Joi Ito's Podcast - 変革への道

テクノロジーに精通しているだけでなく、サブカルチャーやネットカルチャーにも詳しい伊藤穰一。 かつて、マサチューセッツ工科大学(MIT)の研究所メディア・ラボの所長も務めた伊藤穰一がさまざまな人物を巻き込み、「これからのニッポン」を考え、どう変革していくべきなのかを議論する新しいポッドキャストがスタートします。 番組には、伊藤穰一のネットワークを通じて、世界中から様々なゲストが出演。 また、解説者として、メディア美学者である武邑光裕氏が登場し、デジタル社会の大局的な指針を伊藤穰一と共に掘り下げていきます。 議題となるテーマは毎回その時に注目されている話題や、伊藤穰一が気になっているテーマをピックアップ。 伊藤穰一の頭の中をそっくり丸ごとお届けしていきます。是非、お楽しみください。

今週は、web3の金融についてお届けしました。

分散型金融Defiを立ち上げたCegaの豊崎亜里紗さんをお迎えし、スタートアップ立ち上げから資金調達にいたるまでの舞台裏や、日本の規制などさまざまなお話を伺いました。Cegaでは、Solana 上のDeFiアプリケーションとして、オプション取引やスワップ取引などのデリバティブ(金融派生商品)を組み込んだ、より高い金利のリターンを出せる仕組債に近い商品を提供していくそうです。3月8日には、シードラウンドで約5億円の資金調達を行なったことでも話題となりました。


編集ノート

編集ノートには用語や固有名詞などの意味や内容をまとめています。また、ETHアドレスの取得方法やNFTの確認方法についても、まとめています。ぜひご参照ください。


JOI ITO 変革への道 - Opinion Box

番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、伊藤穰一への質問があればぜひ投函ください。先日からイーサリアムのアドレス記載欄も設けました。

特に番組に貢献したリスナーには番組オリジナルのNFT会員証をプレゼントしています。


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Podcast Transcript

  伊藤穰一: こんにちは伊藤穰一です。今日は豊崎亜里紗さんとweb3と日本の規制の現状についてお話したいと思います。

  伊藤穰一: 亜里紗さんはCegaっていうDefiの会社を立ち上げたアントレプレナーです。そして今日、彼女からいろんな話を聞きたいんですけども。亜里紗さんよろしくお願いします。

  豊崎亜里紗: よろしくお願いします。

  伊藤穰一: 亜里紗さんでいいのかな?豊崎さんの方がいいですか?

  豊崎亜里紗: 亜里紗で大丈夫です。はい。

  伊藤穰一: まず亜里紗さん。Defiって何なのかっていう話とちょっと自分の会社の説明をしてもらってもいいですか。

  豊崎亜里紗: あはいわかりました。初めまして豊崎亜里紗と申します。Defiっていうのは今、web3の中でおおまかにNFT系のプロジェクトとあと金融系のプロジェクトに分かれているんですけれども、従来の金融商品でしたり金融の仕組みみたいなものを分散型システム上で作るという動きがDefiになります。Decentralized Financeの略がDefiになります。その中でもCegaっていう私が始めたプロトコルは仕組債という債券のような商品をオプション取引とかを実はその下で行っていて、より高い金利のリターンを出せるような債券っぽい商品は日本でいうと仕組債っていう商品を作っています。

  伊藤穰一: それで亜里紗さんそれを始めたきっかけとか、モチベーションはどこから来るんですか?  

豊崎亜里紗: そうですね。もともと大学のときにコンピューターサイエンスを専攻していたんですけど、そのときにすごい新しいテクノロジーだったりとか。こう世の中のスタートアップにすごく興味を持っていて。でただそこに最初入らずしばらく外資系の金融でトレーダーとして働いてまして。で、そのときに仕組債という商品を主に扱ってましたね。まあクリプトがそのときにすごく伸びているのを見てで私の扱ってる商品の利点だったりみたいなところが、まだクリプトの業界になかったのでそれをいつか作ってみたいなと構想に2年くらいかけまして。で今年やっと市場のオプションの流動性だったりとか、あとクリプトがそのマス向けにもっとを捉えられてきたなっていうのを見て、タイミングがいいのかなと思って起業しました。  

伊藤穰一: なるほど:それでこれは日本で立ち上げなかったって聞いたんですけどもそれは規制のせいなのか、その理由を少し説明してもらっていいですか。  

豊崎亜里紗: そうですねいくつか理由があるんですけど主にふたつ理由がありまして。ひとつはやはり金融商品っていうモノはかなり規制が厳しいので、特にデリバティブを扱っている商品っていうのは世の中ですと結構やっぱシンガポールだったりとかあとはヨーロッパの諸国でしたり、あとはやはり結構離島だったりそういうところで出している会社がほとんど。っていうのともう一つはやはり税金上の理由で今結構クリプトの税制だったりとかクリプトに対する見解が、日本だと特に厳しいので海外で立ち上げることにしました。  

伊藤穰一: そしたら日本で規制が緩和されて税金が普通になったらもしかしたら、戻ってくるかもっていうのってありえるんですか  

豊崎亜里紗: そうですね。個人的には日本人なので、日本が大好きでなるべく日本には住みたいんですけど。やはり今のこのムーブメントで最大限の生産性を出すためには海外に行った方がいいのかなと思いました。  

伊藤穰一: なるほどそれでもうちょっと会社について聞きたいんですけど。そのプロトコルであるっていう風に説明してるんだけど、プロトコルでここはどういう意味ででどうしてプロトコルっていう言葉を使ってるのか教えてもらっていいですか?  

豊崎亜里紗: あっそうですね。えーとプロトコルって結構バズワードだと思うんですけど、クリプトのプロジェクトってだいたいプロジェクトっていう呼ぶこともあればプロトコルと呼ぶこともあって。ただカンパニーとはあんまり呼ばなくて。で、理由が、その場その下部とか今までのこう中央集権型な会社の運営方法だとエクイティが投資家に配られてそのエクイティにこう価値がどんどんできてくるっていう考え方だったんですけど。今って分散型の管理方法になっていて、それで、社員とかもその社員という形ではなくて全員その契約社員だったりですとかあとはほんとにもパートタイムアルバイト感覚でその私たちのプロジェクトに対してContributeができる形となっているので、どちらかというとこのプロジェクトに対して興味ある人達が誰でも参加できるようにプロジェクトプロトコルっていう風にみんなクリプトのプロジェクト、クリプトの会社っていうのはそういうふうに呼ばれてます。  

伊藤穰一: でも株主はいるんですか?PUREのDAOとかプロトコルって株主もいなくて完全に小コミュニティーだけでやってるようなのと、その間とかあるんですけども、そのへんはどどうなんですか?  

豊崎亜里紗: 株主みたいなカチっとした、分け方だったりその価値の提供のし方っていうのはないんですけれども、プロトコル、ま、プロジェクト単位で発行しているトークンみたいなのがありまして。で、そのトークンっていうのは要は仮想通貨なんですけど、その仮想通貨に対してバリューがどんどん載せられるっていう形の運営方法を行っていますね。そのトークンは出すプロトコルと、出さないプロトコルがあるんですけど、それが一番その株主っていう形に近いバリューの提供のし方なのかなと思っていて。でトークンと株の違いでいうと、株って買わなきゃいけないんですけど、トークンって例えはそう我々のプロジェクトに対してめちゃめちゃそのTweetをしてくれたりですとか、めちゃめちゃ何か私たちのエンジニアがんなかった部分に関してアドバイスをしてくれた人とかに対してありがとうっていう気持ちを示すために、そのトークンをお支払いすることができるのでまあ流動性がより高い株みたいな形で考えていただければいいかなと思います。  

伊藤穰一: そうですよね。何か、最近アメリカで結構Memeになってるのがやっぱり今までの資本と労働の境目がなくなってきて。で、さっき言ってたそのファンとかお客さんとかアルバイトの人にもトークンを発行すると株主でもあり、でも流動性が高いから報酬でもあり。っていうのですごくそういう意味で今までのそのCapitalismのこの貧富の差がもしかしたら下がるんじゃないかなっていう風に議論してる人が結構面白いなと思って聞いてるんですけど。  

豊崎亜里紗: そうですね。確かにそこのCapitalismの差っていうのがすごく変わってきているなと思っていて。何か今まではコンシューマーとコーポレート側ってこうクリアに分かれていた。ところが今って実際にそのマーケティングもコミュニティードリブンでしたり労働も何かで全部その100パーセントをフルタイムとして働くんではなくて。本当にどれくらいコントリビュートしたかによってもらえる対価が変わってきたりですとか、あとはもうほんとにカスタマーとしてたくさん使っている人にAirDropっていう形でトークンを、そのほんとにこの感謝の気持ちとして配布したりとかしてよりそのコミュニティーがユーザーでもありコントリビューターでもあるような仕様がすごい見えてきてると思ってます。  

伊藤穰一: そうでね。だからなんとなく僕も2016年17年18年ぐらいいて、ICOでトークンで何か詐欺師みたいな変なのがいっぱいあって。結構あのトークンってすごい悪いブランドになってたもんだけども。最近亜里紗さんみたいにトークンを使っていかにフェアにするかっていうプロジェクトが増えたのにも関わらず、なんかそのイメージがまだ一部の人の間ではすごく悪いので、これを早く改善できたらいいなと思って一生懸命僕も言ってるんだけども。ただやっぱりそのネガティブなのって消えてはいないんだよね。何かこれも僕思ったんだけども、スパムなんかでも今はだいぶ減ってきたけども、一時期ほとんどのメールがスパムだったけれども、それをフィルターして使ってるわけなので、やっぱりトークンもインチキなのがあるけれども、インチキなのがあるからって言っていいのさせないっていうのってすごく間違っていて。インチキなやつを区別できるようなインターフェイスとかルールがなきゃなと思って思っていく中で、亜里紗さんみたいな人が海外に行っちゃうから、日本でポジティブな事例、ま、でも日本からトークンは買えるんですよね。今度、僕も今ファンドを立ち上げる準備してるんだけども投資家としては日本から普通に買えるのでプロジェクトでトークン発行したり売ったりするのはいろいろ規制あるけども、株主としてできる。なのでやっぱり日本人にもわかりやすいこのトークンの話ももう少ししなきゃなっていう風に思ってるんですけども。  

豊崎亜里紗: そうですね。何か発行が難しいっていうのは本当に日本のアントレプレナーたちにもったいないなっていつも思っていてね。やはり、今のweb3のあり方っていうのは結構トークンありきでいろいろ成り立っているので。そこにその日本人が踏み出せないっていうのはちょっと悲しいなって思いますね。あとはさきほどJOIさんが話していた。えーっとちょっとインチキもあったりですとか何か怪しげなトークンが出たりっていうのは確かには確かに。あるんですけど90年代のインターネットバブルとか見ていてもやはり何かどうしても新しい業界が出始めるときっていいプロジェクトも悪いプロジェクトも混在しているのでその中でもちゃんとこうゴールをもっていいビジョンをこう貫くことがすごい重要なのかなと思います。  

伊藤穰一: そうだよねあとはいい人がやるっていうのは大事だよね。いい人の方がいいことになる可能性が高いので亜里紗さんみたいな真面目でちゃんといろいろ考えてくれてる人がアントレプレナーになってRole Modelになるとすごくいいなと思うんだけども。なんか最近あのEth Denverとかに行って、たぶんこのコミュニティーの中でリクルーティングもしてて僕よりもたくさんweb3ネイティブと会ってると思うんだけども、今、どんな感じ?あの昔から知ってるけど最近の子たちが何かなんとなく雰囲気は変わってきたような気がするんだけど。亜里紗さんどんな印象なんですか。  

豊崎亜里紗: やはり私も5年前からけっこうクリプト界隈には顔を出していて。かなり雰囲気は変わったと思いますね。今だと特にネットワークどのチェーンの会合とかに参加するかによって、かなりそこのデモグラが違うなと思っていて。例えばBitcoin系のカンファレンスだと、若干年齢層が高めだったりですとか、どちらかっていうとトレーダーがすごく多いイメージで。イーサリアムのカンファレンスとかだと本当に10代後半の人たちだったり、僕はすごい若い子たちが多いなっていうイメージです。でその中でもイーサリアムは結構そのコミュニティー系のプロジェクト、例えば何か一緒にレストランを買おうとか、何かみんなでタピオカミルクティーを作ろうとかそれを何かどうNFT化してブロックチェーン上で提供しようとか、結構ユニークなエリアがたくさんあるなっていうイメージで。で、私のプロジェクトは今Solana上で作っているんですけど。Solanaのカンファレンスは結構ウェブ2、GAFAみたいなところで働いていた人たちがブロックチェーン上で何か新しい技術を作ってみたいっていう結構技術職の人達が多い多かったりそういうイメージですね。  

伊藤穰一: なるほどそしてあの男女はどう。昔はもう男しかいなかったんんんすけどこないだ亜里紗さんもそうだし何人か女性社長に僕最近会ってるんだけど、どんな感じですか  

豊崎亜里紗: そうですねはだかんで言うといまだに9:1で女性が圧倒的に少ないんですけど。それでも数年前と比べたら全然増えているなっていうイメージです。で、あと数年前と違うところが昔Bitcoin系のカンファレンスに参加したらそのサイドイベントとかで例えばパーティーとかに行くとすごいあの女性が多いなと思ってたら、実は全員クリプトとは関係ない人たちだったりとかして。で、今は本当にクリプトをちゃんとやっている女性。実際に起業したりですとか中プロトコルで何かコントリビュートしているような方とかがすごい多くて何か実際にいろいろクリプトについて話せる何か女友達っていうのもできてすごい嬉しいです。  

伊藤穰一: そして日本人はどんどんな感じ。  

豊崎亜里紗: 日本人は日本人は圧倒的に少ないですね。で自分もすごいびっくりしたのが実は数カ月ぐらい前まで、私は個人的にその日本人のクリプト界隈と全然つながりがなくて。であの柳澤さんっていう税理士の方を通してたくさんの日本人のやっとクリプト勢に紹介されて。で、びっくりしたのが日本語でのクリプトのTwitterって意外とすごい盛り上がっていて。で、本当にプロジェクトについて理解が深い人たちとかがたくさんいるんですけど。もしかしたら今コロナの規制、旅行の規制とかもあってあんまりカンファレンスとかに顔を出してないのかもしれないんですが、今回えっとイーサリアムデンバーに参加して思ったのが、やはり日本人は圧倒的に少なくて。であのいらした少数の日本人とは全員会いました笑。  

伊藤穰一: でも僕もたぶん個人的にはコロナだが結構大きいので早く見ないたいなと思っていて。で亜里紗さんが言うように結構Twitterでは何か応援してる人達は沢山いるような気がするので、Twitterで何かゴールデン街で飲み屋をやりたいとか書いてあったけど何かそういう集まる場があるとすごくいいよね。でだね。ゴールデン街っていうのは意味があったんでしたっけ?  

豊崎亜里紗: そうですねあれは本当にもうその前日ぐらいにイーサリアムデンバーで知り合った日本人界隈の方々と話が盛り上がって、ツイートしたんですけど。基本的にクリプトの業界全体まだすごく若くて。で、小さくてやはりいいプロジェクトだったり信用できるプロジェクトっていうのは人づてで聞くことがすごく多くて。でコロナの渦中で英語でのクリプトって、すごくたくさん進歩したんですけど。やはり英語がわからない日本人界隈でのクリプトの伸びっていうのはどうしてもちょっと遅く感じていて。で、その中で本当にクリプト界隈での知り合いをたくさん増やしてでいいプロジェクトだったり自分のこうバリューを提供できるようなプロジェクトを見つけられる場を作れたらいいなと思っていて。で、あとはお酒がちょっと入ることによって会話に花が咲くといいなと思って。そのゴールデン街でクリプトバーを経営するのはどうなんだろうっていう話をしてましたねなるほど。  

伊藤穰一: 僕ももともとDJだったしクラブもやってたことあるので、そのアイデア結構何か響いたので、ただ、多分、渋谷長谷部区長は渋谷でやってくれって言うだろうしデジタルガレージも渋谷でやりたいっていうと思うので、少しちょっとゴールデン街も検討しながら何か渋谷でやろうかなとあれを見て思いました笑。  

豊崎亜里紗: そうですねあとはなんか六本木でやってくれとか結構地方の政治家の方々でその地方活性化の一部として移動型でやってくれとか、何かいろいろ面白いアイデアがたくさん集まってやっぱTwitterすごいなって思いました。  

伊藤穰一: たんでねと同氏は何か新宿はビットコインになって渋谷はイーサリアムになったりして何かプロトコルで何かハングアウトが分かれるとかね。結構、ビットコインとイーサリアムはいまだにすごい仲悪いよね。何か僕ビットコインメーンだったのがイーサリアムやりだしたらか結構距離ができちゃってね。もとの友達とは。  

豊崎亜里紗: そうですね。本当は将来的にそのネットワーク同士もっと仲良くなればいいなって思うんですけど、どうしても技術的にすごく違ったりですとか、今デモグラ、その実際にそのネットワーク上で物を作ってる人たちのデモグラが違っていて。で、みんな自分のプロジェクトをどう最大化させようかって考えてるときに、結構自然とそこは今何か隔離ができてるなっていう風に思っていて。でも業界が伸びるとともにインターネットも何か最初はそのフロントエンドを作ってる人とバックエンド作ってる人で何か結構違いがあったのかなと思うんですけど、みんなこうインターネット自体が大きくなるにつれなんか仲良くなっていったのでクリプトにもそういうことが起きればいいなって思います。  

伊藤穰一: ます。そうだね。で、さっきも少し亜里紗さんも言ってたけど結局Bitcoinって本当にTrustlessとDecentralizedがメインだからそもそもあまりコミュニティーに向いてない哲学なんだよね。Eth(Ethereum)ってどっちかっていうとコミュニティーオリエンテッド。だんだんもうプロトコルには特に今度Proof of Stakeになると何かそれがこう技術的にも表れてるような気がして。で、たぶんBitcoinに向いてるプロジェクトとそのEthereumに向いてるプロジェクトでそのデモグラフィックも少しは変わるような気もしなくはないなと何か最近見てて思うんですけどね。もうアジアで。だから僕僕最近ちょっと変わってきたけど、元々なんとなくこう日本とかでクリプトをやってた人達ってどっちかっていうと何かトレーディングとか何かこうFinanceのノリがあって。そしてアジアは結構ゲームだけれどもどっちかというとこうビジネスオリエンテッドば僕らが行ったアニモカなんかでも、プロフェッショナルのゲームデベロッパが多くてでアメリカの方がどっちかっていうと何か技術プロトコル標準化みたいなレイヤーで、そしてそこアメリカがそいつらがアーティストと一緒になってNFTとかがバズって出て、なんとなくこれそれがきっかけで日本も雰囲気アジアも雰囲気がちょっとずつ変わってきてるような感じするけれども。それにアジアとこの欧米はあとヨーロッパもあるけれども、何かその地域によってのこのデモグラフィックの違いとか文化の違いって何か感じます。  

豊崎亜里紗: そうですね何かアジアはとにかくクリプトの人口がまだアメリカと比べたら比較的少ないっていうのを思って。サンプルがちょっと足りないなと感じている中、確かにGamifiとかAxieとかは全部韓国で始まったもので、やはりアジアはゲームが強いなっていうイメージです。ただDefiもNFTもやはりアメリカがすごく強くて。でその中でやはりDefiは結構すぐに早くグローバルに広まったと思うんですけど。NFTのコミュニティってやっぱりそのミームカルチャーだったりとかちょっとしたその言語の中での何か言い回しだったりことわざだったりみたいなのがすごいカルチャーの一部になってるなと思っていて。NFTProjectっていうのは結構英語が必須になってきてるなっていうイメージでやはり翔ぶNFTProjectっていうのはアメリカ人が作ったアメリカ、ま北アメリカメインでのプロジェクトが多いなっていう思ってます。  

伊藤穰一: で、これNFTもトークンもそうだけども、まあ実験で作るのは簡単だよね。OpenSeaに行ってただMintすればいいんだけども。成功させるためにはものすごい何て言うの。そのちゃんとした映画のヒットとなんかガレージで作る映画のヒットの違いぐらいで、やっぱりすごいノウハウと今言ったようにこのオーディエンスを作る力が必要だよね。で、トークンもおんなじかなと思って。なんか昨日アニモカの社長のやつと話してたんだけども。彼も言ってたんですよ。TokenIssuanceももうほぼそのIPOの準備ぐらいもういろんなことをやってマーケットも作って準備しなきゃいけなくて。だからちょっとその僕もよくポッドキャストってやるのは簡単だからみんな実験的にやるべきだって言ってるのはそれは本当なんだけども、でも成功するのはまた全然次元が違うなっていう風に思ったけど。亜里紗さんもそういう準備にすごいエネルギーかけてます?ああ、もう、そうですね。  

豊崎亜里紗: そこがやっぱり一番プロジェクトのマーケティングだったりToken Issuanceだったりあとそもそも資金調達とかそういうところでもどうやってそのモメンタムを作るのかっていうのはいつもトップオブマインドで考えています。その中でも結構共通して何かがんばって作っている部分っていうのがFOMOっていう考え方なんですけど。FOMO、Fear of Missing Outっていう絵とフレーズの略でこのディールに入らないと機会を逃しちゃうっていうその気持ちをどうやって作るのか?例えば、このNFTはこんなにすごいコミュニティーがあって、今買わないとお値段がつり上がっちゃうから買えなくなっちゃうっていう考え方だったりですとか、トークンも今が一番いいエントリーポイントだってこうどう思わせるのかっていうところにすごいマインドシェアを置いていて。で、やはり今だとすごい信用できる。業界で名が知れた人達にそのサポートをしてもらうとか。あとはもうプロダクトのクオリティですね。本当に今まで何か見たことのないような、例えば絵だったりとか、今までやったことがない。その技術っていうのをちゃんと分かりやすいように伝えて、で、あとはちゃんといいユーザーエクスペリエンスがあるものを作って。で、それをやはりちゃんと評価してもらうっていうことでそのFOMOを作りたいと思ってます。  

伊藤穰一: そうですね。で、こないだ僕のもとへメディアラボの学生たちが分析したトークンのいろんなIssuanceのアレを見てたんだけども面白いのは一番長期ロングタームで伸びるトークンっていうのは短期の伸びは実は一番高くないんだよね。だから短期的にフォームを作りすぎちゃって、バブっちゃってクラッシュするのが結構多くて。んで、経験がある人達っていうのはジリジリとこう伸びてずっと伸びていってるんだよね。で、これ会社もそうなんだよね。上場企業で、株の値段が上がりすぎた時が、上場企業のCEOにとって一番の危機っていうのはその後はその嘘で伸ばしていかないと、どこか下がるとクビになっちゃうから。だからたぶんFOMOも作り方ってすごくおんなじだと思うのは、エンジンがかかるぐらいデマンドが必要だけれども、それ以上になって高すぎるとまたクラッシュすると被害者が出るから。常にずっと何年も誰だからいつでも誰かが買う人がいないとダメなんだよね。みんな売りに入っちゃうと、クラッシュしちゃうし。ただ、最初サーボがないとエンジンがかからないから、そこの何かコントロールっていうのはすごく何か重要で。結構ペイシェンスも必要なんじゃないかなっていう気はするんだよね。  

豊崎亜里紗: そうですね。何かFOMOってその1回作れば終わりではなくて、何かずっと作り続けなきゃいけないので。それがすごい難しい部分だなと思っていて、だから今大きめのプロトコルだったり本当にもう法人化しているようなクリプトの会社っていうのはもういつも新しいプロダクトをローンチしたりですとか、何かこうエコシステムを作っていくエコシステムをこう作っていくような動きが目立つなっていうふうには思ってます。  

伊藤穰一: あと、他のプロトコルも新しいプロジェクトにいろいろ投資してるじゃない。でこないだ、あるプロジェクトのチームと話したんだけど。ここはもう投資家で集めるけども残りはもう、プロトコル連れてこようよみたいな感じで。で、結構そのプロトコルって結構お金があるし、今そのエコシステムに投資するので今までだったら投資家から集めるところを他のプロトコルから集めてるっていうの聞いたんだけども。それ亜里紗さんもそんなの見えてます。  

豊崎亜里紗: あそうですね。Cegaの資金調達も実は一部プロトコルから調達をしていて。やはりそこの考え方にはコンポーザビリティの考え方があってやはり元々、結構本当にプロトコルって一人や二人、多くても5人ぐらいのチームで何か作っているので。作れる幅っていうのがある程度決まっているんですよ。で、それをどうやってもっと大きいプロダクトにしていくのかとか、どうやってそのエコシステムを作っていくのかとか考えたときに、やはり他のプロトコルのプロダクトとをどうやってインテグレートしていくのかっていう考え方がすごい根本的にあって。で特にDefi系のプロジェクトだとそれがすごい今多いなと思っていて。私のやっているデリバティブ系のプロジェクトですとやはりスマートコントラクト、実際のデリバティブ自体のトークンを作っているレイヤーとその上でラッパーとかを作っているコンシューマ向けにラッパーを作っているレイヤーとさらにそれをアグリゲートしてるレイヤーとかいくつかレイヤーがあってでブロックチェーンにもそのレイヤーがあると同じように、多分そのブロックチェーンのアプリケーションにも今後レイヤー化がもっと進むんじゃないのかなと思ってます。  

伊藤穰一: なるほどだからそういう意味で昔の日本の会社の株の持ち合いみたいな感じでこう一緒に仕事する人達は少しなんだかんだDestinyが一緒にリンクしてるっていうのはありますよね。  

豊崎亜里紗: そうですねそれが今こう始まってきてるなっていう感じで。結構Token Swapっていう形でM&Aではないんですけど何か一緒にパートナーシップやっていこうねっていう約束のもと他のプロトコルとトークンを交換し合ったりですとか。資金調達の際に他のプロトコルに入ってもらうみたいな動きがあるんですけど。面白いのがクリプトはまだまだ業界自体すごく若いのでプロトコルによっては例えばそのトークンスワップした相手ではなくてそこの競合と実は最終的に組んだりですとか、結構そういう動きもあってすごく面白いなと思います。  

伊藤穰一: うんそうだよね。あとは潰れるプロトコルもあるから僕もこの間思ってたんだけど日本って新聞社ってみんな赤字だけど土地持ってたりややって野球団持ってたりしてお金が回ってるので、何かすごく一瞬大きくなったけど、潰れたプロトコルは実は成功したDefiのトークンいっぱい持っててそれで生き残っちゃう可能性は。  

豊崎亜里紗: そうですね。何かプロトコルがどこでその売上を作っているのかって、実は深く見てみるとすごく面白くて。結構Defiのプロジェクトって利益出してるプロジェクト実は一部分で利益を出していないプロジェクトとかのファウンダーと話をして詳細を聞いてみると実はそのチームにたくさん優秀なデベロッパーがいて、ほかのプロトコルのアプリケーションを作ることでそこのトークンをもらって、要は開発のアウトソーシングから実は売り上げを立ててるとか。あとはえーと実は別のプロジェクトをもうONしててそこでたくさん利益を上げてるとか意外と実際の本業の内容で利益を上げてないプロトコルっていうのもたくさんあってすごく面白いです。  

伊藤穰一: なるほどね。だからこれもホントに株とちょっと違うのが、そのほかのものも後たとえば、トークンいくつかあったり株の種類に似てるのかもしれないけども、たとえばよく最近見てるのはそのトークンがあるんだけれどもNFTも発行していてではお客さんが買うプロダクツでトークンは株みたいなもんだけども、おんなじNFTも買っちゃうことができて。だからトークンを買うべきなのかNFTを集めるべきなのかわかんなかったり実はNFTが一番価値があって、で、NFTをじりじり打ってトークンの値段を上げておくとか。何かいろんなこう結局このなんだろストラクチャーとトークンもエコノミクス特のミックスのリテラシーってすごくこのプロの投資家にとっては重要ですよね。  

豊崎亜里紗: そうですね。トークンのミックスっていうのは多分は本当に今後の株の分析みたいなレベルでいろいろとリサーチとか出てくるのかなと思っていて。まだ本当にいろいろ新しい試みがテスト的に行われてる状態なのかなと思います。個人的にすごい面白いなと思ったのが、Rekt.newsっていうあのハッキングされたりとかそのラグプールみたいなニュースをたくさん取り扱っているメディアがクリプト界隈であるんですけど。そこのファウンダーがStakeDAOっていうStakingのアグリゲーターのアプリケーションを運営していて。でそのステークDAOってあのDefiプロジェクトなんですけど、たまにあの方いきなりNFTを発行したりするんですよ。で、ただそのNFTプロジェクトって何か抽選みたいな形になっていて誰でもそのNFTをメインとすることはできるんですけど、Mintすると当たり外れがあって。当たったらそのDefiプロダクトの中でも特に高金利だけどサプライが限られ限られているその口座にアクセスができるみたいなDefiへのアクセス権をで作っているみたいな試みとかが最近見た中で一番面白かったです。  

伊藤穰一: なるほどね。だからそういう意味でいうと、最近もう24時間勉強してても追いつけないぐらいいろんな新しいニュースがあって、でそういう意味でいうとフルコミットの人がリワードされていてで結構。あとすやっぱり今だに何かドキュメンテーションがだんだん少なくなって、とにかくディスコードに来いみたいな感じで。だから何かこう何か昔こう飲み屋で株屋さんがみんな情報を交換してた何かこうなんかそういう時期で。何か今亜里紗さんが言っていたように、これからアナリストというかが出てくるというようなすごくニーズあるけど今あってもほとんどないよね。何かはニューズレターとかなくはないけども、ほとんどフェーストゥフェースとかそのディスコードの中で何かそういうアナウンスも入ってきて。で、何かニュースレターに入った頃にはもう遅いっていうのを結構あるよね。  

豊崎亜里紗: そうですね。だからクリプト界隈でそのApeing Inっていうフレーズが多分流行ってるんだと思うんですけど。やはり聞いた話にすぐ飛びつかないと今いろいろと機会を逃してしまう。ただ聞いた話に飛びつき過ぎてしまうと結構危険性もあるのでそこはの自分のRisk Appetiteと相談しながら安全に運用していくのが必要だと思います。