今週からポッドキャストはパイロット版から本格的な配信に切り替えとなりましたが、引き続き皆さんから戴いたフィードバックを元に補足や振り返りをしていこうと思います。皆さん、こちらまで是非感想や意見をお寄せ下さい。
今回のゲストは武邑先生に続き私のメンターの村井純先生に登場してもらいました。二週間に渡り村井先生とのお話を届けたいと思います。
並行して、先週の番組オリジナルNFT発行に続きポッドキャストを使った色々な実験を行って行きたいと思います。それとワークフローやツールの検証も続けます。CREWの皆さん、お付き合いありがとう!
伊藤穰一
ポッドキャスト制作秘話:インターネット黎明期のワクワク感
11月の本配信一発目のゲストとして、デジタル政策担当の内閣官房参与であり、デジタル庁顧問である村井純・慶應義塾大学教授にスタジオにお越しいただきました。今回はこの配信での裏話を私シナダがご紹介いたします。
Joiさんの著書「教養としてのテクノロジー」にも登場する村井純先生。Joiさんとの交流は長く、出会いは80年代ごろに遡るそうです。
村井先生のご出演が決まった時、Joiさんが「これを見ながら話を展開したいんだ!」と出してきたのが、1996年発行のこちらの朝日新聞の記事。
「ネットワークコンピューティングの近未来」と題し、村井先生とJoiさんが激論を交わしています。
©朝日新聞社 21-3504 朝日新聞社に無断で転載することを禁じる
この記事に写っている村井先生とJoiさんの若いこと!特にJoiさんのキッチリ分けた七三ヘアーと、グレーのスーツに時代を感じます。
読み進めてみると、こちらもびっくり。1996年って、つい最近のことのように思ってましたが、考えたら25年も前なんですね。インターネットの世界は本当に「原始時代」と言っても過言ではないほどの状態だったようです。
「今年はインターネットを実際に使う年になるはずです」「新しい回線を使ってコンサートを中継したり、アトランタ五輪の競技映像を多くの人々が世界中に同時に観戦できる」「何千人もの人が同時に参加できるオンラインゲーム」などなど、今となっては当たり前のような話を近未来的なインターネットの姿として生き生きと話しているんです。なんだか、タイムマシーンに乗ってるような気分になってしまいました。
思い返してみれば25年前のインターネットといえば、ダイヤルアップ回線で、「いつまで電話使ってるんだ!」とお父さんに怒られながら繋げていたものですよね。25年経った今は、スマホもあって光回線もあって、リモートで仕事するようになったかと思うと、随分な進化を遂げたものだなあ、としみじみ思ってしまいました。
番組では、インターネット元年から25年経った現在のデジタルDXの進むべき指針についてもお二人が激論を交わしています。
詳しくは、このページの右上にある青いアイコンをクリックしてお聞きください。
それでは、地味に人気のこちらのコーナーへと続きます。
変革の道への基礎知識
番組内で話題となっていた難解な単語をこちらで解説しています。
インターネット・ワールド・エキスポ
1996年に1年間に渡って仮想空間で開催された万国博覧会。会期中にはパビリオン出展者として80の国と地域からの参加があり、130カ国から5000万人が来場し大盛況を博しました。この時、インターネット利用実験として国内で300人に128Kbpsの専用回線とルーター、パソコンが1年無料で提供されたそう。なんか時代を感じますね。
WIDEプロジェクト
1985年に慶応大学・東京大学・東京工業大学の大学間でデータ網を構築したことがきっかけとなって結成された、インターネットに関する研究・運用プロジェクト。インターネットに関係する技術の開発や人材の育成などを行なってきたそうです。
学位ない
Joiさんは米名門マサチューセッツ工科大学の研究所所長を務めましたが、就任当時は学位がない状態だったといいます。当時の学歴は、タフツ大学計算機科学専攻中退、シカゴ大学物理学専攻中退、ニュースクール大学単位取得、一橋大学国際企業戦略研究科中退...。「卒業」の文字が見当たりませんね。しかし、見事に名門大学ばかり。勉強嫌いの私シナダからしてみれば、ものすごい経歴ですけどね...。
Windows95
マイクロソフトがWindows 3.1の後継として、1995年に発売したオペレーティングシステム (OS) 。家電屋さんで並んでる映像が年末の「懐かし映像」とかでたまに放送されますよね。
変革論
Joiさんの学位論文。英題はPractice of Change。こちらで公開されています。ちなみに全編英語です。
アブユース
abuse=不正使用、濫用を意味する英単語。インターネットの世界では、迷惑行為を指す言葉として使用されています。
エシカルユース
ethical use=善用を意味する英単語。これまで経済を優先して発展を進めてきたインターネットの世界では、アブユースが増える結果となってしまいました。エシカルユースという言葉は、「今後はもっと最適で倫理的なインターネット利用を増やさなくてはならない!」という思いを持った村井先生が最近各地で提唱している言葉になります。
No One Left Behind
デジタル庁の目指す未来としてスローガンとして掲げられている言葉。同庁は高齢者や障がいを持っている人々でも扱えるUI・UX、あらゆる人がアクセスできる省庁システムをつくることを目指しています。