私はこれまで、ニューロダイバーシティ(神経の多様性)についていろいろ執筆したり、考えたりしてきました。ニューロダイバーシティは、メディアラボの所長として仕事を始めて以来、私を魅了したテーマのひとつでした。MITの学生や研究者たちは、自分の自閉症やニューロダイバシティを誇りに思っていました。MITとメディアラボはニューロダイバシティを祝福する特別な場所だったのです。私は、それ以来、なぜもっと多くの世界がこのようになれないのかと考えるようになりました。
この記事は、2018年に私の観察の多くに基づいて書いたものになります。後に娘が自閉症であることを知り、今は親としてもコミュニティに参加するようになりました。この時は、MITでの経験もあったので、なんだか心構えもできていたように思います。それに、コミュニティに参加できることを嬉しく思いました。
今回配信となったポッドキャストは、私にとって非常に特別なものとなりました。それに、この対談は個人的にも、また日本社会にとっても重要なものだったように思います。
このポッドキャストが、私が日本で公私ともに続けていきたいと思っている、より広い意味での対話の始まりであることを願っています。
- Joi
脳や神経の多様性を受け入れる
ここからは、番組スタッフのシナダがお届けしていきます。
今週は、歴史社会学者の池上英子先生をお迎えして、ニューロダイバーシティと日本社会についてお話いただきました。
池上先生はニューヨークを拠点とする歴史社会学者で、日本社会を比較文化の視点からネットワーク論的に見直す研究を行っています。近年は、仮想空間「セカンドライフ」での自閉スペクトラム症(ASD)の方々と交流を行い、そこから日本の歴史や社会における自閉症スペクトラムの考察などを著書「ハイパーワールド:共感し合う自閉症アバターたち」(NTT出版)、「自閉症という知性」(NHK出版)などで発表し話題となりました。
これまでとはがらりと趣向が変わり、多様性と教育に焦点を当ててお届けしましたが、みなさまいかがでしたでしょうか。
今回のJoiさんは「お父さん」としての色が濃かったかもしれませんね。自閉スペクトラム症のお子さんを本当に愛し、親としてどうにかしたい。という強い思いが伝わってきて、編集しながらジーンと胸が熱くなってしまいました。
シナダの娘(実はママなんです)もニューロダイバーシティがしたたる程に溢れているので、噛み締めながら聞いていました。このポッドキャストは同じような境遇の親御さんに聞いてもらいたいなと強く思っています。どうか、沢山の人に届いてほしい...。
「発達障害」という言葉でなく「ニューロダイバーシティ」という言葉が広がるだけでもきっと世の中は変わるはず。当番組は、ここから一歩一歩積み上げていきたいなと思っています。
変革の道への基礎知識
Neurodiversity
脳神経系の多様性を指す言葉。思考や感じ方、行動などに「正しい」方法は多様にあり、そこに違いがあるというだけで「障害」とはみなさないという考え方。多くの場合、自閉スペクトラム症(ASD)や、ADHD、学習障害などの他の神経疾患や発達障害の文脈で使われます。
Chuck Vest
サチューセッツ工科大学の名誉学長であり、機械工学の教授。1990年から2004年までマサチューセッツ工科大学の学長を務めたそうです。宇宙ステーションの再設計に関する大統領諮問委員会の議長を務め、科学技術に関する大統領諮問委員会のメンバーも務めました。
Atlantic
1857年にボストンで「The Atlantic Monthly」として創刊された雑誌。教育や奴隷制度の廃止など、当時の主要な政治問題に関する一流の作家のコメントを掲載する文学・文化雑誌でした。20世紀後半に財政難に陥り、何度か所有者が変わった後、実業家のデビッド・G・ブラッドリーに買収され、主に国内の真面目な読者や「思想家」を対象とした総合的な編集雑誌として生まれ変わりました。
Harvey Blume
アメリカ在住のフリーランス作家。1998年に発行されたThe Atlantic(前述)に寄稿した記事でNeurodiversityという言葉を広めた人と言われています。The Atlanticの記事では「神経多様性は、生物多様性と同様に、人類にとって極めて重要なものと言えるだろう。どのような脳の配線が最適なのか、誰にもわからないからだ」と述べています。
Temple Grandin
コロラド州立大学の動物学博士。自閉スペクトラム症の当事者としても知られています。2010年には自身の物語がクレア・ディーンズ主演でドラマ化されています。 TEDでのニューロダイバーシティに関するスピーチはこちらからどうぞ。
自閉スペクトラム症/自閉症スペクトラム(ASD)
DSMーIVというアメリカ精神医学会の診断基準があり、社会的コミュニケーションに困難があり、現局された反復的な行動が見られるという二軸で診断されるものになります。対人関係の構築の困難や、顔の表情理解の困難などの特徴があるとされています。 ちなみにスペクトラムというのは、グラデーションで続いている、みたいな意味になります。虹を見たときに、色の境目がわからないまま7色に展開しているようなはっきりとした境界線はなく、ずるるるっと広範囲に展開している、みたいなイメージです。
レインマン
1988年公開のアメリカ合衆国の映画で、トム・クルーズとダスティン・ホフマンとの交流を描いたロードムービーです。ある特定の分野に長けているサヴァン症候群を登場人物で描いた作品としても知られています。ダスティン・ホフマン演じる兄のレイモンドが記憶力を発揮してカジノでボロ儲けするシーンを覚えている方も多いかもしれませんね。
Minecraft
デジタル版のブロック遊びとも言われるビデオ・ゲーム/オンラインゲームで、仮想空間の中で冒険したり建物を建てたりしていくもの。小学生の間で大人気で、特に、自閉症の子供たちが社会的スキルを学ぶ場にもなっているそうな。自閉症の子とその家族のために作られた「アウトクラフト」はそんな子供たちのサードプレイスになっているそうです。アウトクラフトを創設したスチュアート・ダンカンさんのTEDスピーチはこちら。
セカンドライフ
2008年のごろ大ブームとなった米リンデンラボが運営する仮想空間。いわゆるメタバースのはしり。アバターを使って仮想空間の中でユーザー同士が交流したり買い物したりできるものです。当時すごく話題となって一瞬で萎んでしまった印象ですが、今でも運営は続いています。しかも、昨今のメタバースブームに乗ってか、創業者のフィリップ・ローズデール氏が復帰となる模様。
Autism Speaks
2005年2月、自閉症の子どもを持つ祖父母であるボブとスザンヌ・ライトによって設立された団体で、「自閉症の人々に対する世界的な理解と受容を深めること」や「人生を豊かにする研究のブレークスルーのきっかけとなること」などを目的とする団体です。
Neurotypical
脳神経の定型発達という意味で、ニューロダイバーシティの対義語のように使われています。
Web3's Summer of Love
ニュースのセクションでJoiさんが「これは是非読んだ方がいい!」と力説していたのは、こちらのブログ記事となります。 NFTの盗難事件からスタートし、Web3の時代性をヒッピー文化となぞらえて考察する非常に興味深い内容となっております。
おたよりを募集しています
番組では、リスナーの皆様からお便りを募集しています。番組に対する意見はもちろん、Joiさんへの質問があればぜひ投函ください。番組に貢献してくださったリスナーには番組オリジナルのNFTをプレゼントしています。メッセージはこちらよりお寄せください。
アーティストを探しています。
番組では、なんらかの形でNFTアートを絡めた実験を行おうと企んでいます。「せっかくやるんだから、カッコいいものにしたい!」ということで一緒に作品作りにご協力いただけるアーティスト(絵画、イラストレーション、デザイン等)を探しております。「我こそは!」という方がいらっしゃいましたら、ポートフォリオを、こちらまでお送りいただけないでしょうか?文中に「#ポートフォリオ送付」と記載いただけるとありがたいです。
女性の社会進出についてどう思いますか?
番組では、近日中に「女性の社会進出」をテーマにする回を予定しています。ゲストは、女性向けキャリア支援を手掛けるSHE株式会社の福田恵里さん! このインタビュー収録に際してみなさまからメッセージを募集したいと思います。女性の社会進出はここ数年で変わったのでしょうか?今後はどうなっていくと思いますか?番組をお聴きのみなさまのご意見や、福田さんへの質問などがあれば[こちら]まで、ぜひお寄せください。(https://airtable.com/shrKKky5KwIGBoEP0)「#女性の社会進出に関して」と記載いただいた上で投稿いただければ、ありがたいです。「これは!」というメッセージや質問はインタビュー収録時に採用させていただく可能性がございます。
コミュニティ醸成実験の概要
これまで番組やこのブログなどで小出しにお伝えしてきたコミュニティ醸成実験。ようやくその中身をお伝えできるようになりました。番組という枠を飛び出して、リスナーの方々同士が交流できる場となっています。私シナダももちろん参加しております。詳しくは、こちらをご覧ください。
結構いろんな方が参加されていて、あんな方やこんな方もコミュニティにいらっしゃって、濃ーーい会話が展開されています。
この実験に参加をご希望の方はこちらから参加メンバーの登録をお願いします。メンバーのダイバーシティを考慮しながら、徐々にメンバーを拡大していく予定です。参加時期がきましたら、スタッフから個別に連絡をさせていただきます。興味のある方、まずは登録だけでもしてみてはいかがでしょうか。
ETHアドレスの取得方法
ETH取得には、ウォレット(お財布)をインストールする必要があります。このウォレットはブラウザに拡張機能として導入したり、スマホにインストールすることで、仮想通貨やNFTの管理や送金、受け取りなどが可能になります。
代表的なウォレットはmetamaskと呼ばれるもので、使用料は無料です。もちろんこれ以外のウォレットを使用する場合も、もちろんOKです。
ここではmetamaskを例に登録方法を説明します。
1)まずは、metamaskにアクセスしてみましょう。
https://metamask.io/
2)サイト内に記載してあるdownloadをクリックし、インストールします。
downloadボタンをクリックした後は、インストール先を選択します。ios、andoroidへのインストールのほか、google chromeに拡張機能として導入することも可能です。
任意のInstallボタンを押して、必要事項を記入しインストールを進めてください。
また、登録の段階でパスワードとシークレットリカバリーフレーズをきちんとメモするのをお忘れなく!!
3)パブリックアドレスを確認
インストールが無事済むと、アカウントのホーム画面が表示されます。
赤枠で囲まれた暗号のような数字とアルファベットをクリックしてください。この暗号みたいなものが、あなたのパブリックアドレスとなります。銀行預金でいうところの、預金番号のようなものですね。
4)パブリックアドレスをコピーし、メールフォームにペーストしてください
ウォレットを登録したら、ETH アドレスをコピーし、メールフォームにペーストしたら完了です。
お送りした番組オリジナルNFTの確認方法
walletは、日本語にするとお財布なので、送られてきたNFTが見れる...、と思いきやそうではありません。NFTを見るには、OpenSeaなどのプラットフォームをwalletと連携させる必要があります。
ここではOpenSeaでwalletをリンクさせ、送られてきたNFTを確認する方法をお伝えいたします。
1)OpenSeaとWalletをリンクさせる
OpenSeaにアクセスいただき、一番右のお財布マークをクリック。 お使いのウォレットを選択し、同期させます。
2)コレクションを表示させる
お財布の隣にある丸いマークを押すことで、現在お持ちのNFTを確認することができます。
3)Hidden に入っているNFTをコレクションに移す
「Hidden」と記載された欄をクリックいただくと、送られてきたNFTが表示されます。ここで、3つ点が表示されているエリアをクリック。すると、Unhideという項目がでてくるので、これを選択してください。