今週は先週に引き続きスプツニ子さんにご出演いただきました。また、アーティストで東京藝大非常勤講師の草野絵美さん、そしてメディア美学者の武邑光裕さんを迎えて、「NFTは単なる流行か?それとも革命的に世の中を変えるツールとなるのか?」をテーマに大激論を交わしました。
草野絵美さんは、最近息子さんが小学生NFTアーティスト「Zombie Zoo Keeper」として大きな話題にもなりました。息子さんがNFTデビューした経緯など、NFTに関する様々なアイデアや情報が満載です。
NFTの実践的な使い方や楽しみ方、それに人に優しい、地球に優しい「エシカル」な使い方など様々な視点からNFTについてトークセッションを行いました。
【JOI ITO 変革への道 - Opinion Box】 番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。特に番組に貢献したリスナーには番組オリジナルのNFTをプレゼントしています。
【番組のコミュニティ醸成実験の参加フォーム】 番組では、リスナーの方々とコミュニティを作る実験をしています。この実験に参加をご希望の方は下記フォームから参加メンバーの登録をお願いします。メンバーのダイバーシティを考慮しながら、徐々にメンバーを拡大していく予定です。参加時期がきましたら、スタッフから個別に連絡をさせていただきます。興味のある方、まずは登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。
【編集ノート】 伊藤穰一からのメッセージや、スタッフによる制作レポート、そして番組に登場した難解な単語などはこちらにまとめてあります。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。
今週のポッドキャスト配信について
Podcast Transcript
伊藤穰一: はい、伊藤穰一です。実は先週からスペキュラティブデザイナーであり、アーティスト、そして芸大の准教授のスプツニ子!さんと、NFTの話をしています。そして、おなじみのメディア美学者の武邑光裕先生にもお越しいただきました。
武邑光裕: どうも、武邑です。どうも よろしくお願いします。
伊藤穰一: 前回のエピソードで、ずいぶんNFTの話とアートの話で盛り上がったんですが、武邑先生もアート業界には詳しいですし、それにヨーロッパにもいらっしゃいましたが、これまでどんなインパクトを目の当たりにしてきましたか?
武邑光裕: 僕は、つい先日までベルリンにいたのですが、ベルリンもNFTは一大ブームになっています。中でも今一番、注目してるのはベルリンのストリートアートに関する動きです。ここ数年、すごく重要なアーティストがストリートから出てきているんですが、彼らはギャラリーも付いてないし、 今まではどちらかというと匿名の存在だったんです。ですが、近年メタウォール・ベルリンというNFTをストリートアートを扱う新しい組織ができて大きく変わりました。一番面白い点は実際に存在するグラフィティやストリートアートを分割所有できる点にあります。10メートルぐらいあるストリートアートをデジタル化して、所有権を分割しているんです。一人のオーナーではなくて、10~20人で分割所有できて、かつオーナーシップを自分で管理できる仕組みになっています。この仕組みができたことで、ベルリンのストリートアートシーンやベルリンのコミュニティが変わりました。アートの売買だけではなくて、そのコミュニティーとかアートシーンをちゃんと支援していくようになったんです。
スプツニ子: NFTはファンドレイジングにも使えそうだなとは以前から思っていました。売買ではなく、ソーシャルな目的のために寄付を集める等、応用もできそうですね。
伊藤穰一: NFTは、プログラマビリティがありますからね。DAO(分散型自律組織)みたいな、コミュニティの運営とかで応用が可能です。現在はお金を中心とした要素は高いけれど、だんだんもっと行政や社会運営などのコミュニティの運営で使われるようになるといいですね。プログラミングについてもまだ始まったばかりですし、そもそもプログラム自体そこまで複雑ではないので、アーティストが自分たちでプログラムをするようになると、もっともっと面白いものが出てくると思います。だからそういう意味でいうと、まずスプちゃんみたいに、技術的側面がわかるアーティストがもっと自由にいじるようになると、変わったアプリケーションが出てくるって思うし、ガバナンスも出てくるんじゃないかなと思うんだよね。
スプツニ子: NFTは今すごく面白いですよね。色々といじれる箇所が沢山あるな、と思います。クリスティーズやサザビーズは、既に完成されているので、いじる箇所があまり残されていませんからね。NFTの世界は本当に面白い実験がたくさん可能だなと思いました。また、作品鑑賞の場がリアルから解放されて、バーチャルの場に移るのも面白いなと思います。以前、森美術館で「未来と芸術展:AI、ロボット、都市、生命――人は明日どう生きるのか」という展示が南條史生さんのキュレーションで開催されました。私もアーティストとして出展していたのですが、その展示が新型コロナウィルスの影響で中止になってしまったんです。ですが、その後ヴァーチャルリアリティー化されてオンラインで特別公開されたんです。その時に感じたのが、「私の作品がオンラインで半永久的見れるようになったんだ」ということでした。今までにない嬉しさも感じましたね。東京に住んでいる人だけでなく、ロンドンやニューヨークの友達も見に来れるようになったので、自分の作品が地理的な場所から解放されたという、エキサイトメントがありました。
武邑光裕: リアルな3次元の立体の彫刻作品のCADデータをNFTで販売して、NFTの収益で現実の彫刻パブリックアートを買い取って、市のレンタル費用なくしてあげるという試みが行われています。彫刻家の名和公平さんのプロジェクトで今、それが実行されようとしています。こうすることで、リアルとVRの新しい関係性を作っていけるんじゃないかと思いますね。
スプツニ子: 名和さんの取り組み、見てみたいですね。おもしろそう!
武邑光裕: これはすごく、いいいプロジェクトだと思います。
伊藤穰一: こないだニュースを見てたら、バンクシーの作品を買った人が、買った作品に火をつけちゃって燃やしちゃったというものを見つけました。その人は、それを映像にとってNFTにして販売していました。「バンクシーに対してバンクシーをしちゃう」みたいな状態ですね。これは、プログラムのレイヤーではないけれど、コンセプチュアルアートで本当に何かひねったものがあるといいですよね。NFTを買うとこんなことが起きて、あんなことが起きて…というような。あとは先日、買ったら絵が変わるってプログラムも、こないだありました。何か買った後、ウォレットに入って開くとうんちになってるやつがありましたね。まあ、それはちょっと失礼だけれども、いろんな工夫ができますからね。やっぱりただのビジュアルアートだけじゃなくて、そういうコンセプチュアルアーティストがいじくりだすとまたいろんなものが出てくる予感がしますね。
武邑光裕: うんうんそれ面白いですね。その辺はもうスプツニ子さん、是非やってみてくださいよ。
スプツニ子: いろいろ見てみたいなとは思います。でも一方で、環境に対する負荷についても気になります。システム上、電力をかなり消費するという現実がありますからね。ですから、現状から今後どうやって改善していくかっていうのをちゃんと見ながら今後を考えていきたいですね。
伊藤穰一: (環境問題に関しては)僕はすごくオプティミスティックで。多分うまくいくかどうかはまだ分かりませんが、イーサリアムのマージがうまくいってProof of WorkからProof of Stakeに変更になると、ほぼ環境負荷が大幅に減少して、インスタにアップするぐらいの感覚になる。で、それがもし上手くいったら他のブロックチェーンももっともっとProof of Stakeをしていけるしね。そしてBitcoinのコミュニティーも再生エネルギー化ってどんどん進んでいって。再生エネルギーが何パーセントになったらBitcoinやるっていう人も大勢いるので、やっぱり外からプレッシャーかければちゃんと変わると思うんです。だからそのプレッシャーはかけ続けるべきだと思います。でも環境に悪いからイノベーションに参加しないっていうのも、おかしいと思うんですよね。
武邑光裕: まだ始まったばかりだ。っていう視点に立てば、本当にどんどん改善されていくと思いますね。ベルリンのイーサリアムのコミュニティーでもすごく環境に対する負荷を軽減していくっていうアプローチはすごく進化してるし。今、環境負荷に優しいというか、負荷がかからないような仕組みはもうJoiが言ったような形で進化していると思いますね。
スプツニ子: やっぱりそれは、健全なプレッシャーがあるから、っていうことですね。
伊藤穰一: 批判も大事ですよね。でも、そういう意味で社会的な、今すごくスプちゃんが言ってることが僕は重要だと思うのは、やっぱりプレッシャーをかけるけれども前に進むってことだと思います。結構、ストップしようとする勢力もたくさんあると思うんだけども、やっぱり僕が思うのは、まず一つめは、もう止められないっていことかな。そして、テクノロジーで転がっていってもう止められないんだったら、もっとプロソーシャルの方に引っ張っていきたいなと思います。
スプツニ子: そういう批判の気持ちを持っている人たちに、むしろ参加してもらってアップデートしてもらうってことですね。善意がある人が関わらないまま、善意がない人だけでNFTが進んでしまったら、もっとひどいことになる可能性もありますからね。
武邑光裕: そうですね。
スプツニ子: 批判でストップじゃなくて、批判しつつ関わりを持った上で変えていくっていうのは大事だと思いますね。ここまで、私はNFTについて、アーティスト視点で熱く語ってしまったんですが、Joiさんや武邑さんがNFTに感じる展望についてもお聞きしたいです。
伊藤穰一: さっきスプちゃんも言ってたんだけども、NFTはやっぱりDecentralizationの一部であるということですね。前回、Audrey Tangをインタビューしたんですが、やっぱり彼女はすごく民主主義がデジタルのムーブメントの一部として出てきたわけで。すごく市民が政府に参加するためにデジタルをやってるんですね。デジタルをやることで学びにつながったり、いろいろあると思うんだけども、僕もそのNFTを通じて、本当にその日本のデジタル化、そして国民がそこに参加するっていうことが重要だと思うんです。だから本当だったら市町村とかで、投票をするとか、権利を売買するとか、NFTのハッキングができる若い人たちが自分の村でこういうのを使ってみるとか、っていうのはすごく可能性としてあると思います。だから僕らみたいなので一旦はやらせて、それでツールが 簡単になってコストが下がって、そしてenvironmental impactがなくなってきた頃に何かいろんなcivicsのとこで国民が参加すると、本当に世の中変わると思うんで。それこそが民主主義の活性化につながるんじゃないかなっていう気は僕するんだけどね。
武邑光裕: 僕も、やっぱり今のNFTの可能性ってアートの世界に非常に特化してるんだけど、もっといろんな業界の人達が、このNFTの可能性を知るべきだと思うんですね。そのためにはもう本当に今Joiが言ったようなアートから引っ張っていって、文化とか、地域のコミュニティとか、新しいビジネスモデルとか、そういった領域にまで非常に拡張していくと思うんです。今気づいておくことが、すごく重要だと思うんですよね。それによって、思いもよらない可能性みたいなものが必ず出てくると思うし。そこが期待したいところですね。
スプツニ子: そうですよね。アートは結構分かりやすいから、取り上げられることが多いですが、NFTはどちらかというと、新しい所有や価値交換のネットワーク、インターネットの黎明期みたいな、未来のインフラになる感覚がありますね。
武邑光裕: デジタル経済っていうのは、オーナーシップがどんどんどんどんなくなっていって、中世のような世界になってるという指摘もいっぱい出てきていて。領主と農奴のような関係になりつつあると。シェアリングエコノミーっていうのは基本的にその関係を再現しただけだっていう批判もあって。そのシェアリングによって、僕らはすごい便利になった部分と、そういうふうに中世の農奴制みたいなものの関係で考えなきゃいけない部分もあって。
スプツニ子: プラットフォーム側と、ユーザー側という形ですね。
武邑光裕: そうすると、オーナーシップの領域がどんどんどんどん広がっていってプラットフォームの側とかのオーナーシップがどんどん流れてって。僕らは単にスレイブ(奴隷)になってしまうっていうところがNFTが出て初めてデジタル環境の中でオーナーシップっていうものを、もう一度考えることができるようになってきてて。オーナーシップっていうのはもう1人で独占してどうのこうのということだけではなくて、社会との関係の中でどう発揮できるか、とか、新しい形に転換できるかっていうことを、自分で決められるっていうことがすごく重要だと思うんですよね。そのSoverign Individualっていうか、そういうことの環境がやっとデジタルの中に今出てきてるっていう。
伊藤穰一: そういう意味で、僕が結構聴いてるポッドキャストでBanklessっていうのがあるんだけども。銀行口座がなくなる。って話で。口座は持てない人たち本当に地方に住んでるいる中国の田舎とかに住んでる子もそうだし、子供とかもそうですよね。こないだ番組で紹介してたのが、たしか10代の子でした。その子はNFTとか売ってすごい稼いで。そして、その人が「私は、もう一生BankAccountは作るつもりがない」とか言うんですね。NFTとかの中で活動しているアーティストは最近、みんなETHで話していて。昔はもっともっとETHとドルとかETHと円の為替でアートの価格は変動してたけど、だんだん変動しなくなってきて。だからETHメインになっちゃうのね。さっきのSovereign Individualとも言ってたけども。だんだんその国家の通貨以外のEconomyができてくると、NFTがきっかけになってCrypt Currencyがまた全然違うディストリビューションになってきて、面白いと思うんだよね。
スプツニ子: 私も、リアリティーが増したなって思います。Bitcoinは、話題になってた時よりも、価値交換が実際ネックになっていますもんね。
伊藤穰一: Bitcoinの美学って買って売らない、っていう傾向がありますね。ETHの人達は売ったり買ったりしていますよね。アーティストってやっぱり稼いだお金をまた他のアーティストに投資するっていうんで、ぐるぐる回っていて。外の人たちはそんなEtheriumのアートが高い理由はみんなETHだけでお互い買ってるからっていうといやそれそれいいじゃん、みたいな。 それはアーティストはその壁をアーティストに投資するのってすごいいい話で。そういう意味では、すごい面白いと思うんだよね。そして、子供といえば、前回話題に出た絵美さんの8歳の息子さんですよね。NFTは、僕も持ってるしね。
スプツニ子: Zombie Zoo Keeperですよね。草野絵美ちゃんの息子がいきなりのNFTの超スターになっちゃいましたもんね。
伊藤穰一: 絵美さん今日来ているので。ここで紹介して、ちょっとお話をしていただきたいんですけど
スプツニ子: ぜひぜひ。
伊藤穰一: 自己紹介と、こことのいろんな変なつながりを話してくださっていいですか?
スプツニ子: つながってますよね。
草野絵美: そうなんです。草野絵美と申します。私個人としては、サテライトヤングという昭和歌謡に乗せてテクノロジーについて歌うという、アーティスト活動をさせていただいていて。それをきっかけにスプツニ子さんが教えている芸大で、非常勤講師として3年間スプさんと一緒に授業をやったり。大学時代は起業をしてJoiさんのインキュベーションで3ヶ月間育てていただいたり。そんなご縁があります。それで、最近、息子8歳がZombie Zoo Keeperとして夏休みの自由研究としてNFTを始めたんですが、非常に大きくなって、国内でも10位ぐらいの取引総額になりました。だいたい4000万ぐらいの取引総額で。売り上げは、息子が、将来年間アメリカの大学に通えるぐらいか、それ以上ぐらいになったんで。本当にネットミラクルを体験してる嵐の最中にいます。
伊藤穰一: 何パーセントを取ってるんですか?お母さんは。
草野絵美: うちの息子は、プロモーションとかかなりやってるからママが半分取っていいよ、って言ってくれてるんですけど。契約書とか何にもないので(笑)、ただとりあえず、当分は息子が大学に入ったりとか、そういう資金にして。それ以上稼いだら、考えようって言ってます。「パパとママにマンションを買いたい」って言ってました。
伊藤穰一: NFTやるきっかけは何だったんですか?
草野絵美: 私自身が今年3月に、NFTのことを知って。4月に自分の曲のリミックスバージョンをNFT限定で出してみたんです。その時に0.3ETH 、大体8万円とか10万円ぐらいで落札されたっていう経験がありました。「あ、こんな風に簡単に売ることができるんだ」っていうのを見てたので、うちの息子からしたら本当にフリマアプリに出す感覚で。彼は月300円しかお小遣いを貰っていないので、ポケモンカードがどうしても買いたくて、お金をとにかく増やしたいって。その方法を考えたときに「自分も何か絵を描いてるから、この毎日描いてる絵を売ることはできないの?」って言われて。「あ、じゃあ、ママのOpenSeaで出してあげるね」って言って。2,000円ぐらいかなって言ってとりあえず出したら、その1週間後ぐらいにすべて完売して。すごく有名なDAOのヘッドの人がアイコンにしてくださっていて。そしてそこからバーッと広がって、最終的にスティーブ青木さんが熱烈なスピーチをテレビでしてくれたりとかして。非常に不思議なことがいっぱい起きてます。
伊藤穰一: スティーブさんも総額300万円くらいで買ったんですよね。
草野絵美: そうですね。240万というか、今でいうと300万ぐらいになってますね。
スプツニ子: 夏休みの宿題からっていうところに何かほのぼのとした感じがあありますね。
草野絵美: 結構、NFTのニュースを追っていると、本当に毎日毎日新しいニュースが出てくるんです。もうコントラクトのこととか、DAOのこととか本当に学ぶことが多くて。たぶん人生で一番情報量を摂取した3カ月間だったなと思います。積極的にTwitterスペースとかでNFTのそのインフルエンサーと絡みに絡んで、色々人脈を広げて、息子の作品を宣伝するっていう。
スプツニ子: 私もオークションを出すときに、絵美ちゃんからいろいろ聞いてアドバイスもらいました
草野絵美: 水面下では自分のプロジェクトもNFTで進めています。実はそのプロジェクトメンバーもZombie Zooのファンのコミュニティから見つけ出した海外の方に、デザインなどを手伝ってもらっています。皆さんNFTを買ってるんじゃなくて、コミュニティを作ってるんですよね。
伊藤穰一: うんうん。確かに一時期は、みんなNFTとかETHとかCryptをみんなにジャスティファイしなきゃいけなかったんだけども。最近もジャスティファイしなくてもいいから、説明もしないで自分たちの世界で自分たちの言葉でびゅんびゅん言っちゃってるから。ディバイドが激しくなってきたよね。昔だったらたまにニュース見てたら、KeepUpできたんだけども、今も24時間NFTだけ勉強しても追いつけないぐらい量が増えちゃって。ちょっとピンチだよね。
草野絵美: FOMOです。FOMO。Fear of Missing OutっていうNFT用語でFOMOっていうんですよ。何かNFTの何か2ちゃん用語みたいなものがいっぱいあるんです。朝起きたらまずGM。グッドモーニング。
スプツニ子: そうなんだ。NFT語なんですね。
伊藤穰一: 僕もこないだ友達がすごいギャグのトークンでDodgeコインの柴犬の変なDodgeBonkのミームのDodgeBonkっていうの で遊んでいて、すごいくだらないから。僕のGM I bought DOBO OK ThanksBye,とか言ったら僕人生で一番リツイートとLikeされて。この人達めちゃくちゃだと思って。
スプツニ子: それは内輪の言葉を使ったから反応してくれたってことなんですか?
伊藤穰一: 内輪の言葉使ったからかな。結局ツイートでその後、その通貨は値段倍になっちゃったのね。だから結構、その誰かがツイートすると値段が上がってそうするとみんなが入ってって。何か、結構ダーティーはダーティーなの。ゲームの世界なんだけど。でもDOBO$が面白いのはそういうゲームをやってる人たちを馬鹿にしてるギャグのコインだけれどもそれで価値が上がったらおかしいじゃんていうジョークだったりね。だんだんマジで儲けようとする人たちが中に入っていって、みんなそれをバカにしてっていうループだった。だからおかしいなと思ったんだけども。だんだん、みんな真剣になって。
草野絵美: それすごい2チャンネルの文化に似ていますね。
伊藤穰一: そうだよね。これもDOBOは4channelで。んで実はこのやってる奴らって2016年のトランプの時にトランプをジョークとしてプッシュしてたミームを作っている連中と同じなんだよね。で、あいつらはトランプが好きだったんじゃなくて、「トランプみたいな変な人が大統領になったら、おかしいじゃん」というジョークでやってたのが、今度はこういうクリプトの世界で。んで実は、本当はプロの広告代理店の人がクリエイティブな人たちが趣味でいじくり回してんのね。だからね結構ね、変なコミュニティで。ちょっとピンチなんだけど。僕もアレまずい、かき混ぜちゃったと思う。でも、ちょっと面白かった。
スプツニ子: そういうギャグみたいな、内輪ノリみたいなのがあるんだろうなとは思ってましたが…。
草野絵美: 今度、GMってつぶやいてみてください。私はGMって毎朝つぶやいてるんですけど、そうすると40リプライぐらい来るんですよ。GMGMGMGMってみんなから来るんです。
スプツニ子: リアルの世界と、NFTワールドの世界とのデバイド(分断)は存在していますよね。初期のインターネットってすごいアーリーアダプターばっかり集まってて面白かったのが、今は全員参加型になって変わってきていることもありますもんね。クリプトの世界も初期のインターネットみたいな感じなのかもしれませんね。NFTの悪用とかは絶対に存在していそうですね。
武邑光裕: 今でもかなり、ありますもんね。自分の作品出したことないのにNFTになってるとか、そういうのは最近よく起きてます。
草野絵美: バンクシーの作品のNFTが実は偽物だったってことがわかって。その作品は何億円かで落札されたんですが、実際に買った人はネタになったから嬉しいって言ってましたね。
伊藤穰一: 余裕あるね。まあ、そういう人たちって、自分も何か変なNFT売って稼いでた人達も結構多いいからね。
草野絵美: それ買った人は、結局それで有名になって、かなりNFTの超有名インフルエンサーになったんですね。その後に。
伊藤穰一: なるほど。まあ、絵美さんも、息子さんとも超インフルエンサーになっちゃってそのパワーを悪用しないでください。笑。またじゃ絵美さんもまた息子さんと別途いっぱい深い話をさせてください。
草野絵美: じゃあちょっと、つれてきます。2012年生まれのゲストを。
伊藤穰一: 楽しみだね。じゃあ皆さん今日は本当にありがとうございました。
スプツニ子: どうもありがとうございました。めちゃくちゃ濃いメンバーでお話ができて、時間が足りないぐらいでした。
伊藤穰一: 楽しかったですご飯を食べながら続けましょう。
スプツニ子: ありがとうございました。