとは政治家には陳情。これやってくださいってやつだったんだけど、いろんな社会の変化に対してこうやるべきだっていうのが大体同じレイヤーでいろんな多様性のある人たちが議論して、それが国の政策にインプットされていくと、成長戦略とか骨太方針にインプットされていくっていうのが多分、ここ5-6年、ものすごく実際はそう変わってきているんですよ。で、それがこのWITHコロナのDXでものすごい加速化して多分スピード感が10倍くらいになっちゃって。で、そういう人脈とそういうツールを使いこなせるローメーカーとそういうところから断絶したローメーカーで、実はものすごいポテンシャルとか能力の差が出てきて。これで多分、ここ数年で顕在化してくると思います。
平井卓也:Joiさんとね。朝7時からの情報共有ミーティングを朝7時からやってるんですよ。その時にもその1週間とか2週間しか時間が開いてないのに、その辺色んなことが起きるじゃないですかね。今はで政治側もそうだし、Joiさんの周りもそうだし、みんなが起きてることを情報を共有しておかないともうキャッチアップできないという。ある意味、その心拍数をある程度上げて走りながら進めるしかないという。
伊藤穰一:多分デジタルの人たちだから、こういう新しいツールが好きだけど。でも今度web3とかデジタルのためにやってる、この新しいコミュニケーションプロセスって他の法律とかにもどんどん適用していくと、さっきの審議会とかこのプロセスのスピードって全然変わるよね。
平将明:多分変わると思います。だから、そのデジタルっていうリアルタイムで更新されていくわけですよね。でも、今までの政府の政策の意思決定ってのはある事象が起きて、それを研究する大学の先生がいて、大学の先生から役所がインプットされて、役所の官僚から大臣に行くみたいな。どんだけかかってんのこれ、みたいな。でweb3ってまず学者がいないじゃないですか。
伊藤穰一:だからそこも、今、僕大学も千葉工大も助けてたけど、産学の学が今。
平将明:アカデミアではいないんですよ。
伊藤穰一:それもスピードアップしないとそうそう。
平将明:そうそう。
伊藤穰一:ダメだよ。
平将明:ね。だからそうするとね伝統的な自民党の政策意思決定だと、「じゃ。とりあえずweb3って何か平井さんとか平とか言って、何それ?とりあえず大学の先生に聞いてみよう」っていったって、わかんないわけですよ。だからだからやっぱりやり方自体変えないと。
平井卓也:DAOの話だって、単なるデジタル技術の話じゃなくてSociologyっていうか社会学であり、経済学であり。その会社法の世界もあるし、そういう学者さんなんていないよね。
伊藤穰一:だから僕がちょっと心配してるのは今度、官僚の中でweb3やらなきゃいけないからやっぱりね審議会とか有識者会とか作んなけないんだよね。でも、そのポジションにふさわしい人って結構有名で何だかんだってこう引っ張ってくるといないかもしれないんだよね。で結構ね。あんまり知られてない人立ちたいポストに入れたがんないんだよね。
平井卓也:いや、審議会のメンバーを日本人だけでやっていいのかってのがあるね。もうそこはもうグローバルに考えてやらないとweb3を日本国内に当てはめるっていう考えでやると思うんだよね。それも間違っててで、やっぱりグローバルが必要だよね。
伊藤穰一:これは結構昔から僕気になってたのはやっぱり、UNIXができたら日本版作ろうとしたじゃないです。5thジェネレイションコンピュータとかあと、WINDOWSでさえ98はちょっと違ったりして、やっぱりドメスティックに移植しちゃうんだけども、結構今までそれでガラパゴス化起きてきてるんで、その雰囲気がちょっとあるんだよね。
平井卓也:やっぱりこれって日本の戦後の成功体験で品質の良いものを安く、メードインジャパンってやつがメイドインジャパンというのはバリューになってブランドになったんだと思うんだけど、それにまだこだわってて何かMADE IN JAPANじゃないと使っちゃダメみたいな話も出てきたりする。でも、これおかしくてやっぱり、やるとしたらやっぱりこうクリエイテッドとかパワードバイジャパンかその。
伊藤穰一:ジャパンインサイド。
平井卓也:そう、そんな感じで、もうはっきり言って日本のテクノロジーだけで完結するものっていうのは存在しないし。かといって、日本もいい役割も担えると思うので、その中、うまくフォーメーションを作って、その指揮権発動できる立場に日本がなれる分野は早く作りたいと思ってます。
伊藤穰一:ありがとうございます。一緒に頑張りましょう。
平井卓也:はいがんばりましょう。
伊藤穰一:次はお便りです。最初のお便りはYukioさんからです。
お便りJoiさんは2004年に創発民主制という論文を出されており、非中央集権のメインテーマとして扱っていたことが大変印象深いです。web3の発展と今後の民主主義について、どのような良い効果や悪い効果があるとお考えか、現時点での見解を伺えれば幸いです。
伊藤穰一:はい、僕も創発性民主主義Emergent Democracyっていうペーパーは2004年に書いて。その頃はまだブログが出てきたばかりでTWITTERがなくて、とにかくみんなの声が出れば、民主主義がすごくこう前向きに行くんじゃないかなっていうので、ちょうどアラブスプリングとかができて、みんなの声で中央集権の悪いのが排除できるんじゃないかな。っていう風にそういう希望を持ってたんですけども。ただ分かったのが、やっぱりアラブスプリングも最後。やっぱりこうひっくり返すことはできたけど、立て直しは難しかったのとTWITTERはもうエコーチェンバーだとか炎上とかすごく文脈でないところでみんなアタックされてすごくキャンセルカルチャーも広がっちゃったので、思ったほど。ただ、ソーシャルメディアによって新しい民主主義来なかったよねと。で、その頃からもうLiquid Democracyだとか。色んなどうやって議論をするかとか、どうやってコンセンサスに持っていくかという話はあったし、ツールはあったんだけども。やっぱりそういうもう少しニュアンスがある解析とかオピニオンを作んないとフェイクニュースだとか、いろんなものが出てきちゃうんだなっていうのは今回の学びだと思うんですよね。で、web3のDAOでも投票はできるけれども、やっぱりディスカッションの管理だとか、コンセンサスの作り方とか間接民主主義と直接民主主義の間のどうやって、これをちゃんとこう深さを持って信頼性を高めるとかっていうのって。これはソーシャルメディア時代でもうまくいかなかったんだけども、web3でもまたおんなじような弱点っていうのあると思うんですね。で、このソーシャルメディアとかこの創発性民主主義を議論してた時の。2004年の学びっていうのは、まだ完全にはDAOの世界には移されてないんですけども、その時代でいろいろ議論してた人も最近のガバナンスを議論してますし。で、web3はやっぱりお金もかかってるんで、かなりみんな真剣にやっているので、これからその議論とコンセンサスなところを成長させなきゃいけなくてで、多分できれば本当に2004年で議論してたような話もとか、ツール作りも今回のweb3に入れられるといいなと思いつつ、ほっておいても多分開発されるんじゃないかなと思って見てます。次のお便りは斉藤さんです。
お便り:web3の未来像についてお伺いしたいです。web3やクリプトが当たり前に浸透した社会の世界観は、どのようにお考えでしょうか。世界の通貨がどのようになっているのか、経済がどのようになっているのか、Joiさんのビジョンをお伺いしたいです。
伊藤穰一:はい。世界の通貨は多分FIATって言われている、国ドルとか円というのは、それはそれで国の税金を払ったり、国の文脈の中の通貨というのは残ると思うんですけども。多分僕が望んでるのは色んなローカルカレンシーとかいろんな通貨みたいなトークができてで、お金の価値じゃないものも出てきたり、今だと円とドルの為替で日本とアメリカの文脈っていうのがそこでバランスがとれるのとおんなじでいろんな種類の通貨が出てきて、そして自分が参加してるプロジェクトとか、そういうのもお金に換えられない通貨も持つことによって、すごく今の貨幣とかで表現できない複雑なシステムを表現できるようになってくると、もっと自然な価値っていうのが生まれてくると思うんですよね。で、そこの中で全くお金の価値がない。今、僕がよく使う例で学位みたいな通貨もあれば、完全にお金に交換できるものもあれば、真ん中に流動性がすごくなくて。で、すごく複雑ないろんなプロジェクトの通貨も出てくることによって、今の会計システムでは表現できない人間的な自然な複雑系システムが出てきてきて、その複雑なシステムが実行適応型複雑系システムになるためにはBLOCKCHAINとかだを使ったもう少しいろんな人たちが参加できるで、いろんな視点から見ても何かMAKE SENSEするような経済っていうのが生まれてくると思うんですけども。ただ、今まで僕らっていうのは一つのお金の経済にずっとはまっているので、この資本と労働とか消費者とか大量生産のこれがもう当たり前になっちゃうと思うので、こういう新しいツールができてから新しい文化とか新しい経済になるまでには結構時間がかかると思うので。で、その時間が経って終わると、今よりもフェアなオープンな複雑なニュアンスがある世界ができる可能性はあると思うんですね。ほっておくと、今みたいな合理化中心の資本主義と中央集権型に戻っちゃう可能性って十分あると思うので、だから希望としてはもっともっと分散型のフェアネス透明性が高い。アカウンタビリティーが高い世界が僕の希望ではあります。最後のお便りはこぶさんです。
お便り:最近、ソウルバンドトークンというものがあると聞きましたが、ソウルバンドトークンとはどういうものかその現状、今後期待される活用方法、課題など、Joiさんのご意見をお聞かせください。
伊藤穰一:はい。1月26日Ethereumの創業メンバーの一人であるVitalikっていうのがSoulbound Tokenについて書いてるんですね。で、彼をもう僕もWorld of Warcraftっていうゲームが大好きで。Warcraftの中では、金で買えるアイテムっていうのがあるんだけれども、あるクエストをやったりこのボスを倒してからでてくるアイテムっていうのは、Soulbound Tokenっていうのがあって、Souldbound Item、それは自分で手に入れたら人に売れないっていうのがあるんですよね。これは、お金で買うんではなくて、何かをやったことによってもらえて。お金では買えない何か重要なものが、あとSouldboundっていうのは、自分の魂につながってるっていうんで、もう転売不可能なものっていうのがあってるんで、こういうのって役に立つよねっていう話は彼は書いていてで、僕もずっとその前から考えてはいて。転売とかトランスファー不可能なもの。で勿論、例えば学位なんかそうだよね。自分は博士号はあったの人に移せたら全然意味がないので、だからSoulboundでやらなきゃいけないことっていうのはたくさんあると思うのでで、それのやり方っていうのは色んなやり方があって、みんな開発して色々デプロイはしてるんですけども。最近、また多分少しクリプトが下がっているのと新しいビジネスモデルとかガバナンストークンのあり方の中で、またこのSouldboundな話が1月、ちょっと盛り上がったのもう一回盛り上がってみんな実行し始めてるので。で、ガバナンスにとってもNFTにとってもすごく重要な技術なので、もっともっとSoulboundトークンのインプリメンテーションが出てくると思います。