目の眼の井藤編集長を迎えたシリーズの最終回となります。古美術とは何か、そしてこれから古美術や骨董はどこへ向かうのかをさらに深く探りました。

- Joi

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雑誌「目の眼」の特集 今週は特別企画!雑誌「目の眼」との連動企画となります。今回取材いただいた内容は雑誌でもご覧いただけます。

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今回のPodcastの理解度をより深めるための4つのキーワード

民藝運動

1926年に柳宗悦、河井寛次郎、濱田庄司らによって提唱された生活文化運動。当時の工芸界では華美な装飾を施した観賞用の作品が主流だったそう。

そんな中、柳らは無名の職人の手から生み出された日常の生活道具を「民藝(民衆的工芸)」と名付け、美術品に負けない美しさがあると唱えたとか。各地の風土から生まれ、生活に根ざした民藝には、用に則した「健全な美」が宿っているとして、新しい「美の見方」を提示したそう。

1936年には東京・駒場に日本民藝館を設立。工業化が進み、大量生産の製品が少しずつ生活に浸透してきた時代に、失われていく日本各地の「手仕事」の文化を守ろうとした運動として知られています。

鑑賞美術

読んで字のごとく、鑑賞するための美術のこと。井藤編集長によると、もともと日本の美術品(茶碗や屏風など)はすべて生活や儀式のための「道具」だったそうですが、明治以降に西洋的な「見るためのアート(Fine Arts)」の概念が入ってきて、この言葉が生まれたんだそうな。本来は「使う」ためのものを「見て楽しむ」ものとして再定義した、近代日本ならではの価値観の転換ですね。

廃仏毀釈

明治元年(1868年)に明治新政府が神仏分離令を発したことを契機に、全国で起きた仏教排斥運動。「廃仏」は仏法を廃し、「毀釈」は釈迦の教えを棄却するという意味で、寺院や仏像、仏具、経典などが破壊・焼却され、僧侶が還俗を強制されました。

特に薩摩藩(鹿児島県)では徹底的で、江戸末期に1066カ寺あった寺院が全て廃寺となり、僧侶2964人が全員還俗するという破却率100%という事態に。

奈良の興福寺では五重塔を薪として売却する企てまで進められ、阿修羅像も腕が欠け落ちる被害を受けたそうです。江戸時代に9万寺あった寺院が、明治9年頃までに約4万5千寺にまで半減。千年以上かけて築かれた日本の仏教文化に壊滅的な打撃を与えた歴史上の一大事件となりました。

やつしの美学

日本文化の基底にある美意識の一つで、権威あるものや神的なものを当世風に変えて表現する手法のこと。「やつす」(見すぼらしい様にする、姿を変える)という動詞が名詞化したもので、江戸時代中期から上方を中心に広まったそう。

茶道における村田珠光のわび茶も、唐物の華美な書院茶を省略し和物中心の庶民的な茶事へと「やつした」ものと言え、俳諧も和歌や連歌を簡略化した「やつしの文学」と捉えられるそうです。外来文化を日本的なものに変化させてきた日本文化の根源的な方法でもあり、「やつしの美」として日本の芸術表現の重要な要素となっているんだとか。

今週のおさらいクイズの申請先

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