2010年9月 Archives


写真:Grant W. Graves


すでにツイッターストリームFacebookFlickrAproxymatorでご存じかもしれないけれど、僕は最近、ダイビングにかなり入れ込んでいる。

そもそもの始まりは4月のSkoll World Forumの間にエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火して、Lisa Katayamaと僕とがヨーロッパで立ち往生した時だった。そのときはLisaのお母さんに「Lisaのことをよろしく」と頼まれ、調べるとLisaにとってはドバイ経由で抜け出すほうが安上がりになることがわかった。ちょうど僕もドバイで、仕事でLisaの兄弟のYushiに会うことになっていたので、ロンドンからパリ経由でドバイに移動する時にLisaと同道したわけだ。

ドバイにいる間、LisaがBoing Boingの記事にかけるような題材を探していた。いつも様々な新しいものとの接点を提供してくれるRamaに紹介したところ、Ramaから驚くべき話を聞かされた。ガザで自宅が爆撃を受けた時に両脚を失ったKhalilという名の16歳のパレスチナ人の少年がいて、その彼にスキューバダイビングを教えているとのことだった。いい題材になりそうだったのでLisaがインタビューを申し込み、僕はカメラマンとして同行した。(Lisaがこの件をBoing Boingのいい感じの記事に仕上げている。)

レッスンを見る中で、学習とエンパワーメントということについてあれこれ考え、また僕自身、リゾート地でスキューバ体験系のレッスンを何回も受けてはきたもののライセンスは取っていないことも思い出した。また、ドバイにいる親友のうちの二人、RamaとMahmoudがダイビングのインストラクターであることも判明した。そういうわけで、次にドバイに行った時に、MahmoudにPADIのオープンウォーター認定のインストラクターを担当してくれないかと頼み込んでいた。

2人で短期集中の特訓をして、7月に認定を取得できた。印象的だったのは、PADIシステムの仕組みの優秀さだ。受講者はすべての内容を覚えたほうがいいのは当然だけど、レッスンは楽しく、効果的で、柔軟なものだった。勉強のかなりの部分を、よく作り込まれたEラーニングシステムを通じてオンラインで学ぶことができた。課程全体として、動画とテキスト、音声、教官との対面講習、プールと開水域での実践的な体験の組み合わせがすばらしかった。学ぶ過程がとても楽しく、報酬システムもよく練られたものだった。

すっかり夢中になった。

PADIのオープンウォーターライセンス取得後、オンラインで受講可能なEラーニングは全て受けて、ドバイにいる時は必ずダイビングのセッションを予定に入れた。8月にアドヴァンスライセンスを取得して、どこにいようと空いた日があればダイビングをしてきた。学ぶことの楽しさもあり、ダイビングの楽しさもあり、屋外に出る口実でもあり、集中して取り組むことで短時間ながら仕事モードから切り替えられるといったこともあり、総合的に見てとても有益な組み合わせだと思った。World of Warcraft的な達成システムであるというところも僕には馴染みがあったしな! ;-)

すぐにわかったのは、若干複雑な方法にはなるけど、複数のインストラクターに担当してもらって講習内容を分割することも可能だ。

ロスへの移動中に、ツイッター仲間の面々に、ロスにいるいいダイビングインストラクターを知らないかと尋ねてみたところ、多数の返答をもらった。@desparozが返信をくれて、Grant W. Grave(@bigblueplanetLinkedIn)を紹介してくれた。今では僕のヨーダ師匠的存在となっている。

Grantの助けで僕はエンリッチエアー(ナイトロックス)ダイビングのライセンスを取得できた。これはより高い酸素分圧での潜水を可能にして(窒素の吸収量が減るために)潜水時間が長くできるほか、ダイビングの翌日に飛行機に乗ったときに減圧症を起こしてしまうリスクを若干減らせるというものだ。最近は2回に1回の頻度でナイトロックスを使って潜っている。これ以外にもGrantと共に潜水時緊急管理(Diving Emergency Management)、AED、EFR(Emergency First Response=緊急時初期対応)/心肺蘇生/応急処置/小児への対処、海洋生物由来の負傷、酸素投与と応急処置、潜水時緊急事態スペシャリスト、ドライスーツ・ダイバー(寒い気候でのダイビングにとても便利)およびレスキュー・ダイバーの資格を取得できた。

インストラクターのネットワークをさらに広げて、シンガポールでMahmoudとStephenと一緒に仕事をしているErnstにも加わってもらい、彼の指導下で先日、ナショナルジオグラフィックのダイバー認定を取得した。

つい先日、ダイブマスター・コースの訓練を開始した。これはインストラクターおよびリーダーになる方法を学ぶ、いわば「プロ」系課程の第一歩だ。教え方について教わる中で焦点でもありとても興味深いことが、柔軟性を持つということ、ダイバーが学ぶ手助けをすること、持続的で手助けとなるような評価を行うこと、安全面の管理、および学習する側の自尊心と安全をサポートすることだ。もっと多くの学校がこのような優秀な仕組みになっていればと思う。これまでのところ、PADIおよびダイビング愛好家のコミュニティ全体にはとても感心している。ダイビングは、素晴らしいホビーであり僕にとって写真での探究の新たな一章であると同時に、学べていることの非常に多くが、ベンチャー投資、ベンチャー指導、オープン教育、他、僕の仕事に応用できるところがある。

この話題を今までブログに書かなかったことを申し訳なく思っているんだけど、いつどこで書こうかと迷っていたんだ。ダイビング関連のことは、メインのブログに書くには向かないほど詳細になってしまう可能性があり、そもそも「派生物」的なものでもあるので、ダイビング関連のことは新たにブログを立ち上げてそっちに投稿することにした。

ダイバーの皆さんや、ダイバーになりたい方、ダイバーになる方法について詳しく学びたい方は是非そちらへどうぞ。

Bamboo thicket
Bamboo thicket on Aproxymator

訳 gt: 僕は、アジャイル開発についてと、最低限使えるレベルの製品(minimum viable product: MVP)を作るまでのスピードとコストが削減されたためスター トアップ・シーンが完全に変化しつつあることについて、ずいぶん話をしてい る。僕は自分のファンドとポートフォリオの会社についてPivotal Labs社とい っしょに仕事をしていて、最新手法から絞り出したベストプラクティスに基づ く彼らの援助によって、いくつもの僕の会社が稼働・運営されている。

Pivotal Labs社のCTOのIan McFarlandは最近、アイルランドのHyperTiny社と いう小さなショップについて興奮した様子の電子メールを送って来た。もし Pivotal Labs社がジェダイマスター達の高等評議会だとしたら、HyperTiny社 は辺境の地に居る2人の若いジェダイにあたる。Ianは、HyperTiny社のPaul(開 発者)とBrian(デザイナー)と共に最近プロジェクトをひとつこなしたところ で、彼らはIanのためのMVPを2週間で作り上げた。

僕は、デザイナー1人と開発者1人が完璧なテストドライブ型開発(Test Driven Development: TDD)のコードを書き、Pivotal Trackerを基にしたコー ドが数週間でRails 3製品のスーパーコードとなるというアイデアに魅了され た。これはまったく納得できることだけれど、僕は自分自身の目で見てみたか った。そこで、僕がアラブ首長国連邦(UAE)に引っ越してからずっと頭痛の種 だった問題をいじってみるために、HyperTiny社に関わることにした。

UAEでは、残念なことにFlickrはブロックされている。Flickrにアクセスしよ うとする人々は、「その行為は安全ではない」という無意味なスクリーンを ISPによって見せられることになる。僕はこのブロックを外そうとしていたの だけど、それに時間を費やしている間は、僕のUAEに居る友人達は誰1人とし て僕がFlickrにアップした写真を見ることができないでいた。僕はずっと、自 分のFlickrの写真をミラーするサイトがあって、Flickrの機能のほとんどをそ こで持つことができないかと思い続けていたのだ。

僕は、PaulとBrianと、数年にわたりFlickrのAPIをいじり倒して基本的なフィ ーチャーセットを洗い出したFreesouls.ccの友人Christopherとに、この件に ついて話をした。僕たちはSkypeで打ち合わせし、Pivotal Trackerにすべての フィーチャー(ストーリー)を流し込んだ。みんなでSkypeにいる間に、僕は GitHubのリポジトリーとEngine YardアカウントとAmazon Web Services (AWS)アカウントをセットアップして、ドメイン名(Aproxymator)も決め、スタ ートしたのだ。

その後は、僕たちは2~3日ごとにSkypeでコンファレンスコールして、出来上 がったフィーチャーを一通り使ってみてフィードバックを返し、それらを繰り 返しつつ新しいアイデアを考えていった。Paulは僕たちがコードを洗って行く のをガイドし、テストがどのように動いたかや、どのように分解し再構成した か説明して、僕たちがやるべきことに集中できるよう助けてくれた。これをや っている間に、僕はSeanとAdoとJimとJamesとKuriさんを仲間に引き入れた が、それはRails 3のチュートリアルに変化していた。

1ヶ月後(実際にはPaulとBrianの時間の3週間分)、僕たちのもとには稼働する サイトが出来た。とはいえ、サイトはまだ僕の必要性と他の誰かにも使いもの となる、はかないサービスに辿り着く途中でしかない。僕は、さらにこれに頭 を使わなければならないし、マルチユーザー要件について繰り返すことを続け るのか、それとも僕自身にとってもっと使い易くすることに焦点を当てるのか を、見つけ出す必要がある。

今の所このサイトは、あなたのAWSアカウントを入力して、あなた自身の Flickrフィードのバックアップとミラーするサービスとして使う事ができる。 このサイトには僕たちがまだいじり続けている基本APIがいくつかある。現在 ではChristopherがコードを引き継いでいるが、Pivotal Trackerにすべてのス トーリーが入っていることから、すべてのテストは適切に行われドキュメント もすべて書かれていたので、この移行はめちゃくちゃ簡単に出来た。

この開発から僕が確かに解ったといえる事がある。それは、HyperTinyのよう なデザイナー1人とエンジニア1人のショップ(あるいは彼らのようなショッ プ)と一緒の作業でMVPを得ることができ、彼らは開発チームをブートストラッ プして、他の開発チームへコードを移行することもスムーズにできるように支 援するのが可能だということだ。僕はこの目で見たから、ホントの話だよ。