山極先生と松井先生との鼎談パート2では、これまで私が執筆したり議論してきたトピックスを扱いました。これらのトピックスについては、さまざまな箇所で仲間と共に議論をしてきたものではあります。しかし、山極先生や松井先生という、これまでとは異なるジャンルのお二人と話すことで、進化や物理学の文脈でシンギュラリティをどのように捉えているのかを知ることができました。これは、本当に興味深い体験でした。(これは2017年にシンギュラリティと社会について書いたものです:還元に抗うマニフェスト - 機械と共に歩む複雑な未来を設計する)

私は大学の運営や教育に携わった経験が少しあるものの、現在も学長を務める松井先生や、つい最近まで総長を務めた山極先生というお二方を前にしたら、私なぞ赤ん坊のようなものです。このような先輩方の変革的な意見を聞いて、心が洗われると同時に、変革は一筋縄ではいかないかもという意見を聞いてなかなか難しいものだと改めて考えさせられるきっかけとなりました。

- Joi

sannin.jpg
左から、山極壽一先生、松井孝典先生、伊藤穰一

小中学校の教育の行方を考える

ここからは番組スタッフのシナダがお届けいたします。

今週は、前週に引き続き、霊長類学者で総合地球環境学研究所の所長山極壽一先生と、惑星科学者で千葉工業大学の学長の松井孝典先生のお二人との鼎談をお届けしました。

もう1月も後半に差し掛かってしまいましたが、一応、新春鼎談的な雰囲気にしたいなあと思い、いくつかトピックを立ててそのテーマに沿って議論を展開いただいたものになります。私、スタッフのシナダも現場で立ち合いをしていたのですが、用語やらなんやらがどんどん出てきて、話に着いていくのが精一杯でした。

でもなんでしょう。3人の会話を聞いているだけで、なんだか自分がちょっと頭が良くなった気がするのは。この仕事に携わる上で、脳の老化を抑える役目になっているような気がします。ありがたい!!

そして、今回の鼎談の中で気になったのは、やはり教育についてのテーマですね。山極先生は京都大学の総長を6年間務め、松井先生も現在、千葉工大の学長を務めています。Joiさんも日米で研究所を運営していました。それぞれ、大学の運営に深く関わった経験から「教育」については並々ならぬ思いがあるようでした。

「もう横並びで勉強するのは時代に合わない」ということは、私も思います。ダイバーシティ豊かな社会を築く上で、習熟度に合わせた勉強というのはきっと必要なんだろうなと思います。私も小学校の時を振り返ってみると、算数の繰り下がりぐらいでつまづき、黒板をぼーっと眺めていたことを思い出します。きっとあの頃きちんとケアされておれば、私の算数嫌いはもっとマシだったなかなと思います。生徒一人ひとりの得意不得意を考慮した教育、きっと予算やオペレーションの関係から実現は難しいのだろうとは思いますが、いつか実現してくれるといいなと思います。

今週の変革の道への基礎知識!!

今週も登場した難解な単語をピックアップしております。ポッドキャスト副読本としてお楽しみくださいませ。

シンギュラリティ

コンピュータのプログラムが高度に発達し、人工知能(AI)が人間の知能を超え、人間とコンピュータの境界がなくなることを指すそうです。しかしこれは、テクノロジーの分野での言葉。自然科学の分野では、小さな変化が巨大な影響を与えるような動的システムや社会システムをシンギュラリティと呼ぶこともあるそうです。

分割可能な時間

時間というものはずーっと永遠につながっているもの、と私シナダは思っていましたが、科学の世界ではそうではないようです。時間というのは、最小単位があり、それが連なって構成されているもの、という考え方があるそう。量子物理学の世界では、プランク定数というものがあり、これを時間にも当てはめてみたら、時間の最小単位というのが割り出されるそうな。一説によれば、これが正確にわかればタイムトラベルは不可能ではない...ということだそう。高校では物理の授業など校内に存在もせず、中学では物理っぽい理科の単元は全滅だったシナダにとってはこれが限界です。ご不明点あれば、お便り欄からメールくだされば、私から松井先生に確認いたします。

Probabilistic Computing

日本語では、確率論的コンピューティング。生成モデリングと確率論的推論の長所を、記号的プログラミングやニューラルネットワークと組み合わせた、新しい統一的な人工知能(AI)のパラダイムを提案するもの。応用例としては、自動化されたデータモデリング、知識ベースのデータクリーニング、常識的な3Dシーンの理解などがあるそうです。MITの確率論的コンピューティングの研究所はこちらになります。

Rebecca Saxe "Theory of Mind"

「人間の脳は、どのようにして他人の考えを解釈し、道徳的な判断を下し、信念体系を理解しているのか?」従来では、哲学者や詩人の領域だった命題について科学的な調査によって答えを探し出そうとしているのがレベッカ・サックス博士。もともとは、オックスフォード大学で哲学と心理学を専攻していたそうですが、2003年にMITで脳・認知科学の博士号を取得しています。

心の理論とは、他者の心を類推し、理解する能力のこと。サックス博士は、fMRIという技術を用いて、心が大脳皮質の一部分である右側頭頂接合部に司令部が存在することを発見したそうです。サックス博士のTEDスピーチがとっても興味深い内容だったので、こちらも是非ご覧ください。

Physics Engine

日本語でいうと、物理演算エンジンのこと。力学の法則にのっとって、モノの動きをシミュレーションするソフトウエアのこと。質量・速度・摩擦・風などを考慮した上で再現が可能。3Dグラフィックやゲームなどで利用されるらしいです。

真鍋淑郎博士

昨年、ノーベル物理学賞を受賞した真鍋博士は、二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測を立て、気候変動対策の基礎となる研究開発に尽力したことで知られています。実は、真鍋博士はかつて、山極先生が現在所長を務める地球研と長く一緒に研究を進めていたそうです。

ベイジアン

18世紀のイギリスの数学者であり牧師だったトーマス・ベイズ氏にちなんで名付けられたベイズの定理のこと。条件付き確率を求めるための数学的公式を指します。条件付確率とは、ある結果が発生したときに、その結果が発生する可能性を示すもの。ベイズの定理は、融資のリスク評価や、迷惑メールの振り分け、マーケティングのデータ解析などに使われているそうです。

ホモハビリス

アフリカに240万〜180万年前まで存在していたヒト属の一種。ラテン語で「能力あるヒト」という意味があるそうです。長い腕を持っていたそう。アウストラロピテクスから枝分かれしたと考えられている。石同士を打ちつけてつくるオルドバイ型石器を使っており、石器を発明したと言われています。

おたよりを募集しています

番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、Joiさんへの質問があればぜひ投函ください。番組に貢献してくださったリスナーには番組オリジナルのNFTをプレゼントしています。メッセージはこちらよりお寄せください。

Newspickで語られていた「秘密の内容」とは?

先日、Newspicks「成毛眞 2040 未来からの提言」にJoiさんが出演しましたね。番宣動画でなにやら意味深なフリがされていると思います。下記ツイート内の動画は要チェックです!

この「秘密の内容」の詳細について、何だろうと思って検索して来た方。正解です!実は、番組ではコミュニティ実証実験を行っています。 詳しくは下記項目をご覧くださいませ。

コミュニティ醸成実験の概要

これまで番組やこのブログなどで小出しにお伝えしてきたコミュニティ醸成実験。ようやくその中身をお伝えできるようになりました。番組という枠を飛び出して、リスナーの方々同士が交流できる場となっています。私シナダももちろん参加しております。詳しくは、こちらをご覧ください。

結構いろんな方が参加されていて、あんな方やこんな方もコミュニティにいらっしゃって、濃ーーい会話が展開されています。

この実験に参加をご希望の方はこちらから参加メンバーの登録をお願いします。メンバーのダイバーシティを考慮しながら、徐々にメンバーを拡大していく予定です。参加時期がきましたら、スタッフから個別に連絡をさせていただきます。興味のある方、まずは登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。

ETHアドレスの取得方法

ETH取得には、ウォレット(お財布)をインストールする必要があります。このウォレットはブラウザに拡張機能として導入したり、スマホにインストールすることで、仮想通貨やNFTの管理や送金、受け取りなどが可能になります。

代表的なウォレットはmetamaskと呼ばれるもので、使用料は無料です。もちろんこれ以外のウォレットを使用する場合も、もちろんOKです。

ここではmetamaskを例に登録方法を説明します。

1)まずは、metamaskにアクセスしてみましょう。

https://metamask.io/

2)サイト内に記載してあるdownloadをクリックし、インストールします。

downloadボタンをクリックした後は、インストール先を選択します。ios、andoroidへのインストールのほか、google chromeに拡張機能として導入することも可能です。

任意のInstallボタンを押して、必要事項を記入しインストールを進めてください。

また、登録の段階でパスワードとシークレットリカバリーフレーズをきちんとメモするのをお忘れなく!!

3)パブリックアドレスを確認

インストールが無事済むと、アカウントのホーム画面が表示されます。

Chrome拡張機能版の表示内容

スマートフォン版アプリの表示内容

赤枠で囲まれた暗号のような数字とアルファベットをクリックしてください。この暗号みたいなものが、あなたのパブリックアドレスとなります。銀行預金でいうところの、預金番号のようなものですね。

4)パブリックアドレスをコピーし、メールフォームにペーストしてください

ウォレットを登録したら、ETH アドレスをコピーし、メールフォームにペーストしたら完了です。

お送りした番組オリジナルNFTの確認方法

walletは、日本語にするとお財布なので、送られてきたNFTが見れる...、と思いきやそうではありません。NFTを見るには、OpenSeaなどのプラットフォームをwalletと連携させる必要があります。

ここではOpenSeaでwalletをリンクさせ、送られてきたNFTを確認する方法をお伝えいたします。

1)OpenSeaとWalletをリンクさせる

OpenSeaにアクセスいただき、一番右のお財布マークをクリック。 お使いのウォレットを選択し、同期させます。

2)コレクションを表示させる

お財布の隣にある丸いマークを押すことで、現在お持ちのNFTを確認することができます。

3)Hidden に入っているNFTをコレクションに移す

「Hidden」と記載された欄をクリックいただくと、送られてきたNFTが表示されます。ここで、3つ点が表示されているエリアをクリック。すると、Unhideという項目がでてくるので、これを選択してください。

imagenft.jpg