ジョン・ヴァスコンセロ氏と昼食をとったが、信頼するにたる人格、自信、そして
リーダーシップなどについて、素晴らしい会話ができた。
ジョンは「アメリカの新しい信頼関係」と題する論文を執筆中で、彼が考えている
ことは、私が信頼関係の重要性について考えていたこととつながることが多かっ
た。私は経済同友会に書いている記事にこれらの着想を盛り込んで書き直した。
ジョンは、自信はきわめて重要な人間の感情だという。一方、彼の人間観とは相容
れないものでもあるらしい。「人間は性悪な怪物で、飼いならされなければならな
い」と同時に、カール・ロジャースが言うように、「先天的に建設的で、生きるこ
とに肯定的で、責任があり、信頼に値する」とも言える。ジョン曰く、「共和党の
レッセフェールも民主党の管理統制も、我々人間にはあわない。ありのままの性質
を受けとめること。協調だけが賢明なやり方だ」
リーダーシップについて、ジョンは、「真の指導者とは、その人が存在することで
他の人間がそれぞれ自分自身のリーダーになる能力が自分には備わっているのだと
認識できるような人格をもつ人間のことだ」と言う。とりわけ、自尊心、権力とい
った意味での彼のリーダーシップの考え方に、私は興味をそそられた。ジョンの定
義は実に的を得ているんじゃないだろうか。今の日本社会での私自身の立場によく
あてはまるし、私が座右の銘としているティモシー・レアリーの「権威を疑い、自
分で考えて行動しろ」という有名な文句の姿勢とも一致している。
二人の山岸氏は、信頼するに足る人格がどういうものかについてはあえて触れず、
信頼そのものについて述べている。ジョンの話の後、私は、信頼するに足る人格を
持つこと、自分が信頼に値する人物であると思えるようになることは、信頼そのも
のより重要であり、達成困難なことであると考えるようになった。
最後に、ジョンの自信についての考え方をきいて、私の犯罪に関する思考が深まっ
た。警察庁のコンピュータ犯罪取締法がらみで最近犯罪について考えることが多い
が、人間観によって、犯罪に対する政策は全く異なったものになる。恥と罪意識に
導かれ人は従順になり、自信に導かれて信頼にたる人間となる。
銃規制については、ジョンは明らかに銃の保持に反対だったが、支持者の議論にも
寛容で、実に複雑な問題だと考えているということだった。

Translated by Yuki Watanabe

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