このところ何度もテレビのインタビューを受けているのだけど、マスメディアは住基ネットのセキュリティのことにだけ注目してる。それは重要なことだとは思うけど、もっと大きなリスクは、11桁番号が行政のデータベースに使われたということで、リストを作るのがとても簡単になることと、いろいろマッチング出来ることと、情報が漏れることなんだ。

他にマスメディアがいろいろ取り上げていることには、ICカードの中の情報の蓄積についてというのがある。だけどこれは実際的には関係ない。何が問題かというと、ICカードが現実世界の処理とデータベースの間のリンクになることなんだ。

もうひとつの大きなリスクは、11桁の番号は書き残したり読んだり配ったりが簡単に出来ること。どうして人間には読めないような、デジタル署名やハッシュ関数を使わなかったのかな?

みんな住基ネットのセキュリティについて僕に話して欲しがるから、アイデンティティの基本的なことやプライバシーが民主主義の土台になっているというコンセプトについて話した部分は、収録の中からカットされてしまう。

住基ネットのセキュリティについて考えるなら、総務省が言っているファイアーウォールがあるとか専用線を使ってるから安全だという主張は間違いなのは、コンピューターネットワークについて知ってる人ならだれでもわかる。安全なネットワークなんて存在しない。そういう話をしていて思うのは、注視するべき大事なことは、ファイアーウォールのセキュリティなんかの技術的問題ではなくて、一番安全なネットワークは最小限の利用者とコンピューターしかない小さなネットワークだということ。それを理解して欲しい。

- Joi

Translated by gt

2 Comments

住基ネットの一番の問題は、アクセス権を持つ者の手によって民意が歪められることにあります。
役所の組織防衛上、不適切な発言をするものを排除するのに利用できるからです。
民主党の管直人氏は、警察のNシステムの追尾情報によって愛人の存在が暴露され、
クリーンなイメージを貶めるのに利用されました。このように、為政者の望む施策に反対意見を
持つ者を追い込むことに利用され、結果として民意が歪められるということです。
将来は、テロ対策の名目で、Nシステムや地上監視カメラなどと連動し、施策に反対するような
政敵の排除に用いることでしょう。

現在のところ、共産党や過激派など(近年では一般的な市民団体も含まれるようになった)の
団体に所属している人物しかコンピュータ管理されていませんが、将来は中央政府の手によって、
すべての国民に及ぶことになるでしょう。ここでいう「コンピュータ管理」というのは、「その人物の
危険性に応じた格付け」のようなものです。現在は一部団体構成員の「格付け表」が存在する
だけです。次のようなものです。縦軸にその人の団体に対する関与の度合いが数段階に分かれて
階層化されており、横軸に関与の態様が類型化されています。
例えば「Eランク イ 定期的な寄付を行っている ロ 定期的に集会に参加している
ハ その団体の機関紙を6ヶ月以上継続して購読した」、「Cランク イ 下部機関の幹部として
公式に選出された ロ その団体の構成員として20年以上活動している」等です。
なおこの例はあくまでも即興でわたしが作った例であって、実物は組織の性質別に何種類かあり、
もっと詳細なものです。

現段階の住基ネットは住所など4項目だけなので、あまり思想調査に利用できませんが、
将来は必ず乱用されることでしょう。ここでいう「あまり」というのは横浜市民のことを指します。
横浜市民は住基ネットについて選択性を採ったため、番号を希望しなかった住民の一部は
不利益を被るでしょう。こういうことです。横浜市在住の番号を選択しなかった学生で、
神奈川県警に就職を希望する人は、神奈川県警の採用試験でふるい落とされるはずです。
番号のないことは警察の組織上危険を及ぼす人物の証であり、公的な利用は法で禁じられて
いないので、警察による番号の確認は正当業務にあたるとして正当化されるためです。
こうした警察官の選別は、警察組織が過剰に組織同調的な人物によって固められることを意味します。

別の例ですが、警察巡回連絡カードの情報などは、近年、在日外国人(在日韓国朝鮮人に限らず
外国人全般)を中心にコンピュータへの入力作業が進んでいますが、こういった法的根拠不明の
情報まで結合されそうで恐ろしいです。自己の情報をコントロールする権利よりも、犯罪捜査の
秘密性といった名目の方が優先され、開示請求が効かないからです。

別の例を挙げれば、司法修習性の選別もさらに進むことでしょう。現在のところ司法修習性のチェックは、
過激派等の団体に所属しているかどうかが主たるものです。修習所に入るとき、友人の氏名を
2名程度書かせて、本人、親族、友人がコンピュータのデータの要注意人物にあたるかを
確認するというものです(かつては2つ折のファイルカードに掲載されているかをチェックしていた。
日本の法務省ビルは世界一のハイテクビルであり、物的基盤は既に十分に準備されている。)。
こうした公務員採用時の選別は、国家公務員法に過去に憲法破壊運動を行ったことがある人物を
採用しない旨が定められているため、今後も正当化され、さらに厳しいものになるでしょう。

住基ネットは為政者の政敵排除に利用されるから止めるべきです。また政府組織が過剰に同調的な
人物で占められるのを防止するためにも止めるべきです。これは個人のプライバシー権を
侵害するからだけではなく、巡回連絡カード、Nシステム監視カメラ等様様な情報源から得た情報と
結合され、我々の政治的自由権を脅かすため問題なのです。

>みんな住基ネットのセキュリティについて僕に話して欲しがるから、アイデンティティの基本的なことやプライバシーが民主主義の土台になっているというコンセプトについて話した部分は、収録の中からカットされてしまう。

だれがカットしたの??
この辺が問題点
カットされないメディアってあるの
blog以外に???
特にTV なかったらつくるしかない