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社会参加型 (society-in-the-loop) 人工知能 »

Photo by wp paarz via Flickr - CC BY-SA 社会参加型 (society-in-the-loop) 機械学習という用語を使うのをぼくが初めて効いたのは、イヤド・ラフワンがそれを口にしたときだった。かれはScience に掲載されたばかりの論文を説明していたところで、その論文自動運転車に人々がどんな判断を行ってほしいと思うかについて世論調査を行うというものだったお----哲学者たちが「トローリー問題」と呼ぶものの現代版だ。この考え方は、世間の優先順位や価値観を理解することで、社会が倫理的と考えるやり方で機械が振る舞うように訓練できるというものだ。また、人々が人工知能 (AI) とやりとりできるようにするシステムを作って、質問をしたり行動を見たりすることで倫理を確かめてもいい。 社会参加型 (society-in-the-loop) 機械学習は、人間参加型 (human-in-the-loop)機械学習を拡張したものだ----人間参加型 (human-in-the-loop)機械学習機械学習は、メディアラボのカルシック・ディナカールが研究してきたもので、AI研究の重要な一部として台頭しつつある。 ふつう、機械はAIエンジニアたちによって、大量のデータを使い「訓練」される。エンジニアたちは、どんなデータを使うか、どう重み付けをするか、どんな学習アルゴリズムを使うか、といった各種パラメータをいじって、正確で効率よくて正しい判断をして正確な洞察を与えてくれるようなモデルを作り出そうとする。問題の一つは、AIというかもっと厳密には機械学習がまだとてもむずかしいので、機械を訓練する人々は通常、その分野の専門家じゃない。訓練するのは機械学習の専門家で、学習後に完成したモデルを試験するのも専門家であることが多い。大きな問題は、データの中のバイアスやまちがいは、そうしたバイアスやまちがいを反映したモデルを作り出す、ということだ。こうした例としては、令状なしの身体捜索を許容する地域からのデータだ----その標的になったコミュニティはもちろん、犯罪が多いように見えてしまう。 人間参加型 (human-in-the-loop)機械学習機械学習は、専門家とのやりとりを通じて学習する機械を作り出すことにより、その分野の専門家が訓練をやるか、少なくとも訓練に参加できるようにすることだ。 人間参加型 (human-in-the-loop)コンピューティングの核心にある発想は、モデルをデータだけから構築するのではなく、そのデータについての人間的な視点からもモデルを作るということだ。カルシックはこのプロセスを「レンズ化 (lensing)」と呼んでいる。つまりある領域の専門家が持つ人間的な観点またはレンズを抽出し、訓練期間中にデータと抽出されたレンズの両方から学ぶようにするわけだ。これは確率的プログラミングのためのツール構築と、機械学習の民主化の両方にとって意味があることだとぼくたちは思っている。 哲学者、聖職者、AIや技術の専門家たちとの最近の会合では、機械が裁判官の仕事を奪うという可能性について議論した。データがらみのことなら機械がとても正確な評価を下せるという証拠はあるし、裁判官が決める保釈金の額や仮釈放の期間といったものは、人間より機械のほうがずっと正確にできると思うのは無理もないことだ。さらに、人間の専門家は適切に保釈金額を決めたり仮釈放の判断をしたりするのが苦手だという証拠もある。仮釈放判定委員会による聴聞が昼ご飯の前か後かで、結果にはかなりの影響が出てしまう(この論文で引用された研究についてはいくつか批判があり、論文著者たちはそれに対して答えている)。 議論の中で、一部の人はある種の判断、たとえば保釈金額や仮釈放などを裁判官ではなく機械に任せてはどうかと提案した。哲学者と聖職者数名は、それが効用主義的な観点からは正しく思えても、社会にとっては裁判官が人間だというのが重要なのだと説明した。そのほうが「正しい」答えが出るよりも大事なんだという。効用を重視すべきかという問題はさておき、どんな機械学習システムだろうと、社会が受け入れるかどうかはとても重要になるし、この観点に取り組むのは不可欠なことだ。 この懸念に対処する方法は二つある。一つは「人間参加型 (human-in-the-loop)」にして、人間の裁判官の能力を補ったり支援したりするのに機械を使うというものだ。これはうまくいくかもしれない。その一方で、医療や飛行機の操縦といったいくつかの分野の経験を見ると、人間は機械の判断を取り消してまちがった判断を通してしまうことがあり、一部の場合には人間が機械の判断を取り消せないようにしたほうがいい。でも人間が投げやりになったり、結果を盲目的に信用するようになったりして、機械にすべて任してしまう可能性もある。 第二の方法は、機械を世間によって訓練させること(社会を参加させる)だ----人間が、機械が自分たちの、おおむねおそらくは、多様な価値観を信頼できる形で代弁していると思うような形で訓練してもらえばいい。これは前例がないことではない----多く意味で、理想的な政府は、それが十分に物事を理解しており、熱心だと人々が思っているので、それが自分を代弁していると感じ、そして政府の行動に対して自分が最終的に責任を負うと感じるようなものだ。社会が訓練できて、社会が信用できるほど透明性があるようにすることで、社会の支持と代弁能力を獲得できる機械を設計する方法があるのかもしれない。政府は、競合して対立する利害と対処できているし、機械だってそれができるかもしれない。もちろんややこしい障害はたくさんある。たとえば伝統的なソフト(コードは一連のルールだ)とはちがい、機械学習モデルはもっと脳みたいなものだ----一部だけを見て、それが何をするか、今度どう動くかをずばり理解するのは不可能だ。社会が機械の価値観や行動を試験し、監査する手法が必要だ。 この機械の究極の創造者にしてコントローラーとしての社会からインプットを得て、そしてその支持を得る方法を編み出せれば、それはこの司法問題の裏面も解決するかもしれない----人間が作った機械が犯罪を犯したらどうするか、という問題だ。たとえば、自動運転車の振る舞いに対して、社会が十分な入力とコントロールを得ていたと感じるならば、その社会は自動運転車のふるまいや潜在的な被害についても、自分やそれを代表する政府に責任があると感じ、自動運転車の開発企業すべてが直面する製造物責任問題を迂回する一助になるんじゃないだろうか。 機械が社会からの入力をどのように得て、社会によりどう監査されコントロールされるかという問題は、人命を救い正義を実現するために人工知能を導入するにあたり、開発されるべき最も重要な領域となるかもしれない。それにはおそらく、機械学習ツールを万人が使えるようにして、とてもオープンで包含的な対話を実施し、人工知能の進歩からくる力を再分配することが必要になる。見かけ上だけ倫理的に見えるよう訓練する方法を考案するだけじゃダメだ。...

簿記と会計の再発明 (確実性を求めて) »

会計は金融、ビジネスの根底にあり、軍隊を作ったり都市を建設したり、大規模なリソース管理したりといった活動を可能にする。実際、会計こそまさに世界が価値あるもののほとんどを追跡管理する手法だ。 会計はお金より昔からあり、もともと古代コミュニティが限られたリソースの追跡と管理に使っていた。7,000年以上も前のメソポタミアに会計記録があって、物々交換を記録している。時代とともに、会計は取引の言語となり、情報インフラとなった。会計と監査は、エジプトやローマのような大帝国の建設も可能にした。 会計が拡大するにつれて、羊だの穀物の山だの材木の束だのを数えるだけでなく、リソースの計算と管理にあたって、その交換価値を使いお金という抽象的な単位に基づいて計算するほうが、筋が通るようになった。交換だけでなく、お金は支払い義務の記録や管理も可能にした。だから初期の簿記は、個人同士の約束や取引を記録しただけだったけれど(アリスはボブに某月某日に羊を貸しました)、お金はアカウントの管理を大幅に簡略化し、市場、企業、政府のスケーリングを可能にすることで、新しい会計の世界を切り拓いたのだった。でも、何世紀も経るうちに、かつては強力だったこの簡略化が、驚くような欠点をもたらすことになった----そしてこの欠点は、現代のデジタル接続世界で拍車がかかっている。 ### 価値を定義する 今日の企業は、ERPシステム(企業リソース計画システム)を使って、各種のモノや契約や従業員を追跡する。でも会計システム----そしてそれを要求する法律----は、とにかくあらゆるものを金銭価値に変換するように要求し、それを[700年前の複式簿記手法](https://en.wikipedia.org/wiki/Double-entry_bookkeeping_system) ([日本語版](https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A4%87%E5%BC%8F%E7%B0%BF%E8%A8%98))に基づく簿記システムに入力させる。これは13世紀のフィレンツェ商人たちが使ったのとまったく同じ方式で、「会計学の父」ルカ・パチョーリが1494年の著書 *Summa de Arithmetica, Geometria, Proportioni et Proportionalità* (算術・幾何・比及び比例全書) で説明したものでもある。 たとえば、明日雨が降ったら100万ドルもらう契約を結んで、それを帳簿につけるとする。この場合、明日雨が降る確率を推測する----まあ50パーセントとでもしようか----そしてこの資産の価額を、50万ドルとかで評価する。この契約は、実際には50万ドルを支払ったりすることは絶対にない。最終的には、それは価値ゼロ(雨が降らない)か、100万ドルか(雨が降る)のどっちかだ。でもこの契約をどうしても今日売ることになったら、たぶん50万ドルに近い金額で売るだろう。だから課税と管理のために、この契約の価値を50万ドルで「評価」することになる。一方、買い手がいなくてこれを売れない場合、規制当局はこれを価値ゼロと評価することもある。でも、明日雨が降れば、それがいきなり100万ドルの評価額となってしまう。 基本的に、企業の会計は各種帳簿のセルの総和で、そのセルには何らかの通貨----円、ドル、ユーロ等----をもとにした何らかの数値が入っている。そしてその数字が足し上げられ、まとめられ、それがバランスシート(貸借対照表)とPL(損益計算書)に入り、それが経営陣や投資家に対してその企業の健全性を示す。また利潤の計算と、政府に支払うべき税額の計算にも使われる。このバランスシートは資産と負債の一覧だ。資産側を見ると、印刷機や各種ソフトのコード、知的財産、他人への貸し(その人たちがきちんと払ってくれるかどうかは神のみぞ知る)、各国通貨建ての現金、商品の将来価値だの別の会社の価値だのに関する精一杯の推測なあど、価値があるとされる報告対象が、一覧になっている。 監査人、投資家、取引相手としては、いろいろ突っ込みを入れて、その企業がどんな想定をしているのか、その想定が計上時点でまちがっていたらどうなるか、あるいは将来のどこかで想定がずれてきたらどうなるかを調べたいこともある。また他の会社を買ったら、自分の支払い義務や賭けが、買おうとしている会社の支払い義務や賭けとどういう具合に相互作用するかを理解したいだろう。あれやこれやの想定の「根っこにたどりつく」ためには、監査人に何百万ドルも支払うはめになるかもしれない。その方法は、各種の法的契約を手で調べ、あらゆるスプレッドシートのあらゆるセルに入っている想定を見直すというこのだ。というのも標準的な会計は、とても「ロスの多い」やり方で、複雑で文脈に依存する関数を還元し、あらゆる段階ごとに静的な数字に変えてしまうからだ。その根底にある情報はどこかにはある。でもそれを掘り出すには、手作業が大量にかかる。 現代の複雑な金融システムは、投資家や当の企業が、まちがった想定をやったのを推測する方法を考案した企業だらけだ。こうした企業は、不正確な値づけをされた企業の逆張りをしたり、情報ギャップを利用して、それを自分たちの金銭的な儲けに変える。こうしたまちがいがシステムの至るところで繰り返されると、それは変動の増幅を引き起こし、市場が上がるときだけでなく下がる時にも、そうした変動をうまく予想できれば企業が儲けられるようになる。実際、このシステムがすべて崩壊しなければ、賢いトレーダーたちは安定性よりは変動で大儲けするわけだ。 ネズミ駆除業者たちは、ネズミが完全に根絶されるのをありがたいとは思わない。そうなったら自分たちが失業してしまうからだ。それと同じで、「システムをもっと効率的にして無駄をなくす」ことで儲けている金融機関は、本当は無駄のない安定したシステムなんか求めていない。 いまの金融システムの技術は、紙とペンしかなかった時代に設計された、お金と価値に関する考え方に基づいている。その時代には、システムを機能的に効率の高いものとするためには、依存関係や約束の網の目が持つ複雑性を還元するしか方法がなかった。複雑製を還元する方法は、共通の値づけ手法を使い、要素を分類して、それを足し上げることだ。これは700年前の材料をもとにしたもので、システムを「改善」というのもパターンや情報についての高度な分析をしつつ、その根っこにあるロスの多い、単純化しすぎた世界観という問題には手をつけようとしない。その世界観では、「価値」あるものはすべて、即座に数字として計上されるべきだとされる。 「価値」の標準的な発想は、還元主義的な世界の見方だ。これは、多くの人々にとってだいたい同じ価値を持つ、商品取引のスケーリングには有益な見方だ。でも実は、ほとんどのものは人と場合によって、価値が大きく変動する。ぼくとしては、価値あるものの多く----いやほとんど----はスプレッドシートの数字には還元できないし、また還元すべきでもないと言いたい。金融的な「価値」はとても限られた意味を持つ。家は、人がそこに住めるし、役に立つので、明らかに「価値」を持つ。でも、だれもその家を買いたがらず、市場に出ている似たような家をだれも買っていないなら、それに値段をつけられない。流動性がなうその「公正な市場価値」を決めるのは不可能だ。一部の契約や金融商品は譲渡禁止で、「公正な市場価値」など持たず、**今すぐ**お金 (またはリンゴ)が必要になったときにはまったく無価値かもしれない。混乱の一部は、法的・数学的な考え方を日常言語で説明するのがむずかしいせいもあるし、また文脈とタイミングの果たす役割もある。 その一例が為替レートだ。妻は日本からボストンに引っ越してもう数年たつけれど、いまでも値段を円に換算して考える。ときどき、円の価値が下落したせいで何かがずいぶん値上がりした、と述べる。我が家の収入も支出もほとんどがドル建てだから、もう円建ての「価値」は関係ないんだよ、というのをぼくはしょっちゅう忠告するはめになる。もちろんそれは、日本にいる義理の母にとっては関係なくはないけれど。 人々は、物事には「値段」があってその「値段」は「価値」と同じだという発想に慣れてしまった。でもぼくたちの会話についてどう感じたかをあなたがメールで送ってくれたら、それはある時点ではぼくにとって価値があるだろうけれど、おそらく他の人には無価値だ。リンゴ1つは、リンゴの果樹園の持ち主よりはお腹の空いた人にとってずっと大きな価値を持つ。すべては文脈次第だ。 "Can't Buy Me Love" - The Beatles 消費者たちが金融判断をするとき、幸福の一種の代理指標として「効用」を最大化するという経済学的な発想も、普遍的な「価値」の仕組みがその複雑性を単純化しすぎる例だ----それがあまりにひどいので、人間が市場で「経済的に合理的な」アクターだと想定するモデルはまるで機能しない。このモデルのいちばん単純なバージョンでは、持っているお金が多ければ多いほど幸せになるはずだ。ダニエル・カーネマンとアンガス・ディートンによれば、これは年収7,500ドルくらいまでしか当てはまらないそうだ[1]。 今日では、現在のシステムが回避するように設計された多くの複雑性を維持し、扱えるような会計システムを構築するだけの技術と計算力がある。たとえば、帳簿に計上されるのがすべて数字でなくてもいいはずだ。それぞれのセルは、それが表す支払い義務や依存関係のアルゴリズム的な表現であってもいい。実際、機械学習を使えば、アカウントは周辺の状況が変わるにつれて起こることに関する、高度な確率モデルにもできるはずだ。するとあらゆるシステムの「価値」は、だれが尋ねているのか、その居場所、時間パラメータ次第で変わることになる。 いまだと銀行規制当局がストレステストを実施するとき、銀行に対して債券市場の変化や一部のものの価格変動といった、シナリオを渡す。すると銀行は、そのシナリオで破綻するか、支払い能力が維持できるかについて報告を出すことになっている。アカウントをあれこれ調べてシミュレーションをするので、これはずいぶん人手がかかる。でももしアカウントがすべてアルゴリズム的になっていたらどうだろう。即座にプログラムを走らせて、この問題への答が得られる。もっと重要な問題、つまり「この銀行を本当に破綻させるには、どんな市場の変化群が必要だろうか、そしてその理由は?」というものに答えられる学習モデルがあったらどうだろう。ぼくたちが本当に知りたいのはそういうことだ。これを1つの銀行についてだけでなく、銀行システムすべて、投資家も含め、相互作用するすべてについて知りたい。 どこかの会社から何かを買うとき----たとえば [あなたの会社AIGからクレジット・デフォルト・スワップ](http://www.reuters.com/article/us-how-aig-fell-apart-idUSMAR85972720080918)を買うなら----知りたいのは、その支払い義務額を支払う期日がやってきたとき、ぼくが逆張りしていたAA格の住宅ローン債券がデフォルトしたとして、あなたの会社がちゃんと支払えるか、ということだ。現時点では、これを調べるのは容易なことではない。でも、もしすべての支払い義務や契約が、紙に書かれて数字として記録される代わりに、実際に計算できて「目に見える」ものだったらどうだろう?あなたがぼくに支払わなければならないこのシナリオの場合、実はあなたは似たような契約をあまりに多くの人を相手にかわしているので、破産して支払い能力なんかなくなることがわかる。現時点では、当の銀行自身ですら内部監査人が事前に探ろうと思わない限り、これが自分でわかっていないのだ。 ### 会計の根本を考え直す ゼロ知識証明やセキュアマルチパーティ計算といった最新の暗号学を使えば、事業や個人のプライバシーを犠牲にしなくてもこうしたアカウントを公開しておける。巨大なアカウントの集合で、あらゆる契約をセルにしておいて、だれかが何かを尋ねたらそれを全部計算しなおすというのは、今日の計算能力さえ超えてしまうかもしれない。でも機械学習とモデル構築で、変動のすさまじい増幅は、安定化はできなくても、それを抑えることはできるかもしれない。こうしたバブルとその崩壊が今日起きるのは、ぼくたちがシステム全体を単純化しすぎた砂上の楼閣の上に構築しているからで、しかもそれを扱う人々は、後で利用して私腹を肥やすために非効率性を導入するため、不安定で不透明にしておくインセンティブがある。 現在のビットコインや分散帳簿に関する興奮は、その柔軟性を再プログラミング可能な性質の活用につながる大きな機会を作り出していると思う。これにより、会計の根本的な仕組みを見直せる。ぼくは、銀行向けアプリだの、[金融](https://en.wikipedia.org/wiki/Finance)の新しい考え方だのよりは、おこっちのほうにずっと興味がある。銀行や金融向けの応用は、いくつかの症状に対処はしても、13世紀フィレンツェ商人たちが使っていたのとまったく同じ、[700年前の複式簿記手法](https://en.wikipedia.org/wiki/Double-entry_bookkeeping_system)の上に構築した、とんでもなく複雑で古くさい仕組みという根本原因の一つを解消する試みはまったく行わないからだ。虚数を使うべきところで整数しか使っていないような感じだ。会計の再発明は、アルゴリズムのちょっとしたテコ入れ(過去数百年にぼくたちがやってきたのはそれだと思う)なんかではなく、新しい数論の発見のようであるべきだと思うのだ。 -- [1]Daniel Kahneman and Angus Deaton. "High Income Improves Evaluation of Life But Not Emotional Well-Being". Proceedings of the National Academy of Sciences. (2010) -- *[Originally posted on PubPub.ito.com. Please read and post comments there.](http://pubpub.ito.com/pub/jp-reinventing-bookkeeping-and-accounting)*...

Firefox 3と色管理 »

Firefox はカラープロファイルに対応しているけれど、設定を手動で有効にしなければならない。 やり方を詳細に解説した素晴らしいブログ記事がいくつかあるので、詳しくはそちらを読んでもらうとして、この機能を使うことで色の正確さが大幅に向上するんだ。 カラープロファイルは、画像内の色がどのように見えるべきかをコンピュータに指示する地図のような役割を果たしてくれる。カメラ、モニター、プリンターにはいずれもカラープロファイルが設定されている。画像のカラープロファイルは、画像の色をプリンターやモニターのプロファイルにマッピングすることで、画像の色の正確なレンダリングを可能にする。 以前のFirefox(および、7以前のInternet Explorer)は画像のカラープロファイルを無視して、OSに対して、プロファイルが基本的なカラープロファイル(sRGB)であると伝えていた。大まかな話としては、大半の画像ファイルはsRGBなので問題ないはずだ。しかしこのことにより、しばしばインターネットに投稿した写真の見え方が画像エディタ内のそれと変わってしまう(色あせて、彩度が落ちてしまう)ため、iPhoto、Aperture、Lightroomなどで彩度やカラー・バランスを微調整する人にとっては、とても大きなフラストレーションを生む原因となっていたんだ。「sRBGとしてセーブ」を使うことでこれらの問題をある程度は回避できたものの、それでも問題が起こることが多かった。(僕がFlickrに投稿した写真の一枚に関する会話で、色関連のマニアの方々数名が解説してくれた。) 色の深遠なる機微に関する話題が興味深いのは確かだけれど、大半の人々にとっては「Firefox 3でカラープロファイル対応を「有効(on)」にすれば、多くの画像が元の色に格段に近い状態で表示され、色あせの度合いが弱まる」ということだ。やり方はこうだ。Firefox 3のアドレスバーに「about:config」と入力して、確認ページを進んでいく。「find: gfx.color_management.enabled」で設定項目を見つけたら、有効(true)と表示されるまでダブルクリックする。最後にFirefox 3を再起動すればいい。 Eye One Matchなど、モニターの色を調整するためのガジェットやソフトウェアのパッケージを使えばモニター(およびカメラやプリンター)の色調整ができる。万人が実際にその手間暇をかければ、皆同じ色を目にすることになるはずだ。問題は、未調整のモニターの多くで(たとえ同じシリーズのモニターであっても)色の映り方が違ってしまうことなんだ。これはつまり、未調整のモニターを使っている場合、写真の作者が色の「ずれた」画像を作ってしまい、それが別の未調整のモニターで表示された時にさらに「ずれて」しまうということを意味する。以前はブラウザ側でさらに「ずれ」が加わっていたわけだけど、カラープロファイル対応により正確な発色に一歩近づいたことになる。全部やろうと思う人はモニターの色調整が必要になるわけだ。 MozillaはどうしてSafariのようにデフォルトでカラープロファイルに対応するようにしていないのだろうか。(IE 7でもデフォルトでは無効になっている。)10~15%ほどパフォーマンスに悪影響が出るということはあるらしい。でも僕も手元で有効にして使っているけれど、体感できる違いはないように思える。いずれにせよ、最適化したうえで将来的にデフォルトで有効にする動きはあるそうだ。でも現時点では、保証を破棄してFirefoxをハッキングするしかないということだね。...

あるベンチャーキャピタリストの、ソフトウェア特許についての意見 »

Wisdom: あるベンチャーキャピタリストの、ソフトウェア特許についての意見...

Lessig on Spam »

Philip Jacob氏によるスパムに関してのレポートをちょうど読み終えたところです。情報が非常にうまくまとめられたこのトピックに関しての素晴らしい情報源です。ますます広がりつつスパムに屈することによってDavid S. Isenberg氏が言うところのStupid Network[インターネットによるネットワークのこと(編-日本語でのエッセイ参照)]を放棄することは決してできないですよね。 Label / Punishというしくみでのスパム対策はいいアイディアだと思いますが、punishment loop というようなお互いにチェックしあうしくみは国際的に行うことは難しいと思います。 (translated by ichi) 以下 Mr. Lawrence Lessig のweblogより Lawrence LessigA kind-hearted email and a nice analysis of spam have given me an idea: First the analysis: Philip Jacob has a great piece about spam and RBLs. The essay not only identifies the many problems with RBLs, but it nicely maps a mix of strategies that could be considered in their place. But, alas, missing from the list is one I've pushed: A law requiring simple labeling, and a bounty for anyone who tracks down spammers violating the law. Then I...

MSとアメリカ政府の陰謀? »

MSの裁判の判決文に変な事がい書いてあります。Page 7 of CKK's Final Decree on MicrosoftNo provision of this Final Judgment shall: 1. Require Microsoft to document, disclose or license to third parties: (a) portions of APIs or Documentation or portions or layers of Communications Protocols the disclosure of which would compromise the security of a particular installation or group of installations of anti-piracy, anti-virus, software licensing, digital rights management, encryption or authentication systems, including without limitation, keys, authorization tokens or enforcement criteria; or (b) any API, interface or other information related to any Microsoft product if lawfully directed not to do so by a governmental agency of...

Mod Chips threaten XBOX Business Model »

XBOXのビジネスモデルはハードは赤字で売って、ソフトで稼ぐ。最近はやってるMODチップはXBOXやPlaystationに乗っけると自分が書いたソフトが走る。こうやって安いパソコンとしてXBOXやPlaystationを使うことができる。オーストラリヤの裁判所でこのMODチップの販売はOKになりました。MSのCEOSteve Ballmerは怒ってオーストラリヤではもうXBOXは売らないとかも。っと、言って見たらしい。気持ちは分かるけど、だめでしょう。CNet Ballmer: Mod chips threaten Xbox By David Becker Staff Writer, CNET News.com October 21, 2002, 1:16 PM PT CEO Steve Ballmer said Microsoft may pull its Xbox game console from the Australian market because of a court decision that legitimizes "mod chips" for hackers, an Australian newspaper reported. Mod chips are gray-market add-ons that, once soldered to a console's main circuit board, defeat security systems and enable the machine to run legally and illegally copied discs, import games and homemade software....

Microsoft Switch 1.0 »

VS このニュースをDavid Farber's listで見つけました。 Microsoftがアップルの"switch" campaignのまねをしました。Switchは"real people"を使ってなぜWindowsからMacにSwitchしたかの話をするキャンペーンでした。アップルの場合は本当の人らしくて、それを追及するサイトまであります。でも、MSのモデルは Slashdotの読者のおかげでストックフォトのモデルだと言うことがばれました。MSのページはもう無くなってしまいましたが、GoogleにはCacheがあります。...

アメリカ政府との約束-Visa/MCがアダルトサイトにcrackdown »

最近のアメリカのニュースですが、VISAとMastercardがかなりアダルトサイトのビジネスモデルのコアになっている決済サイトをきつく管理することを発表しました。決済サイトをInternet Payment Service Providers (IPSPs)と名づけてそのIPSPを使うサイトをSponsored Merchantsと名づけました。この名前はわざとInternet Service Provider (ISP)ににた名前にして、IPSPがSponsored Merchantsのコンテンツについて責任をとることになります。それとVisa/MCにはSponsored MerchantのURL,コンテンツなどがちゃんと記録されるプロセスも導入。 AVNがインタービューした弁護士によるとカード会社はアメリカ政府と陰険な約束をしていて、ネットのアダルトビジネスを出来なくする代わりにカード会社に有利になるように倒産の法律を修正することになっています。法律はもう通ったので、カード会社が自分たちの約束を果たしているそうです。 AVN OnlineAnother Turn of the Screw >> By Tom Hymes and Kathee Brewer AVN Online spoke with several industry attorneys regarding these developments, and received far more ominous assessments from them. This was to be expected, not only because of natural professional proclivities or because they have been warning for years that the industry was fatally vulnerable to regulatory crackdowns, but more importantly because, almost to a man, they believe the credit card companies (i.e. V/MC) are in the penultimate stage of fulfilling their part of a devilish...

ギリシャ政府が全てのコンピュータ・ゲームを禁止! »

ギリシャ政府はソリティア、マインスイープまで含む全てのコンピュータ・ゲームを禁止。目的はインターネット賭博の取り締まりですが、全てのゲームまでとはすごいですね。The RegisterGreek govt bans all computer games By Thomas C Greene in Washington Posted: 03/09/2002 at 16:45 GMT The government of Greece is making heroic efforts to humiliate the nation in front of the entire world, by banning all electronic games. That's right; something as innocent as playing computer chess on your laptop in a hotel lobby is now a crime with penalties of up to three months in stir and a fine of 10,000 euros. The purpose behind this charming legislation is to crack down on Internet gambling (which already was illegal) -- or, rather, to enable legislators to...

Versignが.COMをなくすかも »

Verisign/Network SolutionsがICANNに.COMを取り上げられるかも。ワーニングのレターです。最近Verisignずいぶんたたかれてますね~ICANN Web Page ICANN | Letter from Louis Touton to Bruce Beckwith | 3 September 2002 Letter from Louis Touton to Bruce Beckwith Regarding Breach of VeriSign Registrar's Accreditation Agreement (Whois Data Accuracy)...

China Blocks Google »

中国がGoogleのブロックを始めた。BBC News BBC NEWS | Technology | China 'blocking Google' China appears to have blocked access to the popular search engine, Google. The site was repeatedly inaccessible when tested by BBC News Online using a system developed by the researchers at the Harvard Law School....

「コンピューター技術者も社会的責任を」 CPSR日本支部初大会 »

Mainichi Shimbun http://www.mainichi.co.jp/digital/solution/archive/200208/23/1.html 米国に本拠を置くCPSR(Computer Professionals for Social Responsibility=社会的責任を考えるコンピュータ専門家の会)の日本支部が発足し、第1回年次大会が23日、東京都内で開催された。代表の山根信二・岩手県立大学ソフトウェア情報学部助手は会見で、「IT社会を構成するテクノロジーがブラック・ボックス化してはならない。専門家の立場から、システムのリスクを明らかにし、一般に伝えていきたい」と話し、近く技術者の立場からみた住民基本台帳ネットワークシステム(住基ネット)について論点整理を行う。 CPSRは、コンピューター技術の社会への影響について考える技術・研究者によるNPOで、1982年に米カリフォルニア州のシリコンバレーで活動を開始している。社会にとって重要なシステムにコンピューターが利用される際、技術的に正確な議論が行われるよう、政策決定者、メディア、一般市民などに情報提供を行うことを目標にしている。現在、米国内外に約1000人のメンバーがおり、うち日本人は十数人。 日本支部は、このメンバーで結成されたもので、会員は14人。書記には藤本一男・作新学院大学人間文化学部助教授、会計には伊藤穣一・ネオテニー社長が就任している。 Thanks for covering this 太田さん!...

IMS/ISC's bid to run the .org TLD »

IMSが.org TLDを運営するビッドをICANNに出してます。今出ているビッドのなかで一番ちゃんとしてます。 詳しくは僕の英語のブログエントリーを見てください。 http://joi.ito.com/archives/000257.html...
Whiplash by Joi Ito and Jeff Howe
Freesouls by Joi Ito

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