今回は、前回に引き続き村井純・慶應義塾大学教授が登場です。村井教授はデジタル政策担当の内閣官房参与であり、デジタル庁では顧問を務め、新設された同庁のグランドデザインを描きました。そんな村井教授にデジタル庁の成果と課題について伺いました。 また前回に引き続きリスナーの皆さんからお寄せいただいた質問やご意見に伊藤穰一が答えました。Facebookのメタバースに関する話題やNFTの今後の使い方など、新しい情報が盛りだくさんです。
【JOI ITO - 変革への道- Opinion Box】 番組では、リスナーからのお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。伊藤穰一が「これは!」と思った方には本人から直接なにかが届く......かもしれません!アドレスの取得方法などは、下記編集ノートに記載してあります。ぜひチャレンジしてみてください。
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Podcast Transcript
伊藤穰一: 皆さんこんにちは、伊藤穰一です。今週は先週に引き続き慶応大学の村井純先生との対談です。
伊藤穰一: あと最近流行ってきているNFTの世界って。やっぱり暗号がかかったりウォレットとかIDっていうのがまた違う形で広がってきて。結構面白い文化がゲームの世界の延長にも出来てるんだけども、最近のポッドキャストで、アメリカのすごい大きなAndreessen Horowitzっていうベンチャーキャピタリストが結構クリプトをやってるんだけども最近のいくつかの大きい会社で社長とかトップが偽名なんだよね。pseudonymで。ただもう有名だし、ちゃんとアカウントもわかるので、本名分かんなくてデューデリをして何億出資しなきゃいけないっていうのが最近初めてだって。でこれもあのコロナの影響もあると思うんだけども。結構そういうゲームの世界ではよくあったんだけど、このバーチャルIDがメインのIDになってて。あとこのクリプトのコレクターでももうそのアカウント番号だけが名前っていう人がいて。そして、そのボイス変換機でインタビューしたりして結構そういう。そのネットのIDが本当になるっていう昔よくサイエンスフィクションであったけれども、最近ずいぶんそれがリアリティになってきて、面白いなって感じてます。
村井純: やっぱりインターネットが何か結構でわかってもらえないところが一杯あるんだけど。「インターネットは何が一番面白いってことですか、1個だけ上げなさい」っていわれたら、俺は「それは地球で1個しかないからだよ」って答えることにしたよね。やっぱり地球で1個しかない空間を、しかも光の速度133MHzで行って帰ってこれる。このインタラクティブな空間を、地球で1個、完全に作り上げたってのはインターネットってすごい大きな意味で。その中で「あれ、これ貨幣って何だっけ?」とか「あれ、知財って何だっけ?」ってことを議論していくってのはすごい楽しいことは楽しいというか新しいことでしょう。やったことないんだから。全部そういうもんって。やっぱり国とか近いコミュニティ。何か市場とか経済って、やっぱ市場とかができるわけだけど。市場全部、目に見える深い空間から、それの連結とかで出来てきてんだよね。ところがインターネットってはじめから地球に一個しかないから、「その中での貨幣って何だっけ」とか「経済って何だっけ」。こういうことを考えられるからこのNFTみたいな話ってのは面白いんだよね。そこから作り上げる社会っていうのと、それからまた今ある社会っていう国際社会みたいな話を、完全合体したのがさっきJoiが言ったようにデジタル社会なんだから。ここから何が生まれてくるのかっていうのはやっぱりかなりまあ、楽観的と言ったら怒られるのかもしんないけど、ワクワクする話だろうなとは思う。
伊藤穰一: さっき先生がインターネットが1個しかないっていうのが重要だって僕もすごい思っていて。で、これすごい細かい話でちょっと関係ないんだけど、アメリカが正式にインターネット大文字から小文字に変えたのね。で、アメリカの新聞社全部インターネットって書くとき小文字で。で、僕すごい怒って、地球ってEarthって大文字なんだよね。英語は1つしかないかな。で、「インターネットたくさんないんだから」って言って。だから僕ニューヨークタイムズとかに記事出すと必ず大文字にして必ず直されるの、今。小文字に。
村井純: ちょっと待って。それJoiのせいだと思ってたんだけど。いや、Joiは当時ニューヨークタイムズで役員だったじゃない。
伊藤穰一: で反対したの。
村井純: 絶対Joi、その時欠席したんだろうと思ってたんだけど。
伊藤穰一: 違う違う。いやいや本当にね、今でも僕必ず書くとき大文字にしてるけどね。
村井純: いや僕、全部日本でもあのはねられるよ。日本のプレスもこういうことを決まっているんでとか言って。ちょっと待って。でもここで戦ってもしょうがないけどかなり粘ってんだけど。
伊藤穰一: じゃこれで、デジ庁で変えようよ。あのね、僕がオバマさんの時に彼と話してて。で実は、僕の友人でAlex Mcgillivrayっていうのが副CTOでやったときに、オバマさんがちゃんとハッカーをネガティブに使ってはいけないっていう指示を出して。それ以降、ホワイトハウスから出る文書ではハッカーは優秀なエンジニアとかモノをいじること人であって、そんなサイバーセキュリティの犯罪者のことをハッカーと呼ばないっていうルールを作ったの。オバマが。そういうのはできるよね。
村井純: 少なくとも政府に、「この国はこれをやれ」っていうのを言ってもらいたくないんだけど、政府はこうするっていうのはできるだろうね。
伊藤穰一: だからデジ庁の中の文書ではインターネットは大文字にしようね。
村井純: 残念ながらね、カタカナでインターネットって書くと、一個感がないんで英語でキャピタライズされてないとさ。俺もよく冗談で、カタカナで書いて最初のイのとこだけなんかボールドフェイスにできると一個感が出るかなというか冗談で言ってたんだけど。日本語で唯一のっていうことをインプリシットで入れる表現って他にないんだよね。うーんなるほど。でもせめて英語で使うときは…
伊藤穰一: まずそうですよね。あともっと英語のアウトプットしないとね。これまた違う話なんだけど。
伊藤穰一: で、デジ庁もできたので、村井先生、ここであんまり僕らが別にコントロールしてないので、何も言えないと思うんですけど。何が一番課題だと思います?
村井純: あのーみんな課題ばっかり言うから、いいこと先に言わせてももらってもいい?やっぱり民間がこれだけ入ったのは、すごいことだよね。それでね、時々行くじゃん?そうするとね。本当に来てるんだよね。とてもいつかないだろうって思った優秀な民間のエキスパートが結構、年中いるってことがわかってきて。あ、かなりやってくれてる。つまり給料はもちろん下がるわけだし。でもすごく一生懸命やってるなっていうことは面白そうだからだと思うんだよね。話を聞いてみると、やっぱ。今デジ庁ができることやったら、結構面白くて自分はヒーローになれるぞっていうか。何かやりがいがあるぞって思ってるから、やってるんだよね。それで、だからこれを、持続しなきゃいけないだろうなと思っていて。だけどいずれにせよ民間のエキスパートの力を入れないと。やっぱテクノロジーわかってる役人って、本当に少ないわけだから。これがやっぱ、しかも経験を持った人が一緒に組めるっていうのは、とても期待できるとこだし。いいことだし。順調にスタートしたなって思うこと。それから何が問題かっちゅうと、やっぱりあのちょっと詰め込みすぎてるから、20年間こうあるべきだと思ってたこの話は、デジタル制作とかIT政策を超えてるじゃん全部。例えば健康って、デジタルの世界でこう変わったらいいよねとか、何か農業もこうやって変わればいいよねって、宇宙はやっぱりこうやって、日本はこういうアプローチするべきだよねって。その教育は子どもたちの教育は全部こうだよねとか、金融はさっき言ったように何か新しい金融こうだよね。世界を見ないとね、みたいな。するとこれ山盛りで何か全部、政府の人員を全員動員して全部全員でデジ庁にしたとしてもできないぐらいの新しい課題になってくるじゃない。そうすると、そういうスケールはできないと。そうすると、やっぱり一番の課題は、デジ庁というのは、他の役所が起こるデジタルトランスフォーメーションって言われてるようなことを、どういう風に関わりますかっていうのがミッションなんだけど。一方では、これ、なんか「上から見るなよ」っていうのがあって。これ全部下から支えてるよねっていうと、上手くいくと思うだよね。上から押さえつけてるって思うと。だから俺もね、すごい失敗しちゃって。一番最初にね、「こういうどういう組織ができたらいいですか」って(聞かれた時に)、「いやーやっぱり他の役所より50センチぐらい上で、それでそういうやっぱり権限持って予算やってコントロールするのがいいんじゃないですかね」って言って。これあんまりこの国では文句言われてないですよ。でも、アメリカの知人からめちゃくちゃ文句言われてて。絶対言わない方がいいって。考えてみると50センチ下の方が合ってるかもしれないなと思って。だからデジタル社会を作るっていうのはやっぱり人間の50センチ下で支えるから、みんな好きなことをやって自由にやって面白いことできるよ。頑張ってねっていう方がミッションとしては正しい。だからいずれ、そういうことを駆使してスケールしなければいけない。山盛りの日本社会の課題を、あるいは世界に対して、日本は何ができるか?こういう宿題多すぎだけどそれをやるためにはそういう。それぞれの人がやっぱり喜んでデジタル社会の中で力を発揮する。こういうようなことをちゃんとプロデュースしていくことが大事なんだと思うよね。
伊藤穰一: で、さっき先生が言ったように、この民間の人の中にも入っているし、産学連携連携とかいろいろ言うけれども、ちゃんとそれがインテグレーションするのには先生が言うように、こう支えて、そこの中で本人たちがやらなきゃいけないような気がしていて。でそういう意味でいうと、そのもう一つその上からじゃないっていうのを先生ってたけど。結構これでデジ庁の中でもみんなが話していて、そのサプライ側作る手側の理論じゃなくて使い手側の理論でそれそういうデザインをするのってすごく重要で。そのためにはそういう、こう使う人の話が、仲間に入って作んなきゃいけないんで。でそれそれがなんとなくこう。まず全部でできてるかどうかわかんないけども結構僕はいろんな話を聞いててポジティブだなと思うのは、そういうような考え方とかプロセスを一生懸命作ってるような気がするんですよね。
村井純: やっぱり民間の人で特にコンシューマー相手のテクノロジーのサービスのデザインなんかやってた人は、もう散々踏みつけられて怒られて、修正をしながら、いいものを作って成功した人たちだから。やっぱりそういうことがわかる。それから政策の側に入るけど、制作の側では民間人だから。サービスとクライアントの関係ではクライアントなんだよね。その人がまさに入ってデザインをするっていうことができる体制が少なくとも出来てんのは画期的なことだと思う。
伊藤穰一: で、ちょっと最後の方で聞きしたいんですけども、デジ庁を作るときにもずいぶん議論されて村井先生が言うようにあんまりマイナスなこと言う必要ないと思うんだけど、日本がすごく強いところと、実はあまり強くなくて頑張らなきゃいけないのっていろいろレイヤーであると思うんですけど、逆に強いところってどこですか、日本は。
村井純: テクノロジーで?それとも…
伊藤穰一: テクノロジーと社会…足回りは強いよね。光ファイバーは村井先生のおかげで超ちゃんとしてるけれど。
村井純: 足回りの技術は強いね。間違いなくね。それで結構、世界中の例えば5Gとか6Gとかいう技術出てきたときのやっぱいくつかのエレメント例えばO-RANていうメディアアクセスネットワークのオープン化みたいなことやってくと、この電波をいかに上手にデジタル技術で使って、それでそれを解放していくかって事が5Gのアンテナ、6Gのアンテナなんていうのは、そういうようなことも一番肝の技術なんだけど。やっぱこういうとこ強いよね。日本は。それでだからそういう意味での少し精密な操作が必要になってきてるんでそういう部分って。そうなってくると強いとかあるいは品質管理みたいなクオリティアシュアランスみたいなことをやらせると強いとか。そういうとこが強いと思うんですよね。で、だから逆に弱いとこっちゅうのは、やっぱりそういうアーキテクチャーとして全体を捉えるみたいなとこは弱いかもしれないけど、何といっても弱いのは世界を相手にビジネスで頑張るみたいなとこはすごく弱い気がする。今までもインターネットの個別の技術でとってもいいもんが日本の中にあったんだけどやっぱりそれが世界の中で活躍するだろうなと思ったけど、やっぱりそれをその気がなかったのかもしれないけど。それはうまくいってないってのは、弱いと。
伊藤穰一: ただやっぱり、僕もずっとベンチャーやってて、14年ぶりに日本に戻ってきたんだけども。全然違うよね。やっぱりグローバル化がすごい進んでるし、僕の会社デジタルガレージもアメリカで活躍してるけれども。三木谷さんなんかも英語で役員会をやったり。あと彼も去年の会議で何割だっけ、8割のエンジニアが外国人だとか言ってて。そういう意味でもう10年前ありえなかったぐらい日本の企業も国際ステージに出て。まだまだだけども。出ていってはいるし。あとは最近藤沢の学生とか勉強会でも結構英語ネイティブな人達も混じってちゃんと参加できてるので、そういうグローバル人材、例えば竹内先生とかも今やってると思うんだけども、そういうグローバル人材もずいぶん増えてきてるような気がするので、変な話これからかなっていう感じもちょっと感じてます。
村井純: まあね。だけど今、挙げたいくつかの例はちょっと特異的にうまくいってるとこかもしれないんで。ほんとまだまだ、その部分はやっぱりね。政策そのものもそうだけど、やっぱドメスティックで、僕もいろんなとこの政策ただ警察の政策なんとか省の政策ってやっぱアドバイスを求められるっていうときがあるから必ずチェックするポイントはそこで。これ日本だけのこと見てないかって。たいていその原案1はドラフトバージョン1は絶対ドメスティックなことしかいないなんだよ。そこへもうキンキン言って。それでやっぱり世界の中での日本とか世界へ出てくとか、そういう関係のことを考えようよって言うと入る。つまりやっぱり。黙ってると、やっぱそこへ目が行かないようになってんだ。やっぱマーケットが、良かったのかね、日本は。この30年ぐらいのスパンで見れば、すごく伸びてて、「日本で頑張れば、外で頑張る必要ないわ」みたいなのがちょっと少し定着しちゃったかな。だとすると、そこんところは少し見方を変えた体制を作らなきゃいけないなって思うよね。
伊藤穰一: で、そういう意味でも僕はちょっと変革っていうのはドメスティックをでデジタル化するんじゃなくてデジタル化を通じてグローバルになるっていうのもひとつの目標かなと思うんですよね。
村井純: そうだね。やっぱりデジタル社会っていうのは、さっきも言ったように、バイネイチャーグローバルな空間が私たちの生活空間の中に完全に合体したわけだから。そうなったときに地球を見つつ、自分たちの生活や自分たちの仕事をどう考えるかということを同時に考えるっていうことに変えなきゃいけない。それが変革だと思うけど。だけどそれはやっぱり今までの延長上にインクリメンタルに動くってことじゃないだろうなって思うんだよね。
伊藤穰一: 村井先生の話は今週も本当に面白かったですよね。25年間でも色々はあったけれども課題もたくさん残っていて、そのグローバルの話は私も海外からよく日本を見てるので同感ですね。で、村井先生も言ってたように課題の話ばかり皆するけれども、ちょっと日本とかデジ庁がうまくやってる話もできてすごく良かったと思います。
伊藤穰一: で、村井先生もNFTを考えているってことも、すごくまあびっくりじゃないけども聞いてよかったと思います。NFTも流行りだと思っている人たちは、たくさんいると思いますし、流行りの要素もたくさんあると思うんですけれども。多分かなりこれから影響を社会に影響を与えてくると思いますし。今、NFTの中で90年代のインターネットを思い出すようなワクワク感と、いろんな新しいイノベーションが起きていると思うんで、ぜひこの辺はみんなにも注目してほしいし、このPodcastでも、NFTについてこれから色々と気取り上げていきたいと思います。
伊藤穰一: それではここでお便りをご紹介します。まずはミウラさんからのお便りです。
メール: NFTのプレゼント企画は、面白いと思います。ジョイさんがNFTについてどうお考えかPodcastで語っていただけると嬉しいです。
伊藤穰一: NFTっていうのは、Non-fungible Tokenという言葉です。Non Fungibleっていうのは交換ができない。だから例えば1000円の人に1000円渡して違う1000円札をくれてもどの千円札も価値はおんなじですよね。僕が持ってる1000円に誰か大好きな人のサインがあって、その先は渡したくないし、それ世の中に一個しかないので、その1000円をただ1000円に換えられないっていうのがNon-fungibleっていう意味で。でそのNFTはビットコインとかイーサリアムとかいうブロックチェーンの中の暗号の技術でこのNFTっていう情報が発行できる。今までネットでのソフトウェアだとか音楽の売買っていうのはすごくコピーライトとか難しかったんだけど。それがあの暗号を使って技術的に可能になっていて。例えばNFTの中でだと何か開けると、新たに発見ができるリンクが出てくるとか。何かモノが当たるというのもできるし、開けるまで中身が分からないっていうのもできるし、人に渡すたんびに価値が上がるやつとかさがるやつとか、転売すると価格の何かがアーティストに戻るとか。本当にソフトウェアなのでほとんど何でもって言うと変ですけどいろんなプログラムできると。NFTを買うと音楽が付いてくるとかNFT持ってると何か熱で送られるとか。NFT持ってるとイベントに入れるとかそういういろんな面白そうな機能を考えてるんですけども。
伊藤穰一: ただ有名になってるのはどっちかっていうとそのアートの作品がオークションとかですごい値段で落とされて、それが大ニュースになってるんで、みんなNFTというと、なんとなく市場で転売してだんだん値段が上がっていくっていうイメージなんだけども。必ずしもそれだけじゃなくて。今回僕が実験したかったのは、特にお金の価値よりももっと違う値打ちがあるNFTも面白いんじゃないかなと。ゲストだとか手伝ってくれてる人たちにあげる。NFTでこれは参加した人がもらったので参加してない人には価値はゼロではないけれども参加している人にとって一番価値があるので、それはその転売するっていうよりも、取っておいてもらうんで、例えばそのNFTを持っているとイベントに参加できるとか、何か新しいゲームの中でアイテムを僕らが考えたらNFT持っている人たちにそれを配ることができるとか。それから、NFT同士の人達がお互いわかるとか。例えば自分のソーシャルメディアに、そのNFTを出すことができるとか。いろんな機能って想像できるので。こないだザッカーバーグがFacebookのメタの発表したんだけどもその発表のかよく聞いてると、このWeb3もNFTも一部なんですけどもFacebookの自分の部屋っていうのがザッカーバーグは説明してたけれども。その部屋に入ると、たとえば僕のポッドキャストのクルーの人は、僕のポッドキャストのジャンパーだとかバッジがそのWorld中で勝手に表示されるっていう設計とかもできるので。コミュニティー支援の実験にもNFTを使いたいなと思って、実験始めました。これからどんなふうになっていくのかよくわからないんですけども、あと皆さんからもいろんなアイデアいただきたいのでぜひこのトピックをどんどん掘り下げていきたいと思います。
伊藤穰一: 次はマサマサさんです。
メール: 大学時代から憧れていました!Joiさんのお考え、声から温度感が伝わってきて、本当に元気をいただきました。大学での新しいラボのお取り組みなど、楽しみで仕方がありません!現在、私は32歳で、メディアの未来を作りたいと思っており、いつかご一緒できる日が来たら嬉しいな、と思いました!
伊藤穰一: ありがとうございます大学の話はもうすぐ?多分1ヶ月以内にもうちょっと話ができると思いますんで、このポッドキャストを聴いててください。それと変革会って、たぶん呼ぶと思うんですけども。集まりを企画して、皆さんも参加できることいろいろ企画中なので、ぜひその是非その変革会議を開催したときにお呼びしますので、そのとき参加してぜひお会いしたいと思います。よろしくお願いします。
伊藤穰一: 引き続きFOXさんから。
お便り: 楽しく拝聴しております。インターネット分野だけでなくて、全く違う分野をやってるゲストを呼んで、その分野におけるDXと将来の可能性を聞きたいです。DXができない要因は高齢化と、閉鎖性による心理的バリアだと思うので、日本社会の持つ現代の閉鎖性を打破できるヒントを持っている人がゲストで来たら、多くの人の救いになるはずです。
伊藤穰一: はいFOXさんがおっしゃる通りだと思います。そしてやっぱりDXやってる人達って、今までは結構身内ばっかり。村井先生との話にも出てきたんですけども、最初はやっぱり大好きな趣味でやってる人たちがどうしても集まってしまうんですけども。今回のデジタル庁もそうですし我々デジタルガレージも25周年時ずいぶん話が出たんですけども、やっぱりこれからのインターネット、これからの二十五年っていうのは本当におっしゃるように、今までDXに参加してなかった人に手を差し伸べなきゃいけないと思いますし、それが本当のDXだと思うんですよね。だからぜひ私もこれをきっかけにFOXさんの言うようにデジタルじゃない人達をことポッドキャストに呼んでいろんな話をしたいと思います。のでそして皆さんの方でこんな人がいいんじゃないかなっていうアイディアがあったらぜひお便りを送ってください。
伊藤穰一: 続いてTTさんからのメールです。
お便り: Joiさんの執筆した変革論がきっかけとなり現在留学しています。ポッドキャストでの配信非常に嬉しいです。
2つ質問があります。日本変革のレバレッジポイントはどこにあり、どう介入していけばいいとジョイさんは思っていますか?一つの社会変革の形として、メーカーズムーブメント・コミュニティバイオなど技術の民主化に注目していましたが、今の日本ではインパクトは限定的な印象です。この見方についてJoiさんの御意見をお伺いしたいです。
伊藤穰一: ありがとうございます。確かにメイカーズムーブメントとかコミュニティーバイオっていうのは僕も大好きでとても面白いと思うんですけども。ただ。メイカーズムーブメントってコミュニティバイオってもちろん理念とかバリューズとかもあると思うんですけども、どうしてもこう社会的な目的っていうよりもひとつの分野ひとつのその分野が好きな人って、僕らもインターネット最初作ったときは技術が大好きでインターネットが大好きだったから色々いじってたんですけども。それだけじゃ普及しないと思うんですよね。だからそういう意味でいうとレバレッジポイントでいうとこのやり方の上にやっぱりゴールがあって、でゴールの上にパラダイムがあって。でもちろんメイカーズムーブメントとかコミュニティバイオによってパラダイムも変わるっていうのはもちろんあると思うんですけども。だからやっぱりそのゴールだとか社会を引っ張っていくこのエネルギーっていうのは必要で。んで、僕はやっぱり一番今リアルに来てるのはこの環境問題だと思うんですよね。洪水もあるし温暖化もあるし。もう目に見えるようにニュースに出ていてそして今の若い人達も随分環境に対する意識が高くなってきてると思うんですよね。で環境は本当にグローバルでみんな一緒になって考えなきゃいけない一つの政治とか一つのこう人間の集まりを超えた大きな問題でそこの中にはそれこそコミュニティバイオとかメイカーズムーブメントとかDXとかもいろんなツールとしては出てくると思うんですけどもやっぱり引っ張っていくのはやっぱり政治とか経済を超えた大きなミッションだと思うんですね。でそういう意味で僕が日本の変革のレバレッジポイントを、個人的に一番大きいのはこの環境問題に対する我々の意識の改革でその意識の改革に基づいた社会経済の改革だと思います。
伊藤穰一: そしてGeeknessさんからのお便りでございます。
メール: ヒッピーとナード がこれまでコンピューターの発展を推進してきたと思っているのですが、デジタル社会の実現に際して、これ以外の人々と対話をするには何が必要だと思いますか?デジタル社会実現の具体的なプロセスについてビジョンがあればお聞かせいただきたいです。
伊藤穰一: ヒッピーやナードはやっぱりデジタル改革とかいろんなところの走りだったと思うんですけども。もう基本的に社会ではもう彼らは、彼らも僕らといっていいのか、を超えたところにかなり影響を出してると思うんですけども。ただやっぱりFOXさんの話も出てきたんですけども僕は一番インターネットに対してDXに対して期待してるのは多様性のサポートなんですよね。でもちろんナードの中にはその子ってやっぱり出て行けって脳の多様性の人達は結構いると思うんですね。なかなか社会ではうまくできなかった人は、ネットではできるという人は、もうある意味で多様性あるんですけども。例えば、いろんな外の障害持ってる人とか、不自由な人達とかあとは精神的にいろいろ複雑な人達とか、それとさっきのFOXさんの話にあったけども、高齢者とかいろんな人たちに、やっぱり参加できるいろんなインターフェースもできるので、そこにいかなきゃいけないと思うんですよね。で、それのある程度技術的な研究とか、技術的な発展っていうのはずいぶんもう基盤はできてたので、これからはそれをやる意志を持たなきゃいけないと思うんですよね。だからそういう意味でいうと今回のデジタル庁もNo One Left Behind、人を置いてけ置いていかないっていうのがひとつ重要な柱にもなってるんですけども、やっぱりこれはコミュニケーション。今回のポッドキャストでもちょっと技術的な話もたくさんあってちょっと難しいブームがあるもあると思うんですけども、できるだけこのポッドキャストでも今までナードではヒッピーじゃないような人達にもわかってもらうように最大話す努力をしていきますのでこの辺もちょっとわかりづらいとかあったらぜひ教えてくださいよろしくお願いします。
伊藤穰一: はい、そしてTychoさんからのお便りです。
伊藤穰一: 近年、IT起業家による宇宙開発が注目を集めていますが、ITのように宇宙分野が産業として成立するために日本は何をすべきと考えますか。またSFが宇宙の産業化に与える影響も大きいと考えますが、この分野でおすすめのSFがあれば教えてください。
伊藤穰一: はい私も。実はとても宇宙の授業や宇宙開発に興味があって、メディアラボのときにもスペースエキスポリレーションイニシアティブっていうのをメディアラボでウチの教え子のとても素敵なAriel Ekblawっていう研究者が立ち上げたんですけども。あのー、何がやっぱり面白いかっていうと、今までこのロケットの開発ってのはすごいお金がかって。で、ずいぶんずっと新しい開発って止まってたんですよね。で、やっぱ宇宙に何か持ち上げるためのコストが、もうハンパなく高かったんですね。で、何が起きたかっていうと、最近のビリオネアたちがこのコアのロケットのとこの開発にもう何十年ぶりにアメリカの取り掛かって。そして、競争が始まったので、その為いくつかのロケット会社がそこをどんどん進めていって。このリフトのコストがどんどんどんどん安くなってるんですよね。だからそういう意味でいうと、インターネットの前にもこう通信っていうのはあったんですよね。EX25だとか専用線とかで、ただ普通の人間が手が届かないぐらい高かったんですよ。だからいろんなものを技術的に可能だったけど、経済的に不可能だったんですね。で、インターネットのほとんど最初のやっぱり意味とか価値はこのコストを下げることだったんですね。ほぼタダに近いぐらい、下がってるわけですよ。それとおんなじで、コストが高いとほとんど事業とかアーティストが使うとかっていうのも不可能なんですよね。そのコストが下がることによって、メディアラボなんかだと中学生にCube Sat作らせてデザインさせて打ち上げるとか。アーティストの作品を作って打ち上げるとか、そういうこともできますし。で、何が最近できてきたかっていうと、やっぱり宇宙ベンチャーができてきたんですね。だからロケットはなかなか、小さなベンチャーじゃできないんですけど。今のロケットができたことによって、いろんなアイデアがその上に乗っかるので、そういう意味ではとてもインターネットっぽかったんですよね。よく言われてるのは、この下の光ファイバーとかこういうのを引くのは、半分だまされた気分でいろんな理由でみんな引いちゃったんですよね。で、その引いたその光の上にこの新しい設計ができて、そして今度ベンチャーが入って、インターネットと爆発的に伸びたんですけども。この光を引くのは結構大きいとこもやってんですよね。そういう意味でいうと、今のロケットの上でインターネットのように、今いろんなベンチャーで爆発的な創造が動いて、それに対していろんな投資が行われていて。そして、宇宙の例えばハビタットの今までだったら国しかできない。Space stationみたいなもっと大きい企画は例えばアメリカなのAxisみたいな会社がもう金集めて始めてるんですよね。で、学生たちがそこの中の設計をしたりしてるのでそういう意味で本当に手が届くようになったで。日本企業も宇宙と関係なかったような企業もあれ宇宙だと、またいろんな貢献ができると思うんで。これはベンチャーキャピタリストもそうですし、学会もそうですしやっぱり宇宙の未来に対して、意識を変えてそっちに向いていくのとあとそういう意味で資金もどんどんどんどんいろんな形で集められるようにするのは重要だと思いますんで、そういう意味ではこれからだと思います。で、サイエンスフィクション僕はどっちかっていうと英語がメインなので、英語の最近読んだ本で好きなのはあのDaniel Suarezという作者の「Delta-V」っていう本でこれは宇宙に行ってこのマイニングが起きる時代のスリラーでとても面白い本ですので、英語を読める方は読んでください。それと日本の出版社だったらぜひ「Delta-V」を日本語に訳してください。よろしくお願いします。
伊藤穰一: 番組では皆さんの感想や質問を受けてます。ポッドキャストの番組の詳細ページにメールフォームのリンクがありますので、そちらから送ってください。先日から試験的にNFT Walletのアドレスを記載する欄をフォームに入れてます。で、NFT Walletの作り方がわからない方は僕のブログを見て説明を読んでくださいぜひ参加してください。
伊藤穰一: それでは今週はここまでです。皆さんまた来週Joi Ito's Podcast- 変革への道-でお会いしましょう。