NFTを使って地域を活性化しようというユニークな試みが行われています。2004年の新潟県中越地震で甚大な被害を受けた新潟県の旧山古志村(現・長岡市山古志地域)。高齢化が進み、人口が800人にまで減少したこの村が、NFTを使って新たな取り組みを始めています。
今回の「JOI ITO’S PODCAST ―変革への道― 」では、錦鯉をモチーフにしたNFTアートを発行し、村の活性化に挑戦している山古志住民会議代表の竹内春華氏、プロジェクトアドバイザー林篤志氏、プロジェクトアドバイザー / 技術支援 株式会社TART CEOの高瀬俊明氏の3人にお話をお伺いしました。
【編集ノート】
編集ノートには毎回番組で登場した難解な用語や固有名詞などの意味や内容をまとめています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。
https://joi.ito.com/jp/archives/2022/06/13/005797.html
番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。お便りを採用させていただいた方には、番組オリジナルのNFT会員証がmintできるリンクをお送りしています。
https://airtable.com/shrKKky5KwIGBoEP0
番組にご出演いただいた方々と聞いている方々を結ぶプラットフォームとして、ジョブマーケットを作ってみました。今、実は仕事を探している、なんてあなた!ぜひこちらを確認してみてください。ぴったりの仕事がみつかるかもしれませんよ。
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【コミュニティ醸成実験について】
これまで番組で小出しにお伝えしてきたコミュニティ醸成実験。ようやくその中身をお伝えできるようになりました。番組という枠を飛び出して、リスナーの方々同士が交流できる場となっています。詳しくは、下記リンクをご覧ください。
https://community.henkaku.org/ja
この実験に参加をご希望の方は下記リンクから参加メンバーの登録をお願いします。メンバーのダイバーシティを考慮しながら、徐々にメンバーを拡大していく予定です。参加時期がきましたら、スタッフから個別に連絡をさせていただきます。興味のある方、まずは登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。
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シークレットキーワードの申請先は、HENKAKU COMMUNITYの[こちらのQuestサイトになります。新バージョンのNFT会員証をゲットした皆さん、頑張って聴いて、HENKAKUを稼ぎましょう。ちなみに!シークレットキーワードを申請できるのは新バージョンを持っている人のみとなります。まだお持ちでない方は、頑張ってコミュニティに入るかおたよりを採用されるまで送り続けましょう。
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今週のポッドキャスト配信について
Podcast Transcript
伊藤穰一:こんにちは伊藤譲一です。今日は山古志村をNFTを使って活性化しようというチームとのお話です。まず皆さん自己紹介をお願いしたいんですけれども、まず竹内さんからよろしくお願いします。
竹内春華:はい。山古志住民会議の竹内春華です。よろしくお願いします。私山古志の住民ではまずありません。2004年、今から約18年前になるんですけれども、ここで大きな被害に遭いましてで、その翌年、2005年の平成の大合併によって山古志村としては自治体としては消滅してまして、今は長岡市の山古志地域として成り立っています。で、実際に2004年の10月、地震の際には約2200人住民がいたんですけれども、きょう現在ですと約800人の村になっています。今は山古志の地域づくり団体の代表を山古志住民会議の代表をさせていただいています。
伊藤穰一:お願いします。では、次は林さん、お願いできますか。
林篤志:私は地方をベースに活動していまして、いわゆる限界集落とか日本の過疎地をフィールドにプロデュースするような仕事をしてるんですけども、数年前からこうポスト資本主義社会をどうやったら具現化するかっていうところでそれを実現できるのはどちらかというと都市じゃなくて地方なんじゃないかと。そちらの地方がさらにこういうクリプトみたいなものを文脈が加わることによって何か新しい世界がきり開けるんじゃないかっていうことを探求しながらやっているチームの一人です。
伊藤穰一:すごい面白いんで、また色々話聞かせてください。次は高瀬さんお願いします。
高瀬俊明:はい、よろしくお願いします。株式会社タルトの高瀬と言います。私は2016年頃からブロックチェーンを使ってですね事業開発に取り組んでいまして、現在はアーティストさん向けにNFTの発行支援等をやっているんですけれども、どちらかというと単純にNFTを発行するだけじゃなくてこう企画を一緒に考えたりとか、そこのプレーヤーと一緒にこうだったりクリプト絡めるとどんなことができるかっていうのを一緒に考えてプロジェクトを作っていくというような仕事をしています。
伊藤穰一:竹内さんはそもそも山古志住民会議これ作ったんですか?あるものに参加したんですか?そのきっかけって教えていただいてもいいですか?
竹内春華:私が実際に山古志の皆さん山古志地域に出会ったったのが、地震から3年目のちょうど山古志住民会議の設立の年で、平成19年から関わらせてもらっているんですけれども、仮設住宅の暮らしの中でも、ちょっとした土というか地面があると全部掘り起こしてお花を植えたり、そこにお野菜を植えたり、何で山古志に住んでいないけれども、絶対に山古志に帰るをっていう気概というかっていう気概ですかね。そういう相手に一人一人のアイデンティティというかっていうのがすごくあるなっていうのを配属された初日に感じまして。そこであのゼンマイっていうあの山菜が山古志取れるんですけれども、仮設住宅から40分車で運転して山古志行って山菜を取ってきてで、また40分運転して仮設に帰ってゼンマイを出るっていう時期が来たんですけど、ずっともう仮設住宅の鼓動がゼンマイで溢れていて、ずっと皆さん揉んでらっしゃるっていう、そのその光景を見た時にはかっこいいなっていうどんだけ近代的なとか暮らし辛いプレハブにいたとしても、本当に絶対帰ってやるとか、こうこんな格好いい人達を生み出した山古志の風土とか歴史とかっていう本当にすごいなっていうのを感じて、そこからもうずるずると山古志の方々に惚れ込んで今日に至ります。
伊藤穰一:実は、私も山古志村のNFTをけっこう早い時に買って平井元大臣と結構盛り上がったんですけども。なんとなく分かってるんですけども、そのNFTの発行だとかそれをどういう風に買ってどういうインタラクションになってるかっていう話をちょっとしてもらっていいですか?
林篤志:そうですね。まず山古志村っていうのが人口800人の本当に限界集落と言われているところで高齢化率もすごい高まっていて、言ってしまえば後このまま放っておけば消滅しかねないそういった村なんですけども、その村が人口が減っていく中でどう続いていけるかというふうに考えたときにリアルな世界で何か取り組むだけじゃなくてこうデジタルな空間に広がっていこうと。ましてや国内だけじゃなくて世界中に仲間を集めるってことできないかな?っていう風に考えた時にですね、ちょうどこのNFTというテクノロジーに出会いました。でデジタル村民って僕たちは呼んでるんですけども、住民票でしたり通常の住民票とはちょっと全然違うものなんですが、デジタル住民票という概念を作ってそれをデジタルと組み合わせながらNFTとして発行して今世界中の人たちにデジタル村民としてジョインしていただいてるっていうそういう取り組みをちょうど始めたばっかりです。
伊藤穰一:きっかけはどうだったんですか?この三人がどうやってこのアイデアまで持ってこれたっていうのはすごい話だと思うんですけどちょっと教えてもらっていいですか。
竹内春華:山古志の復旧復興のためになることは、もう住民の皆さんと本当にありとあらゆることを何が正解なのか、何が失敗なのかをわからないまま、とりあえずやれることはもう全部やろうということで、この十数年一緒に上がってきていただいた感じです。その中ででもまあありとあらゆることをトライアンドエラーを繰り返しているきたものの、2200人から現実としても800人になってるっていう現実は受け止めなきゃいけないところでして。ただ1日1日一歩ずつ進んできた中でそうですね。怠けることはなかったですし、住民の方で本当にやれることを全部やろうっていうふうにやってきたつもりだったんですが、結果は800人であれば、もうここで地域を作る山古志地域をつくるっていうのが住民であるという定義を変えて、山古志の価値観風土暮らしに共感する方々をゲストではなく、ホストとして山古志をつくる仲間として認めて、これからの山古志をつくっていきたい意向っていう風に思い始めたのがちょうど今から3、4年前ぐらいですね。ちょうど2年前ぐらいから山古志住民会議の中で住民の皆さんと企画書を作り始めてで、その企画書を持っていろんな広告代理店ですとか、システム系の会社ですとか制作会社ですとか回らせていただいてでクラスターさんだったりとか、任天堂ちょうどあの「あつもり」なんかが盛り上がってる時期だったので、あつもりのような山古志を体験できる空間作れないかなんて話でお話に行ったりとかしたんですけれども、なかなかマッチングできずにいましたね。どうしても諦めきれずに山古志ならではの仲間の証とか、私たちなりの憲法だったり、私たちなりの貨幣だったりっていうものをどうしても作りたいっていうので、林さんに相談を始めたのも、ちょうど今から2年前ぐらいでした。
林篤志:僕は全国その地方をフィールドに新しいテクノロジーを組み合わせて、例えば新しい自治とか新しい社会の構造を作れないかってことをずっと考えてる人間で。ちょうど10年以上前に知り合ったんですけども、久しぶりに連絡があってもうこのままじゃ駄目だと。もっと新しい段階に行かなきゃいけないんでなんか一緒にできないですか?ってなった時にいやなんかNFT使って何かできないかなと。でも僕だけじゃ技術的にも限界があるので高瀬さんの顔が思い浮かんだんですね。高瀬さんこういう話があるんだけどできないかな?っていうことをこうなんかだんだん繋がっていってこのチームでやってみようかっていう感じになりました。
伊藤穰一:すごく重要なコンビかなと思うのはやっぱりどうしてもまだNFTをただ発行してそれのお金で何かしようとか、例えば多分技術分かってなかったり地域分かってないとただNFTを発行してそのお金で寄付を募るみたいな単純な発想になるんだけども、やっぱりe村民の話だとかそれをジェネラティブアートにするとかそういうこうちゃんとひねりがあるプロジェクトがあるからまだなんか続いてるような気がするんだけども、何ですか錦鯉とかなんかその辺のクリエイティブプロセスの話で、これ村民も含めて入ってるんですか?それともこれはもうアーティスト側の企画チームですか?
高瀬俊明:今回発行しているNFTはですね、2名のアーティストさんにアートワークを提供していただいてNFTを発行しています。1名はおかずさんという方でもう1名がですねグラフさんという方の作品を出しています。NFTはやっぱりアートワークとして楽しんでいただくっていうところもあるのでそういった見え方として作品をご提供させていただきながら、ウェブサイト上でリロードをしてたくさんの色彩だったり模様を楽しんで頂きながら回っていくというような形になりオンライン上でアートを買っていただくとそのままディスコードに入っていただくことができて、デジタル村民たちの交流に触れていただくことができるというような仕組みになっています。
林篤志:これやっぱ面白いのが、本当にこう最先端の取り組みを高瀬さんのような知見も得ながらやりながらでも地元の人たちはNFTって何っていうところから始まって、デジタルアートってなんだっていうとこから始まって、でも彼らにとっては錦鯉ってある種地域のアイデンティティなんですよね。それがこうそういう形でこう新しいものに昇華されていく中ででも結構地域の人たちもいや錦鯉の形はこうだからとかそういうこう意見が入りでもジェネレイティブアートとしてはこういう風にアーティストと組んでやっていくんだよみたいなこういい意味での衝突とかお互いの学び合いみたいなありながら生まれてっていうのがこう見てて面白いなと思って。第1弾と第2弾で意見は分かれましたよね。俺は第2弾の第2位とかいや第1弾のがいいとか。
伊藤穰一:あれ公表してるかどうか分かんないけどもどのぐらい売れたんですか?
高瀬俊明:1500ぐらいですかね。NFTが販売しまして、でやっぱり第一弾と第二弾と二回に分けて販売をしていて、アートワークでも全然こう特色が違うので、買って頂いてる方たちも全然違うなという感じです。
林篤志:ホルダー数で言うと870以上なので面白いのがリアルに山古志村に今住んでいる住民が800人なんですよね。超えてしまったんですよね。デジタル村民で。
伊藤穰一:リアルな村民の反応はどんな感じなんですか?
竹内春華:そうですね。ちょうどリアルの山古志にデジタル村民です。帰省しました、帰ってきました!なんて言う人がここ最近ちらっおられてその人たちとお話をリアルな住民の方が来ている中でデジタル村民って何?って言いながらも、ああおかえりおかえりありがとう山古志来てくれてありがとうっ感じで最近それまではデジタル村民ってなんぞやっていうおじいちゃんおばあちゃんが多かったんですけど実際にリアルに足を運んできてくださる方が多くなって体感しながら僕たちの私たちの仲間なんだっていうのが最近は少しずつ増えて。
伊藤穰一:僕も自分のツイッタープロファイルになんかデジタル村民とか書いてて、ちょっと今日はどういう意味なんですか?ちゃんとと聞いとかなきゃと思って
林篤志:リアル村民にもやっぱレイヤーがあってまさにそのおじいちゃんおばあちゃんたちは体感的に来た人達と触れ合うことでなんか実感が湧いていく一方で、リアル住民の中でもこのNFTを一生懸命理解をしようとして一緒にこのプロジェクトを作っているチームなんかは、自らNFTをメタマスク入れてを入れて今回そのプロジェクトでは集まったNFTの売り上げをべースにプロジェクトメンバーを選出してですね、プロジェクトを今動かして、さらにどのプロジェクトを動かしていくかっていうのをみんなで投票したんですけども、その投票もリアル住民の一部の方も投票していただいたということで結構そこら辺はこう融合しつつあるのかなっていう。
伊藤穰一:ディスコードにもリアル村民は入ってるんですか?
竹内春華:一生懸命英語とジェネラルとかにもみんなおじいちゃんお兄さん方も頑張って写真とか今日の天気だよ〜とか今日の錦鯉だよ〜とかUPするようになりました。
伊藤穰一:今後、どんな感じで広げていこうと思っているんですか?
竹内春華:こんな800人の小さい村なんですけれども、私的には多分こう。何回も何回もアップデートされてきた土地なんだろうなっていうのを感じていて、色んな外的スパイスが入ってアップデートしていくっていうのが繰り返されてきた土地なんだろうなって感じてるんですけども。で、その最後のでっかいスパイスが中越大震災だったのかなって思ってるんですが。で、それで確実に山古志の方々、こんな田舎ですけど、屋外の方から地震をきっかけに、今いろんな方々が入ってきてで、その方々を交流コミュニケーションだったり、交流することによってまた新しく生まれ変わっていったところに、今回のこのデジタル村民の方がNFTの取り組みっていうのが、また新しくスパイスとして今後の新しい山古志を作っていくアップデートのきっかけになってるような気がしています。ので、葛藤ももちろんありますし、リアルの暮らしとどうしてもweb3というか。デジタル系のスピード感とか全く文化も違いますし、本当にカルチャーも違いますし、文化も違う、スピード感も違うっていうのはあるんですけれども、それでも葛藤しながら、お互い摩擦を起こしながらも融合をしていきたいなと思って。山古志だけではなく、まずは山古志なんですけども、山古志のように自身ではないけれども、過疎高齢化だったり、全国どこでも課題を抱えていると思うので、ぜひ一緒にトライして私たちの失敗とかっていうのもぜひお伝えしたいですし。皆さん中。山間地で頑張ってる地域の方のためにも進めていきたいなと思っています。
伊藤穰一:山古志の話、僕も含めて聞いて今DAOとかふるさと納税どうしようかとかいろんなアイデアの中でみんな山古志の話で何か想像力が活性化されて、今国の方でも岸田さんのところからweb3をもう少しこの成長戦略に入れて次の資本主義はこうだよねみたいな話で結構実験をしたいっていう話で。でもう少しそのDAOみたいな組織化とかトークンの発行とかってどうのこうのって話ずいぶん出てるんだけども多分実験やりたいって言ったらなんかいろんな一緒にやりたい人たちいると思うんだけども。ただ、そのそもそも村民がついてこなかったらできないと思うんだけどその辺どうなんだろうね。
林篤志:これ面白いなと思ってるのは今までの例えばまちづくりとか地方創生みたいなっていうのはそこに住んでる地元の人たちが主体で周りの例えば関係人口という表現があるんですけど周りの人間はどっちかって言うとサブサポーターっていう、そういう種々な関係あったんですけど、このなんかデジタル山古志を通じて起きてることっていうのはどっちも主なんですよ。どっちがサブでどっちが主でっていう関係ではなくて、それぞれが主ででもそれがいい意味でなんかこうお互いを影響し合って物事を動かしていくっていうのが今起きているんですよね。DAOみたいなキーワードも今山古志DAOっていう表現を使い始めたりしてるんですけど、つまり例えば山古志村だって放っておけば消滅してしまうかもしれないし日本の他の自治体だって2040年までに半分なくなるって言われてるんですよね。だから既存の枠組みでそもそも物事を考えていくと未来がないんだからそこを拡張してそれこそDAOなんですけど、でその地域を存続させていくっていうことが結構必要不可欠になってきてるんだなっていうのをなんていうかな、リアルな住民の人たちも真剣にその地域の未来を考えているとあんまりそこに対する抵抗感がないっていうのがなんかやってて感じることですよね。
伊藤穰一:そういう意味でいうとなんとなくうまくいってるけど暇だからそういうのをやってるのと違って本気で何かやらなきゃいけないっていう村だとやっぱり違和感逆に少ないのかもしれない。そういう意味で言うとその今存在してるなんか規制とかそういうのでなんかやりたいけどできないものってなんかあります?
高瀬俊明:やっぱりこう今回新しい概念として山古志をDAO的な概念として動かしていくって中で、やっぱりじゃあDAOっていう組織が日本の中ではどういう風に位置づけられるのか?っていうのはまだまだ未定義な部分ですし、じゃあ今回NFTを販売して収益を獲得したんですけども、それを地域のためにどう使うかあるいは今回のDAOのプロジェクトの中でどう使うかっていうときの税制の在り方とかそういったところで、法人のあり方と税の在り方とか資金管理のあり方とかそういったところがしっかりと国と合わせて議論をしていけるとよりやり易い環境ができてくるのかなとは思いますね。
伊藤穰一:そういう意味でNFTとかトークンとかだってコラボレーションしやすくなるはずだよね。 林篤志:これはすごい面白いですよね。だから本当にこのチームがそうであった通り、全然違うセクターがコラボレーションしていかないと本当にできなくて、それこそ竹内さんみたいにどっぷり地域側に張り付いている人間とどちらかというと、僕みたいなブリッジ役と技術分かる人っていうところがうまくつながっていて、グローバルなマーケットもある程度ちゃんとフックさせながら、ちゃんとこのローカルにこう浸透させていくっていうことが今も見てて思ってるんですね。で、例えば今回、ゴールデンウイーク中もめちゃくちゃデジタル村民が山古志に帰るんですよ。帰るって言うか初めて訪れるんだけど、何かみんな帰省したお帰りですよね。それが何かこれまでとは違って、やっぱりあの錦鯉のデジタルアートが彼らのアイデンティティを強化してる感じをするんですよね。それはすごい面白い初体験の感覚です。
伊藤穰一:このまんま、これ盛り上がっていく感じはしますか?
林篤志:やっぱり課題はもちろんあるんですけども、その山古志っていうものを切り口にもしかしたら日本全体の地方、結構今回の山古志のこのプロジェクトがきっかけにいろんな地域からうちでもやりたいとか一緒にやれないかっていう話が出てきてるんですけど。だから山古志がやっぱりファーストペンギンとして走っているこのノウハウとかもしくは課題みたいなものを共有しながら何か日本全体にこの流れっていうのをうまくグローバルと接続しながらやれるとなんか面白いなっていうふうに思っています。
伊藤穰一:逆に課題っていうか難しいのはどこら辺ですか?一番乗り越えなきゃないけないところは?
高瀬俊明:ただ運用のところがけっこう大変になってくるかなと思っていて、こう色んな海外の方、英語圏の方、今回だと中国語圏の方とかが入ってきていただく中で、言語っていうところもありますし、NFTの文脈クリプトの文脈ってどんどんどんどん日進月歩ですぐ変わっていくのでそこをキャッチアップしながら、でもローカルなことが分かる人もいなきゃいけないっていう今回運用していく中ですごく難易度が高いし色んな知見を持ってる人たちがいないといけないのでそこのチームのビルディングが結構課題になってくると思いますね。
伊藤穰一:短期的に結構そういう人材不足で僕の知り合いもコミュニティマネージャーをこないだ探してて、何か誰か若い人いないの?って17歳のやっぱり英語なんだけど17歳の子が年俸3000万円で利益の2.5%が欲しいとか言って、そんなのいやちょっと忙しいんだとかもしあれだったら他ありますのでって言って。今人が足りないんだよね。だから結構そういうプロジェクトのみんなでやっぱりコミュニティマネジャーとかコミュニティを作る人たちが今圧倒的に足りないのでやっぱり技術者だよね。だから案外そういう足回りのところがプロジェクトを愛してる技術者とかコミュニティマネージャーも育たないと大変だなって僕もいろんなプロジェクトを一番そこがあったりするんですよね。
林篤志:そうなんです。でも、やっぱりあこの人も入ってるのっていうすごいこう面白いプロファイルの人というかあのー、誰もが知ってるような人も入れてる。入っていて、彼らうまく巻き込めるといいなって思いますよね。
伊藤穰一:やっぱり格好いいよね。みんなを思って何か僕もこないだ。平井さんとパネルディスカッションしたら、やっぱりお互い自慢し合ってたからね。
林篤志:全然繋がりがなかったのに、NFT持ってるだけで持ってんのを見て育った土地でいきなりシンパシーが生まれる。あの体験が面白い。
伊藤穰一:結構NFTコレクターも、それがあるんだよね。いろんなNFTの波を見ててもこう。やっぱり誰かが持ってて、その人を格好いいと思う人たちが持ってコミュニティができて、それで流行る。やっぱりアートねっても結構多いのでで山古志村の話ってストーリーがすごいいいから、日本の本物のことに繋がってるっていう気持ちもあるので、やっぱり外国も今、日本のなんちゃって日本の文化がやってるんだよね。結構、NFTプロジェクト見てても日本のルックなんだけども作ってるデザイナーは日本人じゃなかったりするので、やっぱり何回この本物が日本と繋がってるっていうのは結構いいんじゃないかな。
林篤志:その文脈は今後意識していきたいですね。やっぱりグローバルでのアクセスっていうところで、これ課題の一つなんですけど、やっぱり不十分だなっていう風に思っているところではありますね。
伊藤穰一:日本代表でっていうのは、その地域の話みんなするけれども、地域の声ってあんまり直接出てないので、これをきっかけにうまく。表現をしてもらえれば。
林篤志:さっきのコミュニティーマネージャーが足りないっていう話とあったのと。例えばDAOとかブロックチェーンみたいなものが基本的には例えば国家とか今の既存の体制から少し距離を取っていく流れになりがちなんですけど、僕はここの部分に関しては、例えば日本の自治体とか日本の地方みたいなものっていうのが、やっぱり積極的に絡んでいくって言うか、政策立案も含めてやっていくっていうのは必要だな。っていう風に思ってて。でJoiさんも前に言ってたと思うんすけど、例えばクリプトビザみたいなもうどうやったらそれを法的にもうまくシンクロさせて優秀な人材を地方に引っ張ってくるかっていうところの何かそういった流れのきっかけを作れたら、面白いなっていうのが山古志の事例なんか見てて思いますね。
伊藤穰一:ずっとDIGITAL田園都市国家構想とか言っててでも、これがまさにそれだと思うんでね。トップダウンじゃなくて、ボトムアップで行って。で、みんなが同じことをするんじゃなくて、これをきっかけになんか新しいアイディアが出てくるとすごくいいと思うんで、そういう意味でも他の人たちに勇気付けて、でもその村でしかできないようなものが何か生まれてくると思うんだけどね。
高瀬俊明:あとは多分コミュニティの中でもこうデジタル村民の方たちに関わっていただく余白みたいなのも結構あると思っていて、今も実際にNFTの売り上げをベースに各プロジェクトに予算を振って、その採択された。プロジェクトのリーダーの人たちが今進めていってくれてるところなんですよね。で、そこにいろんな人たちが関わっていただくこともできると思いますし、チームの中には完全にリソースが足りてないので、積極的にこんなことをやりたい。あんなことをやりたいっていうのが出てくれば、それをみんなで盛り上げていこうって空気感があるので、そこはアイデアを待ちたいし、一緒にやりたいという人はぜひ来てほしいですね。
伊藤穰一:今後のロードマップはありますか?
林篤志:Joiさんが言ってくれたのにちょっと近い部分はあるんだけども、山古志っていうこうリアルな日本の原風景みたいなものをベースにして、どうグローバルマーケットにアクセスしていくかっていうところが大きな課題だと僕らは思っているんですね。で、今実際、こうmint数が1500。もともと1万NFTを発行してるので、やっぱそれぐらいは行きたいなっていう風に思ってるんですねでそうなった時に山古志っていう一つの切り口だけではなくて、リアルな日本に山古志を介して繋がっていくんだよっていう拡張的な展開ってあり得るんじゃないかなっていうふうには思ってるんです。つまり、海外の人たちが薄っぺらい。表面的な日本ではなくて、リアルな日本の文化っていうものにアクセスできるようなDAOコミュニティ。そして今日本に住んでいる。例えば、デジタル村民は、例えば今回、実際に山古志に行ってブログ書いたりとか、ドローンで撮影したりとか翻訳をしたりとかってやってくれてる訳ですね。で、むしろ海外に向けて村民自体が自ら発信をしていく。そういった彼らに対してもインセンティブを与えられるようなエコシステムまでに成長させていくっていうのが次の展開。それがこう見えた段階で第3弾第4弾というところのセールに展開していきたいなっていう風には今考えてます。
伊藤穰一:本当にすごい面白い話皆さんありがとうございます。 全員:ありがとうございました。よろしくよろしくお願いします。