今また妹と話したところだ。ビリヤードができ、これまでになく粋な小皿料理が饗
され、造りは工業アート風、すべてじつに「お洒落」でよくはやりそうな新しいタ
パス・レストランの話をきいた。ただし見栄えはいいものの、そこには独創的な本
物のよさがなく、フランチャイズ色が濃すぎたということだ。チェーン店はサンフ
ランシスコの地域性をなくしてしまうというので、フランチャイズを禁止しようと
いう動きも一部でてきているらしい。妹も、こうした傾向を文化の商品化と呼び、
なんとか阻止するべきだと考えている。
1998年8月26日、國領先生のeコマース研究会では、服飾のワールド社の人
の発表があった。ワールド社では、流行に対応するためPOS データを使って回転率
をあげているということだ。現在、POS データをうけとってから二週間程度で店舗
に新しいデザインの洋服を並べることができる。これで大成功したブランドがある
らしい。私の感想と懸念は、それらが、流行が文化を消耗する速度を上げてはいま
いかということだ。流行のもろさと、基盤がしっかりとした文化、または、ミド
ル・アメリカの多様性のようなものの欠如が文化の軽視につながり、経済的な誘因
ばかりで内容の方向性が決められるようになってしまうのではないか。
京都造形大学の武邑先生は、京都の染物職人について話をされた。彼らはヨーロッ
パの有名ブランドと定期的に交流しているという。ヨーロッパ人が京都の染物文化
を吸収し、それがオートクチュールのデザインの決定要因になっている。そこから
世界中のブランドが流行を感じとり、その文化が世界に広まっていく。染物を通じ
て京都の染物師達は、周期的なものとはいえ流行の決定に貢献しているのだ。
エコロジストが大気汚染のコストを論じるときと似た議論は、文化の商業化や消耗
についても使えるのではないか。文化資本を厳格に評価する経済、組織のモデルが
考案できれば、資本組織の中での価値交換とその経済との関係が文化を保護する枠
組みを作っていける可能性はある。そうすれば徐々に、無秩序になりつつあった市
場や流行を安定させることができるかもしれない。文化は情報経済のもっとも重要
な安定剤となりうる。
(いわば、ぬかみそのようなものかな……;-P)

Translated by Yuki Watanabe

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