2025年4月 Archives

今月はトランプ関連のニュースが山盛り状態でした。先週アメリカを訪れていたので、トランプ関連のこうした出来事が頭の中に新鮮に残っていたようです。このポッドキャストを作りながら思ったのですが、いくつかの出来事について、もう少し分かりやすく解説するYouTube動画も作ったほうがいいかもしれません。背景を知ることが、今起きていることを理解するうえでとても役立つし、必要かもしれないと感じたからです。

ポッドキャストを楽しんでいただけたら嬉しいです。今後の動画やポッドキャストで取り上げてほしい質問やトピックがあれば、ぜひ送ってくださいね。

- Joi

番組は各種ポッドキャストプラットフォームからお聞きいただけます

ぱっと見もやばいけど、深掘りするともっとやばいアメリカ

Joiさんの月イチ企画、今月もやってまいりました。MITの研究所所長だったJoiさんによる米エリート大学とトランプ大統領との戦い。日本語のニュース等で読んでるだけではわからないぐらいえぐい話ばっかりでしたね。

アメリカは一体どうなってしまうのでしょうか。。。

今回のエピソードをもっと理解するための5つのキーワード

sphere of influence

正式な権限はないが、他国が開発に影響を与える力を持つ国または地域のこと。国際政治において、国家が外国の地域や領土を排他的または優位に支配すると主張することでもあるそうです。この用語は、排他的支配に対する政治的主張を指す場合もあり、他国が事実として認める場合も認めない場合もある、というなかなか複雑な状況も含まれる他、他国が影響圏内での干渉を控えることを誓約する法的合意を指す場合もあるそう。

Michael Crow

教育者、ナレッジ・エンタープライズ設計者で科学技術政策学者、高等教育指導者。 2002年7月にアリゾナ州立大学の第16代学長に就任し、ASUの急速かつ画期的な変革を先導。世界屈指の大都市型公立研究大学へと発展させた人物として知られています。 ASUは「ニュー・アメリカン大学」のモデルとしても知られています。

マッカーシーイズム

1950年代にアメリカ合衆国で発生した反共産主義に基づく社会運動、政治的運動のこと。アメリカ合衆国上院(共和党)議員のジョセフ・マッカーシーによる告発をきっかけとして「共産主義者である」との批判を受けたアメリカ合衆国連邦政府職員、マスメディアやアメリカ映画の関係者などが攻撃されました。

プロボスト

大学の経営階層でトップに次ぐ「ナンバー2」のポジションとされています。大学の戦略的計画立案と組織変革を主導する重要な立場とされているそう。学長や理事会と協力して大学の長期的なビジョンを形成し、包括的な改革課題について戦略を策定したり、学内外の関係者間の調整役も担うそうです。

Partnership in AI

学術、市民社会、産業、メディアの各組織からなる非営利のパートナーシップであり、AIが人々と社会にとってプラスになるような解決策を生み出すことを目的として設立された団体です。 AIコミュニティ内外から意見を募り、実行可能なガイダンスにまとめられるような洞察を共有することで、ツールや推奨事項、その他のリソースを開発してるそうです。

今週のおさらいクイズの申請先

「おさらいクイズ」の申請先は以下の通りとなります。

番組オリジナルNFTを無償で配布中!

こちらのMintRallyのJoi Ito's Podcast特設イベントページでゲットしてください。正解された方には、NFTをプレゼントします。NFTは無料です。NFTを取得するにはウォレットアドレスをゲットする必要があります。

NFT受け取りのひみつの「あいことば」と書かれた部分に今日の問題に対する答えを記入してください。

ヒント:スペースなし、大文字半角英数字で入力ください。

KAMONホルダーには引き続き100HENKAKUをプレゼント

KAMONホルダーの方はHENKAKU COMMUNITYのこちらのQuestサイトから申請してください。正解した方には100HENKAKUをプレゼントします。こちらのサイトは新バージョンのポッドキャスト会員証を持っている人のみが対象となります。Kamonをゲットしたい方は、頑張ってコミュニティに入るか、おたよりを採用されるまで送り続けましょう。

茶道にはいろいろなモジュールがあるわけですが、どの部分をデジタル化すべきで、どの部分をすべきでないのか、まだはっきりとは分かっていません。ですが、まずは自分自身が開催している茶事や茶会の茶会記や道具のデータベースから始めてみました。禮次郎さんやその他の多くの方々と一緒に、文化的に適切なかたちでデジタル技術を活用し、このような情報を共有・整理する方法を探っていけることを楽しみにしています。

茶会記の記録と研究は茶道の重要な側面であり、私はまだ学ぶことがたくさんありますが、禮次郎さんのような方々がいてくれることを心強く思っています。

- Joi

番組は各種ポッドキャストプラットフォームからお聞きいただけます

茶会記のオープンデータ化、私も参加したい

ここからはシナダがお届けします。 茶会記の話、めちゃめちゃ面白かったですね。データがまとまって学習されれば、きっとAIが当時の話含め、読み取ってくれたりするんでしょうね。 しかしデータをデジタルにまとめるって、なかなか大変そう...。

中でも私が興味があるのは、お茶菓子のデータベース作り。日本って全国津々浦々さまざまな和菓子、お茶菓子があり、そしてそれぞれに込められた物語がある。食いしん坊の私、ぜひ参加したいと思ってます。

Joiさん、伊住さん!プロジェクトに混ぜてください!

今回のエピソードをもっと理解するための8つのキーワード

The Great Wave

クリストファー・ベンフィーという英米文学の教授による本で、日本とアメリカのスピリチュアルな交流の歴史が記されているそうです。

Completion Bond

日本語では、完成保証証券と呼ぶものだそうで、映画制作の現場で投資家の負う完成リスクを保証会社にヘッジするシステムなんだとか。欧米ではもう当たり前の仕組みなんだそう。

制作側にとっては投資を集めやすく、投資家にとっては安心して出資できる仕組みになっっているそう。予算オーバーや遅延が起きても、保証会社が不足分を補填したりスケジュール管理をしてくれるから安心して進められるんですね。この仕組みを支える現場監視の制作経験者や予算管理のプロたち。映画界の縁の下の力持ち的存在です。

茶会記

茶会の詳細な記録のこと。開催日時、主催者、使用道具、提供料理。すべてを克明に記したもの。過去からずらーーーっと残っていて、これらは日本史を知る貴重な一次資料なんだとか。品書きからその時代の食文化が読み取れたり、参加者の記録から歴史上の人物の存在証明になることも。1533年の「松屋会記」から現代の記録まで。茶の湯の歴史を紐解く重要資料とのこと。データベース化してほしい!!!

中村利則先生

京都造形芸術大学の元教授。歴史遺産学や茶の湯の歴史研究における第一人者。文化財保存や茶室復元の監修など、業績多数です。「お茶の郷」建設時の茶室と庭園の復元監修をはじめ、各地の茶室復元プロジェクトに携わってきた実績があるそうです。中村先生のもとで学んだ伊住さんは茶の湯釜の研究で博士号を取得しています。

藤田美術館

大阪にある藤田伝三郎のコレクションを展示している美術館。藤田伝三郎氏は茶道に深い造詣をお持ちの近代数寄者。はい、ポッドキャストでもやりましたね。

美術品展示だけでなく、日本の茶文化の一端に触れられる貴重な場所です。茶道愛好家には垂涎の訪問先。一度は足を運ぶ価値があります。

暦本純一

情報技術分野の先駆者。東京大学大学院情報学環教授兼ソニーコンピュータサイエンス研究所フェロー・チーフサイエンスオフィサー。この方にもポッドキャストにご出演いただきましたね!

世界初のモバイルARシステム「NaviCam」やマーカー型ARシステム「CyberCode」、マルチタッチシステム「SmartSkin」の発明者として有名。著書『妄想する頭 思考する手』も評価高しです。次世代技術の創出に貢献し続ける研究者。テクノロジー界の重鎮的存在です。

裏千家今日庵の茶室建築

重要文化財「裏千家住宅」の茶室群を詳細に紹介する専門書。2020年完了の保存修理工事後の最新姿を独自視点で撮影した写真満載です。

各茶室の歴史背景、建築特徴、意匠解説に加え、最新研究成果や保存修理工事の詳細も掲載されています。裏千家宗家の茶室群から茶道会館、平成茶室まで網羅。茶室建築研究の重要文献なんだとか。茶道ファン必携の一冊です。

樂直入氏が考案した茶室

滋賀県の佐川美術館に設けられた独創的な茶室。樂直入氏自らの設計創案です。「水没する小間」と「水に浮かぶ広間」という対照的な二つの空間構成。

広間の床は水面と同じ高さに設計されています。「人は自然と同じ目線で生きるべき」という哲学の表現なんだとか。古民家の煤竹、バリの古材、越前和紙など多様な素材の調和が生み出す非日常空間。現代茶室建築の傑作と言われています。

今週のおさらいクイズの申請先

「おさらいクイズ」の申請先は以下の通りとなります。

番組オリジナルNFTを無償で配布中!

こちらのMintRallyのJoi Ito's Podcast特設イベントページでゲットしてください。正解された方には、NFTをプレゼントします。NFTは無料です。NFTを取得するにはウォレットアドレスをゲットする必要があります。

NFT受け取りのひみつの「あいことば」と書かれた部分に今日の問題に対する答えを記入してください。

ヒント:スペースなし、大文字半角英数字で入力ください。

KAMONホルダーには引き続き100HENKAKUをプレゼント

KAMONホルダーの方はHENKAKU COMMUNITYのこちらのQuestサイトから申請してください。正解した方には100HENKAKUをプレゼントします。こちらのサイトは新バージョンのポッドキャスト会員証を持っている人のみが対象となります。Kamonをゲットしたい方は、頑張ってコミュニティに入るか、おたよりを採用されるまで送り続けましょう。

日本の歴史やお茶については、まだ学ぶことがたくさんありますね。道具や茶人、その美意識、そして海外訪問などの物語を通して学ぶのはとても刺激的で知的好奇心をどんどん掻き立てられます。

- Joi

番組は各種ポッドキャストプラットフォームからお聞きいただけます

研究としての茶道

今回のエピソード、伊住禮次郎さんのお茶に対する愛と、研究にかける情熱がつまっていましたよね。歴史的文献を読み漁り、研究者として茶道を突き詰めていく伊住さんのお話。とっても深くてどんどんと茶道の世界に引き込まれていきました。 お茶といっても、人によっていろんなアプローチの仕方があり、それを全て包摂しているのが懐の広さを感じますね。千葉工大の客員研究員として伊住さんが加わったそうなので、変革センターでの茶道に関する研究がまた一歩進むんだろうなと思いました。なんとも楽しみですね!

今回のエピソードをもっと理解するための7つのキーワード

芦屋釜

福岡県芦屋町で14世紀頃から作られていた釜のこと。すごいのは、胴体部分がたった2〜3mmしかない薄さと「真形」という美しい形。「挽き中子法」という特殊な鋳造技術で作られて、均一の薄さと美しい表面が特徴なんですよ。霰文様や浜松文様などの繊細な模様と「鯰肌」というしっとりした表面感がたまらないんだそう。残念ながら江戸時代の初めには作られなくなってしまったのですが、今は「芦屋釜の里」で復元作業が進められてるんですよ。

古銅:

銅がメインの合金で、錫や鉛も入っています。「唐金」とも呼ばれるそう。模様がなくてシンプルな形が特徴で、鶴首という首の長い花入れなどがあります。室町時代の終わり頃に日本に入ってきたとされていますが、いつ誰が持ってきたのかはよくわからないらしい。。。利休の弟子の山上宗二が書いた『山上宗二記』に記録が残っているんだとか。

珠光青磁茶碗:

侘び茶の生みの親と言われる村田珠光が大好きだったからこの名前がついた青磁の茶碗。もともとは南中国の普通の食器だったんですが、ゆったりした形と黄緑色の落ち着いた色合いが素敵なのに「はっ」と気づいた瞬間があったんでしょうね。猫掻手と呼ばれる櫛目模様があって、「ひえ枯れた」雰囲気があるのが特徴なんだとか。この美意識がのちの高麗茶碗ブームにつながったなんて話もあります。

竹野紹鴎:

室町時代の茶人で、お金持ちの堺商人。千利休のお師匠さん。村田珠光の侘び茶に、三条西実隆から学んだ日本の古典文学を取り入れて、日本らしい茶文化を作るのに貢献した方とされています。名物と呼ばれる道具をたくさん持つお金持ちだったのに、何も持たない境地を理想として、豊かさと質素さの間を行き来する「侘び」の考え方を大切にしていました。

利休形:

千利休さんの美的センスが形になった茶道具のこと。単なる形のコピーではなくて、茶の湯の心や美意識を表現する大切な文化遺産として受け継がれてきた模倣の集大成みたいなもの。中村宗哲家や大西家などの千家十職と呼ばれる名工さんたちは、切型や木型という技法を使って、正確に再現・伝承してきました。模写することは文化財を守る意味もあって、利休形を受け継ぎ発展させるのにとても重要な役割を果たしました。

二畳の茶室:

豊臣秀吉さんの命で千利休が作ったと伝わる「待庵」のこと。数寄屋建築の元祖と言われていて、たった2畳という小さな空間に「わび」の世界がぎゅっと詰まっているんですよ。京都府大山崎町の妙喜庵に今も残っていて、国宝になっています。内壁はわらがむき出しの質素な造りで、シンプルだけど味わい深いらしい。

illuminated manuscript:

日本語だと装飾写本のこと。文章に絵や模様で飾り付けをしたもの。古代エジプトの「死者の書」がパピルスに描かれたのが最も古い例と言われています。中世ヨーロッパでは羊皮紙や子牛の皮の本の装飾が大流行して、たくさんの芸術的な傑作が生まれました。特に中世の終わり頃のフランスでは写本芸術の最高峰とも言える作品が作られました。15世紀には印刷技術が発明されて、木版や銅版を使った挿絵入りの本が広まっていったんですよ。

今週のおさらいクイズの申請先

「おさらいクイズ」の申請先は以下の通りとなります。

番組オリジナルNFTを無償で配布中!

こちらのMintRallyのJoi Ito's Podcast特設イベントページでゲットしてください。正解された方には、NFTをプレゼントします。NFTは無料です。NFTを取得するにはウォレットアドレスをゲットする必要があります。

NFT受け取りのひみつの「あいことば」と書かれた部分に今日の問題に対する答えを記入してください。

ヒント:スペースなし、大文字半角英数字で入力ください。

KAMONホルダーには引き続き100HENKAKUをプレゼント

KAMONホルダーの方はHENKAKU COMMUNITYのこちらのQuestサイトから申請してください。正解した方には100HENKAKUをプレゼントします。こちらのサイトは新バージョンのポッドキャスト会員証を持っている人のみが対象となります。Kamonをゲットしたい方は、頑張ってコミュニティに入るか、おたよりを採用されるまで送り続けましょう。

私のヒーローである利休の子孫にあたる伊住禮次郎さんは、現代アートと茶の世界をつなぐ非常に重要な役割を担っています。伊住さんは私の流派である裏千家の方で、裏千家の歴史やその役割について理解を深めるうえでとても助けになってくれています。最近では、千葉工大の変革センターの客員研究員として参加してくれました。 まだ伊住さんのことを知り始めたばかりですが、今回のポッドキャストでは深くつながり、探求する素晴らしい対話の機会となりました。
皆さんにも、この対話を私と同じように楽しんでいただけたら嬉しいです!

- Joi

番組は各種ポッドキャストプラットフォームからお聞きいただけます

これまでのどなたとも違うお茶トーク

ここからはシナダが担当です。

またまたお茶の世界にディープダイブとなりました。 いやー、もう茶道関連めちゃめちゃやってますが、やる度に新しい発見があります。なんて深い深い世界なんだ...!

伊住さんがお父様から引き継いだという茶美会。なんとも素敵な取り組みですよね。もっともっと広がって欲しい取り組みだなと思います!

今回のエピソードをもっと理解するための9つのキーワード

茶道資料館

茶道の美しい世界を体験できる特別な場所。ここでは展示や普及活動を行う「茶道資料館」と、歴代の家元さんたちが集めてきた貴重な茶の湯関連の資料を大切に保存・公開している「今日庵文庫」が設置されているんです。さらに、お茶の文化をもっと広めるために「茶道文化検定」も実施中。お茶に興味のある方は、ぜひ足を運んでみては。

裏千家学園茶道専門学校

国内で唯一、家元に直属している茶道専門の学校。1962年に裏千家茶道研修所としてスタートし、1971年に「裏千家学園」と名前を変更。1976年には専修学校になりました。1983年には新しい校舎が完成し、京都府から学校法人の認可を受けて、正式に「学校法人 裏千家学園 裏千家学園茶道専門学校」に。

1985年には本科(茶道科)の付帯教育として研究科を、2001年からは1年コースも開始。時代のニーズに合わせながら、素晴らしい茶道の先生を育てる教育機関として今日まで続いています。お茶の道を真剣に学びたい人には最高の環境かも。

鵬雲斎大宗匠

裏千家15代の大宗匠である千玄室さんのこと。実はすごいパイオニアだったんです。1951年、まだ日本人がパスポートを持てない時代に、GHQから特別許可をもらってハワイに渡り、その後ニューヨーク、ロサンゼルス、シカゴにも拠点を展開。「戦争では負けたけど、文化では負けていない」という強い思いを胸に、海外でお茶の素晴らしさを広める基盤を構築。今日の茶道が国際的に評価されているのも、この方の功績によるもの。

マッカーサー財団

通販型保険ビジネスで成功したジョン・ドナルド・マッカーサー氏が立ち上げた財団。主に気候変動問題への取り組みや、刑務所人口を減らす活動、核の脅威に対する問題などを支援しているとか。Joiさんもボードメンバーとして活躍されていたそう。世界規模の課題に取り組む重要な組織なんだとか。

シアスターゲイツ

シカゴのサウス・サイド地区を拠点に活動している現代アーティストで、国際的にも超有名な人物。彫刻や陶芸を中心に、建築、音楽、パフォーマンス、ファッション、デザインなど、ジャンルの枠を超えた多彩な活動を展開中。

彫刻と都市計画を学んだ後、2004年に愛知県常滑市で陶芸を学ぶために初めて日本を訪問。それ以来20年以上も日本文化から影響を受けているとか。日本やアジア太平洋地域での様々な出会いや発見、そしてアフリカ系アメリカ人としてミシシッピとシカゴで育った経験が、彼の作品づくりの土台になっているらしい。多文化的な背景を持つアーティスト、本当に興味深い。

シアスターゲイツとのお茶会

去年の8月6日、森美術館で開催されていた「Theaster Gates展:アフロ民藝」の特設会場で、すごいイベントが実現。招待制のクローズドイベントで、シアスター・ゲイツさん本人を囲んでのお茶会だったとか。

このイベントは、茶の湯文化の伝統継承に取り組む伊住禮次朗さんが主催する「茶美会(さびえ)」とシアスター・ゲイツさんのコラボ企画。「Beauty and Generosity between us, not division(私たちの間にあるのは分断ではなく、美と寛容である)」というステキなコンセプトが掲げられていたらしい。

展覧会場の外に特別に設けられた茶室では、亭主3名、お客さん9名の合計12名が集まり、お互いのためにお茶を立て合ったそう。文化の垣根を超えた交流、素敵なもの。

茶美会

お茶の哲学を深く掘り下げる特別な取り組み。もともとは伊住禮次朗さんのお父さん、伊住政和さんが始めたものだとか。実は伊住政和さんは、現在の裏千家16代家元・千宗室さんの弟で、残念ながら44歳という若さで癌で逝去。

兄の千玄室さん(先ほど触れた鵬雲斎大宗匠)は家元として茶道の伝統を守りながら新しい時代への対応を考える立場だったのに対し、弟の宗晃さんは次男という気楽な立場から、伝統文化の内と外をつなぐような役割が自分のミッションだと感じていたらしいです。

1988年頃、「クラフトシアター茶美会」として革新的な活動をスタート。工芸作家が新作を持ってきて、お客さんの前で披露しながら自ら亭主となってお客さんと交流するという斬新なスタイル。お食事やお酒を出して、最後にお茶を点てるという茶会の基本は守りつつも、新しい風を取り入れる姿勢。

この活動はどんどん広がり、現代のデザイナーやクリエイターも巻き込む芸術運動に発展。例えば、韓国の現代作家・崔在銀さんのガラスのお茶室で、三宅一生さんデザインの衣装を着てお茶を点てるなんて斬新な企画も実現したんだとか。伊住政和さんは伝統と現代をつなぐ「縁側」的な役割を担い、お茶の多面的な魅力を現代風にどう表現できるかを探求し続けたそう。

2003年に亡くなった伊住政和さんの影響は、息子の禮次朗さんに深く受け継がれているとのこと。禮次朗さん自身は、活動が行われていた当時はまだ小さくて詳しくは分からなかったけど、後年アーカイブブックでその記録を見て強く感銘を受けたらしい。お父さんの「伝統と共にある革新」の精神を理解し、今では自らも「茶美会」を引き継いで、現代的な新しい活動を展開中。お茶を通じた文化交流、世代を超えて継承されていくもの。

Sadler

フルネームはArthur Lindsay Sadler。シドニー大学の東洋学教授を26年間務め、オーストラリア王立陸軍士官学校の日本語教授でもあった方だそう。著書「Cha-no-yu: The Japanese Tea Ceremony」では茶の湯の起源と、その儀式化における豊かで複雑な構成要素を解説しているとか。

Joiさんが最後に話していた利休と教え子の話。

サドラーの著書「Cha-no-yu: The Japanese Tea Ceremony」に記載されていた一説なんだとか。

"On another occasion the same critic (Tachibana Sogen) observed that the judgment of Enshu might perhaps be superior to that of Rikyu, since everyone agreed that the things that Enshu praised were good, whereas opinions differed about the things that Rikyu favored. "That may seem a compliment to me," replied Enshu, "but in fact it is only an ignorant view. Rikyu decided that certain vessels were interesting and beautiful and satisfying on his own initiative and authority, and used them for Cha-no-yu and gave names to them, and his judgment was not only accepted in his day but is still praised as a criterion. This is because of Rikyu's great merit as a Tea Master, and not because of the age or value of the vessels. Articles that are so transformed by virtue of the Master's praise are famous and precious indeed. But as for me, I don't possess the capacity of giving a real value to anything on the authority of my own taste. When noblemen bring things to me and ask for an opinion I don't care to offend them and so am inclined to say what they like to hear. But this kind of consideration of people's feelings is not in accordance with the best traditions of Tea. There is a difference of Heaven and Earth between Rikyu's lofty principles and mine." 

ある風雅な席で、茶の湯界きっての理論家として知られる橘宗玄殿が興味深い見解を示したという。「遠州公の美を見抜く眼力は、あるいは利休居士のそれをも凌駕するのではないか。なぜならば、遠州公が『良し』とされた器物は万人の賞賛を得るが、利休居士の趣味となりては、時に意見の分かれるところとなるからである」と。 これに対し遠州公は微笑みを浮かべつつ、こう応じたとされる。 「一見、拙者への褒め言葉に聞こえますが、これぞ茶の道を知らぬ者の浅はかな見立てにございます。利休居士は、ただ己の慧眼と胆力をもって、『この器は趣があり、美しく、味わい深い』と断じ、茶席に取り入れ、その名を高からしめたのです。その審美眼は当代においても認められ、今日に至るまで規範として仰がれておる。これは単に器の古さや値ではなく、茶道の巨匠としての利休居士の偉大な功徳の証しでございましょう。 このように、一つの品が茶人の一言によって価値を一変するほどであれば、それこそ真の名品、宝物と申すべきでしょう。しかし拙者に関して申せば、ただ私の好みという権威のみで物の真価を定めるような力など持ち合わせてはおりません。貴き方々が器物を携えて拙者の意見を求められるとき、その心を傷つけまいと考え、ついつい耳に心地よいことを申してしまう。しかしながら、このような人の気持ちに配慮する振る舞いは、茶の湯の本質からは遠く離れたものでございます。利休居士の清廉な理念と拙者の態度との間には、雲泥の差があるのでございます。」

pp 87-88 Sadler, A. L., & Martin, L. C. (2019). The Japanese Tea Ceremony: Cha-no-Yu and the Zen Art of Mindfulness (Illustrated edition). Tuttle Publishing.

茶の本

岡倉天心が1906年にアメリカで出版した本。もともとは英語で書かれており、The Book of Teaと呼ばれていました。茶道を通じて日本人の精神文化や生活観を解説しています。

今週のおさらいクイズの申請先

「おさらいクイズ」の申請先は以下の通りとなります。

番組オリジナルNFTを無償で配布中!

こちらのMintRallyのJoi Ito's Podcast特設イベントページでゲットしてください。正解された方には、NFTをプレゼントします。NFTは無料です。NFTを取得するにはウォレットアドレスをゲットする必要があります。

NFT受け取りのひみつの「あいことば」と書かれた部分に今日の問題に対する答えを記入してください。

ヒント:スペースなし、大文字半角英数字で入力ください。

KAMONホルダーには引き続き100HENKAKUをプレゼント

KAMONホルダーの方はHENKAKU COMMUNITYのこちらのQuestサイトから申請してください。正解した方には100HENKAKUをプレゼントします。こちらのサイトは新バージョンのポッドキャスト会員証を持っている人のみが対象となります。Kamonをゲットしたい方は、頑張ってコミュニティに入るか、おたよりを採用されるまで送り続けましょう。