2005年2月 Archives

//

Seki-san from Six Apart

1
映画『交渉人 真下正義』のお手伝いを少ししました。映画に出てくるノートパソコンのステッカー集めも手伝いました。そのノートパソコンの写真をflickrにアップしました。

まだどの位このパソコンが実際の映画に出てくるか分からないけど、以前役者がパソコンの前に座って話をしているときは随分ステッカーはアップに映ってました。

UPDATE: flickrのsetに映画の写真とポスターを追加しました。

ドナ・ウェントワース@Copyfight
Your ISP Knows You're a Dog

インターネットにおける匿名性を維持する重要性について、フレッド・フォン・ローマンLaw.comのコラムで書いている。『覚えておいてほしい。(インターネットではあなたがたとえ犬だとしても誰もわからないと思っているかもしれないけど)あなたのインターネット・サービス・プロバイダ(ISP)は、あなたが犬ではないと知っているのだということを。そしてあなたの敵は、裁判所の証拠提出命令書が1枚あれば、憲法で守られた匿名で吠え立てる権利を脅かすこともできるのだ』

匿名性は、テロリズムとインターネットを語る上でとても重要な問題だ。僕もオーガナイズに協力している『民主主義、テロリズムと開かれたインターネットに関する国際サミット』のインターネット部会でも議題になる予定。あと、プライバシーの重要性とwhoisデータベース(ドメイン名のオーナーと連絡先のデータベース)に関してICANNの立場はどうなのよという話の流れでも、重要な問題だ。匿名性を確保する上で払われねばならないコストというのは確かにあるけど、匿名発言の息の根を止めてしまうことは民主主義にとって甚大なコストとなる──そういう風に、僕は今でも考えている。

匿名で発言する権利を守ろうと思っているのは、EFFとか僕みたいな人間ばかりじゃない。米国科学振興協会も匿名性支持の立場で「現在、あるいは未来においても、(匿名性は)規制することで益のある領域ではない」と言っている。もちろんこれは1999年の話だけど。(この発言のある報告書に関するWiredの記事
フレッドのコラムにもあるように、米国建国の父たちは『フェデラリスト・ペーパー(岩波文庫『ザ・フェデラリスト』に収録)』を匿名で発表した。彼らは匿名での発言権を守ることの必要性を当時から痛切に感じていて、それを憲法にも組み込もうとした。そして今、僕たちは著作権の侵害やテロリズム、児童ポルノ、その他もろもろの悪だくみをしている悪鬼を恐れるあまり、その権利を骨抜きにしようとしているのだ。

訳注:オリジナルの方ではJohn Doe(行路病者みたいな名前のわからない患者に病院で仮に付けられる名前ですね)さんが「実際に自分が匿名の悪意にさらされてもそういうこと言えるわけ? 理想と現実は違う」と反論コメントを寄せています。それに対するJoiさんの考え方は「法律で制限しようとしても、悪いことする人は絶対抜け道を見つけるんだから、現実的にも匿名性の規制にあまり意味はない」というもののようです。詳しくは以下へ。

飯野さんとまたお話しました。10.5 MB mp3 11分25秒 です。

archive.orgに他のフォーマットもあります

Deed
Ableton Liveにハマってから、今の時代にデジタルな音楽をやることの難しさがだんだんわかってきた。DJをやっていたこともあるので、僕の頭の中には大量の楽曲が「どの曲のどのパートがほかのどの曲のどのパートに合うか」というような分類方法で収まっている。でも、クラブのターンテーブルでならやっていいことも、音楽をつくるとなるとダメなんだよね。アメリカのレコード会社は楽曲にサンプリングを使ったミュージシャン相手の裁判に何度も勝っているし。お金を出して買ったループやクリエイティブ・コモンズにある音素材を使ったり、あるいは自分で音を作るのはOKなんだけど、DJ時代によく使っていたメロディやらドラムトラックやリフを使うのはNG。昔好きだった曲のフレーズが喚起する、その時代の思い出とかイメージとかってあると思うんだけど。なんというか、自分で曲を作って表現するには、DJをやっていた数年間を記憶から消去しなきゃいけないみたいだ。

間のいいことに、クリエイティブ・コモンズのライセンス下にある音源はどんどん増えつつある。サンプラーやシーケンサーが登場した頃に普通にやっていたような、音楽をシェアしてサンプリングする音楽作りのカルチャーを、ゼロから築き直さなきゃいけないってことだ。アーティストのみなさん、お願いします。曲を発表するときには、クリエイティブ・コモンズのサンプリング・ライセンス を使うことを考えてみてください。未来のアーティストやDJのクリエイティビティから隔絶された孤島にならないためにも。

訳注:とても訳しきれませんが、コメントの方も相当面白いことになっているのでのぞいてみてください。

昨夜、スティーブ・クロッカーとご飯を食べた。以前にもデビッド・アイゼンバーグを通して会ったことはあったんだけど、最近は彼がICANNのボードメンバーのセキュリティおよび安定性関連の渉外担当であることもあって、顔を合わせる機会がずいぶん増えた。なんといってもRFC 1の作者として有名な人だ。

彼の会社シンクロがつくったソフトウェアの話を聞いたので、今日試してみた。これは、僕が抱えていたいろんな悩みを解決してくれるソフトだ。基本的には「暗号化の面で非常に堅牢かつクロス・プラットフォームなコラボレーションツール」という説明ができるだろう。グループを作成してファイルを共有したり、IRCのような共有のチャット空間をつくったり、デスクトップのスクリーンをグループのメンバーと共有したり(そう、これも異なるプラットフォーム間で可能)といったことができるようになっている。共有ファイルはバックグラウンドで変換されてDIFF形式でユーザー間を行き来し、受取人によって復元される。よくある「友達リスト」が付いたインスタント・メッセンジャーも使える。すごいのは、すべてのデータ転送が256ビットのAES暗号鍵と2048ビットのRSA暗号鍵で暗号化されているということ。すべてのメッセージが固有の暗号鍵で暗号化されていて、その鍵がRSA暗号鍵で保護されている。いろんなコンファレンスや公共の場所で人のインスタント・メッセージやその他の通信に鼻を突っ込んで回る人がいることを現実に知っている僕としては、非常に重要な機能だ。

グループ内でのファイル共有用のフォルダは、実に気の利いた設計になっている。フォルダにファイルをドロップするだけでよくて、誰がそのファイルを受け取ったか、どんな変更がなされたかもわかる。ボードミーティングやらコンファレンスやらの前になると送られてくる山のような添付書類や情報のアップデートに比べると、はるかに使い勝手がよくて整理されている。

いろんな点でGrooveにも似ているけど、もっと軽くて、かつ重要なのはクロス・プラットフォームであるということ(Mac、Windows、Linux、Free BSDで使える)。

www.shinkuro.comでダウンロードできる。今のところフリー。登録すればすべての機能を使うことができる。僕を友達として登録したりあなたのグループに招きたいと思ってくださる方のために書いておくと、僕のIDは「jito!shinkuro.com」です。以前にも書いたけど、僕は「電子メールは死んだ」と思っているので、こういう、ポスト電子メール時代をサバイブするためのツールはとてもありがたい。

オリジナル:Shinkuro

飯野さんの反撃 podcasting.mp3 6.7MB